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Zach Sims Speech(全3記事)

念願のYコンビネーター入りも、何度も振り出しに… 世界一バカげたアイディアがCodecademyに化けるまで

無料でプログラミング言語の基本を学べる大人気サービス、Codecademy(コードアカデミー)を生み出したザック・シムズ(zach sims)氏。名門大に在籍しながら就活に苦しむ友人たちを見て気がついたのは、教育と就職のギャップを埋める、というアイデアだった--発案からYコンビネーター入りに至るまでのジェットコースターのような展開を、同氏自らが振り返る。

就活をやめて、スタートアップを志す

ザック・シムズ氏:その後、私は大学に戻りました。私はとても良い経験をしました。スタートアップでは、多くの人が倍掛けをして仕事に取組んでいると理解したのです。

私は仲間からのプレッシャーに押され、みんなのように銀行やコンサルティング会社の面接を受けました。そして重役たちの前に座りながら、この人たちから学びたいことは全く何もないな、と思ったのです。全く何もです。

私はそこに座り、前日の夜に勉強した割引キャッシュフロー・ファンクションを反復していました。そして面接中にそれをやるのでさえ、とても苦痛でした。もしそれが1日18時間、これから2年もの間、自分の人生になると考えると、私は何か他のことを選ぶべきだと考えたのです。

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しかし2年半の間、コロンビア大学で学んだスキルは、就職においては重要ではないことだったのです。また私の友人たちも仕事を探すのに困っていました。当時、友だちだったライアンは4年生で、彼の友だちもみんな仕事を見つけようとしていました。彼らは4年生で、すぐにコロンビア大学を卒業していくにも関わらず、多くが苦しんでいました。なぜなら、学校で学んだことは実際にすぐ使えるものではなかったからです。

そこで私はライアンに話をしました。たぶんその時ライアンは、私がクレイジーだと思ったことでしょう。

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私はライアンに、私たちがこの教育と就職の間にあるギャップを修復すべきだと持ちかけました。それを解決するのはそんなに難しいはずがないと話しました。私は彼にEメールを送りました。その最初のEメールが私たちの会社の始まりになりました。タイトルは「もうひとつのこと」でした。

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その"もうひとつのこと"が、私たちの会社になりました。私たちは就職活動を助けるために、スキルを持った人とつながる方法について話し始めました。そしてすぐに始めるべきだと考えました。

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誰にも理解されないアイデアを、Yコンビネーターへ

私たちには夜、週末とたくさんの時間がありました。そこでたくさんのいろいろなアイディアを出し始めたのです。

私たちはいつも素晴らしいネーミングセンスを持っていました。だから最初のアイディアは「私たちを採用しに来て」と呼ぶことにしました。たしかUSドメイン名だったと思います。私たちはとても独創的なんです。

当時、学生と仕事先を結びつけるための最良の方法はFacebookにログインし、どこで働きたいかを発表することだと考えていました。

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とても単純なように思えました。この最初のバージョンを2011年に作りました。そして多くの友だち、メンター、スタートアップで働いたことのある人と話をしました。スタートアップで働いたことのある人はみんな、私たちを見て、このアイディアは今まで聞いた中で一番馬鹿げている、と言いました。私たちは、それをあまり気にせず「あなたたちはこのアイディアのマーケットではないから」と思っていました。

コロンビア大学の友だちにも話をしました。君たちの就職を手伝うよ、と持ちかけたのです。彼らは私たちを見て、今まで聞いた中で一番馬鹿げたことだ、と言いました。とてもとても励みになりました。

ライアンと私はそのフィードバックを得て、これを続けていき、Yコンビネーターに応募することにしました。私たちのアイディアを誰も良いものだと思わないなら、少なくとも誰かはそれがクレイジーだと思うだろうと考えたからです。私たちはYコンビネーターの応募書類を記入し、フィードバックをお願いしました。そして、会社を始めて以来の素晴らしいアドバイスをいただきました。

それは私たちが、言葉は多いけれど、情報量が十分でないというものでした。それはたぶん、私たち自身も何を作っているのかはっきり知らなかったからでしょう。だから言葉を多用していたのです。そしてYコンビネーターに応募し、絶対に通らないだろうと考えていました。しかし数週間後、私たちはEメールを受け取りました。面接に呼ばれたのです。

そこで私たちはカリフォルニアに飛び、パートナーたちに会いました。でもその前に、私たちはカリフォルニアに到着したあと、コーヒーショップに行き、自分たちが作ったFacebookを通して就職活動を助ける、というものに最終タッチを加えようということになりました。

私たちは飛行機に乗っている間に、これはとんでもないアイディアだったと突然気付いたのです。私たちに話をしてくれていた人はみんな正しかったのです。これは今までで最悪なアイディアでした。当時、私たちはそれを悟り、次にプログラマーの職探しを助けることができるだろうと考えました。そっちのほうが良い隙間市場だったからです。

私自身もプログラミングを学んでいましたし、共同創立者もプログラマーでしたし、私たちはプログラミング・チャレンジをやっていました。そして私たちは、それからの48時間をサンフランシスコのカフェで過ごしました。みんながプログラミング・チャレンジを受け、そこから仕事を見つけられるようにするためのものを作っていたのです。

私たちは最初のプロトタイプを作るのにとても集中していて、自分たちが泊まっていたAirBnBの部屋の鍵を、部屋の中に置いたまま出てしまったことに気付きませんでした。その夜、私たちはその部屋に戻りましたが、泊まる場所はありませんでした。

大失敗だったYコンビネーターでの面接

翌朝私たちは、みすぼらしく完全にひどい格好でYコンビネーターに現れました。私たちは会社に入り、10分くらいパートナーの方々と話しました。次から次へと質問を受けましたが、とても奇妙なことに、パートナーの人たちはお互いにお互いの質問に答えていたのです。私たちは、自分たちがとても良いアイディアを持っていたのか、それともその反対なのか、わかりませんでした。

そして、48時間かけて作ったものをデモンストレーションする機会もありませんでした。会場を後にするとき、ひとりのパートナーの人が私たちの肩をたたき、私たちを見て「実際にプログラミングはできるの?」と言いました。私たちは気まり悪そうに頷きました。どれほどプログラミングができるか聞かれたわけではないし……答えはイエスでしたし……。

私たちは会場を後にし、大失敗だったなと思いました。

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カリフォルニアにまで飛行機で来て、大きなチャンスを手にして、質問をたくさん受けたのに、どの質問にも答えるチャンスがありませんでした。彼らは僕たちがプログラミングをできないとさえ思っていたのです。当時は、その考えが真実とはかけ離れているというわけではありませんでしたが……。

そして私たちは、面接前のスーパーハイテンションから、意気消沈でパロ・アルトの周りを歩いているという状態にまで落ちたのです。

ポール・グラハムからの電話

数時間後、ポール・グラハムから電話があり、私たちを今年のYコンビネーターに迎えたいと伝えられました。私の返事は「間違い電話ですか? 本気ですか?」だったと思います。

そして私は「折り返してもいいですか?」と、とても賢いことを言ったのです。何を考えなければいけなかったのか全くわかりませんが、確かにそう言いました。数週間後、私たちはYコンビネーターから最初の小切手を受け取りました。

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その時初めて「わぉ、本当にやったんだ」と感じました。Yコンビネーターに入る人は誰でもすぐに成功を収めます。妖精の粉みたいなものですね。私たちはそう思っていました。そしてシリコンバレーへと引っ越しました。私たちは、最高だ、ここから始まるのだと思っていました。かっこいい家に住み、かっこいいオフィスで働くのだと。サンフランシスコのレンガ造りの建物の写真を見ていました。

私たちはそこへ引っ越し、Palantirで働く友人の家の床で寝泊まりしました。これが私たちのオフィスで、最初の数週間寝泊まりした場所でした。

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コーヒーメーカーの箱を机代わりにするのは建設的ではないと実感するまでは、です。

サンフランシスコでのスタートアップ

そして私たちは自分たちのオフィスに移りました。gazou23

とても暖かい雰囲気で、居心地良く感じました。そこは私たちのアパートでもありました。もうお気付きだと思いますが、私たちはネーミングが上手でした。だから私たちの会社の名前はライザックです。共同創立者の名前がライアンで、私の名前がザック。とても独創的ですよね。これはパターンになってきていますね……またこのパターンに戻ります。

これが私たちの最初のオフィスで、私たちは興奮していました。私たちは正しい道を進んでいて、オフィスを持ち、アパートも持ったのです。自分たちがやっていることを証明しよう、そんなに難しくないはずだと思いました。

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たくさんのスタートアップの経験のある人と話し「プログラマーを雇う方法があるよ」と伝えました。すると彼らは「それは素晴らしいね」と答えたのです。「私たちの仕事で最も難しいことは、人を雇うことで、その人たちを見つける方法もないし、評価する方法もないんだ」と彼らは言いました。私たちが進んでいる道は正しいのだと思いました。

そして私たちは次にプログラマーに話をし「すごいものがあるんだ。仕事を見つけるのを手伝うよ。そのためには、これらの楽しいチャレンジをやればいいだけだよ」と言いました。彼らは私たちが作ったものにまったく興味を持っていませんでした。

私たちはYコンビネーターの夕食会に行き「僕たちはYコンビネーターで会社を始めたばかりなのに、それでもLinkedInから毎日50通ものリクルートメールをもらうよ。どうして君たちのゴミみたいなプラットフォームを使わなければならないんだ」という人たちに会いました。

そして私たちは振りだしに戻りました。振りだしに戻ったのが最初のことではないとわかるでしょう。しかしこの時は、隠喩的な意味ではなく、就職に役立つスキルを学ぶのを助ける、という最初のコンセプトには戻りませんでした。

その代わり、私たちは、簡単に言ってしまえば、ランダムにスタートアップのアイディアを挙げていったのです。これがそのいくつかのアイディアです。見てわかるように、クラブのプロモーターのために顧客関係管理をするというような良いアイディアもありました。

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ジャックポットホイールを回しても、私たちが思いついたアイディアほどクレイジーなものはないでしょう。私たちはただ座ったまま、何をしているのかもわからずにいましたが、Yコンビネーターに入り、17万ドルを手にしていました。

そこはよかったですね。私たち2人は友人の家に転がり込みむことができるし、ラーメンを食べながら、5年の期間があると考えていました。そして1日中、クラブのプロモーターのために顧客関係管理の方法を考えていました。

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