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古い企業文化からの解放_「個」と「組織」の成長を促すフラットな組織(全5記事)

“上司に怒られたくない”で仕事を判断するのは「マジでヤバい」 澤円氏が説く、アフターコロナの働き方のアップデート

2020年に日本マイクロソフトを退職し、現在は株式会社圓窓の代表取締役を務める澤円氏。多様な働き方や、新しいビジネスが展開される社会の中で、これからの企業カルチャーはどうなっていくのか。「古い企業文化からの解放 『個』と『組織』の成長を促すフラットな組織」をテーマに、本記事では、COVID-19によって「転換期」を迎えている現代の働き方について、ポイントを解説しています。

※このウェビナーの本編の視聴はこちら:Slack はたらき場所改革

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マイクロソフトを退職し、“ぼっち社長”になった澤円氏

澤円氏:よろしくお願いします。みなさんこんにちは、澤でございます。僕からは「古い企業文化からの解放」ということで、「カルチャー」に目をつけるお話をしていこうと思います。

(スライドを指して)今日はこんな感じで。30分間、みなさんから大事な時間をお借りして、お話をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

ではまず「あんた何者なんだ?」ってことなんですけど。“ぼっち社長”で圓窓という会社をやっておりますが、もともとは日本マイクロソフトというところにいて。ここで伊藤(哲志)さんとは一緒にやったり……「伊藤さん」っていうのが僕、非常に苦手というか。ずっと「哲ちゃん、哲ちゃん」って言ってたんで、このあとは「哲ちゃん」で通そうかなと思ってるんですけど。マイクロソフトで業務執行役員をやってました。

あるいは最近だと日立製作所。それこそバリバリの日本企業で、今はちょっとお仕事もさせていただいていたりとか。さまざまな活動を、いろんな会社さんでさせてもらってます。いわゆる「複業」というようなタグが付いておりまして、マルチキャリアということでいろんなお話をさせてもらうこともあります。

これだけいろんなところでやると、企業カルチャーを内側からたくさん体験することができますので。そのへんの知見なんかも交えながら、お話をしていこうかなと思います。あと、音声によるアウトプットは、Voicyパーソナリティというのをやってるんですけれども。Voicyで毎日配信してますので、よかったら見てみてください。

2020年は「リモートワーク元年」

では、まずはおさらいというわけじゃないんですけれども。今、世の中で起きていることを押さえていきたいと思います。「COVID-19の与えたインパクト」。すごくたくさんのインパクトを感じてる方が多いんじゃないかと思うんですけれども。なんと言っても「移動が自由にできない世界になった」というのが大きいんじゃないかと思います。

「でも、人類には残された道がある」ということなんですけれども。これは移動ができないぶん、どうすればいいか? ちなみに日本という国の特殊性は「移動がめっちゃしやすい国である」ということなんですよね。交通網が非常に発達していて、どこに行くにも非常に短時間で行けるという特徴があるんですが、それはもう遮断された。

だけど我々には、まだ道がありました。データ通信ですね。データと通信によってビジネスを続けられる、そういう恩恵にあずかってるわけなんです。

外出自粛、あるいは在宅勤務というのは、本当に今あちこちで起きてるというか、求められてるんですけれども……みなさんこれ、リアクションってできるんだっけ? あとでチャットなんかでもコメントいただければと思うんですけど。

「去年初めて在宅勤務をやった」という方も多いんじゃないかと思うんですよね。「ほぼ在宅」。あぁいいですね、いるいる。在宅勤務、去年初めて当たった人、ちょっと手を挙げて(リアクションして)みて。

おぉ、きたきた! すごいすごい、これ見てるの楽しいな。ありがとうございます。やっぱり去年、初めての体験だった人っていますよね。いいですね、数年前からテレワークしてる方もいらっしゃいますね。ありがとうございます。どんどん絡んでいただいてけっこうですからね、チャットも拾っていきますからね。

去年がいわゆる「リモートワークの元年」だった、という言い方もできるんじゃないかと思うんですよね。「製造業だから」っていう方もいらっしゃいますね。もちろんこれは業種・業態によって、なかなかそれはいじれません(変えられない)よ、という方もいらっしゃるのはわかっております。

「ツールを入れるだけ」では、働き方は変わらない

ただいずれにしても、デジタルというものが人類のインフラになり、それによっていろんなものがやり取りできるようになったのは事実ですよね。

もちろん現地に行かなきゃいけない、いわゆる「エッセンシャルワーカー」なんて名称を使われることもありますけれども「その場に行くということ=仕事」になる職種もありますので。そういった人もいますけれども、そうじゃない人たちはデジタルをインフラとして使い、そして価値を創造していく、というのをやってたんじゃないかなと思うんですね。

ということで「リモートワーク」というキーワードは、イコール「ITツール活用」なのか? ということなんですけれども。ITツールの雄であるSlackさんのイベントで話をしてるのに、これを否定していいのか? っていうところはあるんだけれども。ただこれは、ツールベンダーのSlackさんも、たぶん大きく賛同していただける・頷いてくださると思うんです。

「ツールを入れる」だけだと、働き方って変わらないんですね。インストールしたらいきなり働き方が変わるわけではない、ということです。もちろんツールというのは非常に大きなパワーを与えてくれますけれども、ただイコール「そのまますぐに働き方が変わる」わけじゃないよ、ということですね。

「報告」「連絡」には、時間を使いすぎないこと

ということで、まずは日本のカルチャーというか、それをお話をしていこうかなと思うんですけれども。これは何年も前から使ってるスライドなんですが、もうビジネスパーソン・サラリーマンのイロハのイ、基本の“き”でございますね。「ほうれんそう」「報告・連絡・相談」でございます。

「報・連・相」はもちろんそれぞれ大事なんですが、時間軸を入れたいと思います。「報告は過去のこと、連絡は現在のこと、相談は未来のこと」と僕は言っています。ですので、ここ(相談=未来)にできる限り時間を使ってほしいんですね。「報告や連絡のために、時間を使いすぎないようにしましょうね」というのが、僕がよく提唱してることなんですね。

報告・連絡・相談、もう1つの側面があります。報告は変わっちゃいけないんですね、普遍性が求められます。変えるからおかしくなっちゃうんですね。

「このまんま数字出したら絶対に営業部長が怒るから、しょうがない。今月はゼロ1個足したれ」とか言って10倍とかにして出したら、とりあえず部長は怒らないかもしれないけど、決算の時にえらいことになりますよね。ということなんです。報告は普遍性を求められるんですね。

「電話」は、集中力を途切れさせる“暴力装置”

そして次、連絡は即時性が求められます。「あぁ、そうだよね」っていうことでみんなが思いついちゃう最悪のツール、これが電話なんですね。代表電話なんかを置いてる職場は、もうあれは“暴力装置”だと思ってますからね。なんでかっていうと非常に簡単な話で、集中力をぶった切られるわけですよね。

電話は鳴ることによって「私の相手をしてちょうだいな」というふうに騒ぐわけですね。誰かが受話器を取って初めて黙るというツールですから、集中力をぶった切るためのツール、これが電話でございます。テレワークになっても、結局のところ電話がかかってくると、何かの作業に集中してても切れちゃうんですよね。そういうことです。

最後の相談。これは人間性が求められますね。人としての関係性が非常に重視されるわけなので「じゃあやっぱり飲み会かな、今は行けないよな。禁酒令が発令されてるしな」……そうじゃない。そうじゃないんです。

全員行けるわけじゃない。今はそもそも全員が行けないですからね。だけど、もし仮に東京エリアの禁酒令が解かれたとしても「全員行けるわけじゃないし、全員行きたいわけでもない」ってことですね。ですので、それを前提にしていいのか? って話。

世界は今、25年ぶりの「リセット」の時を迎えている

それからもう1つ。「元に戻す」というキーワードが出てきてるんだとしたら、ちょっと要注意です。2020年よりも前の状態に戻すという考え方は、ちょっと危険ですよ、という話。このあともう少し詳しく話しますけど、もう1つ大事な話をします。

仕事をする上でこういうマインドセットがあるとヤバいですよ、ってことです。「怒られないようにする」というのがトッププライオリティになってないかどうか。「これをやると怒られるからやらない」「これをやらないと怒られるからやる」。その「怒られる」というのが“しきい値”になって、やる・やらないの判断軸になってるんだとしたら、これはヤバいです。マジでヤバい。

そして今、どういう世の中なのかというと、2020年を境に世界はリセットされてます。もう世界は完全にリセットがかかった。25年ぶりのリセットが、去年の段階でかかりました。これは何かというと、インターネット登場以来の衝撃なんですよね。インターネット登場以来の大きなリセットボタンが、世界中を今、襲ってる状態なんです。こういうふうに捉えたほうがいいかなと思いますね。

となると、リセットボタンを押したあとは、ゲームなんかもそうですけれども「まったく同じ前の状況に戻す」ってなかなか難しい。もしくは、ちょっと無駄だったりしますよね。

インターネットが登場して以降、FAXとメールを比べる人はあんまりいないんじゃないかと思うんですけど。でも25年以上前に社会人になった方は、インターネット登場の前後で「FAXとメールはどっちが優れているか?」を大真面目に比べた記事を、見たことある方もいるんじゃないかと思うんですよね。

今、考えると笑っちゃいますよね。真面目にそれを比べる人がいたとしたら「何やってんの?」って感じになるんですけど、当時それをやってた人が大真面目にいたわけです。ですけど、今はそんなことする人はいない。

ってことは、COVID-19前後の働き方を近視眼的に比べるというのは、FAXとメールを比べるように、未来になったらおもしろおかしく語られる可能性は多いにあるんですね。だったらとっととアップデートしたほうがいいんじゃないですか、という話です。

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