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Andy Samberg's speech at Harvard(全1記事)

人気コメディアン アンディ・サムバーグがハーバード卒業式でスピーチ

2012年、ハーバード大学の卒業式にて、おかしなスピーチが行われました。スピーカーはコメディアンのアンディ・サムバーグ氏。卒業式のスピーチとは、どのような立場の人も真面目に行うものですが、アンディ・サムバーグ氏はコメディアンの名に恥じぬ、きつい冗談を混えたスピーチを行いました。そんな彼が真面目に言ったことは「自分のやりたいことをやる」「やりたいことを知っているのは自分だけ」「それ以外は全部裏切れ」です。親や周りの人たちに、惑わされず、本当にやりたいことだけをやることの大切さを訴えています。また彼は最後に、人生で成功する3つのヒントを語りました。この真意は一体どのようなものなのでしょうか?

Harvard(ハーバード)の意味は「収穫の季節」?

アンディ・サムバーグ氏:待った! ちょっと待って、ちょっと待って。音楽止めて! 失礼。信じられない。ついBGMのせいで……俺たち、今会ったばかりだというのに。はあ、オーケー。落ち着け、俺。「ショウ・マスト・ゴー・オン」なんだから。(咳払い)

学生のみなさん、教授陣、おじいちゃん、おばあちゃん、招かれてもいないのに勝手に来ちゃったおじさん、実は数学の天才だけどホームレスの若くてハンサムな守衛さん、私はアンディ・サムバーグです。ここにいる資格もないのに、ここにいられることを光栄に思います。

ハーバード、クラス・デイのスピーカーには素晴らしい歴史があります。ノーベル賞受賞者のマザー・テレサ。アメリカ合衆国前大統領のビル・クリントン、そしてフェイク・ラップのウィンナーソングを歌った、私です。

私はまた、本日ここで名誉ある学位をいただけることを心から喜んでおります。なにしろ、それは私にとって、見果てぬ夢でしたから……え? なんだって? 学位はもらえない? じゃ、教授かなにか……え? 何もない? え、じゃあ俺はなんのためにここにいるんだ? ディーン・ハモンズ、騙したな! オーケー、じゃ、投げやりスピーチだ。始めます。

2012年卒業生、君たちは今まさにカレッジを卒業しようとしています。それは君たちの人生の終わりに向かう最初の日を意味しています。いや、間違った。学校生活最初の日の最終日です。いやいやいや、もっと違う。今日こそが、その日です。

ウェブスターの辞書によると「Harvard(ハーバード)」とは、「収穫の季節」です。ご指摘のとおり、実際にはこれは「Harvest(ハーベスト)の」定義ですが、私が見つけられた最も「Harvard」に近い名詞だったわけです。

でもこれって本当に「Harvard」を言い表していると思いません? 知識という種を蒔いて、最終的に作物、つまりお金を、農夫にあたる、年間4万5千ドルあなたたちに送金しているご両親を満足させるために実らせる。だからみなさん、農学を専攻してもいいんですよ。きっとご理解いただけると思います。

科学と数学以外は役に立たない?

さて話を先に進める前に、私はハーバードの外の世界から、いくつか短いお知らせを預かってきています。どうやら、これから挙げる専攻は、明日以降、役に立ちません。歴史、文学、アートに関わるすべて、ロマンス語、そしてフォークロアと神話。

ヘイ、みんな。役に立つことを勉強して、空き時間には「World of Warcraft(ワールド・オブ・ウォークラフト:訳注、ビデオゲームの名前)」をプレーしようぜ。いずれにせよ、どんな専攻だって、今の時代、iPhoneアプリにしない限り、役立たずなんだよ。結局、数学と科学を専攻した奴らがクールなのさ。

2012年はカレッジを卒業するのに絶好の年です。確かに、労働市場は若干停滞気味です。確かに、ヘルスケアとソーシャル・セキュリティシステムは5年以内に消滅しそうです。確かに、あなた方はナノテクノロジーのおかげで不死身になった110歳の両親を支えるために、80歳になるまで働き続けなければならないでしょう。

確かに、愛という概念はまもなく消え去り、我々に残されるのは冷めたマイクロチップ・スープのために親友を殺すような寂しいロボットだけです。でもそんなことはどうでもいいのです。なぜなら明日、君たちはハーベスト、じゃなかった、ハーバードを卒業するのです。

こちらを見ている人々の多くが、「おまえの何が特別だって言うんだ? 何を成し遂げたって言うんだ? ハーバードにも入学できなかったくせに」と考えているでしょう。

そんな皆さんに私から申し上げたいのは、俺はハーバードに申し込みすらしてないんだよ、だって受かりっこないんだもん。へっへー! 知るもんか! いい大学だからって、その手には乗らないぞ。

俺のほうが先に別れて、もう新しいガールフレンドだっているもん。ハーバードがいつも海岸沿いをドライブしたいから貸してくれって懇願するコンバーチブルのシブリングの助手席に、俺は彼女を乗せてるんだ。笑っちゃうよ。

「ジムに行ってるの?」「いいや、賢く食べるっていうポジティブな選択をしてるのさ」

って気分だよ。

みんなの将来のあだ名は「ハーバード」

もう、ほんとは名誉ある学位がほしかったさ! 昔からよく言われてる「ディーン・ハモンズは信じるなかれ」って言うのは、本当だったんだ。

さておき、ハーバードは依然として我々のカルチャーにとって象徴的な存在であります。私の脳裏に焼きついて離れないのは、ソーシャル・コミュニケーションや私たちがどのようにコミュニケーションを図るかについて描いたあの非常に重要な映画において、中心的役割を果たしたこのキャンパスです。

私はもちろん、C.トーマス・ハウエル演じる白人学生が差別是正措置を悪用しようとアフリカン・アメリカンの黒人に成りすました風変わりなどたばた劇、1986年「Soul Man」のことを言っているんです。彼はあの映画の中で、ハーバード大学法学部の学生で、ハーバードあってこそあの映画が存在するのです。

まだご存知でない方も多いと思いますが、「ハーバード」はのちにあなたの職場におけるニックネームになりうる数少ない学校のひとつでもあります。「この休憩室にある枝豆、誰の?」「たぶん、ハーバードの」「俺の駐車場に停めてあるベスパ、誰の?」「ハーバードと行くんだ」

事実、君たちが卒業後、外でハーバードのスウェットシャツを着るともれなく天下一品の嫌な奴に見えることでしょう。コープ(大学生協)は君たちが卒業後にたまに着られるようにミシガン大学のTシャツを売るべきだと私は切に思っています。

念のため申し上げておきますが、私が述べた「コープ」は君たちのキャンパス・ブックストアのことであって、かの有名な映画俳優で、私が「コープ」と呼ぶこともある、それでいて空き時間には本やスウェットシャツの販売をしているブラッドリー・クーパーのことではありません。

ハーバード出身の成功者は中退している

名声について申し上げると、ハーバードは多くの有名な先輩を輩出しています。マーク・ザッカーバーグ、ビル・ゲイツ。ほんの少数の元学生たちがドロップアウト後にビジネスを始め、成功を収めています。つまり、ここにいる大勢の卒業生は負け犬になる運命だということを意味しています。

申し訳ないけど、事実です。それから、「クラス・デイ」っていう名前もひどい。もう二度とクラスに行くことはないんだから。大晦日を「Sobriety Night(禁酒の夜)」って呼ぶのにすごく似ている。「ねえ、Sobriety Nightに行かない?」「いいよ、サイアクだな」みたいなね。

さて、ここに文学的なメモがあります。偉大なるW.B.イェイツによる詩を読みたいと思います。ほんとはイェイツと読むんですけど。バーニー・フランクのせいで知らない人が多いんです。まあいいや。これは1929年の詩集、「The Winding Stair and other Poems(螺旋階段とその他の詩)」から、今日のこのセレモニーにぴったりな本当に美しく辛らつな句です。

これが俺たちのやり方だこれが俺たちのやり方だ金曜日の夜、私は大丈夫岸にぶつかった 私は衰えたからハニーは路上で金と言っている そう俺たちはやったんだ

ほんとはもっとあるんだけど、わかりましたね。クラシックなイェイツ。重要な詩人です。

ほんとに、私は今日ここにいられることに興奮しています。33歳ですが、今まで君たちのように耐えたりしてこなかったので、これからやってくるものの広い視野を授けるために、ここにいる君たちに関連するであろう人々のいくつかの名言をお届けします。

偉大なハーバード出身者からのメッセージ?

前述のハーバードの学生で新設にも私にコメントを送ってくれたマーク・ザッカーバーグ氏。代読します。

(マーク・ザッカーバーグ氏の真似をして)あ、みんな。僕だよ、マークだよ。または友人たちが僕を呼んでるみたいに、「ザックルベリー・フィン」でもいいかな。彼はそう思ってるんだ! 君たちみんなに短い「オメデト」を送るよ。でもほんとはもっと「オメデト」なんだけどね。

ちょうど6歳のファンタジーみたいに将来はいいものだよ。事実、僕は最近ハーバード三連勝単式を完成させたんだ。君の会社を始めて、自身についての映画を作り、アジア人のお医者さんと結婚するんだ。三連勝単式! だからみんなタイムラインをアップグレードして、ピノキオ・ピザは解雇するのさ。ハハ、僕はハーバードに行った!

彼が言ったのはこんなことです。私はマサチューセッツ出身のマーク・ウォルバーグ氏に地元での経験についても聞いてみました。君たちにいくつかの考えを送ってくれています。彼が言いそうなのはこんなことです。

(マーク・ウォルバーグ氏の真似をして)やあ、ハーバード。元気かい? で、卒業するんだって? そりゃあすごいな。なあ、一緒に映画やろうぜ。どう思う? 君たちって超天才なんだろ? 俺はさ、ブギーナイツで作り物のペニスを使ったんだぜ。考えてみろよ。お母さんによろしくな、いいか?

彼は君たちによろしく言ってくれと言っていました。では最後に、大ヒットのスーパースター、ニック・ケイジ氏から君たちに一言。今気づいたけど、彼はハーバードには行っていないし、ボストン出身でもないけど、特別なつながりがあるんです。彼が書いたのはこんなことです。

(ニック・ケイジ氏の真似をして)こんにちは。君にも書いたとおり、私は今、ウィディーンアー図書館の下にトンネルを掘っている。固い壁を突き破った暁には、私は伝説のグーテンベルク聖書を盗み出し、真のオーナーであるスティーブ・グーテンベルクに返そうと思っている。

私は、おかしなものをたくさん目にしてきた。イスタンブールでは、小さな子供がペリカンを丸ごと飲み込むのを見た。サハラ砂漠では、雄牛の群れが浮かび上がって扉の中に吸い込まれ、我々の世界から永遠に消えたのを目撃した。どんなものを目にしようとも、私がやってきたのは真実だ。

愛はこの宇宙で最も強力な提供すべきもので、卑劣なうそつきディーン・ハモンズを除くすべての人々に、親切にしなくてはならない。そして、友人たちよ、それがハヌカー(訳注:ユダヤ教のお祭り)の真の意味なのだ。本当はもっと書きたいんだけど、ちょうど次の冒険に出かけるときが来てしまったようだ。「それはなに?」君たちは聞くだろうね。シンプル。俺は、ジョン・ハーバード像とセックスするのさ。

少し真面目に話すと

それが私の3つの印象だ。ありがとう。みんな。テレビの深夜放送は、私をまっすぐにここに導いてくれたよ。私たちは今日ここで、学生のみんなにばかり注意を向けてきたけど、私はこの瞬間と感謝の念を親御さんたちに捧げたい。

とりわけ、家にいるすべてのママさんに向けて叫びたい。諦めろ! 全く。全くだ。俺たちのママは耐えて耐えて、ほんのちょっとしか人に頼むことをしない。そして見渡せば、今日ここには美しいお母さんたち。俺はこみ上げてくるものを抑えることができない。

そうさ。実際、君は上等な収穫物だ。そして俺は、年上の女性が好みなんだ。彼女たちはやり方をわかってる。言ってる意味、わかるだろ? ママさんたち、招待状を開けな。誰に知られるもんか。

すべてのパパさんたちが怒り出す前に、見下す前に、本気だ。お前の腕の中にこんなに素晴らしい女性がいたら、特別なものを手に入れてるっていうのに。実際、強くて誠実そうな男たちを見ていたら、込み上げてくるものを抑えることができないぜ。

そうさ。俺は今日、たくさんの銀のキツネを見た。ハーバードは悪くねえ。俺のスイートなパパちゃんはどこだい? そうさ、見つけた。手を挙げなくたっていいぜ。招待状を開けるんだ。誰に知られるもんか。

さて、少し真面目にいきたいと思います。世界に飛び出して行くと、そこには障害があるでしょう。でも挑戦こそが、成功へのチャンスです。すみません、感動的なパートを用意してきたんだけど、嘘っぽい感じがしてきた。

なので、この原稿はやめて心の中にあるものをお話ししたいと思います。

相手によく耳を傾けるな

君たちに言いたいのは、友達を作るなということ。チープな拍手のためではありません。本音を語り合い、相手によく耳を傾けること。エールなんて、くそくらえだ! だろ? だよな? 奴らは最悪だぜ。エールに「クラス・デイ」のスピーチを頼まれたんだけど、始終滑りくって、さっぱり見せ場を作れなかったのさ。アメリカの最悪の都市にある二流の学校だよ。なんて冗談、ニューヘブンはすてきなところだよな、ルワンダに比べると。

エールについて、ちょっとだけ知ってることを言うと、古代ネイティブ・アメリカンのトイレの上に建っているんだぜ。ほんとに奴らがブルドッグって呼ばれてるのも無理ないぜ。生まれつき呼吸困難の気取った奴らめ。誰にもエールとの比較なんてさせるな。耳障りかもしれないけど、事実、エールは基本的に人型で満たされた下水管だ。ただ人間と笑うことや子犬が嫌いな臭い干からびた犬を置き換えただけだ。これが俺の本音だ。魂からのね。

もしかしたら、聞くに堪えない人もいるかもしれないけど、君たちに対してまっすぐであることが俺の使命なんだ。ちょっぴり懺悔すると、俺は文学的にはエールのことを何ひとつ知らない。でもこれだけは言わせてもらおう、ダートマスは地獄に落ちろ!

自分以外は誰も自分のやりたいことはわからない

あー、クラス・デイ。人生が君たちをここからどこへ導くのか、知ることは大変に難しい。これからどんな冒険をするだろうか、どんなコメディのような日常を送るのだろうか。私から君たちに贈るアドバイスはシンプルです。リラックスだぜ! 

ハーバードを卒業するんだ。よくがんばった。信じろ。君たちはそれを台無しにするだろう。私はサンタ・クルスに行って、フィルム・スクールに編入した。で、リッチだ。精神的に豊かだとか、ヒッピーみたいなことを言ってるんじゃない。

信じろ。ちょっぴり大げさなことを言ってるけど、マザー・テレサに対抗しているんだ。オーケー? 彼女のクラス・デイのスピーチをYouTubeで見たことある? 彼女はお金の入ったお金を人々に投げるような人なんだぜ。俺もそんな人になりたいよ。

でも昨今、多くの人たちが自分の直感を信じろとかチャンスをつかむことを恐れるなとか、君たちに言うだろう。俺もそんな一人だ。でもこうも言う。ハーバード出身とかMIT出身とかゴミで作ったアートで両親を大いにがっかりさせるとか、焦らずに、次のフェーズに行くんだ。

なにに挑戦するにしても、自分が本当にやりたいことをやる。なぜなら、自分のことを知っている唯一の人間は自分なんだから。それ以外の全員は、裏切る。映画『Dead Poet’s Society(邦題:いまを生きる)』から美しい言葉を、覚えておけ。

「ネイル! 私のネイルが死んでしまった! 私のネイル!」

今、私が話してきたようなことは、私が思ってるほどご理解いただいていないでしょう。実際、今日話したことのうち7パーセントだけが役立つか、もしくは英語として通用するかしないかくらいでしょう。でも最後に、人生で成功するための3つのシンプルなヒントをお伝えしようと思います。

1、箱に穴を開ける。

2、ごみをさっきの箱に入れろ。

3、彼女または彼に箱を開けさせろ。

それが君のやり方だ。それから、自分でもこんなこと言うなんて信じられないんだけど、ディーン・ハモンズ、君を許すよ。過去を水に流す。俺はもうステキな学位をサンタ・クルスとフィルム・スクールで取ったもんね。

というわけで、ありがとう、卒業生、幸運を祈る。おめでとう! 

(会場、拍手)

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