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【売れるサービスを見極める】投資のプロの驚きのSNS活用術 (全1記事)

投資のプロはフォロワー数が少ない人のSNSを毎日見に行く 適切な投資判断をするための「情報収集」のポイント

レオス・キャピタルワークス株式会社のYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』は、ふだんは語りにくいお金や投資、経済の話について、ひふみシリーズの最高投資責任者の藤野英人氏や、ひふみシリーズのメンバーと一緒に学んでいくチャンネルです。本記事では「投資のプロの驚きのSNS活用術」をテーマに、藤野氏が自身のSNSの使い方を語りました。 ■動画コンテンツはこちら

フォロワー数が少ない人のSNSを見に行くワケ

司会者:現在、SNSの活用法が投資だけではなく生活の中でも重要になっていると思いますが、藤野さんはどのようにSNSを活用されていますか?

藤野英人氏(以下、藤野):私はかなり変わっていると思います。

司会者:と言いますと。

藤野:フォロワー数の多い人や有名な人、いわゆるキュレーターと言われる、情報を多く集めて発信する人の話は当然聞いていますし、見ています。でもそれ以上に私が注目しているのは、フォロワー数が少ない人なんですね。フォロワー数が10名とか15名とかくらいの人をなるべくいっぱい見ようとしています。

司会者:あえて少ない人を見るというのはどういうことでしょうか?

藤野:SNSはどうしても自分に近い人をリコメンドしたり、自分に近い人が集まるメディアですね。FacebookもTwitterもそのような機能があります。でも自分に近い人の情報だと、世の中のことがよくわからないんです。

今のTwitterやFacebookがすばらしいのは、10年前とか15年前に比べて、さまざまな人がつぶやき始めたことです。そうすると、ふだん自分が付き合わない・会わない人のわりと生々しい話を聞くことができるんですね。なので、私はわりとランダムに発見した人をランダムにフォローしています。

例えば、釧路市に住んでいる漁師さんの奥さんとかね。ぜんぜん知らない人で、あまり接点もなさそうじゃないですか。東京でOLをして、結婚して山梨に来て、離婚をしてそのまま山梨でシングルマザーとして子どもを育てている人とか。そういういろんなプロフィールの人を見ています。

そういう人がいろんな意見を言うわけです。もちろん意見を言わないことも重要なメッセージです。何を語って何を語らないのかが情報なので、それをざっと5~10分間ぐらい毎日見ることを習慣にしています。

重要な情報を取るための基本的な視点を確保するということですね。彼らの一つひとつの情報そのものが重要ではないんです。世の中の人の感覚を感じることがすごく大事なんですよね。

他者の怒りのポイントや苦痛に感じることを知る意味

藤野:怒っている内容を見て、「あ、こういうことで怒るんだ」というところを認識するみたいな。例えば僕はあまり怒らないんですよね。

司会者:そうなんですか。

藤野:どんなことがあってもおもしろいと思うほうだから。「おもしろい」って変換しちゃうので、誰かが怒鳴り込んできても「へへへ。おもしろい人が来たな」みたいな感じになるので(笑)。だからあんまり「怒り」という感情を僕自身は持たない。

逆に「どういうことを言うと怒るのか?」というところは、情報として認識する必要があると思うんですよね。「こんなちっぽけなことで怒るのか」みたいなところがあっても、それはその人のプライドとかその人の人生や生き方の問題なので。なんで怒るのか・怒らないのかには正しいも正しくないもないわけですよ。

あと、何を苦痛に思っているのかを理解すれば理解するほど、いろんな商品とか製品やサービスがある時に、「これは売れるな」とか「売れないな」という感覚がわかるようになります。

世の中の人って、いろんな観点で物事を見ているんですよ。例えば、儲かるか儲からないかという軸で常に動く人もいるし、好きか嫌いか、快か不快かという軸で動く人もいる。他にも、美しいか美しくないかとか、正しいか正しくないかとか、損をするか損をしないかという軸であったり。

正義か不正義かを大切にする人と損得を大切にする人が議論をしても合わないんです。議論をかみ合わせるためには、損得を大切にする人には損得の軸で話さないといけないし、正義か不正義かを大切にする人には正義・不正義の軸じゃないと合わないんですね。

相手が何を正しいと思うのか、何が損だと思うのか、何が心地いいことなのかを感じるアンテナを体の中に染み込ませることが大事だと思っています。

適切な投資判断をするための「情報収集」のポイント

司会者:それが投資をする上でも活きてくるということでしょうか?

藤野:そうですね。「今の日本人にはこれがウケる」ということがわからないと、商品やサービスの価値がわからないわけです。場合によっては、商品を出した会社でもわかっていないことをこっちが理解していると、「じゃあこの会社の株を買おう」とか「売ろう」という判断にもなります。

会社も当然本業だから、すごくお金をかけてマーケティングリサーチをして、「こういこう」と思っている時に、投資家がそれが売れるか売れないかを会社以上に見極めないと儲からないわけですね。

一般的な人がどういうものを求めるという感度が、少なくとも鈍っていたら正しい判断ができないということになります。

司会者:多様な意見を自分のものとして聞き入れていくという。

藤野:そうですね。スポーツ選手がバットを振るとかテニスの素振りをするとかにたぶん近い話です。街を歩いていても見ているし、街の人とか服とか顔色とか広告をいつも見ている。それが全部情報ですね。

ナレーター:世間の多様な価値観を把握して、そのニーズに合った商品を提供する会社を見極めることが投資に役立つんですね。

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