2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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大西拓馬氏(以下、大西):今日はプロティアン・キャリア協会と人事図書館のコラボというかたちで、リクルートワークス研究所・古屋さんをお招きをしてトークセッションをさせていただきます。
後日の記事起こし用に録音・録画はさせていただきますが、できるだけ参加いただいたみなさまと相互に話しながらやりたいなという思いで、あえて配信もなく、本当にこの場にいる方だけの場となります。今、抱えていらっしゃる悩みを一緒に話していける1時間半にできればなと思いますので、よろしくお願いします。
開催に先立ちまして、人事図書館のみなさまにこんな素敵な場をご用意いただきまして、誠にありがとうございます。先に感謝をお伝えしたいなと思います。
(会場拍手)
大西:館長の吉田洋介さんは「よっさん」とみんなから慕われていますが、実は私との出会いはけっこう最近です。2023年の11月ぐらいなんですが、この場がオープンする前にX(旧Twitter)で「人事図書館をやります!」という発信をされていて。
その想いに大変共感しまして、いきなりDMを送り付けて「個人的にちょっと取材させてほしい」という、わけのわからないお願いをしたら(笑)、ご快諾いただいて。こんな感じでnoteで記事を書かせていただいて、そこからこういったつながりを持たせていただいております。今日はご都合でいらっしゃいませんが、よっさんにも感謝をお伝えしたいなと思っております。
大西:簡単に私の自己紹介でございます。プロティアン・キャリア協会で認定ファシリテーターをしております。2024年の6月まで東急株式会社に勤めており、人事としてエンゲージメントの向上、人材戦略の策定、社内イベントなどを主に担当しております。東急田園都市線の車掌や東急東横線の運転士の経験があります。
また、7月からは転職して、人事として新たなキャリアを歩もうとしています。本日はよろしくお願いいたします。じゃあ、このままお二人からも簡単に自己紹介いただければと思います。まず、ぐっちゃんからお願いします。
山口裕也氏(以下、山口):みなさん、こんにちは。よろしくお願いします。私も拓馬さんとのつながりで、プロティアン・キャリア協会で認定ファシリテーターをしてるんですが、ふだんは製薬会社でグローバルの人材組織開発を担当していて。主にエンゲージメント向上やセルフ・キャリアドックの推進をしてます。
一方でプロティアンの活動もそうなんですが、今はベンチャー企業に在籍していて、今日も(会社へ)行ってきたんですが、そういうところでキャリアを広げています。今日はみなさんといろいろとお話ができればうれしいです。よろしくお願いします。
(会場拍手)
大西:ぐっちゃんは精力的に活動されてます。今日も、このイベントのために大阪から新幹線で来てくれたんです。
古屋星斗氏(以下、古屋):そうなんですか(笑)。
山口:朝から大阪です。
大西:終電で帰るんですよね(笑)。
古屋:確か、大阪行きの終電は21時半ぐらいですよね? このイベントは21時までですよ(笑)?
(会場笑)
山口:盛り上がったら、間に合わないかもしれません。
大西:よろしくお願いします。
大西:じゃあ続いて、古屋さんお願いします。
古屋:古屋星斗と申します。よろしくお願いします。遅刻してしまいすみません。僕、講演で遅刻するのって本当に初めての経験で……。たぶん(お二人が)僕の時間をつないでくださってるんだろうなと。
大西:あ、ちょっとできなかったです(笑)。
(会場笑)
古屋:と思ったら、意外とまだ始まってなかった。本当に申し訳ございません。
(会場拍手)
山口:お願いします。
大西:よろしくお願いします。実は私、古屋さんと初めてお会いしたのは昨年(2023年)でして。古屋さんがご登壇されている、とあるイベントに参加させていただいたのをきっかけに、よっさんの時と同じようにDMを送って「ちょっと取材させてほしい」とお願いしたら(笑)、ご快諾をいただいて。
館長のよっさんも含めて、こうした場につながっているのがとてもうれしく思いますし、行動してよかったなと思っております。本当にありがとうございます。
みなさん「古屋さんの講演を早く聞きたい」と思っているかと感じておりますので(笑)、パッとオープニングを進めてまいりたいなと思っております。
では最初に「今、キャリアに不安はありますか?」という、まさに本日の本質的なところを参加者のみなさまにもお聞きしたいなと思っています。キャリアへの不安、いかがですか? 「不安じゃないよ」という方はいらっしゃいますか? たぶん、いらっしゃらないんじゃないかなと思います。
「こんな不安があるよ」とか、もしくは「部下がこういうふうに(不安を)抱えてるよ」とか、なんでもかまいませんので、この場で何かご共有いただける方がいらっしゃったら1人か2人ぐらい聞いてみたいと思いますが、いかがでしょうか。
(会場挙手)
大西:お願いします。
参加者1:ありがとうございます。僕は今27歳なんですが、最近転職したばっかりなんです。周りの若い方からけっこう話を聞くんですが、まだ20代前半とか中盤ぐらいだと、どうしても「やりたいことが見つかりません」という人がすごく多いです。
大人たちも「まだ早いからいいよ。とりあえず目の前のことを全力でやれ」という方々が、けっこう周りには多くて。そういった周りの人たちにどういう声をかければいいのかって、ちょっと不安になってます。以上です。
(会場拍手)
大西:トップバッターでご共有いただき、ありがとうございます。「やりたいことがわからない」という声と、「今はその仕事をやってればいいよ」というマネージャーの方とのギャップも垣間見えたかなと思います。もう1人ぐらい「ちょっと言いたいぞ」みたいな方がいらっしゃったら、ぜひお願いします。いかがでしょう。
(古屋氏、挙手)
大西:おっ、古屋さん。不安……(笑)?
(会場笑)
古屋:いや。僕、普通に不安ですよ。
(会場笑)
大西:実際に僕も、会社やいろんな場で聞いたことがあるものの一部をまとめてきたんですが、例えば「ジョブローテーションでどこに行くかわからない」。僕の会社もコングロマリット企業なので、例えばホテル、ストア、セキュリティとか、鉄道も含めていろんな業種があって、どこへ配属、異動するかわからない不安は正直あります。
あと、よく聞くのは「このまま働いていても他社で通用するのか不安」「マネージャーが憧れない背中に見えちゃう」とか。テレビをつければ転職のCMが流れ、SNSを開けば同世代の人が活躍してそうだとか、隣の芝はどこまでも青く見えてしまう。
ずっと若手扱いで、「雑巾がけを何年やるの?」「30代になったのに部下は1人もできたことがない」みたいなことも、けっこうあるあるなんじゃないかなと思っています。
こちらはリクルートワークス研究所さんが公表されていたデータですが、20〜30代の2人に1人は「キャリア迷子」ということです。「自分の人生やキャリアでどうしていきたいかわからないですか?」といった質問に、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答している方は、20〜30代では約半数いるというデータも出ています。
あと、興味深いのが、「当てはまらない」「どうしたいかはっきりしている」という人は、実は年齢が上がってもそんなに増えないんだなというところも、おもしろいデータなんじゃないかなと思っています。
人生、どんなキャリアが正解かなんてわからないし、正直、歳を取っても「(自分のキャリアが)そんなに良かったのかわからない」みたいな気持ちなんじゃないかなと思っております。
人生100年時代、価値観の多様化、流動性の高まり、少子高齢化という変化の激しい時代で、不安になるきっかけは本当にどこにでも転がっている。そんな時代に、ここ数年で一気に傾いてきているんじゃないかなと思っております。
大西:こちらのデータは、キャリア形成に関して「情報量」と「行動量」という2つの軸で、若手を4つの象限に分けているグラフでございます。上にいくほどキャリア形成に関する情報を集めていて、右にいくほど行動しているということで、どのタイプの人がキャリア不安を抱えやすいか、逆にキャリア不安を抱えにくいかを見ているものです。
これはこれではっきり出ていまして、キャリアに関してプラスの展望や「こうしていきたいんだ」と熱意を持たれている方は、圧倒的に行動量があるタイプの方が多い。行動量が少ない人とはキャリアに対するプラスの感情に差が出てますよ、といったところがデータにも出ています。
つまりは、簡単に情報をキャッチできる時代なので、「行動につなげられるか」が差をつける、ところになります。もう先に言っちゃうんですが、今日のイベントはここを伝えたくて企画しました(笑)。
古屋:もう終わった(笑)?
大西:はい、古屋さんの前に終わってしまうという。
(会場笑)
大西:「悩んでるなら行動しようぜ」といったところをぜひ伝えさせていただきたく、企画をしております。
大西:最後にもう1つデータのご紹介です。「職場や学校や地域とか、自分が所属するコミュニティのルールや仕組みに不満がある場合、何か提案したり、自ら変えるような行動を起こしますか?」という問いに対して、このようなグラフになっております。
これは古屋さんの著書でも紹介されていたかなと思うんですが、特徴は、若い人ほど「どちらでもない」という層が少ないところです。なので、行動を起こす人と起こさない人が二極化していることが見て取れるかなと思います。
「Z世代」みたいな一括りで括られるような論調というかニュースをよく見ますが、実はタイプがぜんぜん違うんです。「あなたはどっちですか?」といった目線で、一人ひとりに合わせて育成やキャリア支援をやっていく必要がありますよねということが、こういったところでも見て取れるかなと思います。
もう1つおもしろいのが、年齢をどんどん重ねるにつれて、仕組みを変えるような提案をする人が減っていってしまうというところです。家庭内や会社内で背負うものが増えていって、行動のハードルってどんどん高まるんじゃないですか? ということも見て取れるかなと思っております。
じゃあ、どうやって一歩行動に踏み出していくのかといったところです。例えば少子高齢化や労働に関する各法令の変更とか、行動を変える前に環境が変わる。『ゆるい職場』という本でもご説明いただいているとおり、環境が変わってから行動や経験が変わって、価値観が変わっていくといった大きな流れがあると思います。
なので、まずは環境の変化を理解していくことは、非常に大切かなと思っております。今日はそんな時代の変化やキャリア観の多様化とか、不安を抱えやすい今の時代の潮流をつかんでいく。そこから「じゃあ、自分はどう一歩行動するんだ?」みたいなところを、なにかしらみなさんに受け取っていただければなと思っております。
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