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第38回:ノウハウを得たいなら「販促費」ではなく「投資」と考えよう(全1記事)

上司に知っておいて欲しい、社内にノウハウを貯めるのに必要なこと

Web施策を社内で行なうのは、ある数値目標を決めて達成することだけが目的ではなく、社内に施策に関するノウハウを蓄積して、今後に活かしていくという目的もあります。しかし、最初から数字を追うことに一杯いっぱいになってしまうと、だんだんと現場が萎縮していき、新しい挑戦が上がってこなくなってしまうことも。ラウンドナップコンサルティング代表の中山陽平氏によれば、そういった自体を回避するためには、上司が「半分は投資である」ということを伝え、失敗を恐れない雰囲気を作ることが重要だそうです。ぜひ参考にしてみてください。

ノウハウを得たいなら、最初は投資と考えよう

中山陽平氏:今回のテーマは、「ノウハウを得たいなら”販促費”ではなく”投資”と考えよう」です。

前回のポッドキャストに対しての反響を受けた内容でもあるんですけど、前回は「Webに関しては発注スキルを得ることを目標にしましょう」ということをお伝えしました。前回を聞いていない方は、ぜひお聞きください。

とくに組織のマネージメント階層より上のレベルの方はぜひ聞いていただきたい内容です。今回もそうです。

前回のポッドキャストを聞いた方から、「とはいっても実際に売上につながらないものには投資できない」と。なので、なんらかの判断基準があって、これならやってもいいっていうことができないと、どうしても動けないよ、という声をいただきました。

ここがもう1つの問題なんだなと思って、今回のポッドキャストでお伝えするんですけども、まずWebに関して何か施策を行なって、リターンを得る。これがベストなパターンです。何らかの形でリターンがあるというのがベストなパターンです。

とはいえ、最初はリターンなんてないことも多いんですね。つまり失敗、あるいはよくわからない、といったケースが多いです。そういった時に、確かに難しい状況だとは思うんですけど、考え方を変えていただきたいんですよ。

当然、会社の中で、そういうことをやるということは、ノウハウを貯めたいっていうことがありますよね。これからはWebがどんどん自由になっていく時代で、その中で戦っていくためにノウハウを得る。そのためにいろいろなことをやろうとしているんだと思うんですね。

だとしたら、最初のしばらくの期間は、かけている費用のうち、半分は販促費、もう半分は投資、ぐらいに思ってやっておいたほうがいいです。

売上に繋がるようなことをやってもらいたいということで、半分は販促費。残りは、帰ってこなくてもいいから、将来に繋がるようにノウハウを貯めること、それに使っているお金なんだ、というふうに上の人は捉えてあげることをお勧めします。

「失敗してもいい」と伝えないと、現場が萎縮してしまう

そうでないと、身動きが取れなくなっちゃうんですね。今ってほんとうにノウハウが細分化していて、ある1つのノウハウがすべての業種に通用するとか、同じ業種であったとしても、それが他の企業にそのまま通用するかというと、通用しないパターンのほうが全然多いです。

なのでやってみたけど、全然あそこと同じようにうまく行かなかったなんてことはよくあるんです。それに巷に転がっている事例なんていうのは、当然大事な部分、本当にコアな部分ていうのは公開していないですから。コアな部分、書かれていない部分にミソがあったりするわけです。

こういうのって、どうしようもないんですよね。なのでやってみて、ダメだったらダメだった原因を探って次に繋げるしかありません。そういった意味で、まず投資という考え方を持ってあげてください。

現場の人にも、半分は投資だから失敗してもいい。ただ絶対にそこから次のアクションに繋げられる情報を得ろ、ノウハウを得ろ、ということだけ伝えてあげてください。そうすると現場は一気に動き出します。

現場はだいたい、「これやってうまくいかなかったら上に怒られるんじゃないかな」とか、「これやってみたいけど、うまくいけるっていう稟議書を書くほどのことじゃないな」というようなことで、悩んで、足踏みして、何もできないで終わってしまう。そんなケースが非常に多いです。

これをそのまま放置するとどうなっていくかというと、効果があったんだか、ないんだかわからないような小さなことを繰り返すだけで、大きな成果に繋がらないような組織体になってしまいます。

でもそれって、経営者の方とか、上の役員の方が望んでいることではないですよね。そういうことではなくて、きちんと会社に大きく貢献する部門であったり、チームになってもらいたいわけですよね。

そうしたら最初しばらくは、例えば半年までは半分は投資だと思っているから好きにやってくれと。ただしフィードバック等は絶対にしてくれと。なんでもかんでもやっていいわけじゃなくて、「50パーセントぐらいの確率でいけると思ったらやってもいいよ」みたいな基準を設けて、動いてもらう。こういう形で下のプレーヤーを動かしていただくことをお勧めします。

現場のレベルアップのために、上司ができること

そうしないと、ほんとうに先細りになってしまって、全然全然何もしないで終わっちゃうんですよ。そうすると、進化もしない、発展もしない、スキルアップもしない、企業としても全然前に進んでいない、という状況になってしまいます。

ですので、まず最初は、お金を投資する。悪い言い方をすれば、どぶに捨てると言いますか、帰ってこなくてもいいと考える。ただ、ちゃんとフィードバックはしてください、ということでWebの施策を進める。

こんな形でプレーヤーを動かしていっていただくことをお勧めします。こういった内容はプレーヤーからは言い出しづらいものですから、ぜひ上の方からそういう方針を出してあげてください。

あるほど度成果が見込まれるようになって、プレーヤーが、「これをやったらこれぐらいの投資対効果が見込めますよ」と計算できるようになってきたら、だんだん投資の割合を減らしていって、最終的には「販促を君らに任せよう」という状況に持っていく。

というふうに、段階的に育てていくことをお勧めします。恐らくそれぐらいになってくると、現場はレベルアップしてるはずです。投資対効果とか、広告の投下に対する費用対効果とかをきちんと算出できるようになる。あるいは見積もりできるようになる。これは結構すごいスキルなんですよね。

機械的にできる部分もありますけども、できない部分のほうが多いので、それができるようになっているということは、かなりのレベルアップなので、ぜひそういったところまで成長させてあげられるように考えていっていただければ、と思います。

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