2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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馬場保仁氏(以下、馬場):じゃあ、塚本さんお願いします。
塚本昌信氏(以下、塚本):なんでしたっけ?(笑)
馬場:ご自身が就職活動した経験は何ですか?
塚本:僕はテレビゲーム、20年ぐらい前ですかね、作りたいという思いがすごい強かったんですけど。どちらかというと、テレビを使った双方向のコンテンツを作りたい、というふうに考えていたんですね。
テレビ番組でインタラクティブな番組とかが、そのうち作れるんじゃないかと。20年ぐらい前ですね。
考えて作って、同じような理由でテレビゲーム業界と広告代理店と、テレビ局を受けたんです。
全部内定もらったんですけど、それをうちでやってくれって言ったのがセガだから、セガに入ったんですね。ただ入って全然違う仕事にいるじゃないかと(笑)。
じゃあどんなんだと。ちょっと余談なんですけど、ひどい話でして、英語できるなんてこれっぽちも言ってないんですけど、最初の配属先が海外営業部というところでして、なにせ英語使った仕事しかしていない部署なんですよ。
研修終わって配属された初日に、新人だから朝7時半ぐらいに行って、電話かかってきたから研修どおりに「はい。セガです」って出たら英語なんですよ。で、英語できないんでどうしたかっていうと、切ったんです(笑)。
(会場笑)
塚本:切ったら当然なんですけど、また長いんですよ。メールが。それで知らん顔してまして、まあそういうことがありまして、まあそういう理由でセガに入ったという感じです。
馬場:そっから塚本さんなりの教訓として何かありますか?
塚本:そうですね。未だにうちの会社ですね、テレビ番組を作ってるんですね。希有な制作会社としての機能だけじゃなくて、テレビ番組制作もちゃんと会社として持ってまして。
当時BSデジタル放送が始まった、今から15〜6年前ですかね。全然作ったことなかったんですけれども、ゲーム作ったノウハウを活かしたいと言ってテレビ局に営業にまわりまして、企画書書いて。
で、番組に使わせてくださいと、本当に熱意だけだったんですけども。BSフジの金光プロデューサーっていう局長が当時いまして。
小山薫堂さんとか是枝監督を見いだした方なんですけど。何が言いたいかというと、その人に僕らが見いだされたということが言いたいんです。
そのほうがじゃあ是非作ってみようと言われて双方向のテレビ番組を作ったのが最初でテレビ番組を作ったんですね。
ただ皆さんご存じのように今、テレビの双方向機能というのがなかったかのようになってまして、今、テレビ作る部門とゲーム作る部門が完全別の形態としてそれぞれ残っているという感じなんですけれども。
タブレットですとかPCですとかで当時やりたかったことがテレビモニターじゃない形で実現できそうだなということで、今それをまた再融合しているところです。
なので情熱を持ってやりたいことを、ぶらさずに望んで欲しいなという感じです。
馬場:ありがとうございます。じゃあ杉山さん、就職活動してないの知ってますけど。
杉山智則氏(以下、杉山):はい。実は私、就職活動してないです。経緯を話さないとあれなんでしょうけど、高校時代にパソコンを買って、こりゃすげーと、こりゃ楽しいと、「俺はゲームクリエイターになるんだ!」と。
そんなふうに思って、ゲームのことを、当時はパソコンしかないので。まあ、正確に言うとファミコンはあったんですけど、全然売れていない時代で。
友人と一緒にいきなり小さなゲームを作ったんですね。当時、エニックスという会社がコンテストをやってたんですね。そこに応募して引っかかったんですね。
そのエニックスのコンテストはすごい。初代は堀井雄二さんとか、中村光一さんっていう方が賞をとっているようなやつで、それに引っかかったのはいちおう業界に入ったきっかけではあるんです。
とはいえ、ただの高校生なんで、なおかつコンピューターばかりやってて、全く勉強してなかったんで大学は全滅しまして、親のためにちょっと勉強しようと思って1年間、全くゲームのことやらずに、コンピューターのこともやらずに1年間だけ勉強しました。
勉強してとにかく大学入って、入ったらゲーム作ろうって思っていたんですね。1年経って入れて、入った直後にエニックスに行って、入ったんで手伝わせてくださいって感じで大学1年の4月から、エニックスのほうにバイトというかお手伝いで入らせていただいたんですね。
その頃何やってたかって言うと、一番最初にやった仕事はドラクエ1のデバッグです。だから皆さん、ドラクエ1が出る前にですね、ドラクエ1を触らせていただいてとても……。
馬場:たぶんまだ生まれてないと思いますよ。彼ら(会場の参加者を眺めて)。
(会場笑)
杉山:あ、そう、そうか! ドラクエ1は30年ぐらい前ですね。
馬場:でしょ?(笑)
(会場笑)
杉山:生まれてないですね(笑)。失礼しました。だから一番最初、業界として一番最初にやった仕事が、ドラクエ1のデバッグだったんです。そんな感じですね。
杉山:その後、エニックスさんとお付き合いしながら、フリーのゲームクリエイターとしてずーっとやってきたというところではあるんですけれども。
で、大学院の時にですね、フリーでやってても結局、実にならないなと思って、フリーの仲間とか後輩達とゲームの会社を作ったっていうのが、私がヴァンガードっていう会社を作った経緯なんですね。
皆さんへのメッセージっていうところで言うと、ちょっと違う経緯をしてるので参考にならないかもしれないんですけど、私が皆さんに伝えたいメッセージはですね、「ゲームクリエイターになれるかな? なれないかな?」ではなくて、「なるんだ」と思ってください。なるって思ったらなれます。
でも「なる」って言って、引っかかるだけでいいと思ってないでしょ? ギリギリだって入ることが目的じゃないでしょ?
その中でゲームクリエイターになって、みんなが「すげー楽しいよ」「ありがとう」って言ってくれるようなゲームを作りたいわけでしょ。
だったら引っかかる引っかからないのレベルの話をしててもしょうがないんで、最高のゲームクリエイターになるために何やればいいのか考えて、それを実行すればいいんですよ。
入れます! だから「なるんだ」と思ってください。これが私の一番伝えたいメッセージです。
馬場:はい。横山さん、真面目にお願いします。
横山裕一氏(以下、横山):真面目にね。何を話せばいいんでしょ?
(会場笑)
馬場:(笑)。就職活動
横山:ああ、就職活動。
馬場:ゲーム業界に入ったところだけ。
横山:えーと、ゲーム業界に入ったところだけ?
馬場:そうです。
横山:ややこしいですけどね。私は高校卒業して専門学校に入ったんですけれども、コンピューター系の専門学校。なぜコンピューター系の専門学校に入ったのかというと、高校の時にSF小説と間違って借りたのがアラン・ケイの本だったんですよ。
(会場笑)
横山:笑っている人、1人しかいませんね。全くわからない? アラン・ケイというのはゼロックスのパロアルト研究所というところでね、ダイナブック構想というのを作った人なんですが。
あの、ダグラス・エンゲルバートというマウスを作った人とね。それで「Alto(アルト)」というのがあって、そこの論文を間違って借りてしまったんですけど、結構おもしろくて、これでゲームやったらおもしろいなあと思ったんですよ。
それでネットワークができる専門学校に行きたいって言ったら、親がおまえみたいなやつには金は出さんと言って。調べたら受験で1位になったらタダで入れるっていう学校があったんですよ。
馬場:ほう、素晴らしい。
横山:受けてみたら。
馬場:2番?
横山:1番で(笑)。たまたまね。で、入ったんですけど入って半年くらいで彼女と別れてしまったんで、学校行かなくなったんですよね。
馬場:聞いてませんやん。
(会場笑)
横山:そこで喫茶店に勤めるんですけど。それはよくて。で、学校をやめさせられたんですよ。そりゃ1番で入って学校来なくなるもんね。
除籍処分なんで、僕は高卒なんですけど。入学記録抹消ね。で、喫茶店やりながらゲーム業界に入りたくて、入りたくてしかたがなかったんで、いろいろなゲーム業界にとにかく履歴書を送ったりしてやりました。
横山:でもいろいろ失敗したんですよ。まず、友達の家で飯野賢治さんの本を読んでいて感動したんですよ。この会社に足りないのは俺だって思って、この会社俺が入ったら絶対にすごいぞと思って。
夜中の2時に、公衆電話で長距離電話で、大阪ですからね、長距離電話にかけたんですよ。そしたらね、出たんですよ。出てくれたんですよ。
馬場:出てくれたんですか。
横山:出た。すいません、明日朝イチの電車でそっちに行くんで面接してくださいって言ったら、まず履歴書送ってくださいって。
馬場:その通りですよ(笑)。
横山:ガックリきちゃって。だって、「来いよ!」って言われると思ってたから、「なんや普通の会社か! じゃあ入らへんわ! ガチャーン!」って切って。
馬場:夜中の2時ですよね?
横山:はい。もう、教訓その1、夜中に電話してはいけない。
塚本:来る者は拒まずって書いてありますものね。
横山:そうそうそうそうそう! 夜中に電話かけちゃいけません。あと履歴書まず送ることです。それからウィンキーソフトさんっていうところに行ったんですよね。そこに行ったんですけど履歴書を忘れちゃったんですよ。
レポート用紙くれたらここで書きますよって言ったら「いや、いいです」って言われて。
その後、なんでうちの会社受けたんですかって言われて「んー、まぁ、ゲーム会社だからです」って。「なんか聞きたいことありますか?」って言われたんで「御社はどんなゲーム作ってますか?」
(会場笑)
馬場:やる気あるのかって感じですよね(笑)
横山:そしたら「スーパーロボット大戦や!」って言われたんですよ。「あー、スーパーロボット大戦かあー、僕、SD嫌いなんですよ」
(会場笑)
横山:で、落ちたんですよ。帰りに切符買おうと思ってカバンを見たら、底のほうからクシャクシャになった履歴書が出てきて。
教訓その2、履歴書はちゃんと封筒に入れる(笑)。じゃなくて、そこじゃなくて、ちゃんと会社のことを調べて、この会社を受けたいと思わなきゃ行っちゃダメ。入っても不幸になるだけ。
だからちゃんとその会社のことを調べて、この会社の作るゲームおもしろそうだな、この会社やったら自分のやりたいことできんのとちゃうかなということを考えて行く。これが教訓その2です。
それでどこも雇ってくれなかったんで、しかたがなく会社を作ったのがここです。アールフォース・エンターテインメントです。
たまたま知り合いがね、プログラマーだったから作れたんですね。はい、そんな感じです。真面目にいきました。
馬場:普通に就職活動したのは、塚本さんだけってことですよね。
(会場笑)
横山:俺もしてるよ!
馬場:なるほどなるほど。まぁ皆さんこうやって想いを持って一番大事なのは情熱だと。本当に僕もそう思うんですよ。受ける時に。
なんだけど、今多少ね、皆さんこう仰ってるんですけど、僕はたくさん受けて欲しいと思ってます。そう思ってます。
なぜならばいきなり横山さん好きだ、杉山さん好きだってヴァンガードさんしか行きません、アールフォースさんしか受けませんって、間違ってると思うんですよ。
いろんな会社さんを知るべきで。ただそのために最低限やっぱ、礼儀じゃないけど自分の熱意のために調べなきゃいけないことあるしその上で行こうという話だと思うんですね。
ま、ちょっとちゃんとした話をしないといけない。
(会場笑)
横山:めっちゃ受けてるやん。
馬場:受けてる場合とちゃうんです。でも本当、そこは両方ちゃんとやって欲しいっす。熱意もってやるのは当たり前。なぜならゲームって本当に正解のないことやってるからそれに向けて皆さん、苦労して恵まれた話が出てくるのでただプラス、最低限ちゃんと揃えていきましょう。
馬場:じゃあ、次の話題にいこうと思います。次、採用と育成。
ま、ざっくりとしてますけど。たぶん学生さんの皆さん、「どんな基準で採用してんのかなあー」っていうところもあると思うし、「自分が入ったらどういう形で育成してもらえるのかな?」と思うんですよ。
育成してもらうっていうのは、僕はそんなこと言われたらたぶん、おまえプロなんだから金もらってんだろうっていう話なんですけど。
それはそれで(笑)。でも、ま、やっぱ育成していかなきゃいけないんです。そのために、どういう考えでやっておられるのかっていうところを、いくつか皆さん、具体的にこういうこともやっているよ。ということも含めた上で、お話しを聞こうと思います。じゃあ、横山さん。
横山:はい。ドキドキしてるんですけど。最初だから(笑)。
馬場:いえいえ(笑)。
横山:えっとですね、うちはまず採用なんですけど、先ほども言ったようにミスマッチを防ぐっていうのが一番なんですよ。
すごい技術力を持っていて、入って欲しいなぁと思っても、この人うちで長く勤めてたらあかんとちゃうかとかね。不幸になるんじゃないかとか。
この人のやりたいことはうちのやりたいことと、合わないんじゃないかと思ったら変におべっか使わないで「うちには合わないと思いますよ」という話をします。
それを決める一つの方法が、採用面談やるんですけど、必ず私が最終面談入るんですが、その時言うのは「会社に入るというのは、大切な時間をお金で売ることですから、あなたがお金でね、自分の人生を切り売りしてもいい会社かどうか見極めてください」と、いう話をしてうちの会社を面談してもらいます。
それで、基本的に私の面談まで来る時は、ほとんど部下は一緒に仕事がしたいですと言っている。ふるいにはもうかかっているので、まずそこを言います。
で、さらにそうするとボルテージ上がってくるじゃないですか、お互い。ほんなら「社長! ここで働かせてください!」って言うやつおるんですよ。ま、それは必ず断って。
馬場:断る?
横山:断ります。「3日ないし1週間必ず考えてください」と。で、うちに完全に納得して入るんやったら、うちに入ってくださいという話をします。だからそこでまず、ふるいにかけます。あと、育成なんですけど。
馬場:あれ? さ、採用だけ……。
横山:採用だけ? はい。
馬場:おもしろすぎるから(笑)。
(会場笑)
杉山:採用に関してはですね、どういう人材を求めているのか、結局横山さんと同じではあるんですけど、結局一緒に同じ目標を持って、目的を持って走っていける人じゃないとお互い辛いんですよね。だから、目的を共有できることがすごい大事だと思うんです。
うちの場合は企業理念というのをしっかりと掲げて、これを一緒に達成するように一緒にがんばれますかっていうところを、ま、ここに共感して一緒にやれますかっていうことを必ず聞きます。
企業理念がずれていれば、それこそ違う方向に行くことになるわけなんでここを中心にしっかりと話します。
求める人材としては主体的な人、それから利他的な人、誠実な人っていうのをうちは人材像としては持っているんですが、そういうところをしっかりとやることによって、目的が達成できる。そういう人が必要なんです。
技術に関しては最低限は必要なんですけど、先ほども言ったように技術はどんどん変化して進化していく、だからそこに関しては今持っている技術は実はどうでもいいって言っちゃ悪いんだけれども、そんなことあまり気にしてなくて。
これからどれだけ技術を身につけていって、最終的に一緒に目的が達成できる人かどうかっていうことの将来の技術を一番期待して見ていますね。
なのでその部分をしっかりお話しして、うちの場合は「ヴァンガード綱領(こうりょう)」っていう形で文章になっているんですけど、それを読んでいただいて、それに共感していただけるということをすごく重要視して。
本当に面接来ると私は誠実ですってみんな言うけど、本当に誠実かどうか、共感してますっていうんだけど、本当に共感しているかどうか、っていうのを面接でしっかりと見て、一緒にやれるかなということを考えて採用してます。
馬場:ヴァンガードさん落ちたら、なんか、誠実じゃねーって感じが。
塚本:ねー、そんな感じです(笑)。
杉山:いえ、誠実だけじゃないから(笑)。
馬場:ポイントはね(笑)
杉山:ポイントは(笑)。誠実は今フォーカスしてして言葉で言ってますけど、理念に共有、共感していただいて、主体的、利他的、誠実、それから最低限の技術ということになってますので、別にうちに落ちたから誠実じゃないってことじゃないです。
馬場:誠実じゃないから不誠実ってわけじゃないですからね。変なフォローになっちゃった(笑)。
(会場笑)
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