2024.10.10
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司会者:さて、それでは次のテーマにいきたいと思います。今度は「キャリアメイク自己確立」になります。「自己確立」とは、「自分自身がどういう者であるのか、自分自身でしっかり理解していくこと」だと思いますが、どうでしょう。ざっくばらんになんですが、葉一さんは周りの方々から、どんな人だと思われているんでしょうか?
葉一氏(以下、葉一):どうなんですかね。今はけっこういろんな捉え方をされていると思いますが、YouTubeを始めた頃は、授業をしているので、「しっかりしている」とか、一種の「聖人君子」みたいに思われがちだったんですよね。
それは「まずい」と危機感を持ちました。YouTubeで発信する内容も変えつつ、そこを崩しにいったんですよ。けっこうな裏話していますけど(笑)。「聖人君子」って、「いい人」って、輝いているじゃないですか。自分の輝いている一面がボンと出ちゃうんですよ。
そうすると、他の多面的なところが見えなくなっちゃうんですよね。自分は人間って多面的なほうが魅力的だと思っているんです。そこで、多面性を見せるために、YouTubeでコラボ動画を始めたりしたんです。やはりコラボしている時はけっこうふざけたりもするので、「え、あの人こんなことするんだ」みたいなシーンもあるんですね。
でも、そういったものも、けっこうギャップじゃないですけど良いと思うんですよ。例えると、学校の先生で、文化祭でちょっとおもしろいことする人いませんでした? 歌唄ったりするじゃないですか。
司会者:ちょっと仮装したりして。
葉一:あれって捉えようにもよりますが、子どもたちからすると、先生との距離感が変わる瞬間なんですよね。ああいうのを自分の中でも大事にして、YouTubeをやってきましたね。
司会者:なるほどね。そういう意味での「自分作り」も大切にされているわけですね。
葉一:大切にしていますね。
司会者:ありがとうございます。ご家族からはどう見られていますか?
葉一:家族は......(笑)、妻はまったくYouTubeを見ない人なので。
司会者:そうなんですか。
葉一:まったく見ないです。自分の動画、1本も見たことないです。
司会者:じゃあ仕事は仕事。家にいる旦那さんは旦那さんという感じですかね。
葉一:そういう感じですね。息子が2人いるんですが、小2の長男は、自分の動画がすごく好きで、今は「ユーチューバーになりたい」と言っているんですよ。「YouTubeで勉強を教えたい」と。
司会者:へえ! 父親としてはすごく……。
葉一:うれしいですね。「大変だぞ」とも思っていますけど(笑)。でも、格好いいじゃないですけど、ちょっと憧れてくれているのかなとは思います。
司会者:撮影はご自宅でされているんですね?
葉一:ほぼ99パーセント自宅ですね。
司会者:ということは、近くでお子さんたちが見ていらっしゃる。
葉一:そうです。そうです。
司会者:なるほど。いいですね。お父さんの背中を見られますね。
葉一:そうですね。本当に、そう思ってくれてよかったです。
司会者:ありがとうございます。ということで、だいぶ終盤にかかってまいりました。このように、葉一さんから「キャリアステップ」や「キャリアイノベーション」をする上で「こんな考え方」「こういう力」が必要だとお話をいただきました。
私たち「J Career School」としても、大切にしたい「6つの力」を設定しているので、ご紹介させていただきます。
今、画面に出ていますが、「キャリアイノベーション」に必要な力ということで、「観察力」「分析力」「洞察力」「調整力」「指導力」「IT活用力」があります。これは1つの例です。この6つは、これからリーダーになる人たちに、特に大切な力かなと。
またそこからワンランク上になって、管理職で本格的に経営に参加していく時には、違う力を設けていくんです。
葉一:そうですね。
司会者:これに似たようなもの、葉一さんにもありますか?
葉一:(笑)。
司会者:実は事前にお願いして、葉一さんが今まで生きてきて感じた「キャリアイノベーション」というものを考えてきてもらっています。葉一さんといえば、ホワイトボードの板書なので、書いてきていただきました。
葉一:こんな格好いい言葉じゃないんですけど、すみません(笑)。
司会者:いえいえ。こちらですね。「自己を知る」「ブランディング力」「ビジネスバランス力」「アンテナ力」「経験を活かす力」「止まらない力」とありますね。聞いている方々も、「あの話はこの力だな」と感じられていると思います。
司会者:この中で、どれも均等かもしれませんが、ご自身で特にこだわっているところはありますか?
葉一:「経験を活かす力」は、すごくこだわっています。学生時代なども含め、これまでにいろいろな経験をしてきました。その経験が無駄だったのか、それとも意味があったのか、これは後付けできると思うんですよ。
過去の事実は変わらないじゃないですか。でも、意味合いは変わると思っています。いろんな道をたどってきましたが、「昔の経験が今の自分に活かせている」と意味付けするのは、誰よりも得意な気がします。なので、この力はすごく大事にしていますね。
司会者:そうですよね。いろんな点を結んでいくのは今の自分ですよね。
葉一:そうですね。
司会者:私から見て、「そうか」と思ったのが、「ブランディング力」ですね。やはり要所要所で、私が今教えているマーケティングに通じるものがあるなと。
ブランディングとは、ビジネスで、あるいは人間関係でも同じだと思うんですが、「自分が相手にどう映っているか」を意識すること。あるいは、「自分が相手のために何ができるか」「どんな部分で役に立てるか」もブランディングには必要なんですよね。
単なるイメージではなくて、相手にどれだけ支援ができるか。そういう企業が今、どんどん周りから受け入れられている。「ただものが売れればいい」「ただ良いものを作ればいい」ではなくて、そのコミュニティなり、一人ひとりをどれだけ支えてあげられるか。信用してあげられるかというところが大切。
葉一さんの「多面的に相手に映っていきたい」といったことも、「ブランディング力」につながってくるかなと思いました。
葉一:ありがとうございます。
司会者:あと「ビジネスバランス力」、このあたりはどうですか?
葉一:自分は組織ではなく個人でやっているので、決定権も全部自分、正直言うと失敗の責任も全部自分なわけですよ。「ビジネスバランス」って複合的な言葉を使っちゃいましたけど、これは「自分の機嫌は自分で取ろう」ということなんです。
特にYouTubeなんて、登録者数や再生回数といった数字の世界なので、「結果がすべて」と言うこともできると思うんです。「再生されればいい」というやり方もありますよね。でも自分はそれだとモチベーションが持続できないんですよね。どちらかというと、数字で計れない「どれだけ子どもたちを支えることができたか」を大事にしている。自分のビジネス、存在を大きくするためには、何が必要で何が大事なのかを考えると、この1点だけだなと。
数字だけではなく、複合的な要素で自分の機嫌を取る。そのバランス感覚がすごく大事な気がします。いろんな要素を俯瞰的に見て、自己分析をして、モチベーションを維持し続けた10年間でした。それをこの言葉で表したんです。
司会者:お話をうかがっていると、すごく「考える」ことを大切にされている方なんだなと、伝わってくるんですが。
葉一:ありがとうございます。
司会者:人って、何かを考える時に、ごちゃごちゃしてしまったり、その時によって優先順位が違ったりするじゃないですか。葉一さんは、いろいろなことを考える時、どのように整理していかれるんですか? 書くんでしょうか? それとも人と話したり……。
葉一:まさしく両方ともよくしていて、話せる相手がいる時は話しちゃいます。けっこう人と話す中で、「自分、こんなこと考えてたんだ」と気付く瞬間が多いので。わりと人と話すことは大事にしています。
自分1人しかいない時や、今のようにコロナ禍で人に会いにくい場合は、頭の中がグシャグシャになっていると思った瞬間、もうなぐり書きで書き出します。とにかく自分の頭の中にある情報を言語化して、アウトプットする。それでつなげていって、いらないものを消していきます。
自分、2つのタスクの同時並行がすごく苦手なんですよ。なので、優先順位をとにかく付けて、「どっちが大事なの? 何が一番大事なの?」を明確化して、「今、大事なのはこれ」と狼煙を上げて生きていくタイプです。
司会者:それを他の方にも伝えるんですか?
葉一:伝えます。「自分は今、こういうことを思っているよ」というのを、子どもたちにも発信します。そうしながら、さらに自分の思考をアップデートしていくんです。
司会者:思考をアップデート、いいですね。
葉一:ありがとうございます。
司会者:ありがとうございます。さて、最後となりますが、葉一さんにとって「キャリアイノベーション」とは何なのか。それを表現すると、どんな言葉になるんでしょうか。視聴されているみなさんにお聞かせください。
葉一:そうですね。やはり真っ先に思いついたのが、「自分らしさ」ですね。「自分らしさのアップデート」が大事だと思っているんです。
より自分らしく生きていくためには、「自分らしさ」≒「キャリアイノベーション」だと思っていて。得意、不得意もあるので、自分と向き合うことって必要じゃないですか。
自分に向き合って進めていき、イノベーションを起こしていけば、結果的に3年前より自分らしくなっていますよね。きっと3年後はもっと自分らしくなっているはず。そういう意味で、「アップデート」という言葉を使わせてもらいました。
司会者:なるほどね。そのためにはいろいろ書き出したり、人と話したり、あるいは自分の過去を否定しないで、ちゃんとそれを今の自分がつなげてあげると。そういったことをやっていらしたんですね。
葉一:そうですね。
司会者:なるほど。アップデートというと、私たちJ Career Schoolの大元は学校法人で、学園なんですね。専門学校、大学等で学んでいる学生がたくさんいます。そういった子たちがまさに今、社会でいろんなことを経験しているんですね。
やはり絶対に、経験を無駄にしてほしくないんですよね。経験に、また新しい何かをかけ合わせて(アップデートして)いってもらえるといいなと思って、私たちも支援しています。葉一さんのお話を聞いて、「自分らしさのアップデート」、すごく納得のいくお言葉だなと思いました。おそらくみなさんもそう感じられたと思います。
司会者:今日はオンラインで進めてきましたが、質問が何点か来ているので、ご紹介させていただきます。
葉一:生放送の質問って緊張しますね(笑)。大丈夫かな、俺。
司会者:けっこういただいています。
葉一:本当ですか? ありがとうございます。
司会者:ご感想もいただいています。「客観的想像力を働かす。とても大事だと思います」と。
葉一:ありがとうございます。
司会者:「私も授業を受けたいと思いました」というご感想もありますね。
葉一:ありがとうございます。
司会者:では質問にまいります。「私には大学生の息子がいます」。
葉一:親御さんですね。
司会者:そうですね。「自分のキャリアの分岐点にいるようです。進路に迷っている息子に、どんな言葉をかければ良いかと思っているのですが、葉一さんであればどのような言葉をかけるでしょうか」とのことです。
葉一:自分も息子がいるので、大学生になった息子を想像してみました。もし、息子さんが悩まれているキャリアの選択肢について、親御さんが知識を持っていて、アドバイスができるのなら、話をしたらいいと思います。
葉一:でも、もし分野が違うとなると難しいじゃないですか。その場合、自分ならアドバイスはあきらめますね。それでどうするかというと、一緒にご飯を食べに行ったり、リラックスをさせる。悩む時は(いっしょに)悩む。
(進路は)自分で見つけるしかないので。他の部分で、精神的にリラックスできる時間を作るとか、お子さんの好きな料理を作るとかでもいいと思うんです。自分だったらそっちに回っちゃうかもしれないです。
親のアドバイスって、他の方が言うより、子どもに届きにくいんですよね。なので、自分がどうこうしゃべるよりは、「悩みをダイレクトには解決はできないけれど、他でちょっと縁の下の力持ちになるよ」ぐらいな気持ちでいるほうが、息子さんにとっても心地いいんではないかなと。
司会者:父親としてのお言葉だな、とすごく感じました。
葉一:そうですね。
司会者:逆に先生たちは、そういったこと(進路について)に答えられるけれども、家族じゃなきゃできないことってありますもんね。
葉一:そうなんですよ。もし息子さんが、親御さんに「こういうのさぁ、どう思う?」と聞いてきたら、全力で答えてあげたらいいと思うんです。でも、頼ってくるまでは、縁の下の力持ちでいいんではないかなと思いました。
司会者:親御さん、大丈夫でしょうか。
葉一:(笑)。
司会者:もう限られた時間になっちゃうんですが、「続けるためのモチベーションのアップはどうされているのか、教えていただきたい」。
葉一:今10年目なんですが、かつてを振り返ると、実はこの活動の1~2年目が一番叩かれたんですよ。見てくださる方が少ないのに、一番叩かれるという辛い時期があって、逆にあれがよかったのかなと。
本当に反骨精神で、「見てろよ。コンチクショー」と思いながら毎日撮っていました。自分が届けたいのは子どもたちなんだと。当時叩いていたのってたぶん社会人の方だったんです。届けたい子どもたちに届いていないのに、止めるのって筋が通っていないじゃないですか。だから、それまでは続けようと思っていましたし。
自分の叶えたい夢は、「勉強、学習って、YouTubeのような無料のプラットフォームでもできるんだよ」ということを日本に広めることなんです。まだ絶対叶っていないんですよ。それが叶うまではやはり止められないので。
それが叶った時に、モチベーションがバンと下がるかもしれないですよ。でもそれは、未来の自分に任せればいいだけなので、今はそれ夢の実現だけを見据えています。自分の場合は、それがモチベーションを保つ秘訣かもしれないですね。
司会者:ありがとうございます。「自分の夢」「思い」を、すごく大切にされていますね。
葉一:していますね。
司会者:ありがとうございます。では、もっともっとお話をうかがいたいのですが、残念ながらお時間になりました。本当に葉一さん、本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございました。
葉一:ありがとうございました。
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