2024.10.10
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もーちぃ氏(以下、もーちぃ):では、準備している私から(笑)。私はいつも韓国の女の子をイメージしたオルチャンメイクというものをしているんですが、もともとオルチャンメイクは、「韓国の女の子をイメージしたようなメイク」と言っていました。
韓国に憧れを持つ女の子が増えてきている中で、実際に韓国人の女の子たちがYouTubeで発信しているメイクを参考にしている子たちもすごく多くて。(スライドを指して)この子は日本人の女の子にすごく人気があるユーチューバーの女の子なんですが、日本語の字幕を自分で付けて発信しているんですね。
この子は自分で「めちゃめちゃ整形しています」、「どこどこのクリニックでやってます」ということも全部発信している女の子なんですが、もともと美人じゃないというところに親近感をもたれたりしていて、日本の女の子にすごく人気です。
(動画が流れる)
こうした感じで、最初はすっぴんから始まる動画になります。どんなものを使っていますよということを全部教えてくれたりしながら、最後は「こんな感じになります」と教えてくれます。
久保友香氏(以下、久保):こうした子たちは、韓国ではそんなに重宝されていないということになるのかしら?
もーちぃ:実はそうなんですよね。この子たち、韓国でめちゃめちゃ人気だから日本で人気になったのかと思いますが、どちらかというと日本の方が人気というか、日本でしか知られていないような状態の女の子たちです。
久保:だから日本語字幕を付けるんですね。
もーちぃ:そうですね。この子たちのフォロワーのほとんどが日本人というような感じですね。私、この子の動画が大好きなんですが、最初から映せますか。
久保:映します。
もーちぃ:この子はビフォーアフターが激しいというか、あえて化粧をしている感じなんですが。日本の女の子であれば、ここまで自分の起きたまんまのところを見せられるかなというところであったりもするんです。よくよくみると、もともと目もぱっちりしていてかわいい女の子なんです。こんな感じで、日本の女の子が楽しめるように字幕を付けてくれています。
こんな感じです。ありがとうございます。
もーちぃ:最近はこんな感じで、ずっと前から韓国の女の子がしているメイクというのは、動画を見たりしながら参考にしているんです。
最近だと私は中国のメイクにもけっこう注目をしていて。韓国韓国と言っていたくせに中国か、と言うような感じもあると思いますが(笑)。
私たちの世代は「韓国かわいい」「韓国が好き」というイメージがありますが、先ほども言ったとおりで、韓国という国が大好きなわけではなく、韓国の文化であったりコスメであったり、「モノ」がかなり好きなんだといったところです。
別に言葉を覚えたいわけでもなく、旅行がしたいわけでもなかったりするという女の子がすごく多くて。もしかわいいと思うものが中国に出てきたら、「中国が好き」と言っちゃうくらいで、そういうものなのだろうと思っています。
今、「かなりオルチャンに近いんじゃない?」っていうメイクが中国からも出てきていて並べられたら、正直中国と韓国の違いがわからないくらいなんです。中国からもかわいいメイクがいっぱい発信されてきているなと思っています。
(スライドを指して)この、「チャイボーグ」というハッシュタグや、「チャイナカワイイ」というハッシュタグもかなり盛り上がっていて、私はこのアカウントをよく見ているんですが、フォロワーも7万人くらいいて、いっぱい女の子が見ているようです。このアカウントは中国の超富裕層ですよね。超お金持ちの女の子たちのビューティ動画のようなものを上げている動画です。
久保:中国の方だけど、日本人向けに情報発信をしているのですね。1人だけじゃないのか。
もーちぃ:そうですね。このアカウントは日本人の方が運営しているんですが、中国のいろんな女の子のビューティ情報のようなものをひっぱってきてくれて、まとめているというようなアカウントですね。
久保:すこし前は「韓国人になりたい」と言っていた人はもーちぃさんに教えてもらったんですが、最近では「中国人になりたい」という声がけっこう上がっているということですか。
もーちぃ:そうですね。「中国人になりたい」はちょっとわかんないんですが、「韓国人になりたい」というハッシュタグがめちゃめちゃ盛り上がっていて……今何件あるのかな。ハッシュタグだけで相当な数が出ていましたね。
もーちぃ:ちなみに、「アメリカ人になりたい」のハッシュタグは本当に300件くらいしかなくて、ぜんぜん盛り上がっていないんです。とにかく「韓国人になりたい」というハッシュタグがすごく盛り上がっていて、韓国のアイドルグループに多国籍の女の子が入っていたりもします。
例えば「TWICE」。TWICEには日本人のメンバーが入っていることで有名なんですが、他にも台湾の女の子が入っていたり、他のグループだったり、中国の女の子が入っていたり、タイ人の女の子が入っていたりもするんですね。
その中で、「台湾オルチャン」という言葉が出てきたり、「中国オルチャン」という言葉が出たりして、もはや中国なのか韓国なのかよくわかんない感じになっていたりするんです。韓国っぽいメイクを楽しんでいる中国のかわいい子の姿を、日本の女の子が楽しんでいたりするような現象が今は起きています。
今までは、中国の女の子たちが発信している美容情報が日本に届けるのは、かなり難しかったと思うんですが、こうしたアカウントができてきたり、「かわいい」とか「盛り」に国境がなくなってきているというか、国を国として見ていないというか。あくまで「かわいい」の対象として見ているといったところで、こうした広がりができてきていると思います。
久保:中国のメイクが注目されてきていることについて、中国の中ではどうなんですか?
静電場朔氏(以下、静電場):このアカウントは初めて見るけど、TikTokスタイルのような感じですよね。やはり中国は大きいから、中国スタイルとはいったいなんだろうと。中国の女の子もすごくわかんないなという感じがする。
「中国スタイルとはなんですか」と言われると、やはり他の国の声から聞くと、今は先ほど見た韓国風のメイクのようなものや、すっぴんからメイク後のいい状態になっているところまでの動画が増えています。みんなしっかりやっていますね。
もーちぃ: TikTokの影響は大きいかもしれませんね。
静電場:たぶん、Weiboのメイクアップコミュニティの中に、実は日本と韓国とは違うポイントが1つある。例えば、化粧品による肌に対しての影響や、化粧品の成分、その中での混合比率といった審美の知識がすごく増えていますよね。「この化粧の中に変な成分があるのはなぜですか?」といったような、こうした情報が今は増えていますね。
久保:中国のほうが気にする?
静電場:みんなめっちゃ厳しい。例えば「化粧をしているけど、ぜんぜん効果がよくないのはなぜですか?」「なぜノースシャドウをしているけど不自然になるんですか?」ってことを、しっかり教える人がいます。
久保:そうなんですね。
静電場:みんなすごく厳しい。メイクアップの動画の下に並ぶ、みんなのコメントがけっこう厳しい。
久保:それはなんのツールで?
静電場:Weiboやbilibiliなど、動画サイトで。例えば、先ほどのような化粧を教える動画があっても、実はやっている方法が間違っていたり、使っている化粧品に偽物があったりすれば言われます。例えば、ユーチューバーの人が謝ったり。「すいません」というか「すまなかった」と。
(一同笑)
もーちぃ:えー、炎上しそう。炎上しやすそうですね。
静電場:オタクのような精神なので、「このクリームは敏感肌に使えますか?」とか。この中に入っている成分であるメチルパラベンに対しての批判があったり。
(会場笑)
久保:成分なんだ。
静電場:そう。見るとすごくみんな理系女性というか。たぶん、化粧好きな女の子は、その成分を勉強している人ではなくて、自分がもっと美しくなるために自分で勉強するのです。
久保:それは専門家じゃない、一般の人が投稿しているんですか。
静電場:ちょっとオタクっぽい方ですね。
久保:思っていた以上にそうした交流がもう盛んなんですね。
静電場:今はWeiboからみると、成分に対して、メイクアップの方法について、みんなの議論がすごく長くなって、コメント争いもあって、最後は仲良しになってと言うような。
(会場笑)
久保:そこも中国語ですごい勢いでのやりとりがされているわけですね。
静電場:そうですね。はい。
久保:気になります。まおさんなんか中学生くらいのときから、そのときはFacebookを使って世界中の人と交流して、メイクやファッションの情報交換をしていたんですよね。
まお氏(以下、まお):そうですね。基本的にしているのは日本のメイクなので。
久保:でも、日本人がいなかった。
まお:日本人はいなかった。でも、つけまつげの種類は普通に日本のもので、ファンデーションなどは各自国の人たちが使っているものだから、そこは触れないというような。
久保:ああ、そうか。そこは触れないところ。
まお:触れないところ。代表的なギャル目を作るためのカラコン(カラーコンタクト)であったり、つけまつげくらいですね。
久保:なるほどね。こうしたアイメイクはおもしろいですよね。
まお:そうですね。
久保:化粧品じゃない雑貨というか。
まお:道具のような(笑)。そうした感じで。
久保:そうですね。ファンデーションなどは成分や、もともとの肌の色で使うものが違うから、そこはなかなか歩み寄れない。
まお:例えばカラコンは、韓国に日本で売っているものがあるんですよ。つーちゃん(益若つばさ)のものとかも普通に売っているんですが、あれはもともと韓国で売っているカラコンなので。そうしたカラコンを買いに行って使っていたりしましたね。
久保:情報からそれを知るわけですよね。
まお:形で知りましたもん。形を見て研究したというか。
久保:「これ、あそこの工場かな?」というところまで。
まお:「これ、つーちゃんのものか」というように。
(会場笑)
そのような感じで探して使っていたりしました。
久保:なるほどね。スキンケアの部分と、盛るものとは違う。中国でつけまつげやカラコンはどうなんですか?
静電場:5年くらい前まではすごく流行っていました。今はナチュラルの方が、もっとアジアンっぽいブームになっていて。ギャルのブームは5年前ですね。あと、みんな時間がないというか。最近はつけまつげではなくて、1本1本……。
まお:ああ、エクステ。
静電場:はい。あれは流行っていますね。
久保:一緒ですね。あれを作っているのは中国ですもんね、きっと。あの1本1本を……そうでもない?
静電場:日本にもあるけど、日本との差がない。
久保:この間、深センに行ったときに、広州で作られたエクステ用のまつげを売っているのをよく見かけました。
静電場:自分ではできないですよね。サロンで人からやってもらう。私は行ったことがないけれど、友だちが自分のまつげの隣に他の人の……何人の毛かはわからないけど、すごく自然にすき間の中に入っていったり。
久保:そうですね。
まお:中国に光るつけまつげが売っていて、けっこうギャル電でも使っているんですよね。
久保:私も今日それも持ってこようと思っていました。
(会場笑)
でも、今のまおさんのお話だと、アイメイクなどの「盛る」的なものについては、やはり日本のものが使われるんだと思った。
まお:やはり、日本のものが一番。
久保:だけど、工場は日本でないと言うことですよね。
まお:そうそうそう。
久保:日本の文化を盛りあげる道具になると考えたんですが、まおさんのようにわかっている人は直接工場のあるところへ行っちゃうから。情報がこれだけ流れる中では、日本に何も残らないかもしれませんね(笑)。
まお:実際に安く買えたりしちゃうんで、という部分もありますね。でも、パッケージングなどはやはり日本の方がめっちゃカッコいいんで、それを買うと「本物のブランドが買えた」という気持ちにはなれるんですが。
久保:でも、実際につけるときはどうでもいいもんね、パッケージはね(笑)。韓国のものもかわいいですけどね。パッケージも、全部。
久保:すいません、だいぶ時間が過ぎてきてしまったので。一応、全員にお話をうかがったかなと思います。時間は過ぎたんですが、質問などありましたら、ぜひ。せっかくの機会なので。
質問者1:弊社では「SNOW」というアプリを作っていまして。韓国であったり、中国であったり、海外のどこでも似たものが出ていると思いますが、また少し違うじゃないですか。顔をきれいにするというよりも、フレームでなにかを付けるのが一昔前はめっちゃ流行っていました。現状はどんな感じなのか、リアルを知りたいと思っています。
静電場:中国ではめっちゃ使います。あと、2つの顔が変換できるアプリ。あれも超流行っている。自分の目など別の人と入れ替わるもので、あれはすごい人気です。
久保:入れ替える方が人気。
静電場:おもしろいから。きれいとは関係なくておもしろいだけ。笑えるくらいに効果がある。
まお:タイでもSNOWはすっごく流行っていたんですが、最近はInstagramに同じような機能ができたじゃないですか。それでけっこうみんな乗り換えていると思うんですが。SNOWでもタイのオリジナルの背景であったり、変換するものがあったりするので、それで未だにイベントごとに使われていたりはするかと思います。
久保:意外とSNOWはローカライズされてるんですよね。
まお:ローカライズされたものは、すごく使われているという印象がありますね。
もーちぃ:SNOWさん、大変お世話になっております(笑)。日頃使わせていただいているんですが、SNOWはかなりスタンプを付けられるんで、めちゃめちゃ流行って遊んでいます。
同じような機能のアプリがいろいろとある中で、「このアプリは顔がシュッて映る」とか、「これはかわいい系に映る」といったように、アプリによって特色があって。それぞれみんな、フィルターが好きであればこのアプリを使いたいなどというように、使い分けをしている子が多いと思います。
アプリソムリエっていうくらいにみんな詳しくて、「私はこれで撮りたい」という女の子がかなり多いと思います。その中で、SNOWファンというのも根強くいると思います。人気のフィルターという面では、メイクが少しついてくるようなフィルターが人気です。
以前は猫やうさぎだったり、スタンプがついてくるようなものが人気だったと思いますが、今はナチュラルにメイクがついてきて、なにか動物になりきれるというよりは、自然に自分をかわいく映せるというようなスタンプが、私たちの中ではけっこう人気があると思いますね。
それ以外だと、今、スナチャ(Snapchat)で流行っている、赤ちゃんになれるフィルター。そんな感じで、フィルターが1個バズったときは、みんなそれを撮りにSNOWに遊びにいったりしている感じがありますね。
久保:SNOWがどうローカライズされているのか全貌が知りたいです(笑)。すこしずつきっと違うんですよね。
久保:他にどうしても聞きたいことはありますか? ……あ、では、最後でお願いします。
質問者2:もーちぃさんに質問なんですが、先ほど自撮りと他撮りで、他撮りのほうが評価がいいとありましたが、これに国籍の差があるのかどうかをうかがいたいです。
もーちぃ:国籍の差というのは?
質問者2:日本人のフォロワーの方が他撮りに「いいね」を押すのか、海外も日本も他撮りのほうに「いいね」を押すのか、それは全体的な話なのか。国によって違いがあるのかなどがあれば。
もーちぃ:そうですね。基本的には日本人のフォロワーの子の話だと思います。私のフォロワーも圧倒的に日本人の子が多いんですが、「他撮りのほうが『いいね』がつくよね」と言う話はあります。
私の周りにもインスタグラマーの女の子が多いんですが。彼女たちもフォロワーのほとんどが日本人の女の子たちで、自撮りの写真と他撮りの写真で、「いいね」の数だけを比べても、ぜんぜん倍以上「いいね」の差がついたりすることも多かったりする。でも、日本しかわかりませんね。すいません。大丈夫そうでしょうか。ありがとうございます。
久保:ありがとうございます。もう本当に話したいことが止まりません。控え室にいたときから大盛り上がりをしていたくらいなので。
でも、今日はその中のほんの一部でも、具体的に本当に生の声をお聞きしたかったので、それを聞くことはできたかと思います。これをきっかけに、私どももさらに深めていきたいと思いますので、今日はここまで。どうも一緒にありがとうございました。
(会場拍手)
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