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Jonah Peretti | SXSW 2019(全3記事)

インターネットを救うために、楽しみと真実を拡散していく BuzzFeed CEOが示すメディアの未来

2019年3月8日~17日にかけて、米国・テキサス州オースティンで開催された、音楽・映画・メディアなどをテーマにした一大イベント「SXSW 2019(サウス・バイ・サウスウェスト)」。本パートでは、BuzzFeedの創業者でCEOのジョナ・ペレッティ(Jonah Peretti)氏が登壇し、インターネットを救うために重要なことについて語りました。

インターネットやメディアへの希望を失ってはいけない

ジョナ・ペレッティ:pararell like からの例です。LA唯一のプエルトリコ料理のフードトラックの紹介です。これを投稿した時は、ビジネスには苦労している様子でした。ビデオを公開した後は、そこは観光地になり、もちろんLAの人も行きましたが、アラスカやシカゴの人も来たりしました。そして、彼らのビジネスを一変させ、ビジネスを拡大させ、軌道に乗せることになりました。

これは、人々が行列を作っただけではなく、ビジネスをも変えてしまったということの本当に良い例です。互いにコミュニケーションをとるようになり、インターネットを良くするためにどう協力するか、インターネットの悪いこととどう戦うかということもわかります。それは、私たちが未来に見たいものをサポートすることによってです。

ここで言っておきたいのは、物事は良くなっているということです。プラットフォームはコンテンツをもっと大事にし始め、より公平な金額を払うようになっています。デジタルビジネスのモデルも進化していきます。デジタルメディアの会社を維持するための新しい革新的なモデルもあります。

私たちが作っているコンテンツというのは、私たちが普段からやっていることです。つまり、人とつながるということ。人を家から出したりプロジェクトをさせたり、自分もストーリーの一部になり、より深いところで参加する。

インターネットがこのように感じられることを、私たちは恥ずかしいと思う必要はないのです。ソーシャルメディアをやめることがかっこいいとか、またはインターネットがひどいものだと言うようなことが流行しているということです。

私たちはインターネットのために戦い続けなければなりませんし、良いことも起こっています。素晴らしい進歩もあります。この業界は信じていることに対して、求めているようなインターネットの構築に関して希望を持っていなければなりません。

重要なのは、楽しみと真実を拡散していくこと

そして、そこで重要なのは楽しみと真実です。この2つは特にBuzzFeedで、そして、インターネットが好きな人の間で弾けたものでもあります。友達とシェアしたい楽しみというようなことです。

そして、世界について真実を語ること。これはインターネットが得意なことです。これはもっと必要なことで忘れるべきではないことです。インターネットを救うために協力しましょう。大災害(dumpster fire)を消し、正しい道へ進むために。災害が去った後には欲しいものを育てましょう。そして、1年後に大災害の跡を見て美しいポットだなと言えるようにしましょう。いちごとか、まぁ何でもいいです。

(会場笑)

みなさんに言いたいことは、楽しみと真実を拡散してください。それがインターネットに必要なことであり、世界に必要なことでもあります。みんなで一緒にできることです。ブランドが立ち上がった姿もすでに目にしていますから。良質なコンテンツをサポートするのを手助けすることで、プラットフォームはより多くのお金を払うようになり、コンテンツを真剣に受け止め始めています。

デジタルメディアの会社も革新的なモデルと素晴らしいコンテンツを作っています。みんなで協力することができれば、より良いインターネットが作れるでしょう。ありがとうございました。

(会場拍手)

プラットフォームとメディアとの関係性

質問コーナーなのですが、私が読みます。「なぜBuzzFeedでバイラルコンテンツにフォーカスすることにしたのですか? 価値のあるジャーナリストとはかけ離れたようなものなのですが」。インターネットで事実がなぜ重要かということですが、インターネットのコンテンツはたいてい、楽しくてバイラルなものです。

価値のあるジャーナリズムは、それ以外のことです。複数をいろいろやるというのはメディア会社があんまりしないことです。大衆という形で楽しいものや素晴らしいジャーナリズムを作ることはできるのではないでしょうか。

「プラットフォームは良いコンテンツにお金を払うべきと言っておりましたが、自分のサイトのためのもので、スタッフがいないようなものにでも同じことが言えるでしょうか?」。これはいい質問ですね。

BuzzFeedにも、誰でも参加してクイズなどを作れるコミュニティがあるのですが、その人たちには私たちはお金は払っていません。たいていは学生やあまり経験のない人で、私たちも調査をしたのですが、彼らが欲しがっているものというのは、スタッフからのフィードバックであったり、学びたいとかインパクトを生みたいというものでした。

少数の人は報酬を支払われたいと答えました。私たちは、このコミュニティで才能を見つけたり採用したりしています。フリーランスや雇用された人もいます。時に人を雇うこともあるのです。

ジョナ:ライブ質問? はい。

質問者:ステファンです。あなたのニューヨークタイムズでの記事についてですが、他の会社とのアクティビティのオープン性についてです。Facebook や Google のようなシナジーが生まれていますね。他のデジタルメディアとM&Aを行うことについて何か言うことはありますか?

ジョナ:ケーブル業界の80年代、90年代を見てみると、メディアネットワークとケーブル事業者はどちらも等しく巨大なビジネスでした。なので、コンテンツ作りにフェアなお金を交渉することができました。ケーブルネットワークに対してですね。

テック系のメディアはとても大きいです。彼らは世界最大の企業です。そして、デジタルメディア企業はより細分化されているため、よりバランスのとれたものになっています。プラットフォームは、お金を払う他のインセンティブにも気づき出しました。

いいコンテンツが繁栄していく環境を作れなければ、彼らは規制され、コンテンツを制御することができないだろうという恐れがあります。だから私は、プラットフォームを良いパートナーにするためにデジタルメディア業界を統合する必要はないと思います。

デジタルメディアは新しいことを発見し拡散していく力がある

質問者1:現実世界に影響を与えるストーリーに関する責任についてお聞きしたいです。ロサンゼルスでのフードトラックの例のように、これは持続可能なことなのでしょうか? そして、それは誰の責任でしょうか? 彼ら自身のおかげなのか、それともBuzzFeedのおかげなのか。 ジョナ:長期的な彼らの成功について、BuzzFeedに責任があるとは思っていません。しかし、新しいことを発見することは、デジタルメディアができることです。

質問者2:BuzzFeedのクリエイティブのネットワークはすごいと思うのですが、これについてもう少しお話ししていただけますか? 500万フォロワーの人とか、6分の動画を作ったりだとか、参加スタイルがいろいろあるわけですが。みなさん何を作っているのですか?

ジョナ:BuzzFeedのクリエイターは、みんなプロデューサーです。ビデオクリエイターやフルタイムで働く人もいます。みなさん素晴らしいクリエイターです。そして、これは有利な方向に働いています。ビデオやカメラを駆使するといったことよりももっと幅の広いこともできますから。

個人のクリエイターが家賃を払わなければいけない時など、このプログラムでBuzzFeedにたくさんの人がいますので、その人たちが持っているいらないものをブランドと相談して、本当に欲しがっている、もしくはコラボしたいクリエイターと相談してメディアを作るということをやっています。そして、BuzzFeed Tasty nifty で拡散します。インフルエンサーマーケティング的なものやデジタルネイティブなどとのパワフルなコンビネーションなのです。最後のクエスチョンに行きましょう。

成長や競争ではなく、持続可能な方法を探っていく

質問者3:2つ質問があります。その楽観主義は、デジタルメディアによって正当化されたものでしょうか? もう1つの質問は、 視聴者によって支払われるサブスクリプションとプレミアムコンテンツについて。そういうことも視野に入れていますか?

ジョナ:楽観主義というのもシフトしていますが。数年前はたくさんのものがベンチャーキャピタルによって生み出されていました。みんなが成長に重きを置いて、できるだけ大きくなろうとしていました。しかし、今ではみんな、競争はひとまずおいて持続可能なものを探っています。投資金額もベンチャーキャピタルも少ないです。

BuzzFeedはそういった経緯をたどり、また他の会社もそうです。プラットフォームがコンテンツにもっとお金を払うようになるという希望はあります。時間はかかっていますが、始まっています。そして、これも楽観的な見方の理由の一つです。今それは始まっているので利用することは可能と言えます。

私は、BuzzFeedのミッションを遂行するという観点から、私たちのコンテンツを広く一般に伝えることが重要だと思います。サブスクリプションは私たちの会社全体でやっているということではないです。他の会社はやっているところもありますが。商品とか機能として部分的にやることはあり得るのではと思っています。ただし、この世界のどこにいても、私たちは大衆に知ってもらい、良いコンテンツを作ろうと思っています。ありがとうございます。 

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