2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:それではこれより、ライトニングトークとしまして、5名のゲストスピーカーのみなさまにお話をいただきます。「今の時代に働く女性に伝えたい、失敗から学んだこと」についてです。
まずお1人目は、ソフトバンク株式会社事業開発統括、事業開発本部金融新規事業部、野中瑛里子さんです。野中さん、よろしくお願い致します。
(会場拍手)
野中瑛里子氏(以下、野中):野中です、よろしくお願い致します。トップバッターということを今日聞いて、とても緊張しています(笑)。
10分でということなので手短にお話させていただきます。野中瑛里子と申しまして、現在は大手通信キャリアにて新規事業を担当させていただいております。
新規事業って具体的になにをやるんだろうって、なかなかイメージが難しいので、まず前職のお話からさせていただきたいと思います。私は前職がメガバンクで、最初は一般職入行で事務のようなことをやっておりました
その中でいろいろなことにチャレンジして、自分も新規事業など新しいことをやってみたいなと思うようになって、転職を決意しました。現在は金融に関わる新規事業を担当させていただいています。
……どうしようかな、すみません、原稿を用意してこなかったので、今ちょっと考えています(笑)。
今日いらっしゃってるみなさんがどういうことをご期待されているのかなと、いろいろ考えているんですけども。私がまずキャリアを形成するにあたって、自分が大きく失敗したなあと感じていることが1つありまして、それについてお話させていただきたいと思います。
それは「自分がやりたいことを人生の中でやる」ということではなく、現在は私はやりたいことを思い切りやれていてすごく幸せになったんですけれど、ここに至るまでに自分の決定軸を、「他人から評価されるであろうものを選ぶ」にしてしまったことが、大きな失敗だと思っています。
これはどういうことかと言うと、私は1人っ子なんですけれども、父が大企業の普通の会社員で、母が専業主婦。それが良い悪いってことではないんですけれど、やっぱり両親からなんとなく「女の子なんだからいい学校に行って大企業の一般職になって」「海外とか行かないで、親元から離れないで」「そのへんの企業のいい人と結婚して、子どもができて幸せに暮らしてたらいいな」というのを、ずーっと感じていました。
無意識の期待みたいなものですね。私の自意識過剰なのかもしれないのですが。
親は「君の幸せなんだから君が選んでいいんだよ」と言ってはくれるんですけど、「そういうふうに思ってるんだろうな」と感じていました。
親に加えて周囲もそうで。私は生まれが埼玉のド田舎なんですけど、「がんばって仕事しよう」っていう子がそんなにいたわけではありませんでした。とくに女の子は高校に行って彼氏ができて子どもができて……そういったことがけっこう多かったんです。
そのため、なかなか自分が「仕事したい、キャリアを作りたい」と言っても、一緒にがんばっていけるような、同じような価値観の子もなかなかいませんでした。「自分はこのままどうすればいいんだろうな」と思っていました。
その中でもやりたいことを見つけようとして。私はもともと高校生のときに理系に行きたくて、高校も数学物理とか専攻していたんですけれど、当時「理系女子の就職先大問題」がけっこう言われていた時期で。
今思えば情報工学系に進みエンジニアやデータサイエンティストという道もあったのだと気付けるのですが、当時は視野が狭くて理工学部や薬学部しか見えていなくて。お金をかけて大学院に行って6年間消費して就職先がない、というのも辛いし。汎用性があったほうがリスクヘッジになるのではないかと考え、文転(=理系過程から文系過程へ切り替える)し、あまり関心はなかったのですが経済学部へ進学しました。
たしかにリスクヘッジにはなったのでしょうけれど、まずここで自分の気持ちに嘘をついて決定をしてしまいました。
経済学部へ進学はしたものの、もともと関心もなかったため、授業にもあまり意欲がわかず。同じ学部の子達と目指すものや興味の対象も違っていました。好きなものに振り切ればよかったのに、得意ではないテニスサークルに入ってみるなど、気持ちと裏腹な行動ばかりしてしまい、大学4年間はもったいなかったなぁというのはすごく思っています。
とはいえ、なんだかんだ言って4年生になると就職活動の時期がやってきて。経済学部で金融のゼミナールをとっていたので、とりあえず銀行・証券・保険を受けてみました、やっぱり理系にいきたかったので、システムエンジニアとかシンクタンクとかも受けてみたんですね。
実は大学時代は、好きだった理系科目に触れていたくて、中高生向けの塾講師として数学や物理化学を教えていました。自身でもプログラミングを学習してみたり。なので、この就活のタイミングは「もう1回理系に戻れないかな」という気持ちを叶えるチャンスだったのです。
しかし、ここでもまたいろいろとありまして。システムエンジニアでも内定をもらっていたのに、「さまざまななキャリアを選べるのでは」というところで銀行に決めました。
さらなる失敗としては職種の選択です。もともと働きたいタイプなので総合職で受ければ良かったんですが……。これは多くの女性が通ってきた道かと思うんですけれども、総合職だと体を壊したり、家庭と両立できずに結局辞めてしまうというお話をけっこう聞いていたんです。
特に銀行となると、全国転勤があり得えます。初任店が沖縄などの可能性が普通にあるんですね。そうなると、望んでいない方向にキャリアが振れてしまうのが怖くて、総合職の面接の後半で戸惑ってしまって……本当に長いんですよ、銀行の面接って(笑)。
6〜7回目だったかと思うのですが、最終面接の一歩手前くらいで「次が最終だよ、いい? 本当に転勤は大丈夫?」って言われて、「転勤はこわいです」と言ってしまって。当然ですが、そこでストップしてしまいました。
これは本当に後悔していることです。今、現職では総合職、しかも新規事業で海外への転勤もあるし出張もあるし、「もうフレックスで朝から夜までバリバリ働いてね」っていう感じで、私はもう今すごく幸せです。
新卒の時に総合職を選んで、自分のキャリアを狭めるようなことをしなければよかったなぁと、本当に思います。
1社目では、実際に入社してみて、総合職と一般職の差がとくに日本ではものすごく大きいと実感しました。外資に行っている友達に話を聞くと、総合職と一般職っていうくくりは一般的にないそうで、基本的に男女分け隔てなく平等、事務はスタッフさんがやっていらっしゃる。
なので、男女関わらずみなさんワイワイと仕事をするという働き方が実現できているらしいんです。しかし日本は女性活用と言いながら、やはり、まだまだここに大きな壁がありまして。
もし今一般職で働かれていて、もっと働きたいなと思っている方がいらっしゃるんだったら、今後総合職ですとか外資の方に転職されて、自分のキャリアをもっと広げる選択をとることをおすすめいたします。
とはいえ、銀行在籍中にも、その中でキャリアを積み上げることも真剣に検討しました。システム系の部署や、海外部署のジョブポスにも何度も応募しましたし、英語研修も積極的に受講し、最終的には地域総合職という広めの職種に転換もしました。
しかし、転換後も、正直申し上げて待遇がほぼ変わらない中で、人事部の方からは「総合職と同等の働きを期待している」と言われつつ、現場では総合職であれば同席するMTGには同席できないことがあったりと、総合職であれば悩まなくて済んだことにずいぶんと長い間、辛い思いをしました。
とはいえ、会社としてそのような体制を整えているのは合理的ですし、多くの方が働かれている中で私1人のために制度を変えることもありませんし、「ああ、なかなか制度の現実の壁っていうのは大きいんだな」と、とても感じました。
会社のせいではない、けれどもうここで私の望むスピードでは絶対に叶わないと悟りました。そこで「もう転職以外にない」と心を決めました。
転職時のポイントとしては、海外との交流があること、自分で考えたり決めたりする裁量が与えてもらえること、フラットな職場であること。
英語については自分でもずっと勉強してきて、TOEICも英会話も頑張っていました。いざ、転職するともう初日から、いきなり海外のスタートアップとのテレカン(電話会議)に入って議事録を全部英語で書いて、「じゃあ明日からファシリテーションして」と普通にお仕事いただけて、とても驚きました。
キツイということではなく、あんなにやりたかったのにできなかったことを、環境が変わるだけでこんなに簡単にさせてもらえるのかと。自分の今までの時間とはなんだったのだろうと思いました。
新規事業部として自身でビジネスを考えることもできる。今までは業務では事務が多くて、プライベートの時間を使って、起業支援NPOの運営に携わったり、アクセラレータ系のイベントに参加したり、コワーキングに通ったりと、さまざまなことをしてきました。そのすべてが活きたものの、やりやすさは段違いです。
ここまでの教訓として、自分の目の前に、欲しいものやチャンスが出てきた時は、「これが自分にできるかな」と思ったとしても、とりあえずやってみるというのがいいかなと思います。
ちょっといろいろと話し足りないところがあるんですが、時間がもう終わりですので、私からはここまでにさせていただきます。
ご質問や詳しい話を聞かれたいということがありましたら、この後のワールドカフェの方でお時間があるかと思うので、よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
司会者:野中さん、ありがとうございました。
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