2024.10.10
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星野秀太氏(以下、星野):みなさま、こんばんは。認定NPO法人カタリバの事務所までお越しいただきありがとうございます。これから教育業界就活交流会カタリク2017をはじめます。第2回となる今回のゲストは、ベネッセコーポレーションの後藤さんです。
さっそくなんですが、そもそも教育業界ってどういう業界なのか、採用担当の後藤さんからお話しいただきたいなと思います。
後藤照典氏(以下、後藤):こんばんは。ベネッセの新卒採用担当の後藤です。私から、教育業界についてお話をさせてもらおうと思います。
今日はどんな人が集まってくださったのか知りたいので、手を挙げてください。これから就職活動の2017年卒の人?
(会場挙手)
ありがとうございます。まだ2年生とか、1年生だという人?
(会場挙手)
いらっしゃる。ありがとうございます。就職活動前の人も来てくださって、本当にうれしいなと思います。
とはいえ、多くの人がこれから就職活動をされるということなので、会社の説明みたいなところもあるんですけど、「教育業界ってどういうところなのか?」ということを、皆さんの頭に残りやすいかたちで、少しお話しさせてもらえたらなと思います。
まず最初に、私の自己紹介です。後藤照典(ごとうあきのり)といいます。人生の軸という話をこれからするんですけど、私、就職活動する皆さんに絶対に伝えていることがあるので、今日もその話からさせていただきます。
こんなふうに、過去・現在・未来と書いて矢印を引っ張って、いつも自分の自己紹介をしています。私は今33歳で、カタリバ事務局の今村亮くんと同い年で、あと、向井理が同い年なんですけど……。まあウケないですね。もう心が強くなります。いいんです、はい(笑)。
(会場笑)
大学時代に遡ります。僕は教育学部に通っていました。教育学部で勉強していて、ここに書いてあるけど、カタリバで10年前……2005年とかに活動していたのが、大学生時代でした。高校に訪問して、高校生たちと進路についての話をしていました。
そして、ベネッセに入りました。一番最初にやったのが、教材開発。進研ゼミ高校講座の小論文の教材を作るという仕事をしていました。そのあとに、販売・マーケティングの仕事をして、去年から人事で新卒採用の仕事をしています。
将来もいろいろやりたいことはあって、人事の仕事をもっと極めたいというのもあるし、新しい教育に関する商品サービスを作りたいというのもあります。
プライベートだと、21世紀の寺子屋みたいなものを作って、大学生と子供たちと大人が皆で学び合っている。そんな空間を作りたいという思いも持っています。
ずっと大切にしている思いがあります。それが「『勉強っておもしろいな』という子供を増やしたい」ということです。これは、学生時代に教育学部で勉強していた頃から思っていました。
最近の子供たちに接している人も多いと思うんだけど、今の子たちって勉強嫌いじゃないですか、やっぱり。昔もそうなんでしょうけど。
それってすごく不幸なことだと思っているので、自分が関わることで、「勉強っておもしろいな」とか「自分もやればできるかも」って思ってくれる子が増えればなと思っています。
私は、「教育」という人生の軸を持っています。そこで、皆さんに質問したいんですけど、「あなたの軸ってなんですか?」。私、就活生の皆さんにこの質問をいつも投げかけています。時間の短い合同企業説明会でも、絶対この話をしています。そんな話をする時間じゃないんですけど(笑)。
過去・現在・未来と書いて、矢印を引っ張ったときに、いろんなイベントが出てくる。過去、将来。皆、そこにはどんな軸があるんだろうということを、ぜひ考えてください。この軸を考えることが、就職活動をするときに一番大事なことだと思っています。
ここで、ちょっとしたエピソードを話します。僕の大学の同級生が、新卒で誰もが知っている有名な総合商社に入りました。人気企業ランキングではいつも上位の会社で、お給料も高くて。その彼と社会人3年目の時に同窓会をしたんですね。
ビールを飲みながら、彼が言うんですよ。「いいよな、後藤くんは。やりたいことがあって」と。「え? お前何言ってんだよ。商社でそんなでかいプロジェクトやってて。お前、何やりたいんだよ?」って言ったら「俺、やりたいことないんだよね」と。「え? 楽しみは何なの?」って聞いたら、「金曜日の合コン」って言ってました。笑うじゃないですか(笑)。
でもね、これ笑えないんですよ。何でかというと、僕が就活していた時代って、今の時代とちょっと似てます。ちょっと景気がよくて、たくさん会社が内定を出す時代。
何が起こるかというと、意外な大企業が皆さんに内定くれたりするんですよ。そうすると、皆さんどう思うかというと、「うわっ、こんな会社から内定もらっちゃった。友達にも自慢できそうだし、親にも格好つくし、行こうかな!」みたいな。絶対、みんなこの思いは頭をよぎりますよ。
でもね、入社すると、さっきの商社の彼みたいになっちゃいます。なんでだろうって考えると、彼は自分の「軸」を持っていなかった。有名だからとか、ぶっちゃけ格好いいからという理由で、商社に行ってしまった。
それで、入社して3年で悩んでしまう。「俺、何がやりたいんだろう?」って。皆さんにはそうなってほしくないなと思っています。
もう1人の友達の話をします。僕のもう1人の友達は「環境問題」という軸を持っていました。大学時代に環境問題に興味を持っていて、学部で環境系の勉強をしていたんですね。
彼も商社から内定をもらったんだけれども、商社の内定を蹴って、環境のベンチャー企業に入りました。水を綺麗にしたり、環境に優しい食器とか容器を作る。そういうすごい小さな……聞いたことなくて、名前も思い出せないくらい、小さな会社に入りました。
でも彼は、今すごく楽しそうに働いています。たぶんお給料は商社の半分くらいしかなくて、ぜんぜん有名じゃないし、地方で勤務している。でも、Facebookを見ていても彼はすごく楽しそうです。
やっぱり自分の軸を生きるというのは、すごく人を活き活きさせるんだなと、彼を見ていて思います。
もう1人の友達。女の子なんですけれども、その子は「周りの人を笑顔にしたい」といつも言っていました。カフェでアルバイトをしていて、その子がシフトに入ると、とにかく周りが明るくなる。他のバイトの子も明るくなるし、店長もやる気が出るし、お客さんも笑顔になって、「何かいつもよりお客さん多いぞ」みたいな。そういうパワーを持った子がいるんですね。
彼女は今、イベントプロデューサーの仕事をしていて、ビッグサイトとか国際フォーラムとかでイベントがあるじゃない? そういったイベントのプロデュースをする仕事をしています。
やっぱり彼女が仕事をすると、スタッフの皆さんも、その日しかいない大学生の皆さんも元気になって、活き活きと働いて、イベントが成功するそうです。
今の話が何かというと、軸を考える時に2つヒントがあって、1つは「テーマ」、もう1つは「価値観」です。
テーマというのが何かというと、僕でいうと教育。さっきの友達の例でいうと環境問題。大学の学部・専攻とか、業界の名前に近いものかな。環境、教育、金融とか、ITとかもそうかもしれない。これまでずっと探究してきて、これからもそれを探究していきたいというのがテーマの軸。
もう1つ、軸を作る時に、価値観という軸もあって、それがさっき言った、「周りの人を笑顔にしたい」というのをずっとやってきた、これからもそれをやっていきたい。これが、価値観の軸だと思っています。
あと、価値観の軸の例をあげると、「一生、文化祭」という価値観の軸を持っている先輩がいるんだけど、高校生の時の文化祭がめっちゃ楽しかったみたいで、「俺はとにかく毎日を文化祭のように生きる!」って言って本当に毎日文化祭みたいなテンションの人がいます。
その人は、新卒でリクルートという会社に入って、もう辞めて自分でNPOを立ち上げて、今活躍している人なんですけれども。いつ会っても「後藤ちゃ〜〜〜〜ん!」みたいな感じで(笑)。
「何で朝8時からそのテンションなんですか……」って思うんですけど、とにかくその人は、毎日が文化祭なんですよ。
テーマか価値観。どっちかでもいいし、両方という人もいるんだけれども、この軸を持っている人は、やっぱり人生を活き活きと生きているなと。僕は今、社会人10年目なんだけれども、周りの人を見ていてもすごく思います。
もう1回いくね。「みなさんの軸は何でしょう?」。これを考えるのが、就職活動をするときに一番大事だと思います。ちなみに就職活動のときって、エントリーシートというのを書くんですよ。知ってます? エントリーシート。
エントリーシートには、2つのことを書きます。自己PRと志望動機。自己PRというのが、過去から現在の話。志望動機というのが、現在から未来の話。あなたは今まで何をしてきましたか? あなたはこれから何をしていくんですか? これは時系列でつながっています。
なので、やっぱり読んでいて「説得力があるな」というエントリーシートは、軸がちゃんとあるんですよ。「あなたは今までこういうことを頑張ってきたのね。これからこういうことをやっていきたいのね。だからベネッセに入りたいのね」というのが、読んでいてすごく伝わってきます。
軸を何にするかというのは、正解はないです。皆さんの中にしか答えはないと思うんですけれども、ぜひこれを考えながら就職活動してほしいなと思います。
あとでこれを皆さんで考えるワークの時間も取っているので、ぜひそこで一緒に考えられればなと思っています。
私、だいたいいつもこの話が長くて10分くらいかかっちゃって、合同企業説明会の事務局の人に怒られるんですね。「早く会社の説明をしてください」と。はい、すみません(笑)。ということで、教育業界の説明に入っていこうと思います。
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