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【第1部】トークセッション「複業/副業で働き方をクリエイティブにアップデートする方法」(全5記事)

複業の研究家・推進者・実践者が語る、パラレルキャリアで働き方をアップデートする方法

2018年8月30日、+OURS(プラスアワーズ)新宿にて「第3回 Work+Creative in Shinjuku」が開催されました。自分発見・自分発信の手段としての「複業」をテーマに、昨今の複業事情に詳しい西村創一朗氏、平田麻莉氏、三次由梨香氏が登壇。株式会社サインコサインの加来幸樹氏をモデレーターに、誰もが複業/副業を通じ、働き方をクリエイティブにアップデートしていくために必要なことについての議論が行われました。本記事では、冒頭の自己紹介パートを中心にお送りします。

母も自分も「K」だけで名前が書ける、加来幸樹氏の自己紹介

加来幸樹氏(以下、加来):みなさん、こんばんは。第1部のトークセッション「複業/副業で働き方をクリエイティブにアップデートする方法」ということで、僕がモデレーターをさせていただきながら、このあと紹介する3名のすばらしい豪華なゲストと進めてまいります。

あと、今日の議論の様子を、藤田ハルノさんというグラフィックファシリテーターの方ががんばって書いていってくださっていますので、よかったらこのあたりも注目しながら見ていってもらえたらいいかなぁと思います。

じゃあ、中身に入る前に、簡単に自己紹介をさせてもらえたらと思います。今、主にはサインコサインという会社の代表取締役をしています、加来幸樹と申します。

名前がアルファベットのKだけで書けるという、けっこう覚えやすい名前になっているので、よかったら、それだけでも覚えて帰ってもらえたらなと思います。

(会場笑)

界隈ではだんだん母親のほうが有名になりつつあるのですが、母親も下の名前がケイコといって、全員下の名前がKで書けるっていう。そういう一族で生まれて育ってきました。

ごく簡単にだけ略歴を紹介させてもらうと、もともとここにご縁をいただいたのも、僕はこの近くの西新宿にあるセプテーニというインターネット広告の会社で、社会人1年目からずっと働いていたのがきっかけで。いわゆるクリエイティブ系の仕事というのをずっとやっていました。

それで、この2018年の4月から、セプテーニのグループ内ベンチャーみたいなかたちでサインコサインという会社を作りました。簡単に言うと、企業のブランドアイデンティティの構築やインナーブランディングなどを支援していこうということで、コンセプトを作ったりする部分を、いろんなチームメンバーと協力しながらやっています。

30分であなたのキャッチコピーを考えます

加来:今日のゲストは「複業」というテーマにふさわしい方を3名呼ばせてもらっているのですが、一応僕自身にも複業家としての側面があります。

本業はサインコサインという会社の代表ですが、それ以外にも4年前ぐらいから、例えば「自分の時間を使ってスキルをシェアします」というWebサービスの「タイムチケット」で、30分でその人のネーミングやキャッチコピーなどを一緒に考えるという活動をさせてもらっています。

あと、それがきっかけになって、一般社団法人PLAYERSという、社会課題にいろんなアイデアやクリエイティブを持って取り組んでいくという活動もしています。

ここも、基本的には複業の人たちと一緒にやっているチームですね。ここではLINEの仕組みを使って、妊婦さんの席譲りを促進していたりですとか、最近だとJRさんと一緒に視覚障害者の人の不安をテクノロジーで打ち消していこうみたいなことをやっていて、この中でもブランディング系のことを担当させてもらっています。

2018年は「複業元年」の時代

加来:みなさんの紹介に入る前に、簡単にこのセッションの導入ができたらなと思います。(スライドを指して)この画像は、僕が昨日、なんとなくGoogleで「複業」って検索して出てきたものとか、Pinterestで「複業」って検索すると出てくる画像とかを適当に貼っただけのものです。

これを見ると、4年前ぐらいの、まだ世の中でそんなに「複業」と言われてなかった頃から比べると、2018年はすごく“複業元年”っぽい時代になってきているなと思っています。

最近ではそういった本もいろいろと出ていたり、複業活動を表明する人が出てきていたり、東洋経済とか大きな雑誌が特集していたりしますよね。あと、「複業」がタイトルについたイベントというのも、ここのイベントに限らず日々行われていて。けっこう枚挙にいとまがない状況かなと思っています。

僕自身、ここ数年複業をさせてもらっている身として思うことがあります。はじめたころからずっと言っているのですが、本業と違う仕事をパラレルでやっていくことでこそ、どんな会社で働いていてもおもしろい仕事ができるようになるし、逆にそういう人を内包できる会社じゃないとつぶれちゃう時代になるだろうなっていうぐらい、複業が常識になると確信しています。

だからこそ僕は、このサインコサインという会社では、やっぱり複業している人とも働きたいとすごく強く思っています。そういう人も含めて、今は会社の契約という幅を超えたチームを作って、一緒に仕事をするということもしています。

しかしながら、実際「本当にみんな複業してるのかな?」というのが、やっぱり疑問なわけですよね。ちょっとありがちな質問で恐縮ですけど、今日ここに来られている方の中で、自分自身はけっこう複業を……複の字はどっち(複・副)でも大丈夫ですが、してるなあという方は手を挙げてみてもらってもいいでしょうか?

(会場挙手)

加来:だいたい12.5パーセントぐらいの人がしている感じですね。じゃあ、ちょっと質問を変えさせてください。これからとか、今複業してみたいなという気持ちがちょっとあるなぁという人は、よかったら手を挙げてみてもらってもいいでしょうか?

(会場挙手)

加来:99……ほぼ100パーセント以上ぐらいの方の手が挙がってきましたね。

複業を通じて働き方をアップデートする方法

加来:いや、そうなのだろうなと思います。かなり気持ちはあるけど、行動が伴わないことが多いという状態が今なのかなと思っています。

僕も今は、サインコサインをやりつつも、セプテーニグループという千数百人ぐらいいる会社にも所属している状態です。その中でも「そういう活動をやったほうがいいよ」ということは、社内で機会がある度に言っていたりします。

そうすると、みんなすごく興味や関心を持ってくれたりはするものの、やっぱり行動までする人は、今日の手を挙げてくれた人のパーセンテージよりも低いぐらいが現状なのかなと思っております。

今日は「複業を通じて働き方をアップデートする方法」としていますが、現実は「まだまだ働き方が未アップデートの状態」というのがリアルな現在地なのかなと思っています。

でも、やっぱりそれではもったいないなって思いますし、僕みたいに複業の人と一緒に働きたいと思っている側からすると、「リソースが足りなくて困る」という状態をぜひ変えたいなと思って、今日このイベントを企画したというのが実は背景にあります。

それをどうすれば解決していけるのかは、なかなか僕の頭だけだとわかりません。今日はこの複業について、研究している人、推進している人、活用している人のお三方をお招きしました。この方たちと一緒にどうすれば変えていけるのかについて考えていきたいと思っています。

独立のきっかけは、娘と過ごす時間を大事にするため

加来:というわけで、だいぶお待たせしましたが、まずは1人ずつ自己紹介していってもらおうかなと思います。じゃあ奥の西村くんからお願いします。

西村創一朗氏(以下、西村):みなさん、こんばんは。株式会社HARESの西村創一朗と申します。今ご紹介いただいたように、「複業研究家」という肩書きでお仕事をさせていただいていて、その傍らで人事コンサルタントというかたちで、企業の人事部などにアドバイザーとして関わらせていただいています。

自分の会社も経営しながら、クラウドソーシングのサービスを提供しているランサーズという会社で「複業社員」というかたちで、週2日〜3日働く正社員という働き方をしています。

あとは学生時代から、ファザーリングジャパンというNPOに入っていまして、そこで理事もやっております。

大学を卒業してから、2011年の震災があった翌月にリクルートキャリアという会社に新卒で入社をしました。営業を3年間やって、それから新規事業開発を2年やって、最後は新規事業開発をやりながら人事採用担当をするというかたちの会社員生活をしていました。

同時並行で、入社3年目の時に複業を始め、それから2年後の2015年に、会社員をやりながら自分の会社を設立し、兼業企業家というかたちでやってきました。3人目の娘が2016年に生まれたとき、もっと娘と過ごす時間を大事にしたいなと思って、独立をしました。

複業を通じて人生100年時代を生き抜く

西村:実は会社員時代から、複業をもっともっと世の中に広めていきたいなと思っていまして。「複業研究家」と名乗り、複業を解禁したいんだけれどもどうやったらいいかわからない企業にコンサルティングをしたりしていました。

逆に、今日いらしているみなさんみたいに、複業に興味はあるんだけれども、どうやって始めたらいいかわからないとか、始めてみたもののなかなかうまくいかないという方向けに、マンツーマンでやることもあれば、複業の学校みたいな、セミナーとかを定期的にやらせていただいたりしています。

あとは、複業を通じて人生100年時代を生き抜く学び直しを促進しようということで、経産省の研究会の委員をしています。僕の隣は伊藤忠商事の人事部長、もう1個隣は、僕がもともといたリクルートキャリアの前社長。僕以外はみんな50〜60代という中、唯一20代でポツンと僕がいましたみたいな感じだったりするんですけど、委員をさせていただきました。

後ほど自己紹介があると思いますが、平田さんと一緒に、一般社団法人フリーランス協会というところを立ち上げさせていただいて、そこでも理事をさせていただいていました。この9月で一旦任期を終えて退任をさせていただきましたが、ファザーリングジャパンは継続して理事をやっています。ということで、今日はよろしくお願いします。

加来:ありがとうございます。これ以上ない人選ですね。

(会場笑)

いろんな選択肢から自由に選び取れる社会に

加来:じゃあ続いて、平田さんお願いします。

平田麻莉氏(以下、平田):フリーランス協会の平田です。

協会がすごく長ったらしい名前で、契約書とか書く度に、この名前をつけたことを後悔してるんですけれども。銀行でも文字数制限に引っかかって口座を作れなかったみたいな、そんな協会です(笑)。

長すぎるので略称で「フリーランス協会」と言われてますが、プロフェッショナル、パラレルキャリアという枕詞にあるように、独立して個人でお仕事をされているプロの方と、それから複業で会社員とは別に自分の名前でお仕事をしている方も含めて、一人ひとりがキャリア的に自律して、いろんな選択肢の中でいろんな働き方を選び取れる、そういう社会にしていきたいなという活動をしています。

自分の過去の経緯というか、紹介でいうと、PR会社のベンチャーに創業3ヶ月目ぐらいの時に参加しました。その会社の自社の成長と、あとはお客様の広報のお手伝いということで、仕事人間な20代の前半を過ごして、その後一転、研究者になりたいなと思って、大学に出戻りました。

研究者になりたいなと思ったのは、やっぱり広報ってすごく経営に近かったからで。経営者と対峙して、企業戦略などすべて見据えた上で、いろいろやっていくお仕事なんです。あとは急成長期のベンチャーだったので、自社の業務でも、財務と法務以外は、あらゆる職種をほとんど経験させていただいたりして、自然と経営というものに興味が深まりました。

また、新しいメディアがどんどん生まれ、個人が一方的な受信者から発信者に変わっていく中で、世論ってどういうふうに作られていくんだろうとか、いい経営ってなんだろうみたいなことを考えています。

toBのコンサルや人材企業の広報をずっとやっていて、経営にもトレンドがある。それは誰かが作り出しているということを肌身で感じて、そういうトレンドセッターのあり方みたいなものを研究したいなと思って、ビジネススクールに行ったんです。

学生と職員という二足のわらじ

平田:修士が終わって博士課程の学生になる時に、修士の学生の間も、JBCC(日本ビジネススクール・ケースコンペティション)という国内ビジネススクールのコンテストみたいなのを、勝手に立ち上げていろいろやっていました。それを見ていた校長先生から、職員として大学院の広報の仕事もやってほしいと頼まれまして、学生をやりながら職員もやるという、二足のわらじを履き始めました。

一応本分は学生ということだったので、職員の仕事は業務委託で受けていました。とくにフリーランスになろうとか思ってたわけじゃないんですけれども、なりゆきでフリーランスになったというかたちですね。

あと博士課程って、学生をやってるといろいろ翻訳だったり執筆系のお仕事や、研究に関連するお仕事を業務委託で頂くことがあったりして。私はもともとすごく掛け持ちグセがあったので、業務委託だと組織の枠にとらわれずに、いろんな仕事を掛け持ちできるんだなというのが楽しくて、それ以来ずっとフリーランスとして働いています。

それで、この働き方がすごく気に入ってるんですけれども、いろいろ課題もあったりということがあって、2017年にこの協会を設立して活動しているというかたちですね。はい。以上です。

加来:ありがとうございます。やはり、これ以上ない人選ですね。

(会場笑)

子育てしながら、区議会議員と会社経営の複業生活

加来:じゃあ最後、三次さん、お願いします。

三次由梨香氏(以下、三次):はい、三次由梨香といいます。

お二人みたいに優秀ではないので、ざっくりと自己紹介をします。一番短くなってしまうと思うんですけども。私は今、江東区議会議員をしながら、自分の会社であるスリーネクスト株式会社をやっています。

加来:三次だからスリーネクスト?

三次:はい、その通りです。名前が「三次」ということで、スリーネクスト。後株なのは、思いが先に来て、お金は後からついてくるということでこのようにしました。

あと、今日私が着ているこのTシャツの後ろに「J☆mothers」と書いてあって、これはお母さんたちの団体なんです。知っていることと知らないことの間には溝があって、極端な話、知らなければ死んでしまうこともあるということで、お母さんたちのお勉強をする場所の提供とか、あとは働き方というか、育児をしながらでも少しでもお金を稼いでいくというお勉強をしていく団体です。

あとは、NPO法人の「江東豊洲 子育て&母乳育児を支援する会」。これもすごく長い名前ですね。KOTOCLO(コトクロ)っていうんですけど、その理事もしております。みなさんが知っているところでいうと、同じ理事には、エビちゃんの妹さんの蛯原英里さんがいらっしゃいます。

2015年に無所属で江東区議会議員選挙に出て、その年に東京都議会議員の音喜多駿という方と再婚して、今第2子が1歳9ヶ月とかわいい盛りです。子育てしながら、お仕事しながら……ということで、本日は参加させていただきました。よろしくお願いします。

(会場拍手)

加来:はい。やはりこれ以上ない人選だなぁと思います。

(会場笑)

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