2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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2020年に日本マイクロソフトを退職し、現在は株式会社圓窓の代表取締役を務める澤円氏。多様な働き方や、新しいビジネスが展開される社会の中で、これからの企業カルチャーはどうなっていくのか。「古い企業文化からの解放 『個』と『組織』の成長を促すフラットな組織」をテーマに、本記事では、「会社の情報のオープン化のコツは?」「無駄な会議の削減に、上司が納得してくれない」など、視聴者から寄せられた質問に答えました。
※このウェビナーの本編の視聴はこちら:Slack はたらき場所改革
司会者:(視聴者からの質問で)「昨年から『会議の価値の向上を目指す』という改革プロジェクトを進めています。全部門の6割を占めていた『伝える会議』の削減を実現し、時間創出につなげることに成功しました。」
「しかしオープン化することに抵抗を感じ、情報を抱え込んでしまう人が多い部署は、オープンコミュニケーションがなかなか進まず、全社でのオープン化につながりません。オープン化に対しての理解を深めるコツがあれば、ご教示いただきたいです」ということです。
澤円氏(以下、澤):コツというか、これ、コツに依存しないほうがいいかなと思っていて。よくコツの話をする時にこの例え話するんですが、「お味噌汁をおいしく作るコツって何ですか?」っていうのを日本料理屋さんの料理長に聞いたら、「家庭で作るんだったら、だしパックの量を倍にするといいですよ」という答えが返ってきましたと。
でも、この情報を知ってるだけで味噌汁が作れるか? っていうと、違うわけですね。ですので「コツに依存する」というのは、実は全体を見失う場合もありますので。「なんでそうなるんだっけ?」という根源的なところを、主語をデカくせずにバイネームで「なんでその人がそういう行動をするのか?」というところまで観察・分析をするのが、まず必要かなと思います。
そうしないと原因が特定できない状態になるので、どれもこれもが“適当パンチ”になっちゃう可能性があるんですよね。ですのでまず、大事なことは何かというと、原因をちゃんと理解する。「なんでそうなるんだっけ?」というボトルネックになってる部分をすごく大事にする。
これね、やっぱり「Whatで聞く」というのはすごく大事ですよね。「なんで?」って聞くんじゃなくて、「What」で聞く。「何がブロッカーなの?」と聞くのがすごく重要かなと思いますね。
司会者:ありがとうございます。もう1問いかせていただきます。「昨年からオンラインミーティングが激増して作業時間が減っていたため、ムダな会議の削減を行ってメンバーに展開したものの、上司や同僚のマネージャーの賛同はあまり得られていません。こういうコンサバな組織も文化として受け入れ、自己中を通していればいいのでしょうか?」ということです。
澤:僕がいいか悪いかをジャッジする内容じゃないかな、と思うんですよね。こう言うと「冷たいなこの人」って思うかもしれないんだけど、僕がいいと言ったからやるってのも「ちょっと違わね?」って話なので(笑)。
なのでどうするかというと、やりたいことをやればいい。ちょっと大きい話をすれば、もうこれは自分の人生だから、自分の人生に責任を取ればいいだけの話なんですね。そういう状態かつ、それでもその組織に属している自分もけっこう好きだなぁ、と思うんだったら、そこでバランスを取るしかないですよね。
だけど、明らかにそれによって自分の人生がムダ遣いされていると感じるんだったら、もうこれは転職含め、ちょっと考えたほうがいいかもしれないですよね。
司会者:ありがとうございます。続いての質問に移ってまいります。「制度上のピラミッド組織でも、Slackを導入することでフラット化が可能でしょうか?」ということで、こちら伊藤さんにお願いします。
伊藤哲志氏(以下、伊藤):Slackも含めて外資系も、完全にフラットというか、階層がない組織ではないっていうところですね。何が違うかと言うと、役割が明確になっていると。ですので今、ジョブ型の働き方とかが議論にはなっていますけども、いきなり個人レベルでジョブ型までいかなくても、まずは部署だったり課だったり、チーム。
チームレベルでそれぞれの役割を明確にした上で、その役割同士をどのようなかたちで……足し算ではなくて掛け算ですね、組み合わせて仕事を進めていくのか。こういう意識をしてコミュニケーションすることによって、階層型の組織であったとしても、いわゆるネットワーク型の組織に近い動きができるようになると思いますので。そのへんご検討いただければいいかなと思います。
司会者:ありがとうございます。もう1問、Slackに関連するご質問で。「連絡事項はSlackでいいと思いますが、社内通達もSlackを使用されている事例等はありますか」ということです。
伊藤:はい、弊社ですね(笑)。
澤:(笑)。
伊藤:弊社の社内のコミュニケーション、メールを一切使わないんですよ。ありとあらゆる社内のコミュニケーションがSlack上で行われているんですけども、例えば全社通達であれば「announcement_global」であるとか「announcement_Japan」みたいなチャンネルが用意されていて。そこで通達事項は(見られるように)用意されています。
チャンネルに投稿すると見ないんじゃないか、みたいな話もあると思うんですけども。メールだとしても、もしくは社内のポータルだとしても、見ない人は見ないんですよ。
どういうかたちで見てもらうかっていうTipsなんですけども、1つはメンションをする時に「@channel」っていうメンションのかたちですると、そのチャンネルに参加している人全員に通知がいくかたちになりますので、それで知ってもらう。
あと、入社したタイミングで社員に「このチャンネルには入ってもらう」っていう設定ができますので。そういった通達系のチャンネルには、入社時にパッと入ってもらうような設定をしておくこと。
あとは通達系のチャンネルに関係ない投稿があると、ちょっと汚れてしまう、場が荒れてしまうことがあるので、そういったチャンネルは投稿できる人を限定してると。あくまでも通達専用のチャンネルですよ、っていうかたちで我々は今、運用をしております。
司会者:ありがとうございます。では次の質問を最後とさせていただきたいと思います。先ほど澤さんにご回答いただいたものなんですが、伊藤さんにもご意見を伺いたいと思います。
「昨年から『会議の価値の向上を目指す』という改革プロジェクトを進めています。全部門の6割を占めていた『伝える会議』の削減を実現し、時間創出につなげることに成功しました。しかしオープン化することに抵抗を感じ、情報を抱え込んでしまう人が多い部署は、オープンコミュニケーションがなかなか進まず、全社でのオープン化につながりません。オープン化に対しての理解を深めるコツがあれば、ご教示いただきたいです」ということです。
伊藤:オープン化を遮るものって、結局、既得権益だったりするわけですね。例えば営業さんであれば、「このお客さんのここがポイント」「この人を押さえとけば契約が取れる」みたいな、かつては営業さんのメモ帳に書かれていたようなことって、その人にとっては“虎の子の情報”になってくると思うんですが。
それをずっとやられると、結局、情報が属人的になってしまう。結果として、会社として利益を上げるとか、会社として成功をする、場合によっては会社が成功するイコール、そのサービスを使っている・その製品を買ってくれるお客さまもハッピーになるっていう、このポジティブなサイクルを壊しかねないことがあるんですよね。
ですので私がお勧めするのは、情報を開示すること自体にインセンティブであるとか、そうしないと仕事が回らないような仕組み、情報を抱え込む人を評価しないというような仕組みだったりが、必要になってくるんじゃないかなと思います。
司会者:ありがとうございます。ではお時間となりましたので、ここまでとさせていただきます。みなさま、たくさんのご質問ありがとうございました。それでは最後に、コミュニケーション環境に課題を抱えている視聴者、特に経営層に向けて、澤さんと伊藤さんからメッセージをいただきたいと思います。では初めに、澤さんお願いいたします。
澤:とにかく、人類ってコミュニケーション以外で発展もしないし、何か大きなことって絶対にできないんですよね。誰かが誰かに何かを言うことによって、物事って動くので。そして今は、どうしても移動ができないような制約の中で、「誰かが誰かに何かを伝える」のを、いかに効率的にやっていくかが、非常に喫緊の問題だと思ってるんですね。
ですので解像度をグッと上げて、「私は誰に何を伝えたいんだっけ?」というところを、自分に対して問いかける。それに対して自分に嘘をつかずに、伝えたいものをどんどん多くの人に伝えていくのを相互にやっていくと、本当の意味でのネットワーク型の組織ができてくるし、カルチャー醸成できると思うんですね。
ですので、まずは主語を小さく「私は」というところに行き、そして「これだったら私は馬鹿正直に、本当に信じて行動ができる」ということを、言葉にして伝える。これをひたすら毎日繰り返すことを、ぜひやってもらいたいなと思います。ありがとうございました。
司会者:澤さん、ありがとうございました。
司会者:では続いて伊藤さん、お願いいたします。
伊藤:私からも1つ、みなさまにお願いというか、考えていただきたいなっていうのが最後にありまして。ITのツールって便利なんですが、それ単体で物事って解決しないです。ましてやコロナで今までとは違う働き方を求められている現状、それだけでは変わらないと。
やはり組織文化を変えていかないと、本当の意味でのイノベーションは起こりにくいというのは、まさに今日のテーマの肝だと思います。組織文化を作る上で、今日参加されてる方はマネージャーだったり、管理職をされてる方も多くいらっしゃると思うんですけども。
管理職の立場・マネージャーの立場で、今まで「管理をする」という考えでチームと接している方、いたと思うんですけども。
澤さんのスライドにもあった、「いかにチームメンバーが自己中になれるか?」といったところをサポートしてあげる活動をすることによって……草の根レベルかもしれないです、本来であればトップダウンで「うちの会社はこういうふうに企業文化を変えるんだ」というかたちがいいのかもしれないですが。
会社の企業文化をいきなり変えられないのであれば、まずは自分のチームの組織文化から変えてみるのは、すごく大事なんじゃないかなと思います。ぜひともですね、そういったところから始めていただければなと思います。本日はありがとうございました。
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