
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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小池栄子氏(以下、小池):あ、お二人を迎えて、今日はこんなテーマを用意しました。はい、「メディアの進化と融合」ということですが、龍さん、このテーマはなぜ?
村上龍氏(以下、村上):メディアというのは、インターネットの出現で、すごくそのシステムにしても機能としても随分変わったと思うんですよね。
どう変わったかというのは、あまりにもテクノロジーとかプラットホームとか、デバイスの進化が早いので、なかなかみんなうまく把握できない。
例えば僕がやっている本とか出版の世界で言うと、昔は雑誌とかがあって、それで原稿を書いて、編集者と出版社を通って、印刷所で印刷して、取次が本屋さんに卸して、読者の人がそれを買う。それしかなかったんですよね。
でも、電子書籍が出てきてからは、ものすごく複雑になって、多分映画の世界でもそうだと思うんですが、音楽とかだと、もうレコード屋さんが、大きなレコード屋さんが次々に潰れていくときに、スピードが速いなと思ったんですよ。
今、CDの発売数では、ヒット曲はなかなか計れなくて、ダウンロード数で計るというような時代なので、便利にはなっているし、広がりもあります。
けれども、複雑になってしまったので、お二人に色々とお聞きしようかなと思って、「メディアの進化」ということをタイトルにしてしまったのですが。
小池:今日来ていただいたお客様の中にも気になっている方がたくさんいらっしゃると思いますが、川上さん、角川との経営統合ですけれども、どういった狙いがあったのかを、簡単に教えていただければと思います。
川上量生氏(以下、川上):狙い。僕もあちこちしゃべって、あちこちでこのテーマを聞かれるんですが、そこで大体いつも本音でしゃべっているんですが、わからないんですよね。単純に、角川会長が一緒になろうと言っていたことはね……。
村上:わからないというのは、何がわからないんですか。
川上:狙い。
村上:狙いが。
川上:特にないんですよ、別に。
村上:ドワンゴのほうにないと。
川上:ドワンゴのほうに、角川もないんじゃないですかね。
小池:角川が持っている本や映画を具体的に活用していこうという戦略みたいなものは、おありだったりはするわけでしょうか。
川上:多分、漠然としたものはあるんだと思うんですよね。要するに、出版の従来のメディアと、ネットメディアの融合は、抽象的な話としては分かるじゃないですか。
ただ、具体的にそれがどうやったら解決があるのかというと、現時点で明確に見えているものがあるわけではないから。多分この方向というのはあるけれども、具体的にというと、それは分からないですよね。
村上:なるほどね。
川上:分からない状態で言われたので、しかもドワンゴで言われたから、「じゃあ、ちょっと、うちがやってやろう」と思っただけで。
村上:なるほど。川上さんらしいですね。僕がそのニュースを見て思ったのは、角川がドワンゴを欲しいというのは何となくわかるような気がしたんですが、で、歴彦さんもおっしゃったみたいですが、プラットホームが欲しいと。
川上:はい。
村上:だからわかるんですけれども、川上さんは何が欲しくて角川と組んだのかなというのがわからなかったので聞いたのですが、自分でもわからないのだから、もうこれで……。
川上:いや、実は、何かみんなわからないじゃないですか。わからないものをやったら、かっこいいですよね。
村上:ああ、なるほどー。
川上:できそうな気がします。はい。もうそれだけですよ。
小池:宮坂さんは、このニュースをごらんになって、何か思われることとかありますか。
宮坂:最初は驚きましたよね。でも、すごくわくわくはするニュースでしたね。それも、色々な出版社がある中で角川さんと、色々なIT企業がある中で川上さんのところというのは、両方ともある種、すごくユニークな、それぞれの業界でユニークな者同士ですから、すごく面白いですよね。
おっしゃるように、総論オーケーな形がこの頃多いんです。シナジーとかいうんですか。実際に、七転八倒になるのが多いので。でも、すごく楽しみですよね。実際にどのようになっていくのか。本当に楽しみなところですよね。
村上:「分からない」と言う経営者は、どう思いますか。
宮坂:そう言えるところがすごいですよね。僕なんて、一応分かっているふりをして、「今は言いません」というのが。
川上:でも実際に、本当は分からないことが多いはずですよね。ほとんどの経営者は。それを分からないと言えないだけで。
村上:それは具体的に言葉にできないだけで、本能的なところでは何か感じているわけでしょう。
川上:本能的な部分……うーん。
村上:結構本能的な部分があるじゃないですか、川上さんは。「これは違う」とか、「これはそうだ」とか、何か。
川上:僕は、大概うまくやっていける自信があるんですよ。どんなものでもね。別に角川というか、別のものでもよくて。
村上:角川じゃなくてもよかったんですか。
川上:はい(笑)。いやいや、角川がすばらしい理由は色々あったわけですよ。もちろん、色々あったけれども、「絶対角川じゃなければいけない」というわけではなかった。というか、絶対角川じゃなければいけなかったら、みんな、そもそもこんな質問は出ないと思うんですよ。
村上:だったら、みんなが思うように、角川が持っている書籍とか雑誌とか、あるいは昔からつくってきている映像とか、そういったものが具体的に欲しかったというわけではないんですね。
川上:欲しかったというよりは、コンテンツ業界はパワーがあるのにIT企業にだまされていいようにされてきたという歴史なんですよね、僕の目からすると。自分の持っている価値に気づかずに、ただ時間だけ経ってしまってというのがあって。本当はIT企業がもっと困るようなことが色々できるのに、何でやらないんだろうと思ったので。
ちょうど角川さんと話した中で、そう思っているような部分の幾つかを実現できればなとは思っていますけれどもね。でも、それはどちらかというと、そこをやりたいというのではなくて、「ほらっ」と見せたいというのがありますね。「こうやれば、よかったじゃん」みたいな。それを見せたいと思っています。
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