CLOSE

DMM.Africa採用説明会(全2記事)

「インドは孫さんが行ってるから…(笑)」DMM亀山会長が投資する、5年後のアフリカ市場

2016年2月26日、DMM.Africaの新卒向け説明会に、DMM.com会長・亀山敬司氏が登壇。DMM.Africaのプロジェクトの概要や今後のグローバル展開について説明しました。講演後の質疑応答では、現在勢いのあるアジアやインドの市場ではなくて、アフリカ市場に人材を投資する理由と5年後の事業の可能性について語りました。(DMM.Africa公式サイトはこちら)。

アイデアがあるなら、東南アジアでもどこでもいい

質問者1:私は今、タイ語を勉強しているのですが、アフリカだけでなく、東南アジア進出についてなにかお考えでしょうか?

亀山敬司氏(以下、亀山):さっきも言ったけど、進出するのはどこでもいいよ。結局、ウチにお題があるんじゃなくて、みなさんにお題をつくってほしいということです。

タイでこういうのが流行ってるから、中国から仕入れて、タイを通してアフリカで売ろうとかでもいいわけよ。

俺は来月で55歳になるんだけど、正直言って歳だからわかんないんだよね。『艦これ』もわからなければ、アフリカもわからない。ちょっと旅してライオン見たくらいで、サッパリわかってないんだよね。

だから、ウチの社員といろんな外国の人、例えばスペイン人がいたり、アフリカ人がいたり、中国人がいたりというなかで、共通言語を日本語にして、その中でやりとりしながら、「ここで今これが流行ってるよ」「じゃあこっち送ろうぜ!」と話を決めてくれたらいいということ。なので、いろんな国籍・多様性がほしいと思っている。

アフリカは5年先までビジネスにならない

質問者2:アフリカの強みをうかがいたいです。インパクトと企業があまり進出していないという理由でアフリカを選んだという話ですが。例えばインドの人口はアフリカの全人口よりも多くて、IT先進国であるという部分があるので御社の強みを活かせる国だと思います。そういう国があるなかで、なぜアフリカを選んだのか?

亀山:インドは孫さんが行ってるから。先回りするならアフリカのほうがいいのかな〜みたいな感じ(笑)。大して意味はないよね。

たしかに言うことはその通りで、実はアフリカは5年先までビジネスにならないと思ってて。中国が10年前と比べて今伸びてるような感じで、アジアもその半ば辺りに差しかかってるし、アフリカはもうちょっと後回しって感じかな。成長率とか可能性という点で言えば、5年後くらいにチャンスがあるかな? ということです。

さっき言ったように、アフリカはやっぱり中国人が多いね。中国人100人に対して、日本人1人というイメージ。本当は中国人が100人いたら、日本人が10人いてもいいわけよ。規模的にはね。でもその辺が少ないかなというなかで、残り9人分空いてるよねっていうことかな。

アフリカ進出に関しては、中国のほうが長けてるしたくましい。「それいけー!」みたいな感じで、いろんな投資をしてると思うけど、日本はちょっとボヤボヤしてるんじゃないかな。今のところは、三菱とか大きい企業しか行ってないし。

なので、4~5年先になったら、日本中の会社に「俺たちがアフリカのこと教えてやるよ」みたいな、そういう窓口になれたらいいんじゃないかな。

今はインドとかアジアが旬な時期で、ここ1~2年で仕事になりやすいのはアジアのほうだから、別にそっちに行ってもいいよ。

必要なのは良いプランとやる人間

ビジネスは人ありきで、良いプランとそれをやる人間が必要ということ。どんなにおもしろいプランがあっても、実際にやるやつがいないと前に進まないんだよね。たまたまやるやつがいて、おもしろいと思ったらやる。

例えばDMMFXは、自宅の近所にたまたまライブドアでFX作ってた人がいて、バーベキューで出会って「FXできるの?」「ウチで作れるよ」「じゃあ、やりましょう!」と言って始まったの。仕事のきっかけなんてそんなもんだと思うよ。それを成長させるにはもちろん努力もいるけれども、初めの「やる」というのはそういうこと。

なので、たまたま俺が半年くらい前にアフリカに旅に行ったときに向こうで知り合った人が、「僕、年商400億稼いでま~す」と言ったことに、そそのかされているだけなんだよね(笑)。

今後、アフリカの事業を成立させるのは、ここでの皆さんとの出会いかもしれないし、その後君たちが出会う人によるかもしれないね。

今後、俺ができることはその程度なんだよね。可能性がありそうなところに人を送るとか、お金を入れるということだけ。そんなところです。

質問者3:亀山会長が考える、筋のいいビジネスプランにはどういった要素があるんでしょうか?

亀山:詐欺じゃないということくらい(笑)。これはよく笑われるんだけど、どんなビジネスにもけっこう詐欺まがいなことがいっぱいあるのよ。建築だろうが、農業だろうが、どんな分野でも。

あと、1回だけのスポット取引よりも、継続できるのがいいかな。雇用の件もあるし、なるべくそこで長期的に利益がとれるプランが筋がいいかなと思いますね。

アフリカでコネをつくる価値

質問者3:DMM英会話を始められた際に、当初は「利益を度外視して市場をとっていけ」と指示されたとインタビューで読んだんですけれども、DMM.Aficaを始める際にも、大きな市場を狙っていくのか、まずは利益を出していくことを目標にしているのか、どちらなんでしょうか?

亀山:とりあえずは、全体の利益はマイナス5億から始まると思うんだよね。その後はいろいろあると思うけど、たぶんよっぽどの実力がなければ、始めから何十億、何百億って話にはならないと思ってる。

だから、例えば「向こうで小さいパン屋開きました」というのもありだね。というのは、若いやつらがアフリカと関わっていったときに、そこでパン屋をやっていた経験が、すごい価値のあるものになると思うからなんだよ。

例えば、10年くらい前に中国で仕事してて、地元に精通してますよという人がいたときに、その人を頼っていろんな人が集まると思う。

だから最近だと、アメリカが国交回復したイランとかキューバとかミャンマーとかでも、ホリエモン流で言えば「ファーストペンギン」というやつかな。早めに飛び込んどいたら、自分たちの1つの能力になると思うんだよね。

なので、DMM.AfricaはDMMにとっては先の投資なんだけど、自分たちにとっても投資になる。みなさんが5年先、10年先を見て何に投資しておくかだね。日本でコネクションをつくるよりも、向こうでいろんな人とのパイプを作ったり文化を学んだほうが、個人の能力も高まるんじゃないかな。

そして、そういった能力が高まったスタッフが、ウチの中にたくさんいれば、そのなかでビジネスが生まれるんじゃないかという、これもざっくりとした考え方なんだよね。

1人で向こう行って起業する手もあるけど、ウチのほうがおいしいところもある。自分だけだとできることの限界もあるし、「身体壊しました〜」「暑くて辛いです~」と適性なしで帰って来ることもある。

でもウチの社員だと「それなら日本のエンジニアになれ」とか「営業やれ」という対応ができる。英語ができて、アフリカに行ける根性があるやつなら、最悪アフリカの水が合わなくても、ウチのほうでなんとかモノにできるだろうみたいな感じです。

どちらにしてもアフリカのコネクションは持っておいたほうが得だと思うよ。運転免許とか、ITリテラシー並に高いスキル。アメリカとか行くよりよっぽど希少価値があると思う。

亀山会長がアフリカ旅行で感じたこと

質問者4:半年前にアフリカに行かれたという話を以前うかがったんですが、そのときのファーストインプレッションとして、行かれた国の足りないモノやあり余ってるモノなど、感じたことがあれば教えていただけたらと思います。

亀山:アハハハ。遊びに行ったんだよ。ファーストインプレッションと言っても、「あっ、カジノあったー!」とか「ゾウに会えた~!」とか、そんなことばっかり考えてたんでね(笑)。あんまり仕事とは関係ないことばっかりで驚いてた。

最後の3日間くらいだけちょっと金儲けバージョンの頭になったかな。ジンバブエとか経済破綻したって聞いてたけど、ドルを使ってたから、「稼ぐならドルのほうがいいや」みたいに思った。あとは、意外とスマホ持ってる人が多いね。

全体的に思ったよりも、教育、経済、治安がいいと感じた。もちろんアフリカ全部じゃないから、まだまだ紛争があるところとか、危険があるところがあるかもしれないしけどね。ただ、日本人が思ってるアフリカよりは、文明が発展してるというイメージが強いね。

若い内から「信念」なんて持っちゃいけない

質問者5:会長が思う、事業をつくれて、人を雇って継続して利益を出せそうな新卒というのはどんな経験や考え方、人柄の方が多いんでしょうか?

亀山:「ん〜、どんな?」……面接のときにヒントにするといけないから言わない(笑)。どうやったらこの会社が自分を良いと思うか? それは各自頑張って下さい。

質問者6:事業内容も多種多様で、そこで働く社員さんもかなり多様な人材が集まっているというイメージなんですけれども、亀山会長がビジネスを行う上で、ブレない軸というか、大切にしている信念のようなものはありますか?

亀山:信念を持たないことを信念にしようと思ってますね(笑)。どんどん変わっていけばいいんじゃないかなと思ってます。ほかの事業に関しても、俺が辞めた後も死んだ後もそれぞれが自分で考えていってもらいたいかな。

いずれにしても、俺は俺のやりたい方向でやりたいことをやるので、自分たちは自分たちで考えて、この会社のなかで自分が活かされると思えたら頑張れば良い。誰かに言われたとおりのことしかできないってのはつまんないと思うので。

一人ひとりがどう生きるかとか、どう仕事するかとか、どこに行って何をやるかとか考えてもらえたほうがおもしろいかなという感じです。それも日々変わっていけばいいし。

特に新卒の方は、まだ20歳そこそこで「信念」なんて持っちゃいけない。まだ柔らかいうちに、いろんなものを見ておいたほうがいいと思います。「俺はこうなんだ」とか、あんまこだわっちゃいけないと思うよ。

今、うちで太陽光をやってる中国人がいるけど、そいつなんて5年前にウチに入ってきたときは、「水餃子の店をやりたい」って来たわけよ(笑)。「水餃子はダメだけど、太陽光発電やってみるか?」と言ったら、いまでは何十億もの売上あげて、利益を出してくれるスタッフになったし、本人も楽しんでる。

なので、業種に関しても国に関してもそんなこだわらなくてもいいかなと思います。アフリカも1つのシンボル的な考え方でいいと思うので、そういったことも含めておもしろいと思ったら受けてみて下さい。

という感じで、締めたいと思います。じゃあごきげんよう。 

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • グローバルキャリアは「うまくいかなくても当たり前」 石倉洋子氏が考える、世界で活躍する人がすぐに行動を起こせるわけ

人気の記事

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!