2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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森川亮氏(以下、森川):原田さんは、ベンチャーに入った後に大企業に入って、起業したっていう流れなんですけど。どうして大企業に移ったんですか?
原田大作氏(以下、原田):私、1社目はサイバードというモバイルのベンチャーで、当時200人ちょっとの会社に新卒の1期生として入りました。そこで3年弱ほど、いろいろ新規事業とかやっていて、そこからウォルト・ディズニー・カンパニーへ。みなさん知ってますね、ミッキーの会社です。ディズニーに転職をしました。
きっかけは、ベンチャーから活きのいい人たちがそういう大企業に移っていたんですね。最初の会社である程度、成績を上げていたので、そこで意気投合しまして。
森川:じゃあその時は、給料が高かったとか?
原田:給料は……(笑)。
(会場笑)
森川:3倍になったとか(笑)。
原田:そんなに変わらないですけどね! 入ってからはやっぱり上がりますけど。外資系なので、成果でかなり。
森川:じゃあ、必要とされたからっていうのが理由?
原田:最終的にはそうなりますね。ただ、3年ぐらいベンチャーをやった中で、携帯電話という事業だったので、それをもとにもっと日本から世界に携帯の事業が広がるだろうと考えていました。そのチャンスがあるので、転職をグローバルな会社にしたいなという前提はあって話は聞いていましたね。
森川:そこから起業したきっかけっていうのは、なにかあるんですか?
原田:ディズニーで新規事業、モバイルゲームの事業を立ち上げて、そこそこチームも仲間が増えまして。私の場合、ちょうど2011年に震災が起きたタイミングでした。
そこで「このままミッキーマウスを一生売り続けるのか?」「それとも、なにか世の中の基盤となって、ずっと使われるようなプラットフォームを作るのか?」と考えた際に、「もうやるしかない」と思って2011年、震災の後に起業して、コマースのプラットフォームをやっています。
森川:最初から起業しようと思って大企業に入る人と、そうじゃない人がいますけど、どっちだったんですか?
原田:私は起業しようと思ってました。
森川:じゃあもう、「3年ぐらいいたら起業しよう」と、いったんディズニーさんに入ったということですか?
原田:そうですね。
森川:吉松さんはどうだったんですか? 起業しようと思ってたんですか?
吉松徹郎氏(以下、吉松):いや、僕はまったく起業しようなんてこれっぽっちも考えてませんでした。
森川:思ってなかったんですね。
吉松:実は僕、就職浪人してるんですね。みなさんと同じように、就職氷河期っていうところで1年目就職活動をして、1年目は内定をけっこうもらったんですよ。それこそ、キリンビールとかNTTデータとか。
でも、「このまま行っちゃったら、なんか人生決まっちゃうな」みたいのがあって。まだモラトリアムだったんで、いろんな会社が見れるところに行きました。アクセンチュアって、数百人の小さい会社だったので。そこに行ってみようと思っただけで、起業しようとは思っていませんでした。
森川:でも、やっているうちに「起業もいいかな」と。起業しないとできないことがあるっていうことですね。
吉松:そう! 起業しないとできないことがあるなっていう変化によって、変わった感じですね。
原田:起業したいってことじゃなかったかもしれないですね。私は音楽を昔やっていて、そこで1回、挫折を味わったんですね。なにか創るってことは好きで、一番大きいものを創ろうと考えた時に、たぶん宇宙は創れないし、星も創れないし。
国はたぶん創れるんですけど、ちょっと早かったんで。会社なら創れると思って。もの作りが好きすぎて、会社を創ることに興味があった。
森川:なるほど。じゃあ奥田さんはどうですか? 今ちょうどベンチャーに入りましたが、失敗したのか成功したのか、どんな感じですか? 率直な感想は。
奥田健太氏(以下、奥田):それでいうと、6人目として入ったけど、今は会社としては150〜160人の会社になっています。
三菱商事で働いていた時も、「仕事すごいおもしろいな」って、夜遅くまで働いていたんですけど。その時より今の方が200倍くらい仕事が楽しいと思っていて。
仕事の概念がガラッと変わったなと思っています。僕は昔、大学生くらいまでプロのサッカー選手になろうと思ってサッカーやってたんですけど、今のRettyでの仕事は、その時の感覚とまったく同じものです。
自分のライフワークというか、会社って自分の子供みたいな感覚だし。プライベートとは別のところで仕事をやっている、という感覚がなくなったのは、すごく変わったことだと思いました。
森川:ある意味、仕事してる感じじゃなくて、楽しく一生懸命に生きてるのが仕事になってるということですね。ちなみにベンチャー向きの人ってどういう人だと思います? 自分はベンチャーに向いているかどうか。
奥田:僕はわりと向いている方だと思っています。それは先ほどの話とちょっと被るところがあるんですが、本当に変化が好きというか、変化しないと死んじゃうというか。
「5年後、人生こうなるな」ってわかったら、もうあまり生きてる意味ないのかなっていうぐらい。極端に言うと、自分の想像できない次がないと興奮できないっていうタイプなんで。そういうところは、やっぱりベンチャーに向いてるかなって思います。
森川:そうは言っても、いいベンチャー、悪いベンチャーあると思うんですが、「こういうベンチャーはやめたほうがいい」はどういう会社なんですか?
奥田:個人的には、働いてる人で少しでも「働くのがおもしろくない」と思ってる人がいるような会社っていうのは、やっぱりスタートアップの中でもうまくいかないというか、おもしろくないんだろうなと思います。
やっぱりどんどん伝播していっちゃうので。小さかろうが大きかろうが働いている人たちが同じ方向を見て、目をキラキラさせているような会社はい会社だと思いますね。
森川:どうですか、原田さんは?
原田:同感ですね。パッションが持てることをやる。会社がやろうとしている方向性と、自分が好きなこと、自分が寝ることも惜しんで「サッカーが好きだ」とか「音楽が好きだ」みたいな好きなこと軸で仕事している人が、ベンチャーにはすごく多いですね。
時間があっという間に過ぎてしまって。仕事じゃなくて、もう楽しいからやっている。それが体験できる会社がいい。
そうじゃなくて無理強いさせられたりとか、やりたくないことをしなきゃいけない会社は、就職先としてはあんまりかなと思っていますね。
森川:それを見極めるポイントを3つ挙げるとしたらなんですか?
原田:3つですか(笑)? なんですかね……。
奥田:1つは、中の人に何人も会ってみると、どんな会社の人も「仕事は楽しい」って言うんですよ。
でも、「それは本当に土日返上してタダでもやりたい仕事なんですか?」っていう質問をした時に、即答で「そりゃそうだよね」って言える人たちばかりの会社かどうかは、個人的にありますね。
森川:吉松さんどうですか?
吉松:僕はちょっと違って、存在する意味がある会社かどうかだと思うんですよ。
例えば、同じベンチャーでも人材紹介会社が世の中に10個あるのに、「11番目やります、俺、仲間で楽しいから自由にやる」。それは、その会社がなくても世の中が回るんだったら、僕はそこで勝負しなくてもいいかなって思っちゃう。
要はその会社が存在する理由がはっきりしていれば、その会社は絶対に強くなる。例えば、森川さんだってC Channelを動画メディアがないから作ったんですよね?
森川:まぁそうですね。
吉松:いい会社は、存在するオンリーワンな会社であれば100人の会社だって1,000人の会社だってそれは規模じゃなくて、強くなる思います。
森川:じゃあ、大企業とベンチャー、あまり関係ないって感じですか?
吉松:そうですね。要はベンチャーっていうのは期間だと思ってないんですよ。だって、SoftBankだってまだベンチャーな感じするじゃないですか。孫さんを見てたらするでしょ。
だって、孫さんは自分が大企業の社長なんて思ったことないから。要は会社が大きいとか歴史が長いじゃなくて、そこでやってる人がこの世の中を変えるとか、存在する意味がある会社にしようとしているかが大きいと思う。
森川:なるほど。じゃあ逆に言うと、おすすめしない大企業ってどういう会社なんですか? 名前は出さなくていいですよ。
(一同笑)
吉松:おすすめしない大企業は、それこそ自分の会社の事業を守ろうとしている会社はダメかなぁ、と。
森川:成長意欲がない、と。
吉松:そうです。やっぱり成長には成長痛をともなうので、痛いんですよ、絶対。さっきRettyの奥田さんの話もありましたけど、たぶんもっと大きくなっていくと痛みが絶対に出て、会社の中で働いていて辛い人が出てくるんですよ。
辛いんだけど、他の会社に行ったら僕のやりたいことを実現できないっていう、そういう成長痛を好まない会社は良くないなぁと思います。
森川:どうです? 奥田さん、三菱グループとかどうだったんですか? いろんな会社ありますけど。
奥田:そうですね、三菱商事は総論で言うと僕は大好きな会社です。今でも大好きで、ちょうど昨日も三菱商事の先輩たちと忘年会をしていたくらい、今でも仲良くしてもらっています。
当然いいところや悪いところはやっぱりあって。三菱商事の人たちって仕事をする時にすごい天下国家から話をしていて「これって本当に国のためになるんだっけ?」みたいな。そういう意味で、熱い部分を持っていて。そういうところは、僕もすごく影響されている部分です。
一方で、新しいものに対する抵抗感はあります。もちろん会社って役割だと思うので、「あらゆる会社が、変化の激しいベンチャーやスタートアップが取り組んでいるところで必ずしもやらなきゃいけないか?」というのはあるんですが。
とはいえ、成長していくとか、社会に必要とされることは変わっていくので。そこをいかにして、自分たちの苦手な新しいところに取り組んでいけるのかっていうのは今後、「イチOB」としてすごく期待しているというか、楽しみなところではあります。
森川:なるほど。では、ちょっと質問を変えて。原田さんは採用の時、どういうポイントを見るんですか? 「こいつを採ろう」と決める時。
原田:今だと、やはりグローバル感覚がある人ですね。それは別に留学したことがない方でも、世界のニュースが気になるとか、どこかで世界に出てこうとか。そういうライフスタイルになるだろうと思っている方が大前提ですね。
森川:別に語学は関係ないんですか。
原田:そこまでないですね。
森川:気持ちがあればということですね。
原田:そうですね。
森川:吉松さんはどうですか?
吉松:嘘をつかずに、素直に自分の言葉で喋れる人ですね。要は、面接で1,000人も2,000人、1万人も見てるんで、マニュアル通りしゃべっていることがわかるわけですよ。そうすると「わかんないです」と素直に言ってる人には信頼感が生まれる。
例えば、僕が質問したことに答えられなくて泣いちゃって「もう1回面接させてください」と言われた時には、もう1回頑張ろうかって、僕も思っちゃう。
なんかやっぱり、コミュニケーションなので。合コンへ行ってもそうじゃないですか。なんか普通に名前となんか言って、「ふーん」ってノってこない人と話しててもつまんない。ちゃんと嘘つかずに話してくれる人が、やっぱりいいなと思います。
森川:ホームページの文章を覚えて「御社のビジョンに共感する」だけだと、ちょっとつまんない。
吉松:つまんない。質問とかもね、「女性が活躍できますか」って聞かれた瞬間、「いやそれ今、俺の会社で質問しなくてもいいだろう」みたいな(笑)。もっと、この2人の間で大事なことを聞いてくれよって感じはします。
森川:一方で、吉松さんが新卒の時の面接ってどうだったんですか?
吉松:僕の学生時代の専攻は、実は生物なんですよ。バイオテクノロジー。でも最後、コンサルとか受けてると「お前なんでここにいるんだ」みたいな感じになります。「僕は細胞をやっていたんじゃない。世の中のわからないことを解決しようとしてたんです」「白衣がスーツになるだけで、やることは一緒です!」みたいな(笑)。
森川:じゃあもう、当時からこのスタイルなんですね。
吉松:そうですね、あまり変わってなかったかもしれませんね。自分がなにをやってきたかよりも、これから自分がなにをやろうかっていう目的をきちっと噛み砕いている人は、たぶんいろんなことに答えられる人かなぁという気はします。
森川:どうですか、奥田さんは。
奥田:僕は、見ているものは2つあって。1つはまさに吉松さんのおっしゃっていた「素直さ」みたいなところと、もう1つは「コミット力」。Rettyではよく言っているんですけど。その人がどれだけ仕事とか、自分のやりたいこととか、夢に熱量を持ってコミットし続けられるタイプの人かは、「素直さ」の次に見ている感じですね。
その人の行動実績とか、お互い話している時に掘り下げて感じ取っていくことにはなるんですけども。
森川:でも、そのコミット力はどうやって見分けるんですか? 口では「やります!」とか言う人、けっこう多いと思うんですけども(笑)。
奥田:はい。過去の行動実績を掘り下げていって、「本当にこの人は細かいことまで考えて必死でやってたんだな」がわかるまでコミュニケーションをする感じですね。
森川:ちなみに原田さんの場合は、ベンチャーの新卒1期生じゃないですか。いいこと、悪いことって、どんなところだったんですか?
原田:いいことは、200人ちょいだったので、経営陣と直接話ができるところですよね。存分にチャンスを与えられている環境だというところはありました。
ベンチャーに入ってから、研修期間が1ヶ月くらいあったんですけど。その後からすぐ「6社担当してください、伸ばしてください、以上!」みたいな感じでくるんで、「やらなきゃ」っていうのはありました。その裁量は本当にありますね。
森川:けっこうサイバードは個性的な経営者が多かった印象なんですけど(笑)。
原田:そうですね(笑)。
森川:どうでした?
原田:やっぱり、ベンチャーっていろんな業界からギラギラした人が集まってるんですね。「銀行から来ました」「テレビ局から来ました」みたいな。
森川:けっこう体育会系な感じですよね。
原田:そうですね。そういう各業界の方々が毎月集まってきていたので、刺激がありました。例えば1社で、メーカーさんの社会でずっと暮らすよりも「コンサルティングってこういうことで、テレビってこうなんだ」とわかったことが、最初の3年間の成長に関しては良かったなと思っています。
森川:無茶ぶりをちゃんと受けて、どんな球にも応えられるようになった感じですね。
原田:そうですね。なので、悪いところで言うと、1人あたりの負荷が高かったです。それは仕事の労働時間の面では普通の会社よりは長かったんですけれども。
でも、もともと好きなことをやりに行っているので、あまりそれを苦に感じてないメンバーが多い感じでした。
森川:なるほど。ありがとうございます。
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