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“タスク渋滞”がないトップ5%社員の特徴は返事の速さ 39社で「なんでも即答」の行動実験をして、職場に現れた変化

新刊『時短の一流、二流、三流』が好評の越川慎司氏が開設するVoicyチャンネル「トップ5%社員の習慣ラジオ」。今回は「残業の原因は『タスク渋滞』5%社員が実践するエブリシング即答」と題した放送回の模様をお届けします。誰かがボールを握って離さないことで全体が遅れる“タスク渋滞”の解消法を紹介しました。 ■音声コンテンツはこちら

90%以上が「送ったメール見てますか」のムダなやり取りを経験

越川慎司氏(以下、越川):今回は、仕事で成果を出し続けるトップ5%社員がどのようにタスクをこなしているかについてご説明します。『AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣』の調査の中で私自身すごく勉強になったので、みなさんとシェアしていきたいと思います。

まず、タスク渋滞。誰かがボールを握って離さないことで全体が遅れる経験ってありませんか? ぜんぜん返答がなく、「すぐ返信してくれたらありがたいのになぁ」みたいな。

各クライアント企業を調査したら、メールのやり取りの中で「送ったメール見てますか」という世界一ムダなメールのやり取りしている企業が90パーセント以上あったんですね。返答しない人も悪いですけど、「メール見てますか」っていうメールはあまり効果的じゃないなと。

各企業団体でビジネスチャットが普及していて、官公庁やメガバンクでも社内のやり取りはチャットです。チャットは、オンラインとかオフラインとか会議中とか退席中とか相手の状況が見えますので、適切なコミュニケーションを取りやすい。

「オンライン」だったら、「今ちょっといいですか」って電話したほうが早いとかね。「オフライン」だったらメールでもチャットでも返答がないから翌朝オンラインになったら連絡取ってみようみたいに、最適なコミュニケーションが自分で選べるのがビジネスチャットの利点で、スピード感のあるコミュニケーションのためにビジネスチャットが普及していると。

話を元に戻すと、やっぱり「抱えちゃいけない」っていうことですね。1人ですべての仕事を終えるのはなかなか難しいです。もちろんエンジニアの方がプログラミングしたり、クリエイティブの方が何かを制作するっていうのもあると思うんですけど。ただ、途中でチェックしてもらったり、フィードバックをもらうとか、他者との関わりが必ずあると思うんです。

じゃあ、どうしたら他の人と共同作業を進められるか。ボールを持っている時間を短くすることです。もう、ただそれだけ。タスク渋滞が残業の要因になっている可能性が極めて高いことがわかりました。

例えば上司が承認してくれないから前に進めないとか、この資料のチェックがまだ完了していないから次の作業に進めないとかね。相手の反応を待ってる時間って生産的じゃないですよね。これが積み重なると、組織全体の作業スピードが遅れることがわかったんです。

トップ5%社員が実践する、タスク渋滞をなくす方法

これは「道路の渋滞と似ているな」と思ったんですよ。例えばそんなに運転に慣れていない方が、坂道で意図せずブレーキ踏んじゃう。特に上り坂なのにブレーキ踏んじゃうみたいな。そうすると、後ろの車が車間をとらないといけないからブレーキを踏んで、その後ろの車もブレーキ踏んじゃうと。

事故渋滞以外の自然渋滞では、こうしたブレーキを踏むってことの積み重ねがどうも渋滞の原因になると。つまり、渋滞を作ろうと思ってブレーキ踏んだわけじゃなく、安全に走ろうと思って不必要なブレーキを踏んでいたんですよ。たぶんとっさの反応でブレーキを踏んじゃっていた。

じゃあ、どうやってこの渋滞をなくすか。まずは自分がブレーキを踏んでいる・踏んでいないを意識しましょうと。例えば初心者の方が渋滞の起点になることが多いみたいなので、ブレーキを踏むこともそうだけど、やっぱりスピード。上り坂・下り坂でもしっかりと速度を一定にして走ったほうがいいと。

なので、最近高速道路で渋滞が多発しているところなんかは、「スピードが落ちないように気をつけましょう」みたいなサインが出ていて。あれ、正しいですよね。要は、初心者ほどスピードメーターを見てよってことなんですよ。そうするとスピードを維持しようとして、不必要なブレーキが減るってことですね。

これは仕事でも同じで、気がついたらブレーキ踏んじゃっているんですよ。だって今返せばいいのに時間経ってからっていう。例えば50ページの原稿をチェックするとなると、すぐ返せないですよね。でも、「この50ページの原稿をチェックするのに3日ください」とは言えますよね。「3日ください」と、ちょっと長めに言ったほうがいいと思うんです。

そうすると相手は「3日後に来るからそれまでは他のタスクをやってよう」とか、「3日後に来たらすぐに印刷所に持っていけるようにしておこう」という準備ができるじゃないですか。待ちではないですよね。なので、時間がかかるものは、いつぐらいに返しますよという期限を言ってあげる。これは即答ですね。

これが、トップ5%社員の行動習慣です。めちゃくちゃ即答。なんでも即答。しかも、ずーっとメールやチャットをチェックしているわけではなくて。10分おきとか30分おきでもなく、意外と1時間とか1時間半ごとに見ているんですよ。見たらすぐに返信するというかたちです。

例えば1時間とか1時間半で、チャットのメッセージが5つ来たとしましょうか。そうしたらその5つを、さっと返します。チェックできるものはすぐにチェックしますし、チェックできないものは期限を返して、ToDoのタスク表に入れたりして、自分でボールを持ち続けない。

39社で「なんでも即答」の行動実験をして、職場に現れた変化

こうすると渋滞が起きないですよ。だってブレーキを踏まないんだもん。相手に「見てくれているのかな、いつ返事が来るのかな」という不安感を与えると、精神的にも追い詰められちゃいますし。待っていればいいのか、他の仕事をしていればいいのかという判断もつかないので、まず即答する。

重要度とか緊急度とか関係なく即答です。昔はメールを一通り見て、重要度や緊急度の高いものにフラグをつけて後で優先的に作業するみたいなことが、一番いい処理の仕方と言われていたんですけど、そういうのはあまり効果的じゃないことがわかったんですよ。

今は緊急度・重要度関係なく、なんでも、エブリシング即答です。エブリタイム・エブリシング即答というのを体が覚えておけば、すぐできます。筋トレと一緒で、トレーニングなので慣れです。瞬発力。考えなくてもいいです。返答すればいいんですから。

エブリシング即答。コンサルティングの場ではあまりふざけられないのでルー語とか使わないんですけど、39社で即答の行動実験をやったんですね。そうしたら、やっぱり全体の処理スピードが速くなったんです。いろんな条件はあるんですけど、いわゆる時間外労働、残業も減りました。そして、一番うれしいのは社員の満足度、働きがいが上がったことです。

即答をする文化になったら、みんなが快適になって人間関係も良くなったっていうんですよ。「仕事が楽しくなった」とか、「働きがいを感じるようになった」みたいに答える人が増えたんですよ。これはめっちゃうれしいですよね。

なので、エブリシング即答はぜひ1回やってみてください。チャットでもメールでも。かしこまった、「おつかれさまです」とか「今日は寒いですね」とか「営業部第2グループの……」とかいらないんですよ。もう即答です。

自分の名前も入れなくていいぐらいです。僕なんか辞書登録しているので、チャットでもメールでも返信の時は「よ」って入れると「よろしくお願いします。越川」って自動的に出るようにしてあります。そういった定型文を用意しておくと即答できますので、ぜひみなさん、エブリシング即答やってみてください。本当に効果を実感できると思います。

周りから「あれ? 越川さん3人いるんですか?」みたいな返答が来たら、正解です。「え? 越川さん3人いるんですか!? それぐらい返答早いですね」と言われるようにトライしてみてください。

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