2024.10.10
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イェール大学 卒業スピーチ2019 チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ氏(全1記事)
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チママンダ・アディーチェ氏:温かくお迎えいただきましてありがとうございます。みなさんからの愛を感じます。2019年の卒業生のみなさま、おめでとうございます。去年の卒業スピーチはヒラリー・ロダム・クリントンさんでした。今年は私です。
(会場歓声)
ですから、まず初めに本当にごめんなさいと言いたいと思います。
(会場笑)
過去3年間のことを考慮に入れますと、去年の卒業生は、ちゃんとした大人の政治家のお話を聞けて、さぞかしリフレッシュされたことと思います。話す能力に長けて、経験が豊富で、思いやりに溢れ、大人の語彙をきちんと使える、教養のある方のお話を聞かれたのです。
(会場歓声)
私がここを卒業してから10年が経ちました。ここにいる間、ずっとハッピーなわけではありませんでした。それは学校の問題ではなく、自分の問題でした。でも、それを後悔しているわけではありません。ここに戻って来られて嬉しいです。
本屋さんで何時間も過ごしたことを思い出したり、私の夫と私が気に入っていたインドレストランで夕食をとったことを思い出したり、トンプソン先生の家でセミナーに参加して、その家が彼が中央アフリカから集めたものでいっぱいだったのを思い出したりできたのも良かったです。
アフリカ文学でちょっと気まずいセミナーに参加したことがありました。私が書いた小説がカリキュラムに含まれていたのです。私はただ席に座って何も言わずにいましたが、どういう表情をしていれば良いかわかりませんでした。
(会場笑)
しかし、何より大切なこととして、このイェール大学に来られたことで、私がフィクションライターとして大切な「ある活動」ができる多くの機会を得ることができました。それは「盗み聞き」です。図書館でもやりましたし、体育館でもやりましたし、歩いているときにも廊下にいる人の近くに寄って行ったりしていました。
ライターにとっては、フィクションを書く材料となる情報を集められるなら、立入禁止区域は存在しません。イェール大学にはさまざまな種類の興味深い人たちがいます。みなさんの帽子を見てください。
(会場笑)
私がここで集めた情報は、まさに黄金のようでした。本当にありがとうございます。私を卒業式スピーカーとしてご招待いただきまして恐縮です。ありがとうございます。みなさんは卒業できて大変興奮なさっていらっしゃるでしょう。お祝いを申し上げたいと思いますが、同時に、ここからは下り坂だということはお伝えしようと思います。冗談ですよ。
(会場笑)
私が大学生を卒業するとき、悲しく感じました。期待する構造がなくなってしまったのです。参加する授業もありませんし、書くべき論文もありません。世界が大きく広がり、秩序がなく、目が回るようでした。私は矛盾であふれていました。自分の矛盾と戦っていたのです。
矛盾をしているのは、人間として正常であるということを知らなかったからです。私は不安でいっぱいでした。絶対的な目的地ではなく、継続的な旅であることを知らなかったのです。みなさんが自分で何年もかけてそれを知る必要のないように、このことをお伝えしたいと思います。
みなさんも不安でいっぱいになる日々もあることでしょう。そして、疑いの気持ちに押しつぶされる日々もあることでしょう。それが人類共通であることを思いに留めておくことは、少しの助けとなることでしょう。私が若かった頃は「絶対にやらない」と言ったであろうことがたくさんありますが、今になってはその多くをやります。その例の詳細をお伝えしても良いですが、必要以上に警告したくはありません。
(会場笑)
要点は、自分の気が変わることにオープンであるべきということです。そうなるのは、あなたが成長したことの印です。自分が間違っているかもしれない可能性にもオープンであってください。イデオロギーは良いことですが、自分のイデオロギーの見解すべてに疑問を感じるようでしたら、自分の考え方に敏捷性が必要なときなのかもしれません。小さな転換が必要なのかもしれません。例えば、いたるところに複雑ではっきりしないものがあることを示してくれるサインがあるかもしれません。
一般的に私は、理想主義であると同時に実用主義であるようにと人に勧めます。そして、清教徒気質になり、対象が高価すぎて手に入らないと見なすことは助けとなります。
政治はさまざまな観点から見ても、ひどいものですが、関わることを拒否するのは正解ではありません。ときに人は自分の望む方向にそれを変えるために政治に飛び込む必要があるのです。世界のこの状況に関わるのです。そうしなければ、何も変わらないでしょう。
しかし、あなたがそうするとき、世界がどのようであるべきかという、はっきりとしたビジョンを導きとして持つことは大切です。私は自分が文章を書くことを、神から与えられた使命だと考えています。これは、私が地球上でするべきことなのです。
しかし、世の中には私を物書きとしてではなく、フェミニズムを語るものとしてご存知の方もいらっしゃいます。私は、フェミニズムのアイコンになることを目指してきたわけではありません。だから、誰かが私に「フェミニズムのアイコン」と書いた帽子でも作ってくれたらいいのにと願うほどです。
(会場笑)
ただ単に、私はたまたま物書きをするプラットホームを持ち、たまたま公正について強い意見を持っていただけです。特に女性の平等権についてそうするに至りました。そして、自分のプラットホームを用いて何が自分にとって大切なのかを語ったところ、たまたま、すでに同じことを考えていた人たちの共感を得たと言うわけです。
しかし、それと同時に幾らかの人を苛立たせることにもなりました。ある男性が私に、長時間にわたって、なぜ自分の妻が自分に従わなければならないのかについて説明してこられたことを覚えています。私はなぜ人が、仲間である人間に対して、恒久的鎮圧状態に置かれることがあなたのいるべき場所だ、などと強要することができるのかと混乱しました。
なぜバランスのとれた人間が、他の人間を従わせることが必要なのでしょうか。世界にはあの時の男性のような方がたくさんいます。私がそのような人たちを教育する必要があるのでしょうか? いいえ。
では、私は教育したいのでしょうか? はい。なぜでしょうか? なぜなら私は、ほとんどの人々を信じても良いと思っているからです。もしより良い人間の善につながっていくのなら、一人の人間の考え方を変える努力をするのには価値があると思うからです。
そして何より、私は少々「救世主的妄想」を抱く傾向があるからです。私は、世界のほんの一部を変えたいのです。ですから一人の男性が女性の人権を見つめ、彼がもしかしたらドメスティックバイオレンスを肯定することがあれば、それを止めさせたいと思うのです。そのようにすることで、地球の一部を、自分が住みたい場所にすることができるのだと考えるのです。
私の愛する一人の友人はラゴスに住んでいます。彼女の名前は「ボッシー」と言います。彼女は非常に優秀で人道的な産婦人科医で、彼女にはそれを遺伝で受け継いだ娘がいます。この娘さんはナイジェリアで育ち、イギリスの私立学校へ通うようになりました。彼女はとても優秀で、すべての教科でトップにいました。最近、彼女たちは、大学はどこへ通ったら良いかと考え始めました。
私はアメリカのリベラルアートのカリキュラムを心から尊敬しているので、イギリスではなく、アメリカの大学に通った方が有益ではないかと思うと彼女に話しました。すると彼女は、16歳にしては非常に落ち着いた声で、こう言ったのです。「私は死にたくないからアメリカには行きたくありません。」
彼女のはっきりした直接的な言葉に、私は一瞬びっくりしましたが、彼女は明らかに銃のことを心配していたのです。彼女の母親は、その後、私に話してくれましたが、彼女の娘は特に白人の警察官が黒人男性を背後から撃ったビデオを見て、それがトラウマになっていたようなのです。
「イボ(語)」の抽象的表現で、特定な種類の不安、混乱、悩みを表すものがあります。直接的な訳は、「物事がしっかり立っていない」という意味になります。この表現の気まずい美しさ、「物事がしっかり立っていない」という表現は、私が抱く今日のアメリカの状況を一番よく表していると思います。
物が崩壊してきている、または半分崩壊している、という表現は芝居がかっていて、過剰表現に聞こえるかもしれませんが、現状、物事がしっかり立っていないのです。あなたはイデオロギー的スペクトルにいるかもしれませんが、アメリカが呼吸している空気の中に恐れがあるなら、物事はしっかり立っていないのです。
私がこのような話をするのは、みなさんが今回卒業されるにあたり、自分自身に、「アメリカがどうあるべきか」と尋ねてほしいからです。アメリカは、子どもが学校で常に怯えていなければならないような国であるべきなのでしょうか?
他の子どもに銃で殺されて学校から帰宅しない子どもがいるような場所であって良いのでしょうか? 警察の中に黒人を人間と見なさない人がいるゆえに、黒人が自分の命を脅かされて、恐れながら生きなければならない国であるべきでしょうか?
アメリカは、女性が自分の体に権利を持てないという恐れを抱かなければならない国であるべきなのでしょうか? 市民が吸うこの国の空気に「恐れ」が入っているのに、まだ民主主義の国であると言えるのでしょうか?
アメリカは、人々が愛と誇りにインスパイアされた、愛国者の国でしょうか? それとも、人々が敵への憎しみにインスパイアされた、国家主義者の国であるべきなのでしょうか? しかも、その敵たちは実在し、さらに増えていくのです。
アメリカはどうなるのでしょうか? アメリカを定義し、その事例を作るのです。どう投票するかなどのわかりやすい方法だけではなく、小さい部分でそうするのです。他の人をどう扱うか、他の人をどう思うかといったこと。あなたが容赦しないこと。あなたが放っておけない、不当な扱いに不平を言う人たち。
あなたが示す親切な行い。あなたが耳を傾けることにした人々。本当に人々に耳を傾けることは、彼らが大切であるということを示す最善の方法なのです。
歴史的先例を考慮すると、イェール大学の卒業生であることは、あなたが他の大卒よりも、大統領になったり、上院議員になったり、最高裁判所の裁判官になる上で優位にするかもしれません。イェール大学の卒業生であることは、あなたを収容能力の面で特別な人とし、それがあなたを政治や行動を起こす面で、多くの人に影響を与えることになるでしょう。
プレッシャーを感じないでください。ところで、もしいかにアメリカが非の打ち所のない実力主義社会ではないのだということの証拠が欲しいなら、これが証拠です。
(会場笑)
私が言いたい要点は、イェール大学の学位はドアを開けてくれるということです。あなたがイェールの学位を持っているということで、あなたを不快に思う人たちもいるでしょう。それでも多くの人は自動的に、あなたには能力があると期待することでしょう。もしあなたの学位が、あなたに「パワー」を与えることになるとしたら、このことを忘れないでください。もし「パワー」がジャケットだったら、軽く羽織るときにのみ、ほとんどの体型に合うのです。
もしあなたが非営利団体で働くことになったら、最善のチャリティは、勝手にそのものが永続することはないということを覚えていてください。そのチャリティの焦点は、実際の人間、夢、希望、恐れ、誇り、好きな食べ物、嫌いなものや好きなものを持つ人間であるということを忘れないでください。
数字や統計、言語は、本当の人間の人間性を見えなくしてしまうことがあります。そして時に、あなたのチャリティに対して感謝するべき人がそうしないかもしれません。または、あなたの望む方法で感謝されないかもしれません。なぜならチャリティを受ける方は複雑だからです。
もしあなたが仕事で世界中を旅行することになったとしたら、地元の知識が最善であることを忘れないでください。CIAなどの機構が書いた国のレポートを読むのはいいことですが、地元の知識を評価してください。地元の新聞、書籍、あなたを空港からピックアップする人を評価してください。
もしあなたがいつか、会社の権能を手にする日が来たら、実際にここにいる幾人かは必ずその日を迎えることになるでしょうけれど、その時は、女性を上級管理職につけてください。
(会場拍手)
会社の文化を変えるのです。会社にオンサイトの保育園を作りましょう。有給の家族休暇を当たり前のものとしましょう。
もしあなたがジャーナリズムの世界で力を得ることになったら、誤った等価関係を作る習性を永遠に廃止してください。ジャーナリズムは真実を語るべきであり、バランスについて語るべきではありません。もしあなたが地球温暖化の存在についての実態をレポートするなら、他の面の対処法を述べる必要はないのです。他の面など存在しないからです。
(会場歓声)
そして、もしあなたがジャーナリストになることがあれば、どのように謝罪するかを学んでください。ジャーナリストは特に、危険回避や曖昧な言葉を使わずに謝罪をすることが苦手なようです。本当に「ごめんなさい」という言葉を使う方法を学ぶなら、あなたの人生がその後どうなろうとも、良い方向へ誘ってくれることでしょう。もしあなたが「ごめんなさい」という言葉を言うのが難しいと感じるなら、方法があります。鏡の前で練習するのは効果的です。
(会場笑)
話題を逸らさないでください。何事もなかったかのように振舞わないでください。プレゼントをしてごまかしたりしないでください。黙っていればどうにかなると思わないでください。ただ、「ごめんなさい」と謝罪するのです。必要なら何回でも謝罪するのです。もちろん、心から謝罪すればなお効果的です。
でも、決して、自分の存在や、この世の中にスペースを取っていることや、よく考えられた意見を持っていることに対しては謝罪しないでください。特に女性のみなさんに言いたいと思います。社会主義は私たちに、遠慮するように、自分のことを第一にせず、他の人を第一にすることが女性の責任だと教え込んできました。
そして、私たちは自分が欲しいものを求めたり、まず自分らしくありたいと思う時に罪悪感を抱いてきました。この社会のメッセージは、時に矛盾しています。あなたの価値を重んじるようにということと同時に、他の人を優先して仕えるようにとも言ってきます。この二つの間にバランスを見つけることは必要です。それは可能です。しかし、自分でそれを探さなければなりません。
もし私が有効な原則を提案できるなら、こう述べるでしょう。あなたを傷つける人のためには自分の人生を割く必要はない、ということです。
私がここ、イェールで学んだ教訓は、いつもまず一次情報を調べる、ということです。私は今でもその教訓を生かしています。このことは特に、この簡単に怒りやすい時代の人たちに有効であると思います。
多くの人たちが、切り取られた一言や、間接的に見聞きした出来事にすぐに反応します。私は以前ある本のレビューを読んで、そのレビューに基づいて自分にはその本が合わないと思い、読まないことにしたことがありました。
それから何年も経った時、私はひたすら書き物をしていて、その本が本棚にあったので、読んでみることにしました。1ページだけ読むつもりでいたのですが、読み始めたら止まらなくなってしまいました。その本が大好きになり、その本のレビュアーが、そんなにもその本を誤解していたことが信じられませんでした。
ですから、もしあなたがソーシャルメディアの怒りのカルトに参加することにして、素早く激しい攻撃をすることにしたのなら、アドレナリンはクセになることは私も存じていますが、その争いに飛び込んで行く前に、まず一次情報を調べてみてください。
そして、文脈はいつも一番大切であることを忘れないでください。このことはまた、自分の信条を試す良い方法であると思います。少し時間をとって、実際にどんな発言があり、何がなされたのかを調べるのです。もしすべての文脈が分かった時、もしかしたら、自分が知っていると思っていたことに疑問を抱くようになるかもしれません。
このことと関係がある点ですが、私はときどき、アメリカの教育は素晴らしい才能を持った人々を生み出してきはしましたが、人々は間違ったことを発言するのを恐れているように感じるのです。表向き安全な場所においても、その傾向が見られます。
もし大学の中の世界が安全であるなら、その外側は安全でないとご存知でしょう。そしてみなさまに本当にお願いしたいのですが、いつも、常に、自分の持つ疑いを尊んでください。自分の持つ疑問を大切にしてください。自分を黙らせないでください。
最近あるグループの中で起こった、ある会話についてお話ししたいと思います。その人たちは知人、または友人たちのグループで、彼らみなが基本的に意見を共にしていました。それで、私はちょっと彼らの会話を盗み聞していました。彼らはある政治家について話し合っていました。
そして、その中の一人が、「その政治家は『学校選択』を支持しているから、人種差別者だ」と言いました。もう一人がためらいがちに「どうして?」と尋ねました。すると、このグループの人みなが、その人に対して呆れた顔をして嘲笑したのです。
そして、ついに一人が、「その政治家を支持することは、人種差別を支持することになるのだ」という長い演説をしました。そして最終的に、「学校選択」を支持することがなぜひどいことなのかを説明した人は誰もいませんでした。その点について明確にされるべきだったのに、この若者は結局、一体その討論が何だったのかを理解することなく、きっと恥ずかしさでいっぱいになってその場を去りました。
この国は、教育を受けた人たちで成り立っているにもかかわらず、好奇心が時代遅れと見なされていることを私は心配しています。みんなが「知っているはず」のこと、「理解しているはず」のことで、もしそうでなかったら、その人たちは道徳的に欠陥であると見なされる環境にいるのです。
このことから教訓を学べるとすれば、独りよがりの冷笑は討論ではないことを、いつも覚えていなければなりません。自分に相手を納得させることができないからといって、相手を攻撃したり卑しめたりする人にはならないでください。レシートを持ってくることが、みなさんの世代で流行しているようです。あのグループのうちの誰かがレシートを持ってきて討論を始め、明確にし、説明し、調査し、必要に応じて統計を提出してくれればよかったのです。レシートを持ってくるのです。
私が物書きを始めた時、私は自分の大好きなことをしていて、ものを書くことは私に大きな喜びをもたらしてくれましたし、自分の書いたものが人々に読まれてほしいと思っていました。そして、今日、人々が自分の書いたものを読んでくれていることに大きな喜びを感じ、ここにいて真面目に受け取られていることを感謝しています。
私の仕事は私にとって非常に重要で、生活の中心となっています。しかし、私にとっても最も大きな喜びの瞬間は、私の成功と密接に関係しているというわけではありません。ですから、野望を持ち、成功するよう努力してください。
でも、そこには穴があり、成功はそこを埋めてはくれないということを思いに留めておいてください。そこで「愛」が登場します。私にはスイス人の友人がいます。彼は以前ワシントンに住んでいましたが、今はチューリッヒに住んでいます。私は彼に、アメリカに住んでいた時に何を得たのか聞いたところ、彼は「アメリカ人は働きすぎていて友人がいない」と言いました。
私が思うに、彼が言っているアメリカ人とは、市民権を得ている人かどうかではなく、アメリカに住んでいる人たち全体を指していたのだと思います。ですから、2019年の卒業生のみなさまに、彼が間違っていると証明してほしいと願います。
友人を持ってください。たくさんでも、一人でもいいでしょう。家族を大切にしてください。家族といっても、血が繋がっているかどうかとか社会制度で認められているかは問題ではありません。友人を大切にしてください。愛する人のために立ち上がってください。愛する人たちに「愛している」と伝えてください。頻繁にそうしてください。
笑える理由を見つけてください。演技をして自分でない人になるようにとプレッシャーをかけたりしない人たちに引き寄せられてください。私が生きる中で教義と見なしているものの中に「決して静かに賞賛しない」というものがあります。
私がもし誰かの何かに感銘したなら、私はその人にそのことを伝えます。私たちは自分の中、自分の精神にある美しさをいつも認識できるわけではありません。誰かがそのことを指摘してくれて初めて、そのことに気がつけるのです。
そして、人は小さな親切な行いを忘れることができないことも忘れないでください。私はある公のイベントで疲弊して、少し機嫌が悪かった、いや、かなり機嫌が悪くなったことがありました。そして、私の周りにいる人たちは、私が疲れ切っているということに誰も気がついていませんでした。
すると、そこにいたある私の友人が私を見て、「彼女は疲れているわ」と言いました。私はもう少しで大泣きするところでした。なぜなら、自分の状況に気がついてくれたことがとても嬉しかったからです。
親切であってください。注意を向けてください。注意を向けることは、最も美しい親切な行動の中の一つなのです。あなたが人生の中で出会う人たちも、あなたが親切にする時、それを忘れることはありません。そして、あなたが親切でなかった時のことも忘れません。
みなさんが世の中に出て行くにあたり、良いことがあるように願います。勇気、喜びがあることを願います。そして最後に、世界をナビゲートするにあたり、ときどき自分がイェール大学に行ったことを忘れることも助けになるかもしれません。
(会場笑)
おめでとうございます。
(会場拍手)
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