2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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西舘聖哉氏(以下、西舘):それではお時間になりましたので、本日のオンラインイベントを始めていけたらと思います。本日のタイトルは「リモートワークの『悩み』を切る!~ withコロナ時代へのアップデート」ということで、各方面でリモートワークやデジタル活用の推進をしているみなさまをお招きしてのイベントになります。
参加者のみなさまは今回、YouTube Liveから参加していただいています。今、もうコメントをいくつか書いていただいているんですけど、最後にみなさまからのご質問に答える時間も用意しています。コメントやご質問をどんどん書いていただけますよう、ぜひよろしくお願いします。
まずはスピーカーのみなさまのご紹介からさせていただければと思います。1~2分ぐらいで、軽く自己紹介をお願いします。では富士通の松本さんからお願いします。
松本国一氏(以下、松本):はい、富士通の松本です。よろしくお願いします。
西舘:よろしくお願いします。
松本:シニアエバンジェリストをやっていまして、ふだんは働き方改革とかアフターデジタルとかDXとか、そんな話をいろいろしています。
今日はバラエティ豊かな方々が集まって、この新型ウイルス騒ぎの中、テレワークなどをどうすればいいのかというヒントがいろいろ出てくるかと思いますので、最後までお付き合いください。よろしくお願いします。
西舘:よろしくお願いします。続いて総務省からお越しいただきました、箕浦さん。お願いします。
箕浦龍一氏(以下、箕浦):はい、総務省の箕浦です。総務省ではオフィスの改革やリモートワークの推進、それから個人的には、全国でテレワークを使ってワーケーションやリゾートワークなどを推進する取り組みをやっています。
今日はこの間カレーをご一緒した松本さんをはじめ、名だたるメンバーとご一緒させていただいて、大変楽しみにしております。
(一同笑)
実は倉貫さんにも憧れていまして、一度お話ししてみたいと思っていたんです。
倉貫義人氏(以下、倉貫):(笑)。
箕浦:こういうトークセッションで最初にお話しすることになるのは、なにかのご縁だと思います。今日はみなさんよろしくお願いいたします。
西舘:よろしくお願いします。なかなか聞けない話も箕浦さんから多く聞けると思っているので、ぜひよろしくお願いします。
松本:今度、カレー談義の会をやりますか(笑)。
(一同笑)
箕浦:カレー屋さんでね(笑)。
西舘:じゃあ続きまして、Box Japanの安達さん。お願いします。
安達徹也氏(以下、安達):はい。安達です、よろしくお願いいたします。
西舘:よろしくお願いします。
安達:私はBox Japanで、アライアンスの責任者をさせていただいています。アメリカや日本などでいろんな会社の働き方を見せていただいた関係で、Box Japanの働き方を紹介する役割を担っています。
今朝ちょうど、別の「Empowered JAPAN」というイベントで、Boxの働き方のご紹介をさせていただきました。明日からライブ配信されるんですけども、今日この場ではあまりBoxの話はしないでですね(笑)、みなさんと働き方の話をしたいなと思っています。よろしくお願いします。
西舘:はい、よろしくお願いいたします。それでは最後にソニックガーデンの倉貫さん、お願いします。
倉貫:はい、倉貫と申します。よろしくお願いします。ソニックガーデンという会社は2011年に創業なんですけど、創業当時からずっと在宅勤務やリモートワーク・テレワークをやっていまして。
2016年には在宅勤務社員のほうが多くなって、地方に住む社員のほうが多いので「東京でもオフィスをなくそうよ」ということで、オフィスをなくしました。かれこれ4~5年もオフィスがない状態なんですよ。
40人強の小さな会社ですけど、社員が18か19都道府県に散らばって、本社なしでずっとやってきたということで。この時代になって、ちょうどいろいろみなさんと知見が共有できるのかなと思いますので、今日もお話しできたらなと思っています。よろしくお願いします。
西舘:はい、よろしくお願いします。今ちょっとライブ配信あるあるで、本当に1分前とかに申し込んでいただいた方がいて。裏で参加URLを送っていました(笑)。そんなトラブルチックなことももしかしたらあるかもしれないんですけど、参加者のみなさま、ぜひご協力のほどよろしくお願いします。
松本:楽しんでください。
西舘:それではトークセッションに入る前に、今日の参加者のみなさまの「今、テレワークはどれくらいできているか」というレベル感をちょっと知っておきたいなと思いまして。安達さんには今日、テレワークのレベルマップ的なものをご用意いただけているということなので。
安達:はい、じゃあちょっと画面を共有します。「みなさんの会社のテレワークリテラシーは?」ということで。上から(目線)な感じで申し訳ないんですけども、書かせていただいています。
これはけっこう、みなさんが今どこにいるかによって関心事がぜんぜん違うと思っていまして。これをみなさんに、「今、自分はどこのレベルにいるかな」と思い描きながら、なんならコメント欄にも書いていただいたりすると、僕らも話しやすいかなと思って。そのレベル合わせのために1枚作りました。
まずレベル1なんですけども、「そもそもできない」と。できない理由として、テレワークはだいたい「IT」「制度」「文化」だったりするんですけど、そもそもITが整っていない。要はノートパソコンがないとか、そんな話もあると思いますし、それから制度が備わっていないというのもあると思います。
それから、「できるんだけどやりにくい」。例えば「ハンコと紙がプロセスの中心にあって、家にいると仕事にならない」とかですね。
あるいはIT的な観点でいうと、VPNの帯域が細くてボトルネックになってしまって「なかなかオフィスにつながらないんだよ」とか。VDIのキャパシティの問題から、パフォーマンスに難があるような話はよく聞きます。
そして、その領域を脱しているのがレベル3。「問題なくできます」と。もうクラウドベースのネットワークが組まれていて、プロセスもデジタルなので紙・ハンコもなく、さして問題ないというのがレベル3。
今、例えば「Zoom会議で20人でできます、イエーイ」みたいなのはレベル3だったりすると思うんですけども、次がレベル4。「オンラインファースト」ですね。
倉貫さんもおっしゃっていると思いますけども、「基本的にオンラインが先で、リアルは補完的な手段として考える」と考えた時、仕事のやり方そのものががらっと変わってくると思うんですね。これをレベル4として、私のほうでは定義させていただいています。
みなさんが今どこにいるか、次はどこに行くべきかを思い描いていただく意味で、ちょっとご紹介をさせていただきました。
松本:今日参加されている方々は、実際どうでしょうか。たぶん今チャットで書けると思うので、みなさんのレベルがいくつなのか、投稿してみてください。
西舘:もし「中間だな」という方がいたら、どっちのレベルに寄っているかなという感覚で書いていただけると良いですかね。
安達:「1.5」や「2.5」もあると思いますよ(笑)。
松本:そうですね。たぶんうちは今、2.5。
西舘:富士通さんは2.5。今コメントに流れている感じだと、最初は3の方が多くて、1名4の方がいて……すごい。で、ちょっと2が増えてきましたね。最新のコメントがおもしろいんですけど、「会社が2だけど個人のレベル感、ITリテラシーのレベル感が1ですね」と書いてくれている方がいますね。
(一同笑)
松本:それはありますね(笑)。
西舘:あっ、「3寄りの4」。ちょこちょこ4がいるんですね、すごい。
安達:今の「会社と個人のギャップ」はおもしろいですね。逆も多いんじゃないですか?
西舘:逆は多そうですね。
安達:逆が多いとシャドウITになっちゃうんですよね。便利なツールを社員のほうが知っている状態になっちゃいます。
西舘:なるほど。
松本:だから私なんかは、個人的にはレベル4なんです。会社に行かないし(笑)。
(一同笑)
西舘:存じ上げております(笑)。けっこう出そろってきましたね。2、3がだいたい半々ぐらいで占めている感じで、4が少数。でもひとまず今日参加していただいているみなさまは、「リモートワークはできていて、これから3に向かっていきたいな」という方が多い感じですね。
松本:なるほど。
安達:ありがとうございました。
西舘:みなさま、コメントありがとうございます。じゃあ、問題なく(リモートワークが)できるために解決していったほうがいいことを、みなさまと一緒にいろいろお話ししていきたいと思います。今日のトークセッションは、大きく2テーマでやっていこうと思いまして。
大枠で言うと1つ目が「職場の関係性」。職場の人同士、例えば上司・部下とか、今まで同じオフィスにいて顔を突き合わせて働いていたのが、デジタル化やリモートワーク化でいろいろ変わってくると思います。そこで新しく浮上してくる問題とか、そのあたりのお話をできればと思っています。
2つ目はやっぱり、今はデジタルを活用するところの話が多いと思うので、今日のコメントの中にもありましたITリテラシーとか。
あと事前の質問の中でも非常に多かったのが、「どこから準備していけばいいんだろう」というあたりを話していければと思います。今日、やっぱりITに強い方が大半だと思うので(笑)。
(一同笑)
まず1つ目のテーマの「職場の関係性」のところで……ちょっと待ってください、どこから取り掛かろうかな。
松本:どこからいく? あるあるパターンでいく?
西舘:あるあるパターンでいきましょうか。やっぱり大枠だと人と人との関係性、同僚や一緒に働いていた人たちとの関係性の部分で悩んでいる方が多いので。そこで工夫されているところとか、すでにオンラインで仕事をしている観点から「こうした方がいいよ」といった話が聞けるとうれしいかなと思います。じゃあ松本さんから。
松本:テレワークや関係性の話は、働き方改革という意味合いで、実は今回の新型ウイルス騒ぎ以前からも、けっこう相談があるんですよね。
そして、大抵の会社さんから相談される際に最初に言われるのは「働き方を変えずにITを使って効率化を進められないか」「リモートワークができないか」ということなんです。
西舘:働き方を変えずに。
松本:これ、ものすごく勘違いしているなと思っていて。これは「オフィスワークをやっている感覚をそのまんまリモートワークやテレワークに切り替えられないか」「移せないか」と言っているんだと思うんですよね。
今日集まられているみなさん、登壇者もそうだし聴講者もそうでしょうけど、みなさん自宅から(オンラインでつながっている)じゃないですか。それを「オフィスとまったく同じやり方で」というのは、正直に言うとそもそも無理なんです。
だって今話していても、会話はちゃんと成り立っている。でもこれでふだんオフィスにいた際の、例えば温度感とか、情報量とか、それとまったく同じことができることはまずないと思うし。
あと倉貫さんは『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』という本も出していて。要は雑談などが重要ですと言いながらも、オフィスの中での立ち話しの「ちょっといいですか?」という雑談をそのまんま……例えばそれでWeb会議をつないで「ちょっといいですか?」とやり始めるのはナンセンスじゃないですか。
だからそもそも、オフィスにいる時の人とのつながりを、オンライン上での人とのつながりというやり方に変えざるを得ないと思うんですよね。スタート地点はそこなんじゃないかなと思うんです。
「まったく同じやり方で」「リテラシー関係なく、なんとなく電話会議やテレビ会議でできれば」と言う方も多いんですけど、そこは今の時点だとやっぱり1回考え直してもらって、ちゃんとできるようにもう一度組み直してもらわなきゃダメかなと思うんですよね。
そのへんは、そうだな……倉貫さんのところはアレだし、箕浦さんのところはどうですかね。
西舘:総務省の取り組みとかですね。
箕浦:総務省はですね、今は7割ほどが在宅勤務してます。ふだん慣れていない人もちょっと義務的にやっているんですけど、前からテレワークをやっている人はそれなりに多くて。リテラシーが高いかと言われると、実はそれほどでもないんですけど。
ここ数年かけて、例えばメールなり、オンラインでのコミュニケーションと並行して、対面でのコミュニケーションをどうやっていくかの使い分けであったり。あるいは情報共有でデジタルを使っていても、メールなどだとタイムラインを埋め尽くしてえらいことになるじゃないですか。
そのあたりのプッシュ型で知らせなくていい情報をどういうかたちで共有していくか、といった取り組みはけっこうやってきています。
僕自身は管理者としては、やっぱり日頃のデジタルじゃない対面のコミュニケーションを丁寧にやっておくことが、実はすごく大事だと思っています。
それがないとたぶん、対面でないコミュニケーションが非常に取りにくくなる部分はあると思うんですね。なのでそこは自分のチームとはなるべく丁寧にやるようにしています。
それがうまくいってさえいれば、例えばチャットで喋っていても相手の表情が見えるような気がしたり、息遣いまで感じられるようなコミュニケーションにつながっていくんじゃないかな、という気がするんです。
今の新型コロナで、うちは7割ぐらいテレワークで、ほとんど出社していない担当も多いんです。でも、やっぱり日頃からそこまでコミュニケーションを丁寧にやれていないと、社員の側も管理者の側もコミュニケーションにかなり負荷がかかっていると思います。そういったストレスや孤独を感じている職員は多いように感じますね。
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