2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
オープニングセッション「就活の始め方と辞め方」(全1記事)
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喜多恒介氏(以下喜多):こんにちは。僕、喜多恒介と申します。今回オープニングセッションを務めさせていただく感じになっています。みなさん、なにが起こるんだろうってすごく緊張していると思います。
僕は緊張はしていないんですけど、めっちゃお腹が減ってるんですよ。お腹がすいてるので、ちょっとお腹が満たされるような会話がしたいなと思っていて。
そうだ、あれをやろう。僕が魔法のステッキを持っていて、このステッキを振ると、みなさん今食べたいものがなんでも食べられるとします。さて、なにを食べますか? というところで、ちょっと二人一組になってください。二人か三人で、ペアかトリオを組んでみてください。
それで魔法のステッキがあってなんでも食べられるとしたら、なにを食べますか? ということを1分ぐらいでちょっと話してみてください。理由とかもね。
(会場相談中)
自己紹介プラスで1分ちょっとぐらいいくのかな? 2分ちょっと時間をとりたいと思います。
食べたいものと内容ですね。アバウトなジャンルじゃなくて、店名とか。このラーメン屋のこのメニューが食いたいとか。このホテルのこのスイーツがいいとか。そんなこともぜひ具体的に話をしてもらえたらと思います。なるべく具体的に、理由と一緒に。
(会場相談中)
はい、ありがとうございます。じゃあ、今モーレツに食いたいものがある人いますか? はい、どうぞ!
回答者1:ステーキ。
喜多:ステーキ! どんなステーキですか? 牛のスネとかテールとか、バラとかあるじゃん。どこらへんのステーキ? サーロイン?
回答者1:いや、僕ふつうにロースです。
喜多:ロースのステーキ。はいはいはい。どんなステーキ? どれくらいの大きさ?
回答者1:うーん、200グラムぐらい。
喜多:控えめですね(笑)。
(会場笑)
ありがとうございます、拍手! パチパチ。
(会場拍手)
では、もう一個この調子で質問したいと思います。みなさん、今大学生だと思うんですけど、大学生活でこれから一年間なにもしなくていいとします。授業も単位もとらなくていいし、必要なお金は降ってくるし、親からもなにも言われないし、友達からもなにやってもほめられるみたいな。サイコーじゃんみたいな感じで。
そうだとしたら、この一年間でなにをしますか? というのを自己紹介がてらもう一回、2分間ぐらいでお話してもらえたらと思います。どうぞ。
無理してもいいですよ。なにしてもホメられる。なにしても「お前、天才!」って言われる。自由にできるなら。
(会場相談中)
まだいけますよ。無限にいけます。マジでなにやってもOKですよ。
はい、どうですか? これって実は、口に出すと叶うという法則があるんですけど。これ、なにか言ってみたいって人いますか? おっ、じゃあ一番後ろの彼から。
回答者2:シリコンバレーでめっちゃ高いステーキを食べる。
喜多:シリコンバレーで、またステーキか!(笑)。いいすね。でもなんか1枚100万円ぐらいしそうだよね。
回答者2:まあ、60万円ぐらいのやつで。
喜多:人工ミートとか、人工肉とかあるよね。いいすね。ありがとうございます。拍手パチパチ。
(会場拍手)
次の方、どうですか?
回答者3:ギャンブルがしたい。
喜多:いろんなギャンブルがあるよね。どんなギャンブルがしたい?
回答者3:カードゲーム。
喜多:カードゲーム。バカラだったりとか? ほうほうほう。
回答者3:なかなか自分のお金でやるってことはできないので。一気にこれだけの額を賭けるのか! みたいに驚かしたいです。
喜多:おー、いいすねー。アツいすねー。ありがとうございます、拍手パチパチ。
(会場拍手)
ほかに? はい、どうぞ。
回答者4:今クイズをやってるんですけど。
喜多:ほうほう、クイズ。
回答者4:お金の心配がいらないんだったら、世界で一番強いクイズ王になって、そのあと世界のクイズ大会で一番を取りたい。
喜多:おー、アツいっすね。ありがとうございます。クイズの世界チャンプ。
(会場拍手)
はい、どうぞ。
回答者5:僕は無人島で過ごしたいです。
喜多:無人島で過ごしたい。どんな無人島? 太平洋上なのか、それとも日本の無人島とか。
回答者5:いやもう完全に誰も来たことがないような、なにも通らないような秘島で。なにも手に入らない場所で過ごしたい。
喜多:おー、いいすねー。哲学的ですねー。ありがとうございます、拍手パチパチ。
(会場拍手)
ほい、どうぞ。
回答者6:僕は留学したいです。
喜多:留学したい! どこに?
回答者6:アメリカ。
喜多:アメリカに。アメリカと言ってもいろいろあるよね? ワシントンとか西海岸とかニューヨークとか。
回答者6:西海岸。
喜多:西海岸でなにしたいの?
回答者6:僕の専攻のスポーツビジネス
喜多:シアトルマリナーズとかね。絶対に楽しそうですね。いいすねー。みなさん、いいすよねー。じゃあ今、魔法のステッキの話の中で、就職活動をしたいって出てきた人いますか? おっ、一人いました。いいすねー。
逆に言えば、一人以外は別にそんなことしたくないんですよね。じゃあ、みなさん、就活はやめましょう。
(会場笑)
今すぐにやめましょう。今回、僕のテーマは「就活の始め方」。辞め方と始め方ですね。辞め方のほうが先に来るんですよ。それってどういうことかお話ししながら、進められたらなと思います。
僕は喜多恒介と申します。大学院生をやりながら、会社や法人をやってます。ボク自身の人と人とのつながりで、どうやってこの社会を豊かにしていくのか? 日本という国をどうやったらもっと前向きにできるのか? ということをテーマに活動していたりします。
僕、RIZAPをやってるんですよ。この体型なので(実際に)RIZAPをやってるんではなくて、モチベーションのRIZAP(Narrative Career School)というのをやっていて。みなさんの「これがやりたい」というのをどんどん発見して育てて、「オレはこれをやるんだ!」というふうにするためにやってます。
あとRIZAPってアジアでも通用するんですよ。ミャンマーにも行ってます。ミャンマーでもM-Linkという団体をつくって(教育を)やってるんです。今200人くらいに広まってますね。それで今年、タイ、ベトナムにも広げていってます。
そういうことをしていると世界経済フォーラム(ダボス会議)の若者版にも呼ばれたりもして。あのトランプ(大統領)だったり、俳優や皇太子だったり、そういう方々が来るようなカンファレンスの若手メンバーにも選ばれて、世界各国で会議とかをして、日本は社会が豊かになるために世界にどう貢献できるか? なんてことをディスカッションしてます。
いろいろとそういうことをやっていると、「日本の教育ヤベえ」ってことに気づくので、内閣府や文科省の政策提言なんかもしていたりします。
まあ、いろいろとやってるんですけど、秘書が8人ぐらいいて「やって!」と言ったら全部やってくれるんで、仲間も100人ぐらいいて楽しくやっています。
どうしてこういうことをやって来たのかと言うと、僕も就職活動なるものをやっていたんです。かれこれ今から7年ぐらい前ですね。
僕には確かめたいことがあったんですよ。僕は東京大学という大学に行ってたんですけど、東大の仲間はなにか面白くねーなーみたいな。みんな、やる気ないなーみたいな感じで。
前向きじゃないし、「東大に入ったのはどうして?」って聞いたら、「偏差値が一番高かったから」という話で。えー!みたいな。「なんで偏差値が高いところに行きたかったの?」って聞いたら、「知らない」っていう。これ大丈夫かなと思い、いったん学外に出てみようってことで、インターンシップをいろいろとしてきました。
電通、経済省、コンサル、ベンチャーなど、たくさんしてきて、わかったことがあったんですね。日本人って、みんなやる気ねえと。やべえと。みんな、やりたくて就活をやっているわけじゃないし、誰もやりたいことを持ってないし。
そんなんでこの国よくなるの? みたいな。少子高齢化とか叫ばれてて、なにかやべえぞって言われているけど、この人たちと一緒にやっていくってもう耐えられないわと思って、僕は就職活動をやめました。
それで(就職活動を)やめたときに誓ったことがあって。大学生という期間って、高校生と社会人に挟まれているじゃないですか。で、ぶっちゃけ日本の大学生はなにもしなくていいんですよ。単位をとるのも超簡単だし。人生でなにもしなくていい4年間ってやばくないですか?
高校生までは受験勉強とか部活とかしなきゃいけないし、社会人になったら働かなきゃいけないし。なにもしない4年間において、自分の人生でやりたいことを決められるような仕組みを作り切るまでは「オレは大学を卒業しない!」ということで、大学10年生をやっております。
僕、いろいろやっている中で気づいたことがあるんですよね。日本の大学生って、思い込み、幻想を生きているんです。(これって)やばいと思うんですよ。
例えば、新卒で就職しなきゃいけない。これどうでしょうか? これ思い込みなんですよ。僕、ミャンマーという国に行ったんですけど、(ミャンマーで)新卒で就職する人って7パーセントなんですね。ちなみに日本は98パーセントです。
10パーセントしか就職しないんですよ。アメリカもそんなに高くない。韓国も高くない。中国も高くない。日本だけなんですよね。新卒で就職しなきゃいけないのって、例えばメガバンクとかはそうかも知れないけど。たぶんここに来ている会社さんだと、新卒とか中途の境目って、ほとんどないんですよね。新卒で就職しなきゃいけないっていうのは、そういうふうに言われているだけで、事実だけ見たらそんなことはありません。
大手にいかなきゃいけない、みたいなのもそうですよね。ボクが就職活動をした2013年頃だと、日本の勝ち組の会社は、大手電気メーカー、メガバンク、地方銀行などでした。ここにいったらみんな勝ち組でした。さぁ、どうなりました? はい、お察しのとおりです。要は大手にいかなきゃというのも思い込みです。みなさんの勝手な思い込みなんです。
留年とか休学をしたら、やばいんじゃないか? 就職に不利になるんじゃないか? 僕のお父さん、お母さんもそう言ってました。「あんた、休学なんて。東大までいったのに」みたいな。「人生どうなっちゃうの?」みたいな。
2013年には、休学することは本当に悪でした。このなかで休学したことがある人は、手をあげてください。
(会場挙手)
あっ、3人ぐらいしかいない? では、こちらのみなさんで休学したことのある人いらっしゃいますか? 手をあげてみてください。
(会場挙手)
ちらほらですね。ありがとうございます。最近の東京大学の法学部で、休学・留年をした人の割合って、なんパーセントだと思います? 30パーセントです。同じく東大では、一年生のときに入学してすぐ休学するやつに、なんとお金50万円をあげてるんですよ。
要は世の中が休学することを善としている。とある総合商社に去年入社した人で、22歳だったのって、要はストレートで大学に入って、ストレートで卒業した人の割合は10パーセント。
だいたい海外へ行って、留学して1年遅れたり、休学してインターンをしたり、大学院にいったりする。そういう人が就職してます。
当たり前ですよね。だってさ、4年間経験のある人と、5年間経験した人と、どっちの就活生を採ったほうがいい? 5年ですよね。ぜんぜん不利にならないですよ。むしろ(就活生が)会社に入ってから、留学させるために会社がお金を払ってるみたいな状態で。
その(経費負担)必要もなく、自身で留学したことがあるんだ! 採用! みたいな感じで進んでます。留年・休学したら就活が不利になるっていうのは、これ完全なウソです。みなさんの思い込みです。
ベンチャーにいけば就職できる。これ(こういう考え方)もあるかもしれないですね。ベンチャーにいったら、なんとなく成長できるんじゃないかと。2013年頃に、多くの友達がベンチャーにいけば成長できると言っていきました。
はい、(受け身な人は)ぜんぜん成長できていませんでした。これも思い込みです。大手だろうとベンチャーだろうと、自分自身がどうなりたいのか? どうありたいのか? ってことを判断しないままいく人っていうのは、成長できていません。これも思い込みです。
貨幣も国家も思い込みだと思いませんか? あの紙切れに価値があるって、僕らどうして思えるんでしょう? ジンバブエという国に行ったことある人って、たぶんいないと思うんですけど。
あの国の紙幣ってどうですか? 通用しないんですよね。なんで日本では通用して、ジンバブエでは通用しないの? 思い込みだからです。これ幻想だからですよ。
今のこの国においては、いろんな幻想が崩壊しています。銀行にいけば安全とか、公務員になれば安全だとか(が崩壊している)。ベンチャーにいっても安全じゃない。
じゃあ、どうしたらいいんだと。なにが僕らが一番従うべき幻想なのかと。ちなみに恋愛も幻想だと思っています。僕、25歳まで彼女がいなかったんですけど(その理由は)幻想でした。
男子校だから彼女ができないというのは、僕にとっては本当だったかもしれないですけど。僕はもう一生彼女ができないんじゃないか? と思っていたこともあったんですけど、それも幻想でした。
幻想ってどういうことかというと、人が脳内につくる思い込みなんですよ。それをつくる過程っていうのは、まあ心理学をちょっと勉強すればわかるので紹介します。
ABC分析(エービーシーぶんせき)というものがあります。これけっこう超大事なポイントなので、ぜひメモしていただけますか? ABCです。先行刺激・行動・結果というようなところで、これをわかりやすく説明するとですね。
みなさん、渋谷のスクランブル交差点を想像してください。渋谷のぐちゃぐちゃっとした交差点の中で、B(行動)のPPAPをした。アイハブアペーンみたいな芸をした。C、結果めちゃくちゃ盛り上がったみたいな。
そうするとみなさん、どうしたくなります? もう自分の芸はどこでもウケるんだ、みたいな感じで自信を持ちますよね。で調子に乗りますよね。オレのPPAP最強じゃーんみたいな。ヒットするじゃーんみたいな感じで、その行動が強化されます。
要はPPAPをしたい。したくなる。じゃあ、逆に渋谷のスクランブル交差点でPPAPをして、渋谷の交差点じゅうの人にギロッとにらまれて、ボコボコにされた。すると、どうなる? PPAPをしたくなくなるよね。
これがみなさんのモチベーションとか、やる気、やりたいことの正体です。思い込みの幻想です。こういうものから(幻想が)つくられています。
次に貨幣。お金っていうものがあるじゃないですか。お金って概念がない中では、この紙切れに価値があると思えないじゃないですか。でもこの紙切れを渡したら、お米がもらえたとなると、マジで? となる。
生きるのに大切なお米がもらえた。だったら価値があるのかなみたいな。いや、でもたまたまじゃないかなみたいな。もう一個なにか紙切れを渡してみたら、自分が読みたい本がもらえたりして、これめっちゃ使えんじゃね? みたいな。
要はお金を渡すというか、紙切れを渡す行動をして、自分にとってプラスが来たと。じゃあ、お金というのは使える存在なんだというふうに、僕らは思い込みを形成しています。ですよね?
さっき言ったラーメンや食べたいもの、美味しいものとかも、それが自分にとってプラスだから、「あっ、オレはこれが好きなんだ」という価値観ってものが形成されるんですよ。
みなさんが生きている世界って、ほとんどが思い込みでできています。自分にとって価値があるとか、価値がないとか、すべて思い込みです。
例えば、マサイ族。みなさん、マサイ族になったことありますか? マサイ族にとってのご馳走ってなんでしょう? みなさんにとってのご馳走は、ステーキやラーメン、お寿司とかだと思うんですけど、マサイ族にとってのご馳走ってなんだと思いますか? ヤギの血なんですよ。彼らにとってはヤギの血がご馳走なんです。
思い込みですよね? いやいや、ヤギの血よりも絶対にラーメンのスープのほうが美味しいと思うじゃないですか。
でも彼らは(ラーメンを)食べたことがない。彼らにとっては、ヤギの血を飲んだ、美味しかった、じゃあヤギの血を飲む、というループにはまっているんですよ。
その良し悪しというのは、別に僕らにジャッジできるものではありません。ただ、みなさん自身がそういう思い込みの中で生きている、ということを忘れないでください。自分たちはほぼマサイ族と同じだと思ってください。
マサイ族からしたら、(日本人は)そんな動物の骨を煮込んだスープを飲むなんておかしい、みたいな感じで思われているんですよ。ですので、みなさんはマサイ族と一緒だと思ってください。
ある種別の価値観の人から見たら、めっちゃストレンジだ、変だというふうに思われます。「大手にいかなきゃいけない」というのを、シリコンバレー近くのスタンフォード大学のケースでいうと、一番仕事ができない人が大手にいきます。
起業するとか、ベンチャーにいくほうが、明らかに自分のバリューが高まるっていうのが、彼らの常識です。
そういった中で、僕らは思い込みの中に生きている。そこをもう一回再確認してほしいなと思っています。
良い思い込みと悪い思い込みというのはありません。先ほど申し上げたように、マサイ族にとってはヤギの血を飲むことが良いし、僕らにとっては微妙だと思うし。
要は思い込みっていうのは、機能しているか機能していないかというので、ジャッジすべきなんです。高度経済成長期に、日本の会社が世界の時価相場のトップにいたカンパニーの上位ほとんどを占めた時代。
そういう会社に入れば一生安定だ、という思い込みがありましたよね。それはその当時は機能していたんですよ。それで幸せになってたから。当時としては、大手に入ればよいというのは、機能していた思い込みだった。ただ時代が変わった。だから機能しなくなった。
そういう思い込みが機能しているか? 機能していないか? によって、その思い込みを採用するかしないかを、みなさんが自分自身で決めることができます。
思い込みにとらわれているようで、実はメタ認知をしてみると、思い込みというのは自分の中で調整することができます。ですので、常々その思い込みは機能していますか? ってことを頭の中でチェックしましょう。
思い込みは、自分の中で着脱可能です。では、どうやったら着脱可能なんですかね? さっきのPPAPの話をしましょう。PPAPを渋谷のスクランブル交差点でやり始めましたと。それで渋谷の人たちから総スカンをくらいました。どうする? 自信がなくなるよね。それって思い込みなんですよ。俺のPPAP、マジ価値ねえみたいな。あの芸もう辞めたわみたいな。
ところが、そのPPAPの芸は、実はアメリカでは超大ヒットするはずだった。アメリカ人の感性には刺さるはずだった。実はそんな良いシチュエーションだとしても、その状況でPPAPでアメリカに挑戦すると思います? しないっすよね? しないと思うんですよ。自信がないから。日本でウケなかったのに、俺の芸がアメリカでウケるわけがないって、そう思うはずですよね。
じゃあ、ここでみなさんにクエスチョンです。二人一組。二人か三人一組にもう一回なってください。
では、そんなPPAPをやるPさんが、渋谷のスクランブル交差点でPPAPをやって失敗をして、自信をなくしています。でもアメリカに行けばウケること確実です。
Pさんをなんとかして救って、アメリカでヒットさせてあげたい。そんなPさんに、みなさんはなにをしてあげられますか? どんなことをしたら、Pさんは自信をもってアメリカに行って、チャレンジすることができますか?
はい、ではこれを一分ぐらいで話してもらえたらと思います。よろしくお願いします。
(会場相談中)
みなさん、Pさんをどうやったら救えますか? はい、ではこちらを向いていただいて。これ正解はないので、こんなアイデアがよいんじゃないか? という人は手をあげてみてください。
(会場挙手)
はい、どうぞ。
回答者7:Pさんにスモールサクセスを経験させて自分に自信を持たせる。
喜多:あー。どんなスモールサクセスがいいと思う?
回答者7:小規模で、Pさんのことが好きそうな人を集めてやらしてあげる。
喜多:はいはいはい。なるほど、サクラ作戦みたいな感じですね。ありがとうございます。
(会場拍手)
いいですねー。ほかになにかありますか? はい、どうぞ。
回答者8:YouTubeとかで、日本にいるアメリカ人を集めて、一回ウケるというのを見せる。
喜多:はいはいはい。ウケるウケるみたいな、小さな成功体験をさせてあげる。いいすねー。
(会場拍手)
要はC(結果)をよくしてあげる、ってことですよね。Pさんが行動したときに、よいリアクションをくれるC環境を用意する、というのが自信を取り戻させてあげることですよね。
自分もそうなんですよ。例えば、自分が起業をする自信がないんだったら、「お前いいじゃん、起業しろよ!」って言ってくれる人を周りに置けばいいんですよ。価値観って変わるじゃないですか。
要は、自分の価値観とか思い込みってのは着脱可能なんです。
関わる人を変えて、その関わる人がやってくれるリアクションを変えれば、自分の価値観というのは、ある意味自分で思うとおりに操作できます。これも思い込みのマジックです。
自分の価値観。自分はこう思っているからこうだ、っていうのは別にそんなことありません。自分で調整することはできますという前提のもと、思い込みは進化させることができます。
例えば、とあるお料理が好きな人がいるとしましょう。お料理が好きだから、ずっといろいろつくり続けてきたみたいな。たまに余ったら、友達に料理をあげるみたいな。そうしたら友達が「超うめーじゃん」と言うわけですよ。友達がすごく元気になってくれた。じゃあ俺の料理って人を幸せにできるんだ、というふうに思い込むんですよね。
だって褒めてもらったら幸せじゃないですか。俺のやりたいことは、料理で人を幸せにすることかもみたいに思う。普通の料理好きだった人間が、料理で人を幸せにすることで、思い込みを進化させるわけですよ。
これを続けていると、そのうち自分が肉料理が好きで、めっちゃ肉料理をつくるのが得意だってことに気づくんですね。その肉料理が全国の日本の若者たちに、やたらと元気を与える。すた丼みたいにね。勇気を与えてる感じになると。
そこで、またまた錯覚するわけですよ。あれ? 俺の料理って日本を元気にするじゃんみたいな。じゃあ俺のやりたいことって、肉料理で日本を元気にすることかもみたいなね。(そうやって)勝手に錯覚していくんですよ。要は思い込みというのは、進化していくんですね。
このC(結果)が強化されていけばいくほど、自分の思い込みってのは進化していきます。いきつく先がもう孫正義さんみたいな感じになって。孫正義さんは「情報革命で世界を幸せにするんだ!」という思い込みを生きています。
でも、それに足るためのアクションだったりとか、報酬や結果を受け取って来たからこそ、彼はそういうことを信じられています。なので、ある意味、誰でも大きな夢や志は持てます。
そういう大きな志はないとか、やりたいことがないという人がいるかもしれないですけど、それは自分の思い込みを進化させていないからです。
自分の好きなことや、やりたいことというのは、発信をして、行動をして、ポジティブなフィードバックをもらう、ってことをしていないから、やりたいことができていない。つまり思い込みができていない。ただそれだけです。
みなさん、赤ちゃんのころってやりたいことありましたか? ないですよね。なんでやりたいことないんでしょうか? じゃあ、小学校のころはどうですか? サッカー選手やお花屋さんなど(の夢が)ありましたよね。それはそれしか目にしてないからです。
大学生になったらまたいろんなものが出てきましたよね。なにが起きたかって、経験ができた。経験というのはどういうことかっていうと、さっきのABC(分析)なんですよ。
行動をして、そういう結果を受けとった。だからそういう思い込みができた。やりたいことっていうのは思い込みですから。志も思い込みです。
それをどれだけ自分が持っているのか? つくれているのか? というところが、これからの時代はめちゃめちゃカギになってきます。はい、思い込みは進化します。
思い込みを進化させられない。思い込みをつくれない事例があります。それはべき論で生きるからです。はい。なので、就活すべきだから。と思っている人は、今すぐ就活を一旦辞めましょう。今すぐ辞めましょう。
だってさあ、恋愛もそうじゃん。あなたは恋愛すべきだ! って言われて恋愛してうまくいく? ぜったいにうまくいかないよね。自分の人生の選択というものをべき論でやった時点でうまくいかないんすよ。
そのべき論から逃れるために、さっき言ったプロセスの、料理をつくって、人に提供してみて、ほめてもらうみたいな経験を通じて、自分のやりたいことがなにであればほめられ、なにであればワクワクするのか? ってことをみつける過程を踏む。それから自分のやりたいことが見つかったら就活を始めましょうと。
就活をするためにインターンにいくんじゃなくて、自分のやりたいことをみつけるためにインターンだったりとか、留学だったりを経験していきましょう。そうすることによって、べき論から逃れることができます。自分がなにをやりたいのかをもとに、やりたいことをやる手段として、会社を選ぶことができてきます。
そして就活で会社を選ぶ時の基準みたいなところ。「そんなもんねーよ」って思うかもしれないですけど、あえて言うとしたらこれっすね。自分の幸せを長期的に最大化する思い込みを形成できる会社。
これ、やりたいことができる会社です。それ以外ないじゃないすか。ちょっと余談なんですけど、僕、東南アジアでローカルフードを食べるのが好きなんすね。で、必ず美味しいローカルフードを当てられる。僕、自信あります。
それは店員さんがクソ楽しそうに働いているお店です。要は店員さんが、自分の提供する料理に誇りをもっている。そして、その店員同士の仲が良いとか。そういうやりがいをもって働けているところって、めちゃくちゃ店員さんがスマイルなんですよね。
楽しそうに働いているんですよね。お客も楽しそうだし。そういうふうな店に行くと必ずうまいローカルフードに出会えます。これは会社でも一緒です。
だから、目の前の人事さんが、めちゃくちゃ楽しそうに、やりがいをもって働いていたら「あっ、ここいい会社なんだな」って僕は思うことができます。なので、人事の方々がどれだけ楽しそうに働いているのか(を見る)。ワクワクしているのか。そのワクワクにどれだけ自分が共鳴できるかどうか。 「(自分は働くの)嫌だけど、(あなたは)楽しそうに(働いてね)」って言われても、共鳴できないじゃないですか。自分が一緒にワクワクできるかで、ジャッジするのもよいと僕は思っています。
やりたいことができる会社って、なんかよくわからんじゃないですか。基本的に直感です。直感で選びましょう。理性で選んだら基本ミスります。
だって恋人選びを理性で選ぶ人いますか? この人は年収が何百万でみたいな。鼻の角度がこのくらいで、私のすごくタイプだからこの人みたいな感じで選んでも、基本的ミスるじゃないですか。
理性で選んでもいいことはないす。直感です、直感。ただただ直感オブザ直感です。なんで直感なのかっていうと、自分がそれをやって幸せかどうかは、体が覚えているんですよ。
さっきのABC(分析)を思い出してください。要は自分にとって幸せだったことって、行動して良い結果が得られるかどうか? を体が覚えているんですよ。ABCの経験によって。
自分が心の底からワクワクするだったりとか、ムズムズするだったりとか、武者震いするだったりとか、そういう感覚をもとに会社を選ぶと、基本的に良い出会いになります。
ただ、直感ってさっき言った経験とフィードバックで磨かれていきます。みなさん、小学校のころに好きになる恋愛って、自分にぴったりになる相手を選びました?
選べてないですよね。かなりアバウトな感じで好きになってたと思うんですよ。それから中学、高校、大学と恋愛してくと、どうですか? ちょっとは鋭くなったと思うんですよね。自分の相手を選ぶ感覚が。こういう人は自分には合わないとか、この人は自分に合うとかってことが、どんどん磨かれていったと思うんです。
要は、直感ていうのは経験とフィードバックで磨かれてますよと。逆に経験が少ないとどうなるんでしょう? 小学生みたいな恋愛になります。基本的によくわからん人を好きになって、よくわからずに別れちゃうってことがあると思います。
就職活動も一緒ですよね。学生時代にさっきのABC(分析)でいうところの、自分の好きなことをアクションして、経験をえるってことをしないで会社を選ぶと、小学校の恋愛レベルのマッチングで終わります。
どういうふうに経験していくのかっていうと、仮説を立てるんです。仮説を立てて、それに対してフィードバックをもらっていくと、めちゃくちゃ効率の良い経験のサイクルができます。
例えば、みなさんが今から、自分にとって世界で一番美味しいスイーツを発見するためにはどうしたらいいでしょう? 手あたりしだい食べますか? 世界一のスイーツのために。そんなの無理ですよね。効率がめちゃくちゃ悪いですよね。
とりあえずアタリをつける。今まで食べてきたスイーツの中で「あっ、俺けっこうプリン系好きだな」みたいな。じゃあプリン系の候補をあげてみる。ティラミスだったり、プリンアイスだったり、豆乳プリンだったり。いろいろな種類を食べてみるとか。
その中で「あっ、俺カラメルソースがあるプリンが好きだ」みたいになる。カラメルソースが合うってことは、卵黄がめちゃくちゃマイルドなのが好きだってわかるので「オレはティラミスが好きなんだ」ってなります(ここ適当だけど)。
ティラミスの中でも流派がある。フランス系ティラミスとイタリア系ティラミスと日本系ティラミスがある。そうしたら、どれかを食べ比べてみる。
そうやって仮説を立てながら検証していくことによって、食べなきゃいけないスイーツの数って、めちゃくちゃ少なくなりますよね。今のプロセスで10個か20個くらいで済むわけですよ。
そうやって仮説を立てながら検証することを、どんどん自分の経験でまわしていくことによって、限られた学生時代の時間の中で、自分のやりたいや、合っている会社をみつけることができます。
要はPDCAですよね。PDCAをみなさん何回まわしましたかと。経験ですね。この経験を何回まわしましたかと。PDCAを回すと、基本的には自分の志だったり、やりたいことだったりが進化します。
具体例をちょっとお話したいと思います。これ僕がFacebookに投稿した話なんですけど。とあるお茶好きの大学生が「俺、お茶好きなんだよね」となって、お茶でなんかやってみたいってFacebookに投稿したとしましょう。
そうすると友達の人から「えっ、なに? 俺の実家の静岡でお茶摘みの人が足らないんだけどお茶摘みしてくる?」みたいな感じでお茶摘みに誘われます。とまあ、ここまでは自然ですよね。で、お茶摘んでみますと。
摘んで摘んで、ちょっと自分でお茶にして飲んでみるという経験をしましたと。そして、そのプロセスを発信しましたと。発信し終わったときに振り返ってみましたと。
「俺、このプロセスの中でなにが好きだったんだろう?」と考えてみる。「お茶摘み、別に面白くなかったなあ」とか、「お茶をいれるのも微妙だったな」とか。
でも、お茶を「これは美味しかったよ」と発信するのはめっちゃ好きだった。Facebookに書いているときにめちゃくちゃテンションがあがった。「あっ、じゃあ俺って発信好きなんだ。お茶を発信するのが好きなんだ」という感じで思い込みは一段階進化します。
そうして、そのプロセスを「俺、お茶をこうやって発信してめっちゃ楽しかったよ」というふうに、もう一回発信しますと。そうすると「自分の会社のお茶を東南アジアで広めるためのインターンがあるんだけど来てみない?」という感じで誘われますよ。
誘われたら「じゃあ面白そうだから行ってみよう」って感じで、お茶の海外への発信のインターンとして行ってきますと。そこでまあ、たぶんいろんなことが起こると思うんですよね。
「このお茶めっちゃ美味しいですから飲んでみてください」って、中国の富裕層に売ってみて、そのお茶を「めちゃくちゃ美味しいじゃん」って中国の人も言ってくれて、「めっちゃ買うよ」って経験をすると。
ほめられるわけですよね。そうするとめっちゃ誇らしく思うんですよ、その人が。じゃあ、俺のお茶摘みの話って、めちゃくちゃ価値があるんだってなる。海外の人に価値を与えられるんだ、というふうにまた思い込みが一段階進化するわけですよ。
そうすると、日本に帰ってきたときに、自分の発信したお茶ってどんなところのだろう? って、お茶農家の人と話すことになるわけですよ。そうすると、お茶農家の苦労だったりを聞くようになるわけですよ。
「この美味しいお茶を入れるために私めっちゃ頑張っているんだけど、売れないよのね。どうしたらいいの? もう廃業しようかな」みたいな話を聞かされる。
そうすると、心も動くわけですね。じゃあ、この人のためになにかしてあげたい、仲間のためになにかしてあげたい、というふうに思い込むわけですよ。
そうすると、彼はグローバルお茶リーダーになるわけですね。日本のお茶を海外に発信すること、日本のお茶農家、お茶文化を世界に広めると。それによって、日本のお茶に関わる人すべてを幸せにしたいと思い込むようになるわけですよ。
これを僕がフィクションの作り話でFacebookで投稿したんですよ。そしたら実際に「俺、これとまったく同じです」といって、お茶で起業しているやつが現れたんですよ。4年生で。これ、まじミラクルだなと思っていて。そんなプロセスで人は進化していくんです。彼は要は思い込みとPDCAをめちゃくちゃまわしているわけですよ。
実際の話、ウソから出たマコトなんですよ。最初はただお茶が好きだというのを発信するだけだった。にも関わらず、PDCAをどんどんまわしていくうちに、だいたい4回ぐらいまわすうちに、自分のやりたいことってのは進化してきます。
ですので、みなさんは今まで自分の人生で、何回PDCAをまわしたのか? というのをもう一回チェックしてください。何回まわしましたか? ということで、思い込みってやりたいことの進化でございます。
それをどうやって形成していくのか? ってことが大学生活のキモです。大学生活だけじゃなくて社会人もそうです。社会人も本当に自分がやりたいことはなんなのか? ってことをチェックしながら会社に入っていくと、めちゃくちゃやる気をもって働けると思います。
では彼の進路はどうなったでしょう? 彼は別に起業してるんですけど、どこにいってもだいじょうぶですよね。俺はお茶文化を発信していきたいから、マーケティングにいきたい。じゃあ、マーケティングのできる会社にいこうだったりとか、いや物流を知りたいから総合商社にいこうとなる。
どこへいっても採用されるじゃないですか。 なんでかと言うと、彼にはやりたいことがある。ミッションがある。彼の思い込みがある。だからこそ、それをやっている彼は幸せなんですよね。そうすると、幸せになるために楽しく働くんですね。そして自然と結果がでるじゃないですか。会社はそんな人を雇いたいに決まってるじゃないですか。
やれ! って言われないと動けない人よりも、勝手に楽しくやって、楽しく結果をだす人のほうが、どう考えても採用したいじゃないですか。就活の面接で話す自分のやりたいことっていうのは「俺こんな思い込みがある」というのを話すだけでいい。なにを愛しているかってことを話すだけなんですよ。それをみなさんは持ってますか? ということです。はい。
新卒とか中途とか、そんなのは関係ないですよね。自分のやりたいことってのがあれば、いつだってどこでだって結果を出せるし、それに応じた立場というのが与えられることになります。
これ裏口の話なんですけど、僕、就職活動の指導を7年間ぐらい見てきました。7年間見て、最近思うのは、やりたいことのあるやつは、裏口をつかって特別待遇で入ってます。総合商社とかでもフェアな作業しているようにみえて、「お前、このポジション確約だからな」みたいな。ほしいやつ(人材)は全部ポジション確約しています。待遇とかもたまに違っていたりします。
そういう裏口を使った特別採用ってのはけっこう横行してます。それが良いことか悪いことか。ボクは良いことだと思っているんですが。普通に(3月から初めて動き出す)就活している時点で負け組じゃないか? と最近言われ始めています。
というのは、けっこう大手でも(採用枠の)4〜5割ぐらいはインターンシップで決めているところがあったりします。要は、普通に就活してる時点で、半分枠がない状態で勝負しているってことになっています。
そんなのできないとか、自信がないとかいうのは基本的には思い込みです。(前述の)Pさんが自信をなくしているプロセスと一緒です。いきたいタイミングで、いきたい会社にいけばいい。就職活動というのは、そのための手段にすぎなくて、自分でやりたいことを実現するための手段です。 仮説を持ちましょうと、やりたいことを持ちましょうと。思考をとめないで、学び続けようと。言われたことをやるのはアレですよねと。同じ仕事でも、やりたいからやっているやつのほうがぜったい結果でるし、やらされているからやっていると結果がでませんと。
テクノロジーの社会というのも、自分自身の意思を持ってます。どういうふうに進化していきたいのか? だったりとか。生命のように進化を続けます。天命のように進化を続けるのに、人間がやるべきことをロボットに置き換えてどうするんですかと。
人間が意志だとか、愛だとか、やりたいものを持っていないからこそ、そういうふうにテクノロジーに支配されるように言われるんであって、自分のやりたいことをしっかり考えましょうと。君はなにがやりたいのか? というのは、基本的にどんな思い込みがあるのか? ってことです。
面接で話すというのは、どういうふうにそのフォームなりプロセスがつくられてきたかを話すだけです。そんなことで、以上で質疑応答にうつりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
では質問を受け付けたいと思います。なんでもいいです。ボクの体重でもいいんで、気軽に聞いていただければと思います。はい、じゃあどうぞ。
質問者1:僕、就職活動中で、やりたいこととやるべきことのギャップがあるんですけど、そういうときってどういうふうにしたらいいですか?
喜多:具体的には?
質問者1:具体的に言うと、自分は将来スポーツ界に関わりたいんですけども、ただ新卒としてのスポーツ界の枠が小さいので、どうしても新卒としては広告やコンサルなどの、自分がダイレクトにやりたいこととは違う業界を受けざるを得ないんですけども。そういったときはどうしたらいいのかなって。
喜多:はい、ありがとうございます。いろんな方法があると思います。新卒枠が小さいというんであれば、まずそれに向けてチャレンジすることが大事ですよね。どんな要件が必要なのか。あとスポーツ業界に関わる道が、その方向でいいのかどうか? っというのももう一回チェックしなきゃいけない。
僕の弟は、別にスポーツ業界に関わりたいとかいうわけではなくて、サッカー選手をやってました。サッカー選手やってて、大学を休学して、海外のサッカー選手になるんだって言って、自分でアプライして、ドイツへ行ってやってました。
それからサッカーを極めるのは無理だと思ったから、プログラミングを勉強して、プログラマーになって。プログラマーになって(少し)サッカーから離れたいので、スタートアップを一年間やってたんですけど、スタートアップもいやだから普通に就職するわって就職したら、結果自分が一番ワクワクしてしまったのが、NTTデータのスポーツコンサルってとこでした。
スポーツ業界になぜか関わってしまった。離れたかったのに(心がスポーツを求めてしまった)。だから別にどんなプロセスをたどっていても、自分のワクワクすることとか、やりたいことをやっていたらたどり着くんですよ。やるべきことや、やりたくないことでたどり着くよりも、やりたいことをやっていたら、いずれたどり着く。
山の登り方ってのは、一方向からしか登れないんじゃなくて、どの方向から登っても結果頂上にたどり着くんですよ。だったら自分がスピード感をもって、ワクワクしながら登れる道で登ったほうがいい。やるべきことなんて基本的に存在しない。やりたいことをひたすらやる。
やりたいことをやるために、本当にそれが必要だったら、やるべきことをやればいい。と僕は思っています。はい、ほかにどうぞ。
質問者2:プレゼン、ありがとうございました。キタさんも以前きっと思い込みがあったと思うんですね。その思い込みはなにによって解消されたとか、その生き方の原点なんかを教えていただけたらなと思います。
喜多:えっと、そうですね。僕も思い込みがありました。僕にあった思い込みは「僕はチームをつくれない」という思い込みでした。これは小学校、中学校、高校時代と、僕はけっこう空気を読めない存在でして、チームの輪を乱しちゃうような存在でした。
ですので「あっ、俺はチームをつくれないんだ。一人でやる存在なんだ」というふうにずっと思い込んでました。ところが僕がさっき言ってたNarrative Career Schoolという、やる気やモチベーションのRIZAPみたいなのを始めるにあたって、どう考えてもチームが必要だったんですね。
どう考えてもチームが必要なのに「俺はチームがつくれない」という葛藤にぶち当たったんですね。それで認知行動療法だったり、いろいろ研究して、「自分はなんでチームをつくりたくないって思ったんだろう?」と振り返ったら、そういう経験があったと。
そういう小学校からの経験があるから、そう思い込んだだけだったんだって、まずメタ認知として気づくことができました。とはいえチームをつくるのが怖いので、僕は飲み会をやりました。100人ぐらいの飲み会を、20人ぐらいのチームでやる。そういう、ちっちゃい経験から始めました。
そうすると、うまくいったんですよね。うまくいった法則というのがあって、サッカー部のような同質なチームだとうまくいかないけど、個性を生かしあうようなチームづくりだったら俺得意だってことに気づいたんですよ。それで小さな成功体験を積んだんですよ。そうして思い込みは更新されていくんですよ。「俺、チームつくれんじゃん」みたいな感じで。
今は大きなプロジェクトでチームをつくれてやっています。なのでメタ認知するというところと、小さなスモールサクセスを踏むというところで、あらゆる目論見はマネージメントできると思っています。
喜多:ありがとうございます。ほかになにかある人? はい、女性の方。
質問者3:お話、ありがとうございます。思い込みを進化させるところで、自信をもってなにかに取り組んで就活に入ると。それで企業で働きたいと思ったときに、先ほど言った「裏口」とは具体的になにか説明していただけますか?
喜多:ああ、「裏口」の具体的なエピソードね。例えば、自分で起業したりプロジェクトやったりしてるじゃないですか。そうやってると、投資だったりで、いろんな会社の社長さんだったりに会うんですよ。
それで「俺、起業うまくいかなかった」みたいな。で会社辞めるっていうときに「どうしよう」ってその人に相談すると、「この社長がお前みたいなやつを求めてるから紹介するよ」という感じで社長に会って、「お前いいじゃん」ってなって、「子会社の社長やってみない?」みたいな感じでリクルーティングされるみたいな。
そういうことです。やったやつには人のつながりができて、その人のつながりをもって、なぜかその会社にアサインする。アサインされるみたいなプロセスです。ありがとうございます。はい、ほかにどうぞ。
質問者4:お話ありがとうございます。私も一人でも多く九州でワクワクして生きる人を増やしたいなと思っていて、今、学生団体を立ち上げてやっているんですけど。私自身が就活をやって、就活のタイミングで自分はなにをしていけるんだろうってわかんなくって。
今けっこう悩んでいる人が多いと思うんで、もっと早くの段階から、自分の人生でなにを大事にしていきたいか考える機会をつくりたいなと思っているんですけど、九州の学生とか狭い世界で生きていて、それに気づけない人が多いって言うか、そういう気づけてない人を巻き込みたいと思うんですけど、どうしたらいいんでしょう。
喜多:はい。僕もそれですごく悩んだことがあります。こんなに世の中が変化していて、これだけやりたいことを見つけなきゃいけないって、たぶんどの人事の方もめっちゃ言うと思うんですよね。言うにもかかわらず、やりたいことがないみたいな。この社会、やばいみたいな。それを打破する方法は、僕はシンプルに一つだと思っています。
ひたすら、危機意識を感じてもらう。危機を感じないと変わんないんすよ、人って。だってその九州の学生って、マサイ族と一緒ですよ。要は「ヤギの血を飲んでて美味しい」ってずっとずっと信じ込んでいて、それが彼らにとって幸せだから、懐疑性がゼロなんですよね。
良いか悪いか、事実かそうじゃないかは別として、マサイ族のところに「ヤギの血って実は細菌とかあって危ないんだよ」「死んじゃうよ」と危機意識を感じてもらって、「代わりにラーメンというのがあってね」「こんなに美味しいうえに健康でめちゃくちゃこってりしていて美味しいんだよ」と伝える。それで飲んでみて「ワオ!」みたいな感じにさせるとか。
危機を感じてもらうというのと、外圧を感じてもらう。明治維新の時代も黒船が来たから変わろうと思った。だから自分自身が黒船になればいいじゃないですか。ぜひやりましょう。
質問者4:ありがとうございます。
喜多:はい、次の方どうぞ。
質問者5:今の話とは異なっちゃうかもしれないですけど。モチベーションをずっと保つことができたら、最高だと思うんですけども、モチベーションが低くなったり、やる気がわかなくなったときにどうするべきか、アドバイスをお願いします。
喜多:僕、基本的にモチベーションが低くなることがないんですよ。なんか中高時代にポケモンがすごく好きだったんですね。みなさん、ポケモンってどうやって楽しんでました? 対戦とか交換とか集めるとか。ボクはぜんぜん違っていて、ポケモンの一人ひとりの才能を分析して、それを最大化することに非常に関心があって、それに僕は数千時間を費やした。
僕のやっていることって、それと変わんないんですよ。この国のポテンシャルだったり、若者のポテンシャルを分析して最大化するというところにしか興味がない。だからポケモンをやっているように、プロジェクトとかの仕事をしている。(モチベーションが)下がるわけがない。
なんですけど、たまにうまくいかないときは、モチベーションが下がるときがあります。そういうときに、これは僕のジンクスなんですが、人になにかをする。人を助けてあげる。
そうすると、自分のやったことはちゃんと役に立っているんだなって報酬がもらえる。C(結果)ですよ。Cがポジティブなものを受け取る。そうすることによって、自己肯定化でやりがいが高まる。
特にするのはトイレ掃除ですね。トイレ掃除はめちゃくちゃいいですよ。あきらかに汚れているから、やればやるだけめっちゃきれいになるんですよ。しかも、ほかの人に喜ばれてめっちゃ感謝される。トイレを掃除しましょう。ありがとうございます。じゃあ、あと一人どうぞ。
質問者6:お話ありがとうございます。僕、今も大手R&Dのインターンをしてたり、前にもベンチャー2年目のところでマーケティングなど、いろいろと手伝って、5社ぐらいお邪魔してるんですよ。それでいろいろしてたら、エンジニアや研究者としての道と、マーケティングが両方好きで。
両方ほぼ思い込みで「これ得意かもしれない」「やりたいかもしれない」ってどんどんいって、その上でいろんなところからラッキーなことにオファーももらえて、なんでもやりたい状態になってしまったんですけど。そうなった場合は、どういうことを考えたらいいですか?
喜多:はいはいはい。フォアグラとトリュフとキャビアがあって、どれを食べればいいかわかんない状況? それはですね、迷っている時点で微妙なんですよ。ほんとはウニフォアグラを食べたいかもしれないのに、ウニの要素を見逃している可能性があって。ほんとにワクワクするんだったら、やっぱり決め手があるはずだよ。どれも迷っているってことは、まだ見逃しているものがあるんじゃないかな。そんなことないですか?
質問者6:正直な話をすると、研究は大好きなんですけど、給料だったりを考えると、研究者になるよりも、マーケティングだったり、コンサルティングだったり、ビジネスにすすむほうが、最終的なモチベーションにもなりそうだと感じていて。ただ、その上で研究はまだやりたいという気持ちがあって。
喜多:べき論だよ。べき論で語ってんじゃん。「お金をもらうべき」だったりとか。ほんとうにお金ほしいの? それが自分の幸せにつながっているって、自信を持って言えるんだったら、それはそれでいいと思うんだけど。そうしなきゃいけない見栄とか、そういうものがあるんだったら、ボクは(それは)クソいらねえなと思っていて。
そんなんだったら好きな研究をやっていったほうが、結果的にボクは高い年収を得られると思っているし。マーケティングのノウハウをもった研究者ってめちゃくちゃ重宝されるし。ワクワクするところをまだ見つけられてないんじゃないの?
質問者6:そうかもしれないです。
喜多:なので、もうちょっと旅(経験と内省)をしましょう。
質問者6:わかりました。ありがとうございます。
喜多:ありがとうございます。そんな感じで終了かな? あ、動画。そうかそうか。やりたいことを見つけるって、あんまりわかんないと思うんですよ。これからみなさん、いろんな就職活動などの活動していく中で、やりたいことってなんだろう? って迷うことも多いと思うんですね。
ボクは「やりたいことをみつける合宿」というのをやってるんですけど、ここで17歳の高校生が、やりたいことを見つけたプロセスを動画化することに、たぶん日本で初めて成功したので、そのプロセスを見てもらえたらと思います。
(動画上映)
はい、ありがとうございます。もう言ってた通りなんすよ。やっぱり自分の軸というのを見つけたあとは、いろんな仲間と一緒にその軸というものをつけていかなきゃいけないし、それを通じて社会に対して影響を与えていくからこそ、自分がやりたいことがどんどん進化していく。
今回いろんな会社の方に来ていただいてます。先ほどお話をさせていただいたんですけど、やっぱり自分のやりたいことをやっていけと。会社というのは、そのための器だったりするので。そういうことを言われて、自分でビジネスをはじめたりとか。やっぱり、ただお話を聞くだけじゃなくて、自分のやりたいことはこういうことだとか、こういうことをやっていきたいとか、それができるかだったり(を考えてほしい)。
逆にみなさん自身はどう考えてますか? なにがやりたいんですか? というところを積極的に聞くようなブースセッションにしていただければ、この場に来ていただいた価値っていうのが最大化されるんじゃないかなと思っています。みなさん自身が自分のやりたいことを見つけて、これからの社会で活躍されることを心から願っています。以上、ご清聴ありがとうございました。
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