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MILLENNIALS TOKYO Vol.1(全3記事)

「一生の仕事」はどうすれば見つかりますか? 自分らしく働く3者が悩める参加者へアドバイス

1980年から2000年代前半生まれのミレニアル世代が、企業や職種の枠を越え集うことを目的にスタートしたコミュニティ「MILLENNIALS TOKYO」。7月4日に開催されたキックオフイベントでは、ブロガー・作家のはあちゅう氏、バーグハンバーグバーグのシモダテツヤ氏、リンクトイン・ジャパンの杉本隆一郎氏をゲストに、これからの働き方について考えました。

パラレルキャリアについてどう思いますか?

司会者:では質疑応答にいきたいと思います。

質問者1:おもしろいお話、ありがとうございます。お金が重要というお話だったり、いろんな働き方のお話をうかがったんですけど、今、会社1社にとらわれないパラレルキャリアみたいなことが、何年か前から言われていると思います。そのあたりについてどうお考えなのか。それぞれにおうかがいしたいです。また、せっかくミレニアルズ世代というところで、ミレニアルズ世代におけるパラレルキャリアみたいなところで、なにかうかがえることがあれば。

シモダテツヤ氏(以下、シモダ):最後の英語がよくわからなかったんですけど、パラレル……?

質問者1:パラレルキャリア。例えば、自分の会社の仕事以外にいくつか会社を兼務したり、非営利の活動を一緒にやったり。

シモダ:なるほど。そういうことに対して、どう思うかですね。ちゃんと1個1個短い期間で成果を上げているんだったら、やればいいのかなと思いますし、全部がもったりとした足並みになるんだったら、数を減らすとか調整しなきゃダメだと思いますね。

たぶん楽しいからとか、いろいろ手出したほうが、なにか忙しいほど仕事ができるような錯覚に陥っていくじゃないですか。じゃなくて、1個のクオリティをどう上げられるか。短い時間でどう成果を出すかというので、成果を出せているんだったら数を増やしたらいいし。それを評価してくれる人が周りにいる環境ならブレないと思うので、そういう環境さえ整っていればいいんじゃないかなと、個人的には思いますね。

会社に寄りかからないで生きられる自信

はあちゅう:私はパラレルキャリア大推奨で、本業に迷惑がかからない程度にやるというのがもちろんマナーだとは思うんですけど、会社に寄りかからないで自分で生きていける自信をつけることは、まわりまわって会社のためにもなるので。

すごく副業を持つみたいな感覚でやらなくても、例えばメルカリで物を売ってみるとか、アフィリエイトで稼いでみるとか、少し外部メディアでライターをやってみるみたいなことがあると、最悪この会社がなくなっちゃったり、ダメになったりした時に自分は生きていけるぞという自信を持てば、すごくきゅうきゅうにならない生き方ができると思うので、いろんな収入源を持つほうがいいと思いますね。

質問者1:ありがとうございます。

杉本隆一郎氏(以下、杉本):うちの会社のサイドプロジェクトや副業みたいなものは、会社に申請して承認取ればOKなんですけれど、その時に会社から、それが今、自分が抱えている役割にどんなプラスがあるのかを決めさせられるんですね。それが通れば、ちゃんと認めてもらえるんです。会社にとってもプラスになれば、「それはウェルカム、大歓迎だよ」と。

一方で、これから職を変える頻度というのも増えてくると思うし。先ほどみなさんのお話をうかがっていて、「自分はこの道で行く」とか、「強みはここだ」というのが見えてらっしゃると思うんですよね。もし、そこをこれから模索していく段階であれば、自分がどこに本当に興味を持てるのかを知るためにも、広く関わりを持つのがいいかもしれないですね。

例えば、先ほどシモダさんがおっしゃったとおり、ダラダラとやっても仕方がないので、ちゃんと時間か実績で、しっかりターゲットを設けて、それに向かって真摯に取り組むというのが大事だと思います。

質問者1:ありがとうございます。

やりたいことはどう見つければいい?

司会者:ほかにどなたかいらっしゃいますか? ないですね。大丈夫ですか?

シモダ:ぜんぜん人気ないじゃないですか。

(会場笑)

司会者:そうですね(笑)。僕に1番質問がくるとシモダさんが言っていたので、今日はどうなのかなと思っていたんですけれど。

はあちゅう:手、挙がりましたよ。

司会者:はい、どうぞ。

質問者2:貴重なご意見ありがとうございました。みなさん、すごくやりたいことがあって、それに向かってずっと進んでらっしゃるような方々だと思うんですけれど、個人的な話をすると、なんでもかんでも手は出すんですけれど「これに一生をかけたいな」「これを極めたいな」というところまでいくものが見つけられる人は、そんなに多くないと思うんです。実際、こういうふうな人たちが、自分が芯を持って生きていったり、これがやりたいというものを見つけるために、なにかアドバイスがあればいただけませんか。

シモダ:これの回答者は、はあちゅうっぽくないですか。

はあちゅう:私は……、でも、試し足りないと思っちゃいますね。やっぱり「これが私の生きる道」と確実に思ってやっている人は、あまりいないと思うので、これがすごく好きだということと、かつ、これで稼げるなというものをいろんなかたちでトライして、探せるか探せないか。

(トーマス・)エジソンが「何百回も失敗しても最後に成功したら成功になるけど、失敗したらただ失敗が重なっていただけだ」みたいなことを言っていたと思うんですけど、それと同じだと思います。

もうちょっと探してみたら絶対見つかるし、そうじゃないのであれば、べつに今の生き方でもぜんぜん楽しいんじゃないですかね? 無理に自分に合う生き方じゃないと思わなくていいと思います。

公言することで逃げられない環境を作る

シモダ:やっぱりエジソンは偉大ですよね。

(会場笑)

シモダ:そうですね。僕の場合、けっこう外側からテンションを固めることも多いと思うんですよね。いろんなことに興味持つのはすごい入り口が開けていることなので、いいと思うんですよ。

いろいろ手出すのも、すごくいいと思うんです。それで、その時に早めに仲間を作っちゃう。1人でやらないことも、けっこう大事かなと思っていて。一緒にそういう話をしていくうちに、相手が先に知識をすごく持ってる状態になったら悔しいから「自分も!」とか。そういう張り合いみたいなものも、1個ハマるきっかけになったりするし。

あと、例えば、お酒飲んでる時とかに、ハマりかけの自分がやってることに対して、大げさに熱く語ったりすることがあると思うんですよね。それで熱くなった時に、「俺、これ絶対やるし!」みたいなことを言ったら、次の日、僕めっちゃ後悔するんですけれど。「でも、言ったしな・・・・・・」みたいなことで、実際にやることになったのが5〜6個あるんで。

結果、かっこよく言えば、有言実行みたいになってるんですけど、ただ、酒の席で話してしまって失敗している、あとにひけなくなったということもあるので。自分のなかで背水の陣を作るみたいな、イキりまくって逃げないみたいにやると、だんだん、そういうところに近づいていけたりするのかもしれないなと思います。

「絶対この仕事をしたい」と思った瞬間

杉本:僕は今40歳で、みなさんより上の世代なんですけど、楽天からリンクトインに行ったのが35、36歳の時だったんです。その時が初めて、「あっ、この仕事やりたい」と思えたタイミングで。

それまでの十数年は、ただ同期と横並びで見た時に「人からいろいろと仕事の声をかけてもらえてるかな」とか、大学時代の同級生と比べて「表から見栄えのいい仕事ができているかな」とか、人より給料もらえたとか、そういうところで。「それをもらえるのが人事の仕事だから」「人事の仕事を最初数年やったから」「じゃあ、このまま人事を続けよう」みたいな感じできたんですね。

楽天で中途採用の仕事を人並み以上にやったつもりではいたので、リンクトインみたいな会社が日本で立ち上げた時に「このサービスを広げるのは、絶対に自分でやりたい」と思うようになりました。その選考には、中途採用で経験豊富な人たちもいろいろ候補者になっていただろうけれど、「その人たちに絶対ポジション渡したくない」みたいに思ったのが、初めてこの仕事をやってみたいと思えた時だったんです。

今、向き合っている仕事で、本当に人から評価されたいというのが1番の欲求でしたけれど、そういうのを見つけて、それをクリアしていくということが、やりたいことを見つけていく1つのステップなんじゃないかなという気がします。そういうのを見つけて、自分の仕事のやりがいとか、「なにをもって、なぜ仕事をしているのか」というのを見つけて、それにひたむきに取り組んでいくというのも1つの手段じゃないかなと思います。

司会者:ちなみにパラレルワークというのは、一般的にけっこうオープンになりつつあるものなんですか? 大丈夫な会社に勤めている方、いますか?

(会場挙手)

そんなにいないですね。なるほど。ありがとうございます。最後、もう1つぐらい質問ございますか。はい。では、お2人。

仕事の単価を上げるために必要なことは?

質問者3:あまりこういうところで聞くのは気が引けるんですけれど、私はもともと会社員をやっていて、そのあと1回フリーランスになって、お金が足りなくなって、また会社員、マッキャンエリクソン戻ったんです。それだけが理由ではないんですけれど。

フリーランスの時にほかの人に話をすると、「その仕事は単価が安すぎる」と言われたんです。私が5万円とか10万円でやっている仕事は、「本来であれば、30万円とか50万円支払われるような仕事なのに安すぎる」と言われて。

でも、自分ではお金を稼ぐセンスが本当になくて、どうしたらいいのかわからなかったんです。自分の仕事の単価を上げるために「こういうことがあるよ」とか、アドバイスがいただけたら。今は会社員なんですけど(笑)。

シモダ:またフリーランスに戻ろうと(笑)。

(会場笑)

質問者3:はい(笑)。

シモダ:僕からしゃべってもいいですか? 僕、1つ思うのが、その友達、絶対に「その価格安いよ」と言って、気持ちよくなりたいだけというのがあると思います。フリーでやってる人の周りには絶対にそういうやつがいるんですよ。

一生懸命やっているフリーランスの人の近くで、「いや、この単価あり得ない」と言って、その知識知っている自分をひけらかしたり、同じフリーランスでももうちょっともらっている私を演出したいみたいな人がいるというのを、前提に考えるのが大事だと思うんですね。

そのなかでその人がもらうまでのキャリアがあったり、いきなり誰でもフリーランスで同じ給料もらえるとなると、競争の意味がないじゃないですか。

もちろん、フリーランスとしてやるからには自分で仕事を持ってくるスキルも大事だし、営業スキルも大事だし、コミュニケーションどう取れるかとか、どういう仲間がいるかとか、ものを作る能力がどうなのかというのもあると思うんですけれど、あまり価格にまどわされるんじゃなくて。結局、今、外の価格帯を知っておくというのが大事だと思うんです。

そこに対して今、自分の実力はどの位置にいるんだというものを客観的に見れなきゃたぶんダメで、変にこういうことを言われて、強迫観念みたいなもので焦ってしまうと、ドツボにはまるパターンだと思いました。

その人だけじゃなくて、周りにもいっぱい聞くんですよね。周りもいっぱい調べて、だいたいの相場感はネットで調べるだけでもたぶん見られると思うので、それと世の中にある同じような仕事に対して、自分のスキルを位置づけ、レベルづけしてみたいなことが1番いいんじゃないかなと思いますね。

質問者3:ありがとうございます。

はあちゅう:私、競合他社をめっちゃ研究しますけどね。私だったら、同じように同じ企画にブッキングされるタレントさんはいくらで受けているのか。あとは、お友達にけっこうブロガーさんとかがいて、「この案件、いくらで受けた?」みたいな感じで情報交換して、それで自分の価格に反映させてます。

質問者3:ありがとうございます。

どんな点を見ればおもしろい人が採れる?

司会者:じゃあ、次の方。

質問者4:興味深いお話をありがとうございます。大阪のテレビ局で働いている○○と申します。今は営業の仕事、テレビの広告取りをしているんですけれど、人事異動で来週から大阪に帰って、新卒の採用担当を急きょすることになったんです。

テレビ局はみなさんが思っているとおり、完全に年功序列。ほぼ離職者がいない、副業も禁止、待遇もまぁまぁみたいな業界なんですね。それで、そうやって業界を支えていく人も必要だと思うんですが、僕は既成概念を崩すような人材を採りたいなと思っていて。

そんななかでみなさん、いろんな働き方をされているなかで、テレビ局とかそういう会社、ちょっと古い業界に、どんな人がいたらおもしろいなと思うのか。そういう人を採るために、どんな点を見ていったら……。さっそく来週面接をしなくちゃいけないんですけど、どんな点を見たらそういうおもしろい人材が採れるのか。もし意見がありましたら、お声聞かせていただけたらありがたいなと思います。

はあちゅう:私だったら、ネットの感覚を見ますね。ネットをどれぐらい使いこなしているかというのを見て。

例えば、私、トレンダーズにいた時にちょっとだけ採用にも関わらさせていただいたんですけれど、ソーシャル(メディア)をどれぐらいやっているか。フォロワーはいくらか。ソーシャルメディアの会社だったからというのもあるんですけど、必ず聞いてました。「最近どういうアプリ使ってますか?」「どういうサービス見てますか?」「うちのサービス知ってますか?」というので、見てましたね。

だから、テレビ局さんの新規採用であれば「うちのネットの企画知ってますか?」「それについてどう思いますか?」とか聞くことで、わりとどういう人材かは見えてくると思います。今の時代、テレビ局に入る人は、テレビを使って新しいことをやりたい人じゃないとダメなのに、新しいことをまったくキャッチアップしない、アンテナのない人だったら、私は採らないです。私の意見ですが。

シモダ:まったく言うことがございません。

(会場笑)

シモダ:完璧ですね。

会社の内側が変わらなきゃダメ

杉本:どんな人採りたいんでしたっけ?

質問者4:僕は既成概念を崩すような……テレビのビジネスを使って新しいことをドンと立ち上げたいみたいなアクティブな子がいたらいいなと。ちょっと常識がテレビの常識とは違ってもグイッとやっちゃうような子がいいなと思うんですよね。

杉本:そういうことができている人、できそうな人を社内で見つけて、その人をフロントに出すというのは、大前提だと思うんですよね。会社を選ぶ側は、「実際それができんのかよ?」と絶対聞いてくるので。

リクルーターとしてはがんばっているけど、中身はそうじゃなさそうということを察した瞬間に興味を失いますし、優先順位は下がると思うので。どれだけ採用担当がそうしたくても、なかが変わっていなきゃ、あとで文句言われますよ。「あれだけ言ってたのに、ぜんぜん違うじゃないですか」と。

質問者4:自分でがんばんなきゃダメですか(笑)。

杉本:もちろん。なので、ウソをつくわけにはいかないし、話を盛って、せっかく採ったのにあとで「言ってたことと違う」と言われると、自分も後悔しますから。そこはやっぱり、外向けのメッセージングは大事なんですけれど、内側どうなのかというところでしっかり働きかけていかないと、本当の意味でほしい人を採るのにはたどりつかないんじゃないかなと思いますね。

改革のためには新卒より中途

シモダ:あと、本当に変えたいんだったら、新卒(採用)じゃなくて中途を変えなきゃダメだと思うんですよね。

杉本:そうですね。

シモダ:やっぱ年功序列となると、自分たちが発言権を持つのは、すごく待たないとダメじゃないですか。そんなの待っている間に絶対に毒されちゃうじゃないですか。だから、それこそ何年目とかで権利だったりを区切ってあげるとか。社内制度が本当にないと、どれだけ尖ってるやつがいても、10年もいたら飲まれちゃってイエスマンに変わると思いますね。

質問者4:中途で難しいなと思うのは、中途で尖った人は、それこそ周りに環境がないと、そういうところに入りたいと思わなかったり。ある意味、中途だからこそ仕事ができてわかっているから、「あっ、こんなもんでいいんだな」みたいに賢い人は思っちゃうのかなと。

杉本:逆に、「中途採用第1号、第1期始めます」と言って、そこに飛びこんでくる人のほうが、そういう可能性があるんじゃないですかね。そこで、どうせ無理なんじゃないかなと思う人だったら、絶対無理ですから。それがいいスクリーニングかもしれないし。

「中途採用やってなかったけど、始めます!」「その改革を始めます、一期生(募集)!」みたいなことで、言い方はべつとして、そこに飛び込んでくる人のなかで選ぶと。でも、そういうことを始めると、社歴長い人たちが……、そうは言ってもいろいろ言う人もいると思うので、そういう人をどうギャフンと言わせるか。そこも大事だと思います。

質問者4:はい。ありがとうございます。

司会者:では、お時間がきてしまいましたので、今日はここまでとさせていただきます。お三方、今日はどうもありがとうございました。

(会場拍手)

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