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Lecture 4 - Building Produc Talking to Users and Growing(全4記事)

サービスの“課題”をひと言で説明できるか? Yコンビネーター出身者が教える「課題解決のチェックリスト」

DropboxやAirbnbといった、世界で注目される企業を育てるスタートアップ養成所・Yコンビネーター主催の起業家育成講義。本講義では、Yコンビネーター卒業生・Adora Cheung氏が、過去の失敗から学んだ「課題解決」のコツについて語ります。

ユーザーをゼロから増やしていく方法

Adora Cheung氏:お招きありがとうございます。今日はユーザーをゼロから増やしていく方法についてお話したいと思います。皆さんの頭の中はすでに素晴らしいアイデアで溢れていて、そのアイデアをどのように形にすればいいのかを考えているでしょうからね。

今日お話することの大部分は私自身の過去の失敗の経験をもとにしています。サムからご紹介があった通り、私は2010年にYCに参加し、その後3年間で色々なことを試しました。初めからまたやり直したことなど何回もあります。

その経験から、Homejoy以外にまた新たにスタートアップを始めることになったら何をしてはいけないかを学びました。私が失敗から何を学んで、皆さんは何をするべきで何をするべきではないかについて今日はお話したいと思います。

最初に申し上げておきますが、今日お話すること、アドバイスはあくまで一例であると考えてください。ひとつひとつのビジネスはそれぞれ異なります。私はあなたではない、あなたは私ではない、人それぞれ違うということを前提として聞いてください。

スタートアップを始める時には、それに集中する為に充分な時間を確保することです。スタートアップを始めたいなら学校を辞めろ、今の仕事を辞めろと言っているわけではありません。アイデアを練り、それを発展させる為に集中的に時間を使う必要があるのです。

例えば、学生の場合1週間のうちの丸1日、または2日連続でスタートアップを始める準備の為の時間を確保しましょう。毎日2、3時間少しずつ時間を取るよりもまとまった時間を取るほうが効果的です。

初期段階でプロダクトのフィードバックをもらう必要性

今回の講義の原稿を書いている時、スタートアップを始める多くの人が陥りやすい間違ったやり方について考えていました。

多くの初心者の考え方はこうです、「素晴らしいアイデアを思いついた! このアイデアは自分だけの秘密だ。アイデアをどんどん発展させて形にする、そこまで出来たら周囲の数人にはこの素晴らしいアイデアに取り組んでいることを話そう。その後TechCrunchで大きくローンチして、たくさんのユーザーを得るんだ!」。

しかし、このような方法を取ると初期段階で多くのフィードバックを得る事ができないので、例え多くの人があなたのサイトを訪れたとしても、彼らがあなたのプロダクトのファンになることはありません。

資金に余裕のあるラッキーな創設者はここでいくらか支払ってユーザーを得ることが出来るかもしれませんが、その方法で一時的にユーザーを得られても良い状態が長くは続かないのでギブアップすることになる。

これが初心者の陥りやすい悪循環です。実は私もYCにいる時にこれをやってしまったことがあります。プロダクトをローンチするまでにすら至りませんでした。皆さんはTechCrunchでローンチすべきです。絶対にこの悪循環の罠にはまってはいけません。

自分のアイデアでどんな課題を解決できるか

次に、自分のアイデアによってどんな問題を解決することができるかを考えましょう。どんな課題を解決しようとしているのかを考えましょう。自分の「課題」を一言で説明できることが理想的です。

そして、「この課題は自分とどんな関係があるのか」「自分はこの課題を何としてでも解決したいか」を考えます。それに対しての答えが「イエス。私にとってこの課題は解決すべき問題である」であれば「他の人も同じ問題を抱えているだろうか?」と考えます。

そして、多くの人とそのアイデアをシェアすることで、自分のアイデアに共感してくれる人がどれだけいるかを確認しましょう。

私の犯した最大のミスはこれです。私と私の共同創設者―私達は姉弟でもあるのですが―Pathjoyという会社を2009か2010年に始めました。私達のゴールは2つ。人を幸せにすることと社会に影響を与える大きな会社にすることです。

「よし、人を幸せにすることが課題だ」とまずは決めて、「では、人を幸せに出来る人はどんな人か?」と考えました。そこで思いついたのは、ライフコーチとセラピストだったのでライフコーチとセラピストのプラットフォームをつくることにしました。

しかし、自分たちで自分たちのつくったプラットフォームを使ってみると―私達は特別皮肉屋ではないですが―、困った時にライフコーチやセラピストに頼るタイプの人間ではないことがはっきりしました。

私達自身にとって、まったく無意味で使えないものをつくってしまったことを理解したのです。私達は「ライフコーチとセラピスト」にまったく共感を覚えなかったし、この課題に取り組むことにわくわくしなかったのにも関わらず、それをはっきりと確信するまでに1年ほどの時間を費やしてしまった。

実際にプロダクトをつくり始める前に、それに情熱を捧げることが出来るかよく考えてください。そうすることで本当はやりたくもないことを一生懸命やろうとする必要もなくなりますから。

業界の「現場」で働いてみること

では取り組みたい課題がある、そしてそれを簡潔に説明することができるところまでいったと仮定しましょう。どこから課題解決を始めればいいのでしょうか? どうやって解決策を練るべきでしょうか?

まず初めにやらなくてはならないのは、自分が足を踏み入れようとしている業界についてよく知ることです。業界の大小に関わらず、その業界にどっぷりと浸かります。これをやる方法はいくつもあります。

ひとつ目は、その業界の現場で少し働いてみることです。これは多くの人が考えもしないことかもしれません。その業界に革命を起こしたいのであれば、その社会の歯車の一部になるべきではないとよく言われますから。

その業界に20年も30年も身を置いてきた人であれば、そこでのやり方をすでに身に着けているでしょう。それと同時に業界のあり方を知っているので、どこに改善の余地があるか、どのポイントに画期的な革命を起こすことができるかも見落としがちです。

しかし、その業界の「新参者」である皆さんは1ヶ月か、2ヶ月かけてその業界の隅から隅まで見て、どのようにその業界が機能しているのか知るべきです。細部まで知ることでどこに改善の余地があるか、どのようにコストを下げることができるかを発見することが出来ます。

私達がHomejoyを始めた時―清掃業に乗り出そうと決めた訳ですが―私達自身が清掃員として働きました。多くの方の自宅のハウスクリーニングをする中で、私達は本当に掃除がヘタだということがわかりました。

そこで掃除の仕方を学ぶことに決め、掃除の仕方について書かれた本を購入しました。それらの本は掃除の仕方、道具について学ぶのに少しは役立ちましたが、本を読んでいるだけではダメです。

バスケットボールのようなもので、実際に練習してボールをゴールに向けて投げてみないと上手くならないものなのです。

顧客の視点で自分のつくりたいプロダクトを考察する

私達のどちらかは絶対に掃除のプロにならなくてはダメだ! という話になりプロの清掃者に特訓してもらえるよう、ハウスクリーニング会社で働き始めました。

そこで、2週間仕事をして掃除の仕方を学ぶことが出来ました。何よりも有益だったのは小さな清掃会社がどのように機能しているかを見ることが出来たことです。

小さな清掃業者が今日のHomejoyのように大きく成長することが出来ない理由がよくわかりました。彼らは昔ながらのやり方でやっているので、多くのことにムダがありました。例えば、ハウスクリーニングの予約の取り方だとか、清掃員の時間を最大限に有効活用できていないだとかです。

もし私のようにサービス関係でやろうとしているのであれば、そのサービスを実際に自分で提供してみましょう。レストラン関係なのであれば、1度はウエイターとして働いてみる。

塗装関係なのであれば、現場で塗装をする仕事をしてみる。このようにして様々な角度から顧客の視点で皆さんがつくろうとしているプロダクトについて考察します。

業界のエキスパートになること

もうひとつ大切なことは、自分のつくろうとするものに対して、何かに取りつかれたように必死になることです。

その業界で何が起きていることならなんでも知りたいと思う気持ちが持てるかどうかが大切です。

例えば、競合となる可能性のある会社をリストアップしたり、それらをグーグルで検索して関連するページを片っ端から見てみるだとか。

彼らのS-1を、四半期決算開示、収支報告を読み込んだり。膨大な情報量の中のどこかにヒントが隠れています。

そして、それはその膨大な情報に触れないことには決して得る事ができません。業界のエキスパートになりましょう。

そのプロダクトを仕上げた時に、「彼らのようなエキスパートのつくったものなのだから絶対に良いものに決まっている」という信用を勝ちとるためです。

※続きはこちら!カッコだけの自己満キャッチコピーはタチが悪い! 絶対にやってはいけない宣伝のルールとは?

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