2024.10.10
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第65回:どんな人をWeb担当者にすればいいのか?(全1記事)
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中山陽平氏:みなさんこんにちは。ラウンドナップ・コンサルティングの中山です。では本日も「ノンスペシャリストのためのWebマーケティングラジオ」を始めていきたいと思いますので、ぜひとも最後までお聞きいただけたら幸いです。
それでは本日の内容ですけども、タイトルにもありますけど、これよく聞かれるんですね。特に中小企業、あるいはもっと小規模な企業の方の場合、専任のWeb担当者をつけるというのはなかなか現実的ではないので、兼務ということになります。
じゃあどんな人をWeb担当者として兼務でアサインすればいいのか、というところはかなり悩みどころではないかと思います。
実はWeb担当者という名前、Webの制作を行なったり、ホームページの運営をしたり、そういったことを行なう人材というのは、すごく理想を言ってしまえば、幅広い知識が必要になってきます。
それはマーケティングの知識であったり、Webサイトを更新する技術そのものですね。現在でしたらWordPressみたいなCMSを使うのであれば、それの操作方法やカスタマイズ方法もそうですし、ソーシャルメディアの活用ですとか、メールマーケティングとかSEOとかリスティングとか、いろいろなことを知っていなければなりません。
現実的に、それがやれる人材を探してその人にお願いするのが難しい問題なので、もちろん社内でだんだんノウハウを溜めて育成していく前提で、誰を選ぶかというところにはなるんですけども。
じゃあ一体、その種となる人はどういった人を選べばいいのかというのは悩みどころではないかなと思います。今回はこれについてヒントとなることをお伝えできればと思います。
実際、どんな人を、こういう人を選べば確実にインハウスのWeb担当者として成功するかといったロジックはなかなかないです。やっぱり人間というのはやってみなければわかりません、やらせてみなければわかりませんし、企業によって兼務した時の難易度も変わってきます。
それから人間、その会社にいる人材は、会社によってバリエーションがありますので、必ずしもこういう人がいますよということにはならいということもあると思います。
なのでヒントとして、「こういう考え方をぜひやってください」というのが今回の趣旨になります。
Web担当者を探しますといったときによくあるのが、「Webとかインターネットとかよくわからないから、こういうのは若い人のほうがよくわかるだろうから、若いアイツに頼もう。お前ちょっとこっちきて、ホームページとかいろいろやってくれよ」というケース。これはなんだかんだ非常に多いですね。
これは非常に失敗しやすいです。なぜかというと、たくさんホームページを見ているから、日頃からネットに触れているから、じゃあそれが即企業のWeb担当者としてうまくいくかというと、必ずしもそうはいかない。
普段Webを見ている人は、確かにホームページの作り方やさまざまな情報の仕入れ方はある程度慣れているかもしれません。でもそれは自転車通学をしている人が自転車に乗れる、みたいな話ですし、レンタカー屋に勤めている人が車庫入れが上手い、というのと同じような話で、慣れなんですよね。
さらに言うと、慣れというのは、車庫入れなんかは慣れでいいんですけど、Webに関しては柔軟性のある思考法が求められますので、自分の中で「これはこういうものだ」という固まったものを持っている人っていうのは逆にやりづらかったりします。
なので、まず若いからWeb詳しいだろ、任せておけばいいだろ、というのはやめたほうがいいです。
次に、これも難しいところではあるんですけど、たとえばシステムをやっていたとか、ITの基盤、サーバーの何かをやっていたとか、昔実はこういうシステムの会社にいたんですよ、という人がいた場合に、じゃあその人に頼めばいいのか。あるいはパソコンにすごく詳しい人に頼めばいいのかというと、これもまた違う話ですね。
Webマーケティング、Web活用というのの本質的な部分はどこかというと、決して「Web」ではなくて「マーケティング」のほうですね。別にWebやパソコンやITに強い人が、即ちマーケティング的な思考にすぐに順応できるのかというと、決してイコールでもニアリーイコールでもなんでもないんですね。
なので、パソコンに詳しいとか、若いとか、システムをやっていたとか、こういうのはあまりあてにならないと考えてもらったほうがいいと思いますし、実際に私が入ってWeb担当者の候補を選ぶときには、こういう基準はほとんど使わないです。
もちろん選んだ人材が偶然こういうスキルをもっていることはよくありますけど、そこから探すということはないです。
じゃあ、どういう基準でWeb担当者の候補を探したらいいかというと、まず1つはお客さんのことをちゃんと素直に見られるひとです。結局リアルな商売と一緒なんですよ。
特にマーケティングというのはセールスマンの前に人を連れてくるのが仕事ですので、お客さんの気持ちを類推したり、それに対してテストを行なったり、「こういう人は、こういうのが欲しいんじゃないか」「こういう言葉が響くんじゃないか」というものを考えていく能力が非常に重要になってきます。
想像力、それもちゃんと現実的なネタ、証拠とか定量的なデータであったり定性的なデータに基づいたいろいろな判断が、意識して、あるいは意識していなくてもセンスでできるような人間は、マーケターとしてうまくいくことが多いです。
なので、社内で「この人はお客さんと仲良くなるのがうまいよね」とか「この人はお客さんがこういうふうに言っていたということに対して、いろんな意見を言ってくれるよね」「私たちが考えいないようなことを考えてくれているな」という人間のほうがいいです。
Webって本当に、買い手と売り手の間に壁があるといいますか、距離が広い媒体ですので、そういうときには、そういう考え方ができる人のほうがうまくいくんですよね。
なので、そういう人をまずは探してやってもらったほうがいいと思います。
そのためには、日々、そういった人びとの活動を観てあげていただければと思うんですけれども。その人が「キーボードは人差し指でしか打てません」というレベルの人でも全然いいです。そんなの覚えればいい話なので。
そうではなくて、センスとか考え方とか、仕事やお客さんに対する姿勢みたいなものは、そう簡単に変わるものではない、そう簡単にマーケティング思考にならないものですから、そういったものを持っている人から選んだほうがいいです。
ぜひとも、お客さん目線でいろいろなことを考えられる人を第一義的な考え方にしてあげてください。
じゃあ、その次ですね。すこし矛盾するようなイメージを持たれるかもしれないんですけども、のめり込み過ぎ無い人ですね。本当にお客さんのことを考えていって、それに対して「ああいうことをしたい」「こういうことをしてあげたらきっと喜ぶよね」ということを考える。これはもちろん重要な事なんですけども、あまりにもそれに対して入れ込んでしまいすぎると、やりすぎになってしまいます。
やりすぎになると、だいたい採算割れします。たとえば、「こういうお客さんが来るから、きっとこういうものも、ああいうものもあったほうがいい。こういう仕組みにしたほうがいい」というのが、気持ちが高じてしまうと、もちろんお客さんにとってはいいことかもしれませんけど、時間的コストや人的コストがかかる。
だけども、それに対して喜ぶ人、つまり商売的に言ったらペイするかどうかですね。ちゃんとリターンが返ってくるかというと、そこまででもない。そういうところまで含めて進めてしまったりする。
こういう人は、ダメなんじゃなくて、もっとフロントの部分。お客さんと実際に接する、マーケティングとセールスでいうんだったら、セールスの側にいたほうがいい人材なので、そういう人は前に出てもらって、マーケティングという一歩引いていろいろなことを考えなければいけないようなところには置かないほうがいいです。
これは適材適所という考え方ですね。いい悪いではないです。なので、Web担当者を選ぶときには、第一には考え方がお客さん目線であること。あと理想的にいったら三方良しですね。業界のことも考えて、自社のことも考えて、そしてお客さんのことも考える人のほうがいいです。
そしてそのうえで、のめり込み過ぎないことですね。少し引いたところから、経営者の皆さんは引いたところから考えていないと何もできないと思うので、自然とできると思うんですけども。だからといって経営者のみなさんにやってくれというのは、それは本来経営者がやる仕事ではないので、それ以外の方がやるべきですね。
そういう意味で、一歩引いて見て、そこでいろんなことを考えて施策に移せるような人を育てていく。そのためには、バランスの取れた人を選ぶのがいいと思います。
「いや、そんなこと言われても選べないよ」ということになると思うんですね。それはもう、そういうものです。そういうふうに思ってもらったほうがいいです。
だいたい、「ああ、この人に頼んでよかったな」と思うWeb担当者候補を最初から引き当てられる確率なんていうのは、せいぜい10パーセントくらいです。3巡り、4巡りくらいしてみて「ああ、この人が実は合ってたんだな」というかたちに収まることのほうが多いです。
なので、あまりこういうことを言うのはあれですけど、最初から期待し過ぎないほうがいいです。でないと潰れてしまう方もいます。
あとは、誰かがWebに関して「こういうことやってるよ」っていうのを、なるべく会社の中で周知徹底してあげて、それに対してみんなが興味を持つようにしてあげてください。
それは2つ理由があります。1つ目は、担当者としてはやっぱり注目されたい。注目されたいというのは、自分が「こういうことをやってるんだよ」というのを周りに知ってもらって、それが励みになるという部分はありますよね。
それから、自分たちがこういうことをやっているというのを見てもらえば、それに対してフィードバックが来やすいというのもありますので、まずは会社内で盛り上げて欲しいというのが1つあります。
もう1つは、そういうことをやっているのを見ていると、興味を持つ人と持たない人が如実に分かれてきます。そうすると、次の候補が見つかるわけですね。
もちろん一発でいい人が見つかればいいわけですけど、そうじゃない場合が多いので、そういうときに、Webサイトを通じて行なっている活動に対して、興味を持っている人は誰なんだというのを見ていくと、「実はこの人いいんじゃないか」あるいは「この人とこの人でチームを組ませてやらせたら面白いんじゃないか」というのが、反応によってけっこうわかってきたりするんです。
なので、1つ目は現担当者のモチベーションの問題。もう1つはいいチーム、あるいはベストな担当者を見つけるために、会社内で周知徹底していって、色んな人に見てもらうということをしていくと、自然と収まりどころが見えてきます。
悩んで、「誰に頼んでいいかわからないので始められません」というのが一番損しています。なので、誰でもいいというとちょっと失礼な話なんですけど、まずは誰かに頼んでみる。あるいは自分でやってみて「俺はこういうこをやっているんだよ」というのを周りに示していって、周りの反応を見る。
最初は周りの反応は薄いかもしれません。特にWeb活用があまり進んでいない業種とか会社だったいるすると、反応が薄かったりします。だけどそれにめげずにいろいろやっていく。
人にやらせるんだったら、ちゃんと経営者自身、あるいは上司が、それを盛り上げてあげる。ということをしていくと、結果的に良い落としどころが見えてきますし、あるいは「こういう人がいいんだな」っていうのが見えてくれば、今いなくても、そういう人がいたときに「まずはアルバイトで採ってみよう」とか、「ちょっと来てもらおう」ということを考えられますので、これもマーケティング的発想ですけど、まずトライをしてみて、それに対するフィードバックを見て、何回かPDCAサイクルを回して、良い人材に巡りあうっていうことをしていくのが一番おすすめです。
繰り返しになりますけども、一発でいい人にはなかなか当たらないです。一発でいい人を見つけようと思ったら、外部から連れてくるほうが早いですね。知り合いとか、何らかで「こういう人なんだな」というのを知っているようなパターンのほうがいいですね。
ですけれども、これから社内で育成していきたいという場合には、そんな感じで考えて、Web担当者、あるいはWeb担当のチームを作って、盛り上げていって、ナレッジを溜めて、他の企業に差をつけていくというステップを踏んでいくといいと思います。
この人材探し、あるいは人材育成の段階で転んでいる企業が非常に多いので、これをクリアできると、他の企業に比べてかなり前に行っていることになります。
上手くいっているように見える、たとえば広告をいっぱい出して、受注がいっぱい来ているらしいよ、という企業でも、実際は外部の会社に全部振っていて、あんまり利益が出ていないんだよね、というケースは多いです。
じゃあそれを企業でWeb活動できていると言っていいのかというと、私は微妙だと思いますね。なので、自社で回せるようにして、ちゃんとコストがかからずに集客できる仕組みを作っていく。
そのために、ぜひぜひこういうかたちで社内にWeb担当者を育てていってもらえればと思います。中小企業だとお客さんとの距離が近いので、そういう場合には、そういうホスピタリティを。はい。
というところで、Web担当者、これからどういうふうにWebを活用していくかというところの第一歩、人材のアサインのときに、このあたりの考え方を、ぜひともご参考にしていただければ幸いです。
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