2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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司会者:では、本日のゲストスピーカー上村さんのご登壇です。会場のみなさん大きな拍手でお迎えください。現在、サイバーエージェントにて広報責任者をされている上村様です。どうぞよろしくお願いします。
上村嗣美氏(以下、上村):サイバーエージェントにて広報責任者を務めています、上村です。「Lean In Tokyo」のこれまでのスピーカーの方を見てみると、起業家の方や一流企業に入社されてキャリアを築いているパワーウーマンみたいな方々が名を連ねていらっしゃるんですけど。
私の場合、極々、普通の大学生で、自分で意思を持ってベンチャー企業に入社して、会社の成長と共に自分もキャリアを築いていった、自然体代表としてお話しができればいいなと思っています。よろしくお願いします。
まず、簡単に自己紹介です。先ほどもお伝えしたように、サイバーエージェントで広報の責任者を務めています。2歳の娘がいて、今日は夫が娘を見てくれています。
私が入社したのは2000年、今から16年前ですね。サイバーエージェントがちょうど上場した年なんですけれど、就職活動って当然ながら1年前に行なうので、当時はサイバーエージェントの社員数が30人くらいで、上場すら決まっていない“ド・ベンチャー”の会社でした。
そこで入社をして、半年間経理をやった後に社長の藤田の秘書になります。結果的に4年半秘書を務めて、その後、広報専任になって今に至るといった状況です。
「サイバーエージェントってどんな会社なのか?」を紹介したいと思うんですが、私が入社してから今までに社員数が120倍、売上高が750倍になっているような会社です。
私が入社したのが2000年なので、16年間でこれくらい成長しました。30人だった社員数が3500人になり、4億円だった売上高が3,000億円になりました。
入社した当時に、これだけ成長することを想像できたかというと、当然ながら想像はできなくて、「ベンチャー企業だったら自分も成長できるのでは」ということで入社を決めましたが、正直どうなるかもわからないので、「3年くらいで辞めることもあるかも」と実は思っていました。
今、「サイバーエージェントはこれくらいの規模になりましたよ」とお話したのですが、主に、最近よくニュースになってる「Abema TV」をはじめとするメディア事業、広告事業、ゲーム事業の3本柱で行っている会社です。
サイバーエージェントの社員は非常に若くて、正社員が3,500人いる中で、平均年齢は30歳。20代が46パーセント、30代が48パーセントと、そのほとんどを20代、30代が占めている状況です。
男女比でいうと、実はみなさんのイメージよりは少ないかもしれないのですが、7対3で女性が3割の状況です。「女性管理職平均8パーセント」というようなデータもありますけれど、サイバーエージェントの場合は今20パーセントです。「ここをもっと伸ばしていきたい」」とも話しています。
私は子供を育てながら仕事をしているんですけれど、今、サイバーエージェントにはママ社員が150人います。女性社員のうち、22パーセントくらいがママ社員になっています。
産休復帰率は96パーセントと、非常に女性が働きやすい、活躍している会社と言えるのではないかなと思ってます。
こんな感じで、「働きがいのある会社」ベスト企業に9年間ランクインしています。女性向けにも制度は充実しています。ちょうど私が産休に入る前に、人事と一緒に制度設計にも関わったものなんですけれど、「macalonパッケージ」というものがあります。
新聞などで記事にしていただいたので、もしかしたら目にされた方もいらっしゃるかもしれないですが、例えば妊活休暇や子供が病気になったときに在宅できる「キッズ在宅制度」、子供の誕生日や入園式のときにお休みできる「キッズデー休暇」、そういったものを制度として提供しています。
最近は「保育園に入れない」という問題が大きくなってきたので、今年の6月からは「認可保育園に入れなくて認可外保育園に入った場合は、その差額を補助します」とか、あとは保活情報をママ社員同士でシェアできる、そういった制度も始めました。
サイバーエージェントは若くして活躍する社員が多いのも特徴です。新卒でサイバーエージェントに入って、子会社の社長や本体の取締役になってる人が累積で51名います。若い世代が非常に活躍している会社です。
今、会社のいいところばかりをお伝えしましたが、私が入社を決めた1999年当時は、上場も決まっていないし、社員数は30人、もちろん福利厚生もなかったです。社員数は30人なのに、同期は私を含めて「新卒採用で20人採用した」。そう聞くと普通は「とんでもないな」と思うかもしれませんね。
なぜそういう会社に入ったのか、というところからお話できればと思います。
(スライドに)私が入社してから今までのキャリアラインを図にしました。こういったものをご覧になったことってありますか? そのときに自分のモチベーションやキャリアがどういうものだったのかを、上下で示したものです。
私は大学を卒業してサイバーエージェントに入社したんですけれど……、当時は広告代理店を受けていたんですね。大学時代に、企業のプロモーションの場に関わることもあって興味を持ち、基本的に総合広告代理店を受けていました。
いろいろ受けるなかで内定をいただいた会社もあったものの、そのなかで思ったのが、「選考が進むうちに、どうしても女性が少なくなってくる」と。周りの学生を見ると男性ばっかり。先輩社員として出て来る人も、男性ばっかり。
「あれ? 私は会社に入って成長できる、きちんと仕事ができる、そういった環境を求めているはずなのに、それってできるのかな?」と、少し不安に感じたんですね。
そんな不安を感じているなかで、たまたま出会ったのがサイバーエージェントでした。ナビサイトで広告代理店縛りで探していて、たまたま見つけて、選考を受けてみて「ここだ!」とワクワクして。ご縁があり入社することになったんですけれど、内定をもらったとき、私の希望は営業でした。
「広告営業をやりたい」と入社を決めたんですが、内定者の間にサイバーエージェントの上場が決まったんですね。
私は内定者インターンシップとして、学生のうちからサイバーエージェントで働いていたんですが、“最年少上場社長”として社長の藤田が注目を浴びたりして、今までと違う環境にがらっと変わっていくのを肌で感じていました。
「このサイバーエージェントという会社を、もっと世の中に伝えていく仕事ができたらいいな」と思っていたら、たまたま先輩社員に「それが広報とかIRという仕事なんだよ」と教えてもらって、「それであれば広報になりたい!」と思ったんです。
入社して、「私、広報になりたいんです!」とは言ったものの、もちろん新入社員を広報にあててくれるわけもなく、当時は広報担当の社員すらいない。そんな状況だったので、おそらく人員が足りなかった経理に、「私が簿記2級を持っている」ということもあって配属になりました。
そんなことをしているうちに半年経って、やっと経理という仕事にも慣れ、その重要性も理解したところに、社長の藤田から「前任の秘書が辞めることになったので秘書にならないか」と声がかかり、社長秘書になったんですけれど、それがちょうどこの(キャリアラインの)谷のあたりです。
声がかかった当初は、とりあえず頑張ってみようと思ったものの、新卒1年目で秘書という仕事がどんなものかわからなかったこともあり、私のなかで「社長秘書」というものがどういうキャリアになるのかも見えない状況でした。また、当時、サイバーエージェントは上場したものの、上場した途端にネットバブルが弾けて。株価が急落して赤字だったので、非常に叩かれていました。
そんな逆風の状況のなかで、経営者の近くにいてサポートをしなければいけない。その強い風当たりを、秘書という近い立場にいたからこそ、ものすごくつらく肌身に感じることが多くて、けっこう、自分のなかでもテンションが下がっちゃったんです。
そんななか、周りの同期は営業なんかで活躍して、早くにマネージャーになったり、結果を出したり、表彰されたり。周りの同期と比べて、「私ってちゃんとビジネスパーソンとして成長できているのかな?」「私って会社の役に立てているのかな?」と思ってしまったんですね。そんなことがあったのが、社長秘書になって1、2年くらいでした。
今、秘書という職種の人たちをみるとその仕事の重要度や会社への貢献の大きさがよく理解できるし、自分次第で学びも成長もできる機会がたくさんあるとわかります。それに自分でも気づけて、誰よりも活躍している同期に「秘書ってどんな仕事をしているかわからなかったけど、こんなに重要なことをしてたんだ。俺にはできないよ」と言われたこともありましたが、その当時はそれに気づけなかったんですよね。非常に短絡的なんですが、その時「このままだと私のキャリアが見えないから転職しよう」と思ったんですよ。
でもそうやって考えば考えるうちに、はたと感じたんです。「私って今の環境でなにも行動してないじゃないか?」と。
つらい状況といったら、経営者はもっとそう。同期と比べてばかりだけど、「それに対して自分でアクションしているのか?」と言ったら違うなと。周りの同期が結果を出してるのは、私なんかよりはるかに頑張ってるからだと。自分で「こういうことをやりたい」と言ったり、自分で動いているから、成果も出しているし、それが新たなチャンスにも繋がっているんだということに気がついて、「私は単に逃げていただけなんだな」と。
まずはこの会社でなにかしらアクションしよう、と思いました。その谷を脱したのが24歳ぐらいでした。
そこで自分で気持ちを切り替えて、「広報やりたい」という気持ちを思い出して、自分から「広報の仕事もさせてほしい」と言って。秘書をしながら、広報の最初はアシスタントのようなものから始めて、リリースを作成したり、取材対応をしたり少しずつ広報の仕事を増やしていきました。
ちょうど27歳のときに完全に秘書から広報専任になりましたが、秘書から広報に変わるそのタイミングでは、自分が使っている時間の2割から3割くらいが秘書で、その残りは広報の仕事をしていたような状況でした。
私のなかで、この20代前半から半ばまで……こう話すと大したことがないように聞こえるかもしれないんですけど、自分のなかでは「暗黒期」でした。逆風吹き荒れるなか、未熟が故に自分でももがいていた時期だったので、どうしたらいいかわからなかったんですね。
ただそれを乗り越えたことで、その後のキャリアを描く上で、すこしつらいこととか、しんどいことがあっても「あの時に比べれば大丈夫」と思えるようになったことが大きいです。ほかにもいろいろ波はあるんですけれど、そのあたりは割愛します。
36歳の時、ちょうど2年前ですね、子供を出産して、約1年間の産休・育休を経て仕事復帰しました。(スライドに)「どんな仕事をしていたのか」と、勤務時間を合わせて書いているんですけれど、私は30歳ごろに一度マネジメント職になって、そのあとプロフェッショナル職になるということをしてるんですね。
プロフェッショナル職として、プレーヤーとして仕事復帰をして……今も時短で働いているんですけれど、「マネジメント職として仕事をしよう」と思って、仕事復帰後からマネジメント職になっているのが今の状況です。「なぜそうなったのか」ということは、また追ってお話ししたいと思います。
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