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東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法~「そこまでやるか!?」結果を出すために考え抜かれた驚きの【情報整理・記憶定着・理解定着・進捗管理・勉強法】(全6記事)

「良い点を取りたい」は、かえって点数が悪くなる? 『ドラゴン桜』監修が語る「目的・目標」が必須である理由

紀伊國屋書店にて、『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』の刊行記念イベントが開催されました。本セッションでは、​​現役東大生の著者・片山湧斗氏と、同じく現役東大生で、ドラマ『ドラゴン桜2』の脚本監修を務める西岡壱誠氏の対談の模様をお届けします。東大生のノートには、「天才」と呼ばれる彼らの思考の本質が詰め込まれていると語る片山氏。本記事では、ノートをとる上で大切な「目的」について語られました。

自分に合うノートのとり方を見つけるための本

司会者:次は時間の使い方についての質問です。「そんなにノートをとる時間がありません」。

西岡壱誠氏(以下、西岡):(笑)。そりゃそうだよな。

司会者:「自分に合ったノートを見つけるにはどうすればいいですか?」というお悩みが来ています。

西岡:まず前提で間違っているかもしれないので言わせていただくんですけど、この本(『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』)は「この60個のノートをみんなでやろう!」という本じゃないぞ。......なんで僕は受験生に話すようになっているんだ(笑)。そうじゃない方も観ているにもかかわらず「この男、いきなり生意気になったぞ」みたいになって、恥ずかしくなっちゃったんですけど。それは置いといて、そんなに全部のノートをとる必要って絶対にないですよね。

東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法

片山湧斗氏(以下、片山):そうですね。この本のもともとのコンセプトといいますか、僕は「ノート図鑑」をイメージして作ったんですね。

西岡:ノート図鑑。なるほどなるほど。

片山:図鑑っていろいろな昆虫とか乗り物とかが載っていて、全部覚えることもあると思うんですけど、乗り物の中でも「特に僕はこの新幹線が好きだ」とか、昆虫は「このカブトムシが好きだ」とか、お気に入りのものって必ずあると思うんですね。

同じように、この本には54冊のノートを掲載しているんですけど、その中で「あ、このノートは自分にもできそうだな」というものを見つけてもらって、それを使ってもらうというのがこの本のコンセプトなんですね。

もちろん、この54冊のノートすべてをコピーしていただいたら、著者としてはすごくうれしいことではあるんですけど(笑)。

西岡:(笑)。

片山:まずは「このノートのとり方だったら自分でもできそうだな」と思うものを1つ見つけていただいて、それを実践してみるといいのかなと思います。

西岡:確かにね。なにが自分に合っていて、なにがどうなのかなんて、わからないからね。「とりあえずやってみる」ってことなのかなと思います。みなさんも1個くらいお気に入りを探してやってみるのがいいのかなと思いますし、今日ご紹介できたものがいくつかあったのでやってみてもらえればなと思います。

目的意識のない勉強では、なかなか身につかない

司会者:ありがとうございます。続々と質問が来ているんですけども。

西岡:マジですか。

司会者:次は、「ノートをとる上で大切な点は何ですか?」という質問が来ています。

西岡:ありがとうございます。これは片山さんと僕で2つの回答を用意してもいいのかなと思いますけど、やっぱり片山さん的には、ノートをとる上で大切なのは「目的」になりますかね。

片山:そうですね。これはノートをとることに限らず、もっと勉強全般に言えることだと思うんですけど。やっぱり目的意識を持ってノートをとったり勉強をしないと、なかなか身につかないんですよね。惰性で勉強してしまったり、やらされているという受動的な勉強をしてしまっていると、なかなか身に付けるのは難しいと思うんですね。

僕も本を作る時に意識したんですけど、例えばこの本を使ってノートをとってみようかなと思ってくれた時に、目的意識を明確にしてもらうために「こういった悩みを解決したい」みたいなことが本に載ってあるんですね。その悩みを見て、自分が「こういう悩みがあるからこそ、このノートを使っているんだ」という目的意識を持ってくれたら、ノートをとるうえでのプラスアルファになるのかなと思いますね。

石岡:確かにそうですね。この質問に関してはやっぱり「目的」になりますよね。ちょっと話を変えてというか、ぜんぜん違う角度から「目的」の話をさせていただきますと、今片山さんもおっしゃっていましたけど、目的がない勉強だったり目的がないノートって、僕は見たらわかるんですよね。

目的は「ノートを取ること」ではなく、「頭を働かせること」にある

西岡:「ゲーミングノート」と言われるものが世の中にはございまして。何かというと、色がすごくいっぱい使われているノート。キラキラしていて、わかりやすいのかわかりにくいのか、よくわかんないという。多くの人は、ノートをとること自体が目的になっている場合がけっこうあるんですよね。きれいなノートを作って満足するというのがけっこうあったりして。

やっぱりそこまで含めての「目的」なのかなって思うんですよね。あとから振り返られるようにするのはもちろん大切なことなんですけれど、いったい何の目的でやっているのか、何を覚えたいのかを考えるというのも、非常に重要なことだと思っていて。やっぱりそういったことを意識しながらノートをとるということなのかなと思いますね。

片山:そうですね。「ノートをとることが目的になる」という話があったんですけど。それは僕も課題として感じていまして。みなさんにこの本を読んでもらった時に、「真似をしたらいいんだ」というのは前提としてそうなんですけど、ただ真似をするだけだと、なかなか身に付かないというのが多々あるんですね。

先ほど、特に第3章に力を入れたというお話をしたんですけど、この第3章は特に難易度が高めのノートを多く掲載しているんですね。自分なりに頭を使わないといけないとか、それなりに工夫をしないといけないようなノートになっているので、ある意味、ノートをとることを目的意識にしにくい構造になっているんですね。

「ノートをとること」を目的とするんじゃなくて、「ノートをとろうと一生懸命に頭を働かせること」が、まさに勉強にもなっていますし、それが結果として自分の学習につながってくるわけなんですね。

西岡:確かに、格闘してもらいたいよね。「大変だな」と思いながら、「でも頭を使っている感覚があるな」となったら勝ちかもしれないですね。ありがとうございます。ほかの質問もいただいているので、見ていきましょうかね。

メモが多くて書ききれないなら、余白ではなくメモ用スペースを取る

司会者:ありがとうございます。次の質問は「余白たっぷりノート」について、以前からこの方は余白を意識しているそうです。

「以前から余白をとるように意識しているのですが、追加でメモを書いていくと、書ききれなくなってしまうことが時々あります。そういった場合は付箋で対応するのがよいのでしょうか?」という質問です。

西岡:なるほどね。けっこうよくあるというか、よくわかるなという感じですね。聞き取れないし、書いている間に話が先に行っちゃうんですよね。非常によくわかるんですけれど。どうしますか? 僕からいきます? 片山さんからいきます?

片山:じゃあ僕からいかせていただきます。

西岡:お願いします。

片山:余白をたっぷりとることを意識してもらっているのは、非常に良いいいことだと思うんですけど。もともと追加でメモを書くのが多い場合には、余白ではなくて、あらかじめメモをとるスペースを作ってもらう。この本にも「メモスペースノート」を掲載しているんですけど。

そもそも余白だけではなくて、メモをとる用の欄をあらかじめ作っておいて、そこにメモをしてもらうと。もちろん余白を意識してノートをとってもらっていると思うんですけど、質問者の方が自分の想定よりも多くのメモを追記してしまっているという事実があるんですね。

ということは、余白ではなくて、もっとメモをとるスペースをあらかじめ準備をした上で授業に臨む。それによって回避できると思います。

メモが多いということは、それだけ重要なポイントであるということ

西岡:なるほど、そうかそうか。あと「付箋で対応するのがいいでしょうか?」ともきているけど、個人的にちょっと思うことがあって。やっぱり、「もっといっぱい書きたいな」ってなることがあるじゃん。「こういうのもやりたいし、こういうのも書きたいし」ってなったら、僕はそれはもう別個でノートを作ったほうがいいと思うんだよね。

なんでかというと、それって重要なポイントである可能性がけっこう高いからなんだよね。メモで書く情報が多いってことは、それはつまり「試験だったら問われる可能性が高いもの」がけっこう多いということに、他ならないと思うし。

覚えなきゃならないこととか、本質的に理解しなければならないことが、そこにこそあるんじゃないか。そういう仮説が僕の中にあって。そこまで含めて考えると、まず「別でノートを作るために、こうなっているんだ」って考えて、そこから先は別ノートに書いておくのがおすすめなんじゃないかなと個人的には思ってますね。

回答はこんな感じで大丈夫でございましょうか。質問のクオリティが高いですね。「みんなちゃんと勉強しているんだな」と感じます。保護者目線になっちゃったんですけど。受験生じゃない人たちも聞いているのに、非常に申し訳ないです。ごめんなさい。ありがとうございます(笑)。

「良い点を取りたい」と思っている場合、かえって点数が悪くなる?

司会者:ありがとうございます。ではどんどんいきたいと思います。「試験の直前になると急にモチベーションが下がってしまうのですが、コントロールする方法があれば教えていただきたいです」とのことです。

西岡:僕は逆だと思ってた。「試験の直前になったら勉強のモチベーションが上がるんだけど、ぜんぜん間に合わなくて、すみません」ということはわかるんだけど。でも、そうだよな。やりたくないというか、部屋の掃除を始めちゃうの、わかります?

片山:そうですね(笑)。

西岡:そうそう(笑)。勉強とぜんぜん違うことを始めるって、けっこうある気がするんですけれど。この質問に関しては、この本に書いてあったメソッドなので僕が代弁してお話しします。僕らは、「良い点を取りたい」って言いがちなんですよね。

「あんた、次のテストはどれくらい取れんの?」みたいな。「良い点を取りたいよね」とか「普通に点取れりゃいいんじゃないの」みたいなことを言うんですけど、だいたいそういう場合って点数が悪くなるんです。

なんでかというと、これは明確な理由があって。「良い点」と言っていたら、何点が良い点なのか、わかってないんですよ。つまり目的が明確にされてない。片山さんがおっしゃっていたとおり、目的がないからこそ、ノートを作ろうとか勉強しようとか思っても、実はそれが抽象的になってしまっていて、なにもうまくいかないというのがけっこうあるんですよね。

やっぱり勉強は、ちゃんと目的・目標がしっかり付いてないといけない。となると、1つの目標をきちんと点数で出していく。ないしは、先ほどのメソッドをお借りしますと2つの目標を作っておいて、「60点以上は確実に、できれば80点以上も取りたいな」みたいに考えて。

それで75点だったら万々歳という考え方で、モチベーションを上げていくのもいいんじゃないかなと。だからもう机とかに、「90点以上!」とか貼っとくんだよ。それを書いておくと、また変わっていくんじゃないかなと思いますね。

勉強のやる気が出ないとき、活用するべきは「友人」

西岡:片山さん、どうですか。

片山:そうですね。この質問者の方がどのような状況でこの質問をされたのか、わかりかねてしまうので、僕の想像になるんですけど。

どうしても受験の試験前って、部活とかも終わって、時間的な余裕があるじゃないですか。そうすると、例えば今の時代ですとスマホをいじってしまったりとか、YouTubeをだらだら見てしまって、結局勉強に取り掛かるのに荷が重くなってしまうような感じなのかなと、ちょっと感じたんですね。

西岡:ああ! なるほど、確かにあるね。

片山:そうなった時に、一番単純な解決法としてスマホの解約ができるんだったらいいんですけど、なかなかそれは現実的ではないじゃないですか(笑)。

西岡:あなた、けっこうなことを言いましたね。すごいですね(笑)。解約します?

片山:もし自分を変えたいと思ったら、そのくらいの勢いはある意味大事だと思うんですけど。

西岡:確かになぁ。

片山:これはあくまで極端な例でありまして、どうしても思春期は友人との連絡手段って大事ですよね(笑)。

西岡:まぁまぁ、そうですよね(笑)。「勉強の成績が悪かったら、もうスマホを解約するわよ」みたいに親御さんが言ったら、さすがに火が付くんじゃないかなと、確かに思いますね。

片山:親から「勉強しなさい」と言われるのって、特に思春期のお子さんはすごく嫌じゃないですか。

西岡:嫌ですね。

片山:そうなった時に、活用してもらいたいのは友人なんですよね。

西岡:友だち。ほうほう。

片山:友だちと一緒に勉強するとか、友だちと一緒に自習室、図書館とかに残って勉強するという。友人をうまく利用していただきたいんですね。

西岡:なるほどね。

勉強の三日坊主を防ぐ仕組みは、ソシャゲのログインボーナスと同じ

片山:例えば今日は友だちと一緒に放課後2時間勉強するとなった時は、僕の本に載っている、「進捗管理」ですね。「三日坊主防止ノート」があるんですけど。

西岡:ありましたね。

片山:やっぱり友だちと勉強するとなっても、なかなか勉強って荷が重いじゃないですか。その時にきちんと記録を残していって、「今日は友だちとがんばれた」と、1個1個、着実にハードルを飛び越えていくことによって「僕、意外と勉強できるんじゃない」となると思うんですよね。

西岡:確かにね。勉強も含めて、すべての三日坊主を防止していったり、継続をさせていくために必要なのは、僕はラジオ体操だと思うんですよ。毎日ちゃんとスタンプを押してもらって、最終日には全部きれいになっているのって、めちゃくちゃいいと思うんですよね。

ソシャゲでも、ログインボーナスがあるじゃないですか。1日できないとダメになったり、ポイントのスタンプが押さてないところが1個でもあると、「気持ち悪いな」ってなるんですよね。ちゃんと考えられるようにするためには、そういう物に頼っていくことって非常に重要なのかなと思いましたね。

「モチベーションが下がってしまう」か。いやぁ、『ドラゴン桜』を見てモチベーションを上げようね!……最後で台無しになりましたが。

司会者:ありがとうございます(笑)。

西岡:(笑)。

教科書に直接書き込む方法でもいい

司会者:次のご質問は、中学生の保護者の方からです。「私は書き取りが遅くで授業の板書をノートに取り終わらず、授業に集中できませんでした。そこで教科書やテキストの余白に、教科書に書かれていない講師のコメントを書いたり、板書内容をノートではなくてそちらに書き込むことによって、授業に集中できたし、成績が上がった記憶があります」と。

質問としては、「授業中のノートのとり方でコツがあったら教えてください」とのことです。

西岡:いいんじゃないですかね。教科書に直接書き込んでしまうことはおすすめの1つだと思いますね。僕の友だちは、授業のテキストとか教科書とかをコピーして、書き込む用を用意している奴がけっこうました。

そこに書くことによって勉強を捗らせる奴がいて、「こういうのいいな」と思ったりしたんですけれど、どうですかね。片山さんの「授業中のノートのとり方のコツ」って何かあったりしますか。

片山:そうですね。この保護者の方のおっしゃるとおり、教科書に書き込む方法でも僕はいいと思います。なぜかといいますと、自分がこういうやり方をやって成功したという、実際の経験に基づいて、自分で編み出した勉強法、自分の頭で考えた結果なのでいいと思うんですね。

ただ教科書だとどうしても余白が少なかったりして、書きたい情報が書き足せなかったりするじゃないですか。教科書の内容を写すだけの授業ノートってあまり意味がないので、そのメモに収まりきらないような内容を、授業ノートにとるとかして。

教科書に書き込む内容とは別に、教科書に載っていない、先生が板書にプラスアルファで補足的に大々的に解説する内容は、ノートにしっかりとる。あくまでも授業ノートをサブとして使って、教科書の余白とかに書き込むというかたちで勉強するのがいいのかなと思いますね。

ノートをとるのに、紙か電子かはあまり関係ない

西岡:なるほど、確かにそう思いますね。逆にもし授業中のノートでけっこう難しいなぁと思うんだったら、授業外の予習とか復習の段階でフォローアップをする感じで、「予習するためにやろう」「復習できやすいようにするためにこうしよう」とかを考えるのはありかなと思っていて。

僕だったら授業中のノートは、重要なところをオレンジのペンで書いていたんですね。赤シートであとから消せるようにして、その場ですぐ問題ができて、復習もしやすいノートを作っていたり。そういうかたちで勉強していくのはおすすめかなと、個人的に思いますね。

片山:そうですね。中学生の方ができるかどうかは別問題になってくるんですけど、特に東大生とか大学生で多いのは、タブレットですね。タブレットに教科書とかプリントとかをもともとデータで入れておいて、そこに書き込むという。そうすると教科書の良い面と、プラスアルファ自分のノートでうまく活用できるので、タブレットが使える方はいいんじゃないのかなと思いますね。

西岡:なるほどね。片山さんはタブレットとか使う人ですか。

片山:そうですね。先ほど「どんなノートを使ったらいいか」という話もあったと思うんですけど、僕の場合、大学の授業の中では紙のノートをとる授業もありますし、教授がレジュメとかをPDFで配るような場合ですとタブレットを使って書き込んでいますね。

西岡:そこにはそんなに違いはないというか、状況に応じてってことなんですかね。

片山:そうですね。

西岡:なるほどね。「紙じゃなきゃいけない」とか「電子のほうがいい」とか、そんなことは考えなくていいですよね。

片山:そうですね。

西岡:ありがとうございます。今のご質問に関しては、こんな回答かなと思います。

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