2024.10.10
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高橋秀誓氏(以下、高橋):では、さっそくですけれども、田中先生にバトンタッチさせていただきたいと思います。
田中研之輔氏(以下、田中):どうも、みなさまこんばんは。秀さん、すばらしい場に呼んでいただきましてありがとうございます。ちょうど新作を出したタイミングで声をかけていただいて、非常にうれしく思います。よろしくお願いします。
実は私、今日はもう1本(イベントが)被っちゃっていて。ギリギリまでみなさんにお伝えしますし、質疑応答でなんでも聞いてください。限られた時間ではありますが、走っていこうかなと思ってます。
今回は『(今すぐ転職を考えていない人のための)キャリア戦略』ということですが、私としては一生懸命かみ砕いて書いたんです。
キャリコン(キャリアコンサルタント)の方々は、キャリアに関する知識はすごくあるんだけど、キャリアの知識がない方々にどう伝えたらいいのか悩まれていたり。企業の人事の方やキャリア開発支援室のみなさんの周りには、悩まれている方がいらっしゃると思います。
その(悩んでいる)方々にどのようにワークができるかを考えて、ディスカバー・トゥエンティワンさんから出した本です。そのエッセンスを紹介しながら、できるだけ私のほうでまとめて、みなさんとダイアログしたいなと思ってます。
実はですね、今回の本を読んでいただいた方も多いかもしれないですが、単著としては『プロティアン・キャリア』シリーズの“次男”だと思っています。
(プロティアン・キャリア)協会の有山(徹)さんとは『(今のまま働き続けていいのか一度でも悩んだことがある人のための)新しいキャリアの見つけ方』、三田国際(学園)の内田(雅和)先生とは『プロティアン教育』という本を共著で出してます。いくつか著作は増えてるんですが、『プロティアン』を出して2年経ちます。
田中:今日、みなさんにお伝えしたいと考えてることが3つあります。「コロナって何だったんだろう?」ということですね。もちろんウクライナの戦争の状態も気になるけど、私たちの日常生活の中でいうと、コロナパンデミックはみんなが経験したことなので、当事者意識がすごくあると思うんですよね。この間を、どうやってこれからのキャリア形成の転機にできるのか。
そして、キャリアを考えることを、どうやって経営や事業、戦略、事業部門のホットイシューにすることができるのか。これに2年間取り組んできました。つまり逆説的にいうと、キャリアという領域は、経営や事業領域の中ではどこか“島宇宙”だったのね。
企業文化の中には、「キャリアは1年に1回考えることでいい」というのが、どこかまだ残っていて。「もうそれは違いますよ」という話を、ずっと『プロティアン』を書いて伝えてきました。そのやり方を書いたのが、実践編である『キャリア戦略』になります。
2年間(コロナ禍を)乗り越えたんだから、キャリア論に詳しい方が多いと思いますが、我々はレジリエンスを培ったんですよ。つまり、適応した。『プロティアン』では「アダプタビリティ」と言うんですが、我々は強く、しなやかになったわけです。だとすると、これをこれからの未来の力に変えていけないかなと思っています。
今週もいろいろありますが、企業登壇を含めて、「悩みって意外と似てるな」という感覚があるんですよ。つまり、「このまま今の職場で(働いていて)いいのかな?」「給与面とかやりがいで転職を考えてるけど、どうしたらいいのかな?」とか。
基本的にはビジネスパーソンは、男性・女性、年齢を問わず、どの職業やどの職位の方であっても同じような悩みを抱えています。まずこれは、キャリア業界である我々がみなさんと一緒に共通認識として持ちたいことです。「悩みは似てる」ってことだよね。
田中:(マーク・L・)サビカスなんかが言うように、よくキャリア相談の中では「個別具体的なイシュー」と捉えます。もう少しポジティブな意味でいうと、(悩みは)似てると捉えることができれば、キャリアトレーニングが可能なんじゃないかな? という認識に立って、今回(『今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略』を)書き始めました。
私はキャリアデザイン学を専門としています。アメリカのUCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)の客員研究員から戻ってきて、2008年からかれこれ15年キャリア開発をやってます。31社ほど、企業顧問もやっている状況です。
ご紹介にありましたように、こういった本を書いたりしています。あと、今日のみなさんとはつながってる方も多いと思うんですが、特に今はTwitterはキャリア業界ですごくホットムーブメントが起きてると思います。
秀さんが書いてくださったように、「#キャリア戦略」とか「#coachee」とハッシュタグで書いていただければ、私も追いかけますので、ぜひぜひ投稿してもらえればと思います。投稿すると、我々のネットワーク外の人とつながれるのが大きいかなと思ってます。
先ほどの「レジリエンスを社会の力に」ということでいうと、今日は『キャリア戦略』にフォーカスしてお届けするので、こちらを手に取ったり質問していただいて、考えることができたらなと思います。ディスカバーさんは書店との関係性もかなりエンゲージが高いので、書店にも並んでると思います。まだ手に取っていない方は、読んでいただいて損はないかなと思います。
田中:みなさん、ゴールデンウィークは何をされていたんですか? よろしければチャットに(書き込んでください)。私はここだけの話、(2022年3月に)リンダ・グラットンと対談したので、覚えてもらったから「会おうかな」と思ってメッセして。そしたら、「メールありがとう。でも、その期間はニューヨークにいる」ということで、別の機会となったのですが。
もともとロンドンに行きたかったから、ゴールデンウィークはオックスフォード、ケンブリッジ、そしてLBS、ロンドン大学ビジネススクール(へ行きました)。オーストラリアのメルボルン、カリフォルニアのUCバークレー、オーストラリア、アメリカ、カナダの大学の動向は見てたんですが、意外とイギリスって見てなかったのでゴールデンウィークに行こうと。
みなさんご存知のように、イギリスが一番コロナの規制が緩和されていたのです。もちろん3回(ワクチン)接種はしたんだけど、イギリスはなんの検査もないので、ウォークインでそのまんま入る。戻ってくる時も羽田で1.5時間(の待機だけで帰れて)、ほとんどストレスなく帰ってきた感じですね。
コロナを経て、徐々に「ウィズコロナ」になっていくタイミングですが、今、こういった記事も公開されてます。今日の『キャリア戦略』の話も合わせてですが、キャリアにご関心がある方や、キャリア業界にいらっしゃる方、経営層や人事の方も含めてだと、『LIFE SHIFT』のリンダとの対談と、伊藤(邦雄)先生の2本は、絶対に読んでいただきたいですね。
みなさん(コメント)ありがとうございます。グランピングいいね、行きたいわ~。「無限仕事だった」の、すごいね(笑)。ある意味、私も半分遊びという感じで過ごしてました。田植えもいいですね。すばらしい、みなさん充実した(ゴールデンウィークですね)。(イベント開催が)5月10日なので、徐々にみなさんもギアを上げていくんだと思います。あと、これに続いて早稲田大学ビジネススクールの入山(章栄)さんとも対談さんとも対談しました。
田中:今日の話は、なにもキャリア業界の話ではなくて、経団連とか経営の中枢にいる方たちにも届けています。そして、共通認識があります。つまり、これからのキャリアについて我々は考えなきゃいけない時期であると。
今回のトピックである「今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略」で、どういう質問が来ているかというと、「転職って年齢制限はあるんですか?」「転職をするにしても、何したらいいの?」「日本型雇用ってどうなっていくの?」とか。やっぱり、目の前で起きてることってわかりにくいんですが、平たく言うと歴史的転換ですね。
この転換は、おそらく100年に1回ぐらいだと捉えていただいても間違いないです。その認識は、リンダ教授や入山さん、一橋(大学)の伊藤先生など、我々アカデミシアンが描いている共通認識です。
日本型雇用を築いてきた戦後の高度経済成長期から、いろんなIT革命やDXがあったけど、その先を見据えて、コロナを契機にしたこれからのキャリア形成が1つの歴史的なメルクマールになる。
じゃあ、キャリア関連で我々が抑えていかなきゃいけない問いは、また後ほど答えてもいいですし、みなさんなりに答えがあればいいと思います。基本的に(転職に)年齢制限はなくなってきているとか、あるいは「何を始めたらいいか」でいうと、こういうワークを常日頃からやっていくのはすごくいいです。
日本型雇用は衰退していくものではなくて、再活性化していくために何ができるのか? を考える時期です。キャリア業界に関していうと、この2つは確実に抑えてください。次の本でまたメインイシューを書いてるんですが、次で(著書は)29冊目かな。
田中:何が起きてるかというと、人的資源から人的資本へ(の移行)。つまり、「資源から資本へ」という認識に変えてる人はうまくキャリア形成していくし、経営をうまくやってくし、人事部門でもうまくいく。
人的資源というのは、人件費やコストで見るやり方です。(人的資本は)そうじゃなくて、投資対象として資本として見ること。ヒューマンリソースではなくて、ヒューマンキャピタルとして見るんだという認識を転換できるかどうか。
そのために、やるべきことは2つ。1つは「人的資本の最大化」。よく聞かれる言葉だと思います。平たく言うと、みなさんと関わりある人それぞれが、やりがい・生きがい・働きがいを感じながら働いていくという、至極ごもっともな本質的な働き方をみんなで実現しようということです。狙うは、ビジネスパーソン6,000万人ってことだね。
そしてもう1つ。8月から9月中旬ぐらいにかけて、もっとこのイシューが新聞やメディアでも取り上げられるような動きになってくると思いますが、岸田政権になって注視されてるのが「人的資本の情報開示」という話です。
例えば、国際基準のISO(30414)の11項目の検討の上では、コンプライアンス事項、後継者育成問題、生産性とか(の情報開示が制定されています)。こういうことが、今の我々のキャリア業界の全体で起きています。地殻変動が起きてるということです。
ですので、「エドガー・シャインのキャリアアンカーをわかってる」「ダグラス・ホール(の理論が)わかりました」「サビカス(のキャリア理論)わかりました」「クランボルツの計画的偶発性理論がわかりました」で、止まったらダメです。
こういった事象の中に、それぞれのキャリア開発の知見を埋め込もうと思いながら、『プロティアン』『ビジトレ』、教育系でいうと『プロティアン教育』、そしてアスコムさんの『新しいキャリアの見つけ方』、今回の『キャリア戦略』を書いてます。
実は7月に、日経BPから『Career Workout(キャリア・ワークアウト)』という本を出します。今はもう編集に入ってますが、よりトレーニングベースの内容です。
田中:つまり、なんでビジネスパーソンだけ資本が伸びていかないのか? ということが問題意識にあります。トレーニングをすれば、誰でも・どこからでも・どなたでも伸ばせるよね、と考えるわけですね。だから、『Career Workout』という本を書いてます。それが、リンダ教授への私なりの『LIFE SHIFT』への応答であるという位置づけですね。
そして、就活に関しても一緒です。つまりこれからのキャリア形成は、自ら主体的にキャリアオーナーシップを持って、これをやりきるか・やりきらないかだけだと思います。
(スライドの)矢印が反対に向くことは、もうないと思っています。これだけテクノロジーが進んで、少子化が激化して働く人口が増えない中では、組織からみんな逃げていっちゃうから、我々は組織内キャリア型で(キャリア開発を)どんどん強化する。
今、もうすでに起きています。商社でも30歳以下の離職率は上がっていたり、どの企業を見ても、優秀な人材に残っていただければ、自律型のキャリアを応援しなきゃいけない。優秀な人材を獲得したいならば、プロティアン型のキャリア形成を応援するようなキャリア開発をしましょう。
「どうやって?」ということなんですが、4章立てで考えています。今回の『キャリア戦略』では、まず(1章は)戦略設計すること。そして(2章は)意識を改革すること。そして3章はトレーニングセッション。その中で、実はちょっと浮く章があって。それが4章(組織貢献)です。4章は、私なりにものすごく思い入れを書いた章です。
田中:どなたかがツイートされてたと思うんですが、芯を得てるのでそちらにフィードバックします。キャリアに関する書籍って、だいたい個人のことになるんですよ。「みなさんどうしましょう?」みたいな。だから個人向けに話すんだけど、自律型のキャリア形成、プロティアンでは、「みなさんがみなさんらしい人生を描いてください」というテイストになります。
でも、『プロティアン』も『キャリア戦略』も、袂を分かつのは何かといったら、個人と組織の関係性をより良いものにしていくというところに軸を置いてるんですね。ですので、4章がものすごく重要です。
みなさんらしくあっていい。あるいは、これからキャリア形成をサポートしていくクライアントさんに対してぜひお伝えしたいのは、「みなさんらしくあることと、組織に貢献していくことは両立可能である」ということです。もっと言うと、それを両立していかない限り、これからのキャリア形成は難しいと考えなければならないです。
個人のことを考えると組織のことをやらなくなるし、「組織にコミットしよう」と思ってもらえるようにすると、個人のことが見えなくなる。ですので、今までのキャリア業界をめぐる、ある種の皮肉や哀しさ(が生まれていた原因)は、常に個人と組織は対立軸だったんですね。「でもそれ、おかしいですよね?」という問題提起を、ずっと本の中ではしています。
もう少し具体的に落とし込んで話すと、この本では最先端のキャリア開発を進んでやっています。その狙いは、もちろんTwitterとかでもいいんだけど、もっと日常的に、オープンに、みんなでキャリア開発を考えようってことです。
田中:個人がセンシティブなイシューで悩むんじゃなくて、もっとオープンに考えていい。悩んでる人は悩んでることを言えないし、組織には「悩むことが恥ずかしいこと」かのような文化があるから、隠れてキャリア相談をしている。これはもう、ぜんぶおかしいと思ってるのね。
これは、日本の企業が望ましくない方向性として作り上げてしまった文化です。なんでかというと、均一化・画一化労働で1回勝ったから。つまり、企業は1回グロースさせたからなんです。
その成功体験から逃れられないから、「個人は組織の中で自分勝手にやることは損だ」という文化を作り上げた。そうではなくて、キャリア開発はもっと日常的なものに、トレーニング型へと(移行していく必要があります)。
私が今、キャリア講演をやっている企業は、大手企業さまとご一緒しています。プレスリリースもできますが、出光興産さん、住友商事さん、ポーラ化成さん、電通デジタルさん、富士通さんでもやっています。
参加するほうからすると、「研修って楽だ」と思ってるんですね。もっと言うと、「研修はつまらない」「その時間がもったいない」ってみんな思っちゃってるんです。
でも、望ましいのは、研修の期間やキャリア開発の時間を「トレーニングの時間」にすることです。つまり、人的資本を最大化するために、就業時間内でトレーニングを積むんですよ。トレーニングというのは、要はレベルアップしようということです。
そういうことができるキャリア開発を進めたいなという思いのもとで、この『キャリア戦略』を書き始めました。
田中:もっとここだけの話で(笑)、みなさんだけにお伝えすると、(現代社会には)「キャリア=転職」という文化ができ上がっちゃったのね。
LinkedInから今Googleに行った、ジェネラルマネージャーの村上臣さんの『転職2.0』という本もすごく読まれてる。その前には、プロティアンの帯を書いて下さった北野唯我さんの『転職の思考法』。彼らが言いたかったことは、「キャリア形成というのは、1つの組織の中で閉じこもって可能性を抑え込むことじゃない。転職もキャリア形成のきっかけにしていいよ」ということ。
これはすごく重要なメッセージです。だから、労働の流動化とか、自分らしい働き方をみんなが手にし始めたのね。これは良かった。だけど、決して「キャリア=転職」じゃない。例えば私の場合は、2008年にアメリカから帰ってきて着任して、15年経つまで1回も転職してないんですよ。でも、キャリアはグロースできる。
どういうふうにかというと、本業をピボットにしながらずーっと副業をしてるんだよね。8年間個人事業主でやっていたのをどんどんシュリンクさせていって、今度は自分でキャリアナレッジという会社を立ち上げました。
本業をしながら会社も立ち上げて、企業顧問もやってる。こういうのを「プロティアン型」としています。みなさんも、いろんな働き方でいいんですよ。経理をしてるけど、夜にはデザインをしてます、そして週末にはNPOの活動をしてます、とか。インタビューしてると、けっこうそういう人は多いんだよね。
つまり、人生をシングルアイデンティティで行かないっていうことを、みんなで作ろうと。だからこそ、転職を考えた時だけキャリアについて考えるんじゃなくて、もっと日常から、髪の毛を洗うようにキャリアについてトリートメントしましょう。後半のセッションで「歯磨きの前の時にトレーニングしましょう」と書いてあると思うんですが、みんなでそういう文化を作っていきたいです。
田中:おそらく、6万人いらっしゃるキャリアコンサルタントの方々や、人事部の方々に課される課題は何かといったら、みなさんが関わり合う人を伸ばすか・伸ばせないかなんだよね。異動するか・しないかという話じゃなくて、その人がその現場で伸びるか・伸びないか。
伸ばすために何ができるのか、どんなフィードバックをするのかが、ここから5年ぐらいはものすごく重要な課題になる。人材が慢性的に不足していることは、もうずっと変わらない。なので、キャリア開発をAI&テクノロジーで分析しながら、キャリアグロースをしたりもしてます。
これもぜひ使ってもらいたいなと思って、忘れないうちにお伝えしておきます。私が開発して昨日ローンチして、うちの学生にも250人ぐらいにやってもらって、かなり正確に(データが)出ました。
これは無料でできるので、キャリアコンサルティングの1on1の時とか、あるいは学校現場や教育現場とか、どこでもいいんだけど(使ってもらえるとうれしいです)。『しゅんダイアリー』という就活のダイアログで使ったんだけど、かなり如実に出ました。
ちょっと私の(結果)をお見せしましょうか。要は、キャリアをデータ化したいわけです。5設問6カテゴリ、30問を解くと、自分の中での相対的評価が出ます。別に、これによって「あいつはできる奴だ」「できない奴だ」という認識ではまったくなくて。
健康認識と同じようなかたちで、キャリアを気軽に考えたらいいんだよねということで、今はデータを貯めています。そういったデータを富士通さんでも開発して、今回は『しゅんダイアリー』さんにも卸しました。いくつかプログラム開発をして、診断をしてます。
田中:主観的・アナログなものから、キャリア開発を客観的・データ分析に変えていこうとしてるんですね。そのためには、今お伝えしてきた前提が共通認識として必要になります。「HRM」から「HCM」へ。これは今日、絶対に覚えてもらったら良いと思います。
情報公開の中でも、人がどう伸びていくのかがこれから問われるようになる。なので、今の時代背景の中で何が起きてるのか(を把握する)。おそらく今日は、大半の人は私と一緒の昭和生まれだと思うんだけど(笑)。学生に教えていると、日頃から平成生まれの子たちと接しているんです。
キャリアは、歴史的な中でこうやって変化してきたんです。プロティアンは(歴史の中で)どこにいるかといったら、ちょうど今から振り返るならば、令和の元年に『プロティアン』という本を日本で出したんですが、(プロティアンは)ニューキャリアなんです。
昭和の時代は組織が強かった。単身赴任、文句も言えない、年功序列、終身雇用。その反省があったから、平成になると「いやいや、もう少し自分らしく生きたいんだ」「働き方改革したいんだ」「時短勤務でやりたいんだ」と、働き方に多様化が生まれてきた。
令和の時代は、個人化を推し進めるというよりは、個人と組織の関係性をより良いものにしてったほうがいいよね、という流れにきています。
『キャリア戦略』と合の子で、『プロティアン』をずっとお伝えしています。プロティアンを導入して、プロティアン型の人材を増やしていくと、企業の生産性と競争力が上がる。そしてエンゲージメントも上がり、心理的幸福感も高まる。これはもう、データとして取れています。
なので、あとはこれをいち早くやるだけです。協会でも、公認のファシリテーターの方々が150名近くになったのかな? 検定もやってますので、みなさんも興味があれば、ぜひご参加いただければと思います。
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