2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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西野亮廣氏(以下、西野):そのときに、なんというか、圧力はかからないんですか? 「なにしてんだよ?」みたいな、周りから。
落合陽一氏(以下、落合):いや逆ですね、たぶん。むしろそっちにいったほうが得する人はすごい多いんじゃないですかね。
西野:邪魔されることないですか? 落合さんの活動。
落合:邪魔されることは逆にないです。最近は。
西野:ないんですか。
落合:昔はアートの人たちは「こんなデジタルばっか使ってるやつ気に入らない」みたいな感じだったんですけど、もう最近デジタルを使ってないアーティストのほうが少ないですよ。だって絵本を描くときPhotoshopを使うのは当たり前じゃないですか。「そんなの、そうだろう」みたいな。
それは、もう最近そんなになくなりましたね。その、いさかいみたいなものは。
西野:むっちゃいいですね。
落合:おかげさまで世の中が優しい、みたいな。
西野:むっちゃいいですね。
落合:ありがたいことです。
西野:なんか、落合さんとかもっと嫌われててもおかしくない感じなのに。嫌われてないんですよね、ぜんぜん。
落合:内面的には嫌われいてるかもしれない(笑)。
西野:違う、違う。嫌われてないですよ、結局。いやいや、お会いしたらすごくいい人だし。でも「なんだあいつ?」みたいな、知らない人から言われてそうなのに、意外とないんですね。
落合:まあ、意外と少ないですね(笑)。
西野:いいなぁ。
落合:珍獣みたいに扱われているから(笑)。
西野:なるほど、おもしろいな。増田さんは、こういう話すごく興味がある?
増田薫氏(以下、増田):もう、めちゃくちゃ興味ありますね。
西野:でも、増田さんはもうリアルにスマホですもんね。
増田:まあ、僕……。
西野:「携帯電話がどうなるか?」みたいな。
増田:そうですね。これはハードウェアですけど、結局ハードウェアって、今おっしゃっていただいたような世界観を生み出すための1つのツールだったりすると思うんです。そういった意味では、5年後10年後20年後、そりゃ当然、形も変わってくるし。
西野:どうなるんですか? 携帯電話って。
落合:携帯電話は、たぶん契約は絶対してると思うんです。なぜなら、例えばゴーグル型のやつをつけてても、そっちに無線を入れるよりはあっちに入れておいたほうが効率的だなと思っていて。
西野:携帯電話はべつに5年後も10年後も一応ある?
落合:あると思います。人間の手のサイズにぴったしのサイズの携帯機器みたいのはたぶんほしい。
西野:なるほど。
落合:しかも、押した感じが、しっかりあるんですよね。例えば、空中に指ピュンピュンやるやつは、まあ楽しい。楽しいというか、ちゃんと使えるんですけど。やっぱり文字打つときなにか大切な操作するときは、しっかり触っているもので。
西野:ああ、当たるという。
落合:そうなったとき、机をキーボードとして使うかというと、たぶんそれよりはああいう装置(スマホ)は持ってるだろうと思いますけど。
西野:5年後は。
落合:5年後は。
西野:それ見えてんの、いいですね。それが、どこまで見えてるんですか? 未来って。
落合:いやいや(笑)。
西野:見えてんですか? 本当に。
落合:ある程度は、そういうのはありますからね。学問としては。
西野:そうなんですね。
落合:「まあ、ここは変わんないよね。サイズ感は」とか、そういうのはあると思います。
西野:人より見えてるんですか? 落合さんって。
落合:まあ、研究してる人たちはそこが見えてるから研究するんじゃないですか。「次はこっちだよね」って。
西野:なるほどな。でも、それが見えていたら、おもしろいですね。
落合:うん。楽しみになるんですよ。老後の楽しみが増えるみたいな。
西野:確認作業で「ああ、なった、なった」みたいな。
落合:「あ、なった」みたいな。
僕、ちょうど2年ぐらい前に「Googleの翻訳のおかげで、僕らってきっとそのうち言葉あまり勉強しなくても大丈夫になるよ」と言ってたんですけど、「いつになるかな?」と思ったら、ディープラーニングのGoogle翻訳が11月ぐらいにめっちゃ新しくなって、すごく便利になったんですよ。「あ、2年か」みたいな。「俺、5年だと思ってたら、2年だったんだ」と。
西野:早かったんだ?
落合:そうそう。もうこの感じが楽しいんですよ、本当。
西野:例えば未来が見えてたら、今の学校教育を見たときに、「あれ、あの教科、実はいらんのじゃない?」みたいな。それも見えてくるんじゃないですか?
落合:受験勉強がいらなくなれば、あの教科は全部いらないんですよね。本当は。
でも、あれは採点しやすく日常生活で我々が知ってる教養ってやつを国語・算数・理科・社会に分割して、それを受験で使うように最適化されているんです。あれはたぶん、受験のせいなんですよね。
西野:受験がなくならないと、もうなくならない?
落合:そうそう。受験ってなにかといったら、人間をどうやって効率よくスクリーニング、レベル付けする話じゃないですか。
例えば、5教科だったら楽だけど、それがもし絵画とかだったらけっこう大変なわけですよ。それで楽だからあれをやっていて。その受験が変わらないかぎりはずっと変わらないんですよね。
だから変えるべきは、本当は大学なんですよ。小・中・高じゃなくて大学なんです。
西野:あそこをね。
落合:あそこを。
西野:要するに、受験のために勉強してるってことですもんね。
落合:最終的には。だから、そこさえ変われば、たぶんなにか変わるんじゃないかなと思っていて。でも、センター試験の方法とかって今度変わるとは言われてるんですけど。
西野:そうなんですか?
落合:うん。もうちょっと、自由記述式になるとか言われていて。もっと大々的に変わっていったら、そこは学校で「国語・算数とかやらないでいいんじゃないかな?」と思うんですよね。
西野:なるほど。おもしろいな。
落合:いやいや(笑)。
西野:ずっとおもしろいことしてますね。
落合:ずっとそんなことばっかり考えてて。
例えば入試の話とかって大学のなかでもけっこう出るわけです。「新しくしたいけど、文部科学省がなんとかしてくれないかね」みたいな話が出てくるんですけど。そういうところをちゃんと考えていかないと、無駄なことさせるんですよ、子どもにね。あまり意味ないなと思う。だから……。
西野:(笑)。
落合:いや、だって根性試し、努力試しですよね。そんなことをしてる時間があれば、もっとほかにすることがあるだろうと思うんですけど。「なんかね……」と思いますよ。
西野:変わらないですか? ああいうのというのは。
落合:僕らが変えていくしかないんですよ。だから。あと20年ぐらいかけて。
西野:まあそうですもんね。教授ですもんね。
落合:はい。僕も大学教員ですからね。
西野:そうですよね、そこが変わらないとね。なるほど。増田さんって勉強されたんですか?
増田:勉強したか、ですか?
西野:はい。
増田:一応した気がします。でも僕、まったく同じように思います。
西野:なんでですか?
増田:先ほどおっしゃってたみたいに、人をセレクションしなきゃいけないと。
選ぶ側に自信があったら違う方法でいいんですよ。でも、その時間もないし、それを生むまでの、どういう判断で選んでもいいかもよくわかんない。だから英数国理社でただ点数を振ってやっているだけですよね。
一芸入試なんか最近増えたりしてると思うんですけど。そうすると、「じゃあ俺はこういった世界でやっていくから、はなから国語は捨てちゃいます」とかぜんぜんありだと思うんですよね。そういった多様性が、どんどん増えていくんじゃないですかね。
西野:なってほしいですけどね。
増田:そうしたら僕もすごい楽。カレーがうまく作れるだけで(笑)。
西野:どんだけカレー好きなんですか(笑)。
増田:いや、本当こだわりなので。年間500食、食べてますから。
落合:おお、すごい。1日1.5食ぐらいカレーを食べないと。
増田:そうです。
落合:すごいな。今度一緒にカレー食べに。
増田:ああ、ぜひぜひ。もう毎日作ってますから、カレーは。
落合:そうなんだ。すごい。
増田:幸せなんです。
落合:そうなんですよ。だから、受験をやめさせるにはたぶん、ちょっと飛んだ話なんですけど、コンピューターが人間を採点できるようにしないとダメで。
つまり、結局はセンター試験とかってコンピュータが採点するわけじゃないですか。コンピューターがセンター試験を採点できるように、人間を例えば1週間ぐらい見てたらその人がどんな人かわかるようなコンピューターシステムが出てくれば、わざわざペーパーテストを受けさせるような勉強をする必要もないんですよ。
西野:なるほどね。
落合:だから、センター試験と同じ要領で、「どんな特性があるか採点します」みたいなシステムをフェアに作れないと。たぶんそうなっていかないんだろうと思うけど。でも、それは時間の問題だと思います。
西野:時間の問題?
落合:うん。特性がいいか悪いかって、たぶんわかると思うんですよね。
西野:へえ、おもしろー。
落合:1〜2週間とか、3週間、人を見たりしている。だから、そうなってくるんじゃないかなと、なんとなくは思っていて。「そのほうがフェアだよね」という議論が出てきたら、たぶんそうなると思いますけど。
西野:へえ。おもしろいことになってんな、なんか。
落合:いやいや(笑)。でも、たぶんそうだと思います。だから、人間を一気に見る方法というのはコンピューターを使わないとどうしようもなくて。センター試験ですらコンピュータを使っているので、そうじゃないと厳しいなと思います。
西野:今、なにに興味あるんですか? 落合さん。
落合:今ですか……今は僕ね、わかんない、落雷?
西野:落雷!?
落合:いきなりぶっ飛びましたけど、ちょうど今、美術館というか六本木ヒルズで作品の展示をやってるんですけど、それで浮くものとか展示してたりするんです。新作の空中浮いてるやつとか。
僕は刹那的なものが好きで。例えば、割れちゃうシャボン膜とか、力切ると落ちちゃうものとか、あとプラズマとか瞬間的にしか生じないものとか。そういうものが、形が見えないもの、聞こえないものとかすごい好きなんですけど。
そのなかで最近、雷がすごい好きで。どうにかして、雷で芸術を作りたいなと思って。
西野:めっちゃおもろいこと言ってるね(笑)。
落合:雷、本当に好きなんです。「なんで雷ってあんなきれいなんだろう?」と、本当に最近、雷の写真ばっかり見てるんですよ。
西野:ドラクエに出てきました? 落合さんって(笑)。雷を扱おうとされてるんですか?
落合:そうそう。最近ずっと雷に興味があって。本当、暇があればずっと雷の画像検索してる。
西野:おもしろ! 雷でアート作品を作るってことですか?
落合:アート作品を作りたいですね、雷で。
西野:おもろいっすね。
落合:雷って毎回形が違うじゃないですか。だから、1回とて同じ形にはならないんだけど。ただなんか、きれいだと思うんです。
西野:雷、きれいですもんね。
落合:はい。でも昔、2年ぐらい前に、とあるシャンパンメーカーさんのイベントでそういうような作品展示をさせてもらったことがあるんです。雷の作品を。いやね、周りのコンピューターが全部飛んだんですよ(笑)。
(一同笑)
落合:部屋がもう電子レンジの中みたいになっちゃって(笑)。電線がぜんぜんダメで。
西野:なるほど(笑)。
落合:どうしようもなくなっちゃったことあるんですけど、次はリベンジしたいなと思って、がんばって考えてるんです。
西野:へえー、おもしろっ。天然の雷ですか? 本当に……。
落合:いや、テスラコイルって装置があって、超高電圧かけられるんですけど、そうすると雷バーン落ちてくるんですよ。
西野:あっ、見たことある!
落合:あれをうまく使う。あれで雷を生成して、それでいっぱい作っていくみたいな感じになってるんです。
西野:へえ、おもしろ。
落合:そんなことばっかりです。
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