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仕事の心配なんてない!~最高に楽しいこれからの働き方を考えるおしゃべり会~(全6記事)

フリーで働きながらも、会社にコミットする“エア社員” 会社員 VS 独立の二択に陥らない、これからの働き方

2018年9月17日、日本能率協会マネジメントセンターにて「仕事の心配なんてない!~最高に楽しいこれからの働き方を考えるおしゃべり会~」が開催されました。ワークライフバランスという言葉が一般的に使われるようになり、国を挙げての働き方改革推進も盛んになるなかで、実際の働き方はどれだけ変わったのか。仕事量は変わらないのに、働く時間ばかりが減ってしまう。そんな状況で、どう働いていくべきか悩んでいるビジネスパーソンは数多くいます。このイベントには、最高に楽しい働き方を実現している3名のゲストが登壇し、どうすれば自分らしく自由に働くことができるのかについて語りました。ログミーでは、その模様を6回に分けて記事公開していきます。初回となる本記事では、このイベントが催された趣旨や、ゲストそれぞれの著書における共通点について述べたパートをお送りします。

ほぼ同時期に刊行された2冊の本

柏原里美氏(以下、柏原):みなさんこんにちは。日本能率協会マネジメントセンターの出版事業本部で書籍の編集をしている、柏原と申します。今日はみなさん、お越しいただきまして本当にありがとうございます。

今日の流れの前に、今日の趣旨を改めて説明させていただくと、この6月に2冊を私どもの出版社から発売をさせていただきました。

マッキンゼーで当たり前にやっている働き方デザイン』、それから『組織にいながら、自由に働く。』の2冊なんですが、タイトルを見ておわかりのとおり、両方とも働き方に関する本です。しかも、中身を読んでみると、けっこう近しいことも言っているなぁって、私自身感じました。

これは余談ですけれども、私は仲山さんの『組織にいながら、自由に働く。』の編集を担当しました。大嶋さんの本の編集担当とは、当時は席も隣でした。今はちょっと離れちゃったんですけれども。なので、隣の席で、しかも本屋さんでもテーマが近いからすごく(近くに)並んでるんですよね。

大嶋:うれしい。

柏原:それで、内容が似ているにも関わらず、仲山さんと大嶋さんってまだ面識がないっていうことをうかがって。

仲山:今日、初対面。

大嶋:ドキドキ。

伊藤:それは、隣の席の彼がこういう本を出そうとしてるとか、そういうのはわかってるんですか?

大嶋:いい質問ですね(笑)。

柏原:わかってはいましたけど、でもまさか同じタイミングになるとは正直思わなかったです。

伊藤:そんなもんなんですか! 出てみて「あっ」みたいな。そうなんですか。

柏原:話に出るかどうかわからないですけど、仲山さんの本は原稿が完成してから企画を通すっていう、水面下から急に浮上させたみたいなちょっとイレギュラーな作り方をしたので。

大嶋:す、すごい(笑)。

『1分で話せ』の伊藤羊一氏も参戦

柏原:ちょっとした暴挙です。そのへんの話は、よくわからないと思うので、あとで聞いてください。ちょっとまた話を戻します。せっかくだからお二人をお会いさせたいな、つなぎたいなと思っていたんですけれども、でもそれ(だけ)ってちょっとつまらないなと。じゃあ、せっかくだからお二人の共通の知人でいらっしゃる伊藤羊一さんと(一緒に)。『1分で話せ』、の。

大嶋:すばらしい本ですよね。

柏原:すばらしい本です。そして、すごく売れてます。今何万部になったんでしたっけ?

伊藤:17万1,000部でございます(2017年9月17日現在)。

柏原:すごい、奇跡的な数字です。

大嶋:これ、ぜひ買ってください。マッキンゼー出身の私でも、すごいと思うので。私、もしマッキンゼー1年目だったら、これがあったらすごく勉強になってよかったなって思うので。

柏原:そんな感じで、じゃあせっかくだから伊藤羊一さんもお招きしてお話をしたらどうかと。でも、3人集まるのは、すごく豪華だから、せっかくだからお客さんも呼んじゃおうっていうのが今日の趣旨だったりします。

今日の流れは、基本的には3人のおしゃべり会なので、そろそろ3人にお任せしてもよろしいですか? だいぶ雑なご紹介になってしまいまして恐縮ですけれども。では、伊藤さん、大嶋さん、仲山さん、よろしくお願いします。

伊藤・大嶋・仲山:よろしくお願いします。

(会場拍手)

大嶋氏とのファーストコンタクト

仲山:羊一さんと大嶋さんは、いつからどういうつながりなんですか?

伊藤:2年前ぐらい? 1年前ぐらいですか?

大嶋:1〜2年前……もうちょっと前だね、1年前か?

伊藤:人から紹介されて。「おもしろい人がいるから、会わない?」って言われて。「誰?」って聞いたら「大嶋祥誉さん」って。「大嶋祥誉さんって、すごい有名な人じゃない?」って言って。あのマッキンゼーのホニャララって(本)、僕、何冊か持ってるんですよ。

大嶋:ありがとうございます。

伊藤:家に帰って調べてみたら、「あぁ、この人だよな」と思って。「そりゃ会うわ〜」とか言って。それでお会いしたら、最初から凄まじくノリがいい方でいらっしゃって。

(会場笑)

「なんだこの方は?」と思って、そこから親しくさせていただいていて。僕が『1分で話せ』っていう本を出したのは、SBクリエイティブの方が、同じ担当でよね。『10年後の仕事図鑑』って(いう)堀江貴文さんと落合陽一さんの本があるじゃないですか。あの本の担当の方なんですけど。その編集者を大嶋さんから紹介していただいた、そういうつながりもありますけども。お仕事でも一緒にできたらいいねっていう話をしてる仲です。とはいえ、ご一緒させていただくのは今日が初めてですよね。

大嶋:そうですね。

伊藤:ランチとかはしてるんですけど。

大嶋:そうそう。

伊藤:というつながりですね。

仲山:大嶋さんと僕は初対面。

『GIANT KILLING(ジャイアントキリング)』が出会いのきっかけ

大嶋:初対面ですね。ちなみにお二人(伊藤氏と仲山氏)はどういう感じなんですか?

伊藤:僕と仲山さんはけっこう古くてですね……もう5年前?

仲山:2012年です。

伊藤:6年前ですよ。6年前に、僕はサッカーファン……仲山さん、サッカーファンなんですよね?

仲山:はい。

伊藤:それで、僕もサッカーファンで。

仲山:ジャイキリ本がきっかけでお会いして。

伊藤:そうそう、ジャイキリ本だ、ジャイキリ本。『GIANT KILLING(ジャイアントキリング)』というサッカーマンガがあるんですけど、そのマンガを使ってチームビルディングに関する本を仲山さんが書かれたんですね。

それで、僕もサッカーが好きだし、そういうチームビルディングみたいなことにも興味があるしと思ってたら、なんかそんなことを書いた人がいるっていうんで、講談社の人に紹介してもらって、飲んだんですよね、池袋で。

仲山:僕の本の編集者さんの同期が、グロービスに通われていたんですよね。

伊藤:そうそう、そういう仲です。

仲山:サラリーマン格闘家の(碓氷)早矢手さん。

伊藤:そうそう。それでご紹介いただいて、飲んだと。その時もう、楽天大学の学長の本ということで、この前に出されてた本を読んでいて、「その本を出された方を紹介してくれるなら、行くわ、行くわ」なんて言って、飲んでいたのが6年前。

柏原:それで飲みに行って。

伊藤:そこからなんやかんやと親しくさせていただいています。

対決感がある、楽天大学学長とYahoo!アカデミア学長

伊藤:ちなみに僕、今「Yahoo!アカデミアの学長」を3年前からやっております。(学長と)名乗ったのは1年前なんですけれども。それは、仲山さんが「楽天大学の学長」って名乗られていて、「あっ、これいいな」と思って。僕もそういう機会があったら絶対学長って名乗ろうと思って。ようやく1年前に名乗ることができたっていう。

「楽天大学の学長」と「Yahoo!アカデミアの学長」っていって、この間一緒に対談したんですけど、なんか対決感があってね(笑)。

(会場笑)

仲山:メディア受けはいいですね。

伊藤:そうそう、人が見ると、「楽天vsヤフーじゃないか」って。やってることはぜんぜん違うんですけど。

(会場笑)

仲山さんは、楽天大学っていうのは、店舗さん(向け)?

仲山:楽天に出店してる店舗さん向け、社外向けですね。

伊藤:出店されてる店舗さんに対して、いろいろやるのが楽天大学で、僕はYahoo!アカデミアっていう、ヤフー社内のリーダー開発をやっていて、ぜんぜん違うんですけれども。まぁ学長っていうのは同じなんですが。

仲山:ですよね。だから働き方として、羊一さんと僕は、まず組織に勤めてます。

伊藤:そうですね。

仲山:それで、学長っていう肩書きです。でも、自分で会社もやっていて、自由に兼業ができます。

伊藤:そうですね。

なにをもって「独立している」と言えるのか問題

仲山:そんなところが共通点ですかね?

伊藤:大嶋さんは今、どんな働き方ですか?

大嶋:いろいろなマネジメント上、自分で会社は持ってます。そして、プロジェクトごとに、クライアントの課題に応じて、社外の必要な専門家とチームを組んで、案件ベースに仕事をしていく働き方をしています。また、顧問契約をして、エア社員として働いてもいます。好きに自由に働いていいますね。

伊藤:なるほど。組織にいらっしゃったのは、マッキンゼーとか?

大嶋:マッキンゼー 、ワトソンワイアット、ウィリアム・エム・マーサーという人事系のコンサルティング会社、ベンチャーキャピタルを経て、当時、三和銀行という銀行がありましたが……そんなこと言ってると歳がバレるかも(笑)。

伊藤:三和銀行にいらっしゃったんですか?

大嶋:三和銀行のシンクタンク、三和総合研究所が、当時「経営コンサルティングといった部門を拡大したいので、マッキンゼーなどで培った外資のコンサルティングの経験を生かして、若手のコンサルタントを育成してほしいので、ぜひ来てほしい。クライアントも開拓してほしい。」と言われ、部門クラスを管理、経営する体験を積む良いチャンスだと思い、転職し、その後、独立をしました。

伊藤:独立されたのはどれくらいですか?

大嶋:17年前です。

伊藤:そうなんですね。で、僕と仲山さんは、だから独立してないっていうか……。

大嶋:そういうことですよね。

伊藤:独立してるしてないって、なにをもって独立しているのかって……。

大嶋:そうそう、いいポイント。

仲山:ははは(笑)。

伊藤:なんか、独立してるっていったら独立して……。

大嶋:たぶんお二人は、ある種サラリーマンでありつつ、ご自分の屋号もお持ちですよね。

伊藤:そうですね。

サラリーマンに片足を置きながらの複業

大嶋:で、そちらでも自由にお仕事をなさっていらっしゃるわけですよね。

伊藤:そうですね。これをサラリーマンというのかなんなのか、ちょっとよくわからないですけどね。

大嶋:そういうサラリーマンという枠を超えた自由な働き方もありなのだと思います。独立して、属に言うフリーランス的に働いてるけど、「(会社を)持ったままでもいいのでちょっとうちのエア社員的な形で働いてもらえないか」という話も来るので、契約してエア社員にもなるんです。結局、どちらの方向にも行くんじゃないのかなって感じてます。

伊藤:どちらの方向にも行くっていうのは?

大嶋:つまり、サラリーマン的にどこかの会社に軸足を置きながらも、自分の自由にやりたい仕事も、複業としてやるという働き方。会社員か独立という二者択一ではなく、どちらも選択するという働き方になるんじゃないかと。

伊藤:やりたいことがいろいろあるなかで、会社員として勤めているからできることもあるし、そうでないこともある。その状況に応じて、いろいろな選択肢があるのは大きいですよね。

大嶋:大きいですね。だから、「独立、独立」って言う人たちがいるんですけど、私は、今すぐ独立するタイミングなのかどうかというのを、見極めたほうがいいと思っています。

伊藤:そうですね。

仲山氏の働き方は、定年退職した人に近い?

仲山:僕は、働き方の本を出して一番最初に呼んでもらったイベントが、けっこう大きな会社にお勤めの50代、60代の人が多い場だったんですよ。

大嶋:どうでした?

仲山:僕は今の働き方がは、「10年前から兼業自由・勤怠自由になって、その時に人事考課もなくなったので、10年前から給料が変わらないかたちです」という話をしたら、「仲山さんの働き方って、定年退職した人とか、役職定年した人と同じだね」と言われたんです。

年金なり、役職分が減った給料という「足りないぐらいの固定収入」があって、「足りない部分は自分でがんばってね」みたいに言われてるのが、定年退職とか役職定年した人の働き方だと。

「同じですね」っていうのがおもしろいなと思って。僕、そういう人に共感してもらえると思っていなかったので。

(会場笑)

けっこういろんな人がそういう働き方になってきてるのかって。

伊藤:でも、なってないですよ。

(会場笑)

仲山:なってないですよねぇ。でも役職定年とかは増えてるみたいで。

伊藤:それはありますよね、確かにね。

仲山:副業解禁と合わさっていくと、そういう方向に向かっていきますよね。

伊藤:そうですね。

会場にゲストの著書読者はどれくらいいる?

大嶋:今日来てらっしゃる方にとても参考になると思っているんですけど、どう自分がキャリアをデザインしてきたのかお二人に聞いてみたいです。キャリアには、ステージがあって、どのようにそのステージを経てきて、今どこにいるのかを聞いてみたい。

仲山さんはご著書の中で、ステージを4ステップで考察しています。それぞれがどうだったのかなっていうのは、ぜひ聞いてみたいですね。私は3ステップと言ってますが。

伊藤:ちなみに、このお二人の本を読まれたことある方?

仲山:僕も今それをみなさんに聞きたかった。

伊藤:ちょっと聞いてみたいと思いますが。じゃあ、まず祥誉さんのこの『マッキンゼーで当たり前にやっている働き方デザイン』、これを読まれたことがある方、どれくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

大嶋:ありがとう〜!

伊藤:じゃあ、潜在的な読者層がまだここにいらっしゃる。

(会場笑)

大嶋:ぜひ読んでください(笑)。

伊藤:じゃあ、こちらの仲山さんのこれ(本)を読まれたことある方?

(会場挙手)

大嶋:おぉ〜、すごいすごい。

伊藤:ちょっと多い感じですね。

大嶋:読んでほしい。

伊藤:じゃあ、『1分で話せ』を読まれたことある方?

(会場挙手)

大嶋:おぉ〜、すごい! さすが。

伊藤:おぉ〜、いいですね、ありがとうございます、ありがとうございます。

仲山:すごいですね。

控室での第一声は「みんな同じこと言ってるだけだよね」

伊藤:このステップは、ホワイトボードも使って、ある程度解説しながら、僕らがどんな働き方をしているのか。まず、その枠組みみたいなものをご提示したほうがいいかな、と。

大嶋:そうですね。仲山さん、私の本のステップを紹介してもいいですか?

仲山:どうぞ。

大嶋:たぶんお二人の話を聞くと、違うところも出てくるし、共通点もあり、とても参考になるんじゃないかなと思うんです。

仲山:さっき羊一さんが控室に来た時に、「最近思ったけど、みんな同じこと言ってるだけだよね」とおっしゃってましたよね。

伊藤:みなさんがいらっしゃる前に、「今日はよろしくお願いします」って言って。その第一声目が「結局みんな同じこと言ってますね」っていうことで。

大嶋:そうそう。

仲山:「同じことを言ってる人が集まって、同じことを言ってばかりいるから、だんだん飽きて来ますよね」って(笑)。

伊藤:「おそらく今日(ここに)いらっしゃってる方も、そのあたりはもうわかり切ってるんだよね」って言って。だから、「ここの場で話をすることって、なんか意味あるんだっけ?」って(笑)。

(会場笑)

大嶋:でも、お二人とそこで話してて、仲山さんは好きか嫌いかを、無邪気にやってきた。でも羊一さんは「僕はちょっと違うかもね」なんておっしゃってたから、そのあたりは、参考になるんじゃないかなって思うんですよね。

伊藤:ちなみにこの本、2冊ともめちゃくちゃおもしろいので。今日万が一、僕らの話がおもしろいと思ったら、今日お帰りになる時は購入をご検討いただいても。

(会場笑)

ついでに、万が一、全体的におもしろいなと思っていただけたら、丸善に行かれて、『1分で話せ』をご購入されてない方は買ってください。

(会場笑)

『1分で話せ』の帯に、大事なことはすべて書かれていた

大嶋:この本(『1分で話せ』)、本当にすごいですよ。私、研修でよくプレゼンテーションの仕方を伝授する時に、この「結論+根拠+例えば」。テンプレート的に使えるので、とてもいいです。

伊藤:でも、最近わかっちゃったのは、この本の帯の「結論+根拠+例えば」で「相手の右脳と左脳を動かす」って書いてあるんですけど、これを読めば、本の内容がわかっちゃうんですよね。

仲山:そうなんですよ!(笑)

(会場笑)

伊藤:ひょっとしたら読む必要ないかもっていうことがわかっちゃって。

仲山:この本、表紙だけ読めばいいと気づきました(笑)。

伊藤:本当にそうなんですよ! 

仲山:でも逆に、表紙にすべて書けることをよく1冊分書けましたね。

(会場笑)

伊藤:「これってなんで左脳が必要なんだっけ?」とか、「右脳ってどういうことなんだっけ?」とか「例えばって言っても、どういうことなんだっけ?」みたいなことを説明してます。これはこれで必要ですからね。

仲山:本当、そうですね。

伊藤:ただ、結論は本当にここ(帯)にね、完璧に書かれてるっていう。

大嶋:「1分で読め」でいいじゃないですか(笑)。

伊藤:そう、1分もかかんない。

(会場笑)

大嶋:第2弾(笑)。

伊藤:ちなみに僕、6年前にあるイベントをやって、その時の話が記事になってるんですけど、読んでみると6年前にもまったく同じことを言ってて。「6年間ずっと同じことを言ってるじゃないか」っていうことに最近気づいちゃって。ブレないというか、進歩がないというか。

(会場笑)

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