2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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志田帆歌氏(以下、志田):あと、もう1個。どんな後悔をしているのかというところで、世間の評価とか、両親・家族に気を使ってしまったという方もけっこう多いかなと思っています。
こうなってくると、(自分のキャリアを)他人の軸で選んでしまっているので、やりがいや価値を見出せないとか、楽しそうに働く友人が羨ましくなっちゃったり。あとは未来がイメージできなくなる方がけっこう多い印象なんですが、岡さん何か補足はありますか?
岡千尋氏(以下、岡):そうですね。親に反対されて一度転職を止めて、そのまま残った結果、満たされてないとなってくると、結局その親のせいにしちゃってる人もけっこう多かったり。あと、私は最近カウンセリングで「最近、嫉妬した人ってどんな人ですか?」って聞くことが多くて。
世間軸で満たされたとしても、本人が満たされてなかったとした時に、SNSを見るのがつらいというのにひも付いてくるんです。例えば、SNSで友人が「起業した」とか、ベンチャーですごく活躍しているのを見て、自分はここまでがんばれてるかな? というのを感じたりする人もけっこう最近増えてきているなと思っていて。
人気企業とか、いわゆる安定で就職を決めたけれども、(それでも)もやもやしてる人は、「嫉妬してる人はどんな人ですか?」というのを整理してみると、自分はこういうのをち求めてるのかな、ということに気づくヒントになったりもするので。そういうふうに向き合ってみても良いかなと思いますね。
志田:なるほど。
志田:今、寺口さんからチャットで「尊敬と嫉妬の違い」という言葉を挙げていただきました。
岡:確かに。尊敬は遠くて嫉妬は近い。そうなんですよね。
志田:ぜひ、補足してください。
寺口浩大氏(以下、寺口):マジでそうですよね。嫉妬って良いシグナルだなぁって思ってて。嫉妬するものは比較するくらい近くにある。
例えば、僕は大学・高校の時にずっとロックバンドをやってたんです。例えば、じゃあビートルズに嫉妬するかって言ったら、マジでぜんぜんしないんですけど、普通に一緒にやっている友だちで、ちょっとでっかいところでライブやってるやつとかって、やっぱり嫉妬するんですよね。これはなんかおもしろいなぁと思って。
比較対象として見ているから嫉妬して、嫉妬を感じたということは、そこに対して自分が興味があるってことなんだなという。今のキャリアの話をとっても、ちょっと気になっちゃう、比較しちゃう、というのは、自分の興味がそこに向いているし。それは本当に僕自身も思いますし、周りの話を聞いててもやっぱり思いますね。
志田:なるほど。嫉妬するものって、「自分でもできそう」とか、ちょっと手が届く範囲という感じがするんですよね。ありがとうございます。
志田:岡さん。このへんはアンケートをとっていらっしゃいましたよね?
岡:1回私のTwitterで「親に気を使ってましたか?」「親の価値観に影響されましたか?」というアンケートを採ったことがあって。たぶん私や寺口さんもそうだと思うんですが、ファーストキャリアはすごく親の影響を受けてたなと思っていて。
実際、世間的にもどうなのかを(アンケートで)採ると、半数以上の方が、親の価値観や意見の影響を受けてるんだな思っていて。たぶんこれ、転職も含めるともっと増えるかもなと思ってるんですが。
相談者で「親に反対されるかもしれない」とか、転職先を決める時に親に相談をする人もけっこういらっしゃるので。このデータもそうだし、少なくともキャリア選択に(親の)影響を受けているのって、けっこう多いんだなというのは実感としてあります。
志田:なるほど、ありがとうございます。なかなか(親の価値観は)抜けないですよね。切っても切れないところはあるのかなと思います。
岡:いろんな後悔の事例を挙げたんですが、じゃあ実際に自分らしいキャリアって何ぞや? というところを、これからお話ししたいなと思っております。
今、いろいろ挙げた「ありがちな仕事選び」って、世間的に見てどうかとか、親や友だちが見てどうとかが多くて、自分にとってのベストとは限らないかなと思っております。今って選択肢が無限大なんですよね。さっきも話に出た、「友だちが起業した」とか「スタートアップに入った」というのもそうですし。
ライフイベントを重視して働きたいとか、地元に帰ろうかなとか。本当にたくさんの選択肢がある中で、やっぱり自分にとってのベストが選べる状態こそ、自分らしいキャリア選択かなと思って、こういった定義づけを今しております。岡さん、補足ありますか?
岡:自分らしいキャリアって結局何やろうなって、いろんな人を相談していてすごく思ってて。結局、無理がなく働けているかとか、違和感がなく働けてるかがけっこう肝かなとは思ってます。
この前、すごくおもしろいなと思ったさっきの記事も見つけて。それを元にnoteも書いているので、もしよければいつかのタイミングで見てもらえたらなと思っています。
岡:これ、私がリクルート時代に「こういう構造なんだ」って思ったことがけっこう書かれていて。働きがいとか、自分らしいキャリアって結局何なんだろうと思った時に、3つのCがあります。
「Clear」「Choice」「Communication」って書いています。自分の良いところをちゃんと自覚してますか? というところ。それがちゃんとマッチしている仕事を選べていますか?というところ。そしてコミュニケーションといって、人間関係もすごく影響も受けるので。
カルチャーがちゃんとフィットしてるかとか、上司とちゃんとコミュニケーションが取れているかどうかが、働く喜びだったり、自分らしく働けているというものにつながっているんだなって。これはすごくわかりやすいなぁと思っていて。
なので、もしもやもやしてる人がここにいるのであれば、そもそも自分の良いところって自覚できてるんだっけ? それが仕事の特性としてフィットしているっけ? ということとか、会社の雰囲気とかにマッチしているのかを振り返ってもらったら良いかなと思っています。
『「石の上にも3年」に縛られすぎて、苦しくない?』という、こういうのを簡単にまとめた記事も書いているので、もしよければ見てもらえたらなと思います。
志田:今のお話、寺口さんも何か補足があればお願いします。
寺口:そうですね。「自分らしく」というのは、もう長い間言われてるけど、ずっと「ふわっとしている言葉やな」と思っていて。
岡:そうなんですよね(笑)。
寺口:僕も考えてみたんですよ。こういうキャリアのマーケットで仕事をする限りは、「『自分らしく』ってずっとふわっとしている問題」は、なんとかもうちょっとアクションに移せるようなことを考えたいなと思ってて。
今のところ、暫定的な答えにはなっちゃうんですが、すごく自分の中ですっきりしたのは、人材研究所という会社をやってる曽和(利光)さんと話していた時に、「本当は人には強みも弱みもないんですよ」「特徴しかないんですよ」ということを話していて。だから、特徴とポジションや仕事が掛け合わさった時に、それが強みになるし。
志田:確かに。
岡:(スライドを指しながら)これですね。持ち味。
寺口:そうなんですよ。本当にこの図のとおりやなと思って。強みとか弱みとか、強みがないから自分には価値がないんじゃないかというのはぜんぜんそうじゃなくて。才能に合うポジションや、特徴に合う仕事と出会えて、その特徴が強みとして発揮された経験がないと、やっぱりしんどいなと思います。
寺口:もうちょっと具体的に言うと、僕はコミュニケーションに関しては、昔からある程度器用にできるというか。いろんな人たちと関係構築ができるなと思ってたんですが。
「じゃあ、コミュニケーションができるから営業」という感じでいったら、営業の後のクロージングのコミュニケーションがそんなに上手じゃなかったりとか。関係構築は上手だけど、相手の意思決定を促せないとか、意思決定を促した後の事務的なフローが苦手とか。
「コミュニケーションができるから営業」みたいになってるのも、営業という仕事も、分解したらいろいろあるよねと。どっちかというと「興味を持ってもらう」だったら、営業の前のマーケティングかもしれないし。さらにその認知を作るところだったら、広報かもしれないし。
やっぱり仕事って、名詞のまま考えたらよくわからなくなるなと思ってて。営業って名詞やけど、営業って具体的に何することなんだっけ? と、名詞を動詞に分解していく。後工程が苦手だったので、僕はセールスの時は大変でした。PRの仕事をするようになってから、苦労はかなり減りました。
自分の特徴がはまる職業と出会い始めているのかなと、今、30過ぎになってやっと思えている状態です。
寺口:(視聴者のコメントを読みながら)ありがとうございます。「営業の分解」、そうですね。名詞を動詞に分解してあげると、すごく解像度が高まるなぁと。「クロージングができなくて……」という人、やっぱり多いですよね。
志田:多いですね。
寺口:関係構築はできるけど、クロージングのところは(苦手)という。クロージングも技術だったりするんですが、やっぱり向き・不向きもあるので。
志田:確かに。仲良くなる部分とはまた別の技術ですよね。
寺口:そうです。(視聴者のコメントより)「3Cが全部揃ってるけど、違和感を感じる」。
岡:何に違和感を感じるか、チャットでもらって良いですか? キャリアの考え方もけっこういろいろあるんですが、基本的には「得意を伸ばせるか」というところにフォーカスするという考え方です。
例えば学校だったら、成績とかを考えると、「苦手を克服する」という教育がかなり浸透している。まじめな人ほど「苦手を克服しなきゃ」と思うなと感じているんですが。こと仕事に関しては、いかに得意にフォーカスできるかがけっこうポイントかなと思っているので。
努力をしなきゃいけないことに時間を割くよりも、苦なくできることで伸ばしたほうがいいんじゃないかなと。このあたりも、「寝食を忘れるほど夢中になれる仕事の見つけ方」というnoteを書いているので、またいつか読んでください。
志田:あと、今チャットで書いていただいている「持ち味はどう見つければいいですか?」という質問。この後、岡から説明がありますよね。もうそっちに行っちゃいますか? さっきの「3C全部揃っていると思える仕事でも(違和感がある)……」というところ、ぜひお答えしたいんですが、続きがいただけるとうれしいですね。
岡:もし良ければ。
志田:あと、こちらもお答えしておきますか。「上司・同僚とのコミュニケーションは、転職の際は入ってみないとわからないと思いますが、そこは運ですか?」。
岡:寺口さん、どうですか?
寺口:これはもう、本当に難しいですよね。みんな、結局何かあるじゃないですか。表向きなキャリアチェンジの理由って、だいたいその仕事や自分のキャリアを考えた時に聞けるんですけど、匿名で本音を聞いたら、ほぼ人間関係なんですよね。
仕事に興味を持って入って、人(が原因)で辞めていくというのが、やっぱりあります。これはもうおっしゃるとおり、入ってみないとわからないというのは、本当にそうかなとは正直思います。
僕もその人と一緒に働きたいと思って入ったらぜんぜん部署が違って、1年ぐらいで会社からその人がいなくなっちゃって。人だけで(就職先を)決めるのって危ないなと後悔することがあったんですが。
今思うのは、できる限り人の顔が見える、たぶんベンチャー企業とかは特にそうなんですが、どういう人とどんな仕事をするのかがわかってもらえないと、来てくれないよねって思っています。
寺口:あとはもう1つ。僕はやりたくないことをやらなくていいようにするのがけっこうモチベーションになっていて。特徴を仲間にわかってもらうことと、選べる状態を目指すと、そのための努力も楽しめると思います。できる限り自分を選べる状態に持っていくために。
志田:なるほど、確かに。ありがとうございます。いろいろチャットをいただいてますね。あと1件ぐらい答えても間に合う時間なので、どなたか答えましょうか。
岡:さっきの話の続きで言うと、人間関係は確かに(会社に)入ってみないとわからない部分はある。運の要素もあるけど、運の要素を少なくする努力はできるかなと思っていて。
どういう人と働く時、自分が一番モチベーションを維持できるのかを言語化したり、入る前に実際に働いている人とできるだけ接点を持つことも、工夫としてはできるかなと思います。「入ってみないとわからない」と思う要素を、できるだけ少なくする努力はできるかなと思いますね。
志田:そうですね。最近はわりと、SNSとかで気軽に働いている人とつながれる状態があるかなと思います。簡単にカジュ面(カジュアル面談)を組んでもらったりとか。そしたら、いったん次に行きますね。また戻ってお答えできたらなと思っているので、質問がある方はぜひどんどん書いてください。
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