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最高の家計(全4記事)

お金が勝手に貯まるシステムはどうやって構築できるか? 個人に最適化した“最高の家計”の叶え方

大人の学びに役立つ知識が無料で学べる生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」。働き方やテクノロジー、ITスキルといった、最先端のノウハウが身につくオンライン授業を数多く配信しています。そんな「Schoo」で放送されている人気授業の書き起こし企画の第6回は、個人向けファイナンシャルプラニングを行うSmart & Responsible代表の岩崎淳子氏が登場。「お金が勝手に貯まる家計システム」の構築についてレクチャーしました。

お金が勝手に貯まるシステムを作る

田原彩香氏(以下、田原):受講生代表の田原です。今回お越しいただきましたのは、Smart & Responsible代表、岩崎淳子先生です。先生、今日はよろしくお願いいたします。

岩崎淳子氏(以下、岩崎):よろしくお願いいたします。

田原:本日から新コースです。「最高の家計」5時間集中プログラム、「お金が勝手に貯まるシステムを作る」がスタートします。このコースは、これまでお金と向き合ってこなかった人が資金計画の一歩を踏み出すためのスタートダッシュプログラムです。

毎回、あなたの弱点を洗い出す質問と、次回までの質問がセットになった、計5時間の生放送の授業です。最終的には、少ないメンテナンスでお金が勝手に貯まる家計システムの構築を目指していきたいと思います。

今日はその記念すべき第1回です。「あなたとお金の最高な関係を考える」というタイトルでお送りしたいと思います。そして、本日お越しいただきました岩崎先生は、なんとSkype登壇ということで、海外からご登壇していただきます。さっそく自己紹介をお願いしたいと思います。岩崎先生、お願いいたします。

岩崎:みなさんこんばんは。アメリカでファイナンシャルプランナーをしています、岩崎淳子と言います。今カリフォルニアからで、実は夜中の2時なんですけれども(笑)。

田原:夜中の2時!

岩崎:今日はこのために午後寝て、これに臨みました。よろしくお願いします。

田原:ありがとうございます。

岩崎:私は2000年に主人の転職に伴ってアメリカに引っ越しまして、それから本当にいろいろ苦労しまして、確定拠出だとか、健康保険だとか、税金のこととか、本当にわからないことがたくさんある中で、いろいろ選択していかなければいけない状況になって、それで本当に苦労して学んだわけなんですね。

それをもとに、日本語でできるだけ詳しく、そのようなファイナンシャルプランニングの情報をみなさんにお伝えしたいということで、「アメリカ暮らしのファイナンシャル・プラニング Smart & Responsible」というサイトを立ち上げて、プランナーとして働いています。よろしくお願いいたします。

田原:ありがとうございます。かっこいいですね、アメリカのファイナンシャルプランナーって、お会いしたことがないので。今日はよろしくお願いいたします。

岩崎:よろしくお願いします。

田原:そして、コメントが来ていますね。「お金と仲良くしたい(貯めたい)、本日はよろしくお願いします」というふうに来ています。はい、みなさん、ちょっとお金と向き合わなかった人は、これを機にぜひ向き合っていただいて、貯めていきましょう、関係を考えてみましょう。ということで、今日の授業の概要をご紹介したいと思います。

最適な家計管理システムを構築する

田原:この授業を一言で言うと、自分に最適な家計管理システムを構築する授業です。毎回、次回までの宿題をこなしながら、全5回の授業を通じて、あなたにとって最高の家計管理システムを構築していきましょう。そして、コーススケジュールはこのようなかたちになっております。

今日は初回ということで、「あなたとお金の最高な関係」を考えていきたいと思います。そして、2回目以降はそれぞれ賢く使う最高の方法だったり、(お金を)守っていったり、賢く増やす、そして最後は最高の家計システム構築術ということで、全5回、集中して学んでいくプログラムとなっております。それでは、第1回目、今日の流れをご説明いたします。

今日はまず初めに、お金との関係を考えていきます。その後、健全な関係のための4つの要素を先生に教えていただきます。そして、いよいよ自分を知るための健康診断が行われます。最後は、今日の宿題ということで、次回までの宿題の発表という流れです。ではさっそくですが、まずはお金との関係を考えていきましょうか。岩崎先生、お願いいたします。

岩崎:はい。では、1点目の「お金との関係を考える」なんですが、まずこれに入る前に、ちょっと小さなトピックをカバーしたいと思います。それは、今回このコースをやらせていただくきっかけになった私の書籍なんですが、タイトルが『最高の家計』という、とてもおこがましいタイトルでして(笑)、ちょっと聞くだけで恥ずかしくなっちゃうんですけれども。

出版社の方がつけてくださったタイトルなんですが、「いったい最高の家計って、なんなんだろう?」というところで、これの定義から入っていきたいと思います。まず、「家計」から見ていきたいと思います。ちょっと、スライドをめくっていただけますか?

家計は、簡単ですね。Googleサーチすると出てきました。「一家のくらしむき。一家の生活を維持する経済。収入と支出を通して家庭を維持していくこと」と出ました。

これはよく耳慣れた言葉なんですけども、これに「最高」がついたら、いったいなんなんだというところですが、英語で言うと、最高って「the best」とかですね、本当に最高のことを強調したいときには「ジ・ベスト」といって、theのところにアクセントをつけたりしますが。

そうすると、1個ですよね、普通。「the」bestですから、1個しかないわけなんですが、ここで言う最高の家計は、1個ではないというところにちょっとポイントがあるかと思います。次のスライドお願いします。

田原:1個ではないんですね。

自分にぴったりの家庭経済の維持方法

岩崎:はい、最高の家計とは、赤字で書いてありますが、「自分らしい、自分にぴったりの家庭経済の維持のしかた」。ですので、最高は1つではないということですね。「家庭それぞれ1つではなくて、基本をもとにカスタマイズ」なので、基本は大事なので、勉強はしますけれども、みなさん、やはり自分らしいかたちにそれをカスタマイズしてもOKということですね。

ですので、今回の5回のコースを通じて基本も学んでいくんですね。テキストブック的な、大多数の方にはこれがいいでしょうという、ファイナンスの理論に基づいた基本を学びますけれども、そこから逸れてもOKです。

「いや、自分はこう考えるので、こういうポリシーで逸れたい」という場合は、やみくもに、理由もなく逸れるのではなくて、ポリシーを持って基本から逸れる、それが大事かと思います。

田原:やっぱり、基本は学ばなきゃいけないんですね。

岩崎:基本はしっかり押さえた上で、そこから色をつけるというかたちですね。では、先ほどの1点目に戻りたいと思いますけれども、まず質問で始めたいと思います。みなさん、お金と聞くと、どんなイメージ、感情、思いが浮かびますか?

田原:はい。ということで、さっそく先生からの質問なんですが、みなさんに聞いていきましょう。お金と聞くと、どんなイメージ、感情、あるいは思いが浮かびますか? ぜひ自由にコメントしていただけたらなぁと思います。みなさんの回答をお待ちしております。

岩崎:お願いします。

田原:イメージとか感情、思いですね。みなさん、いろいろあるかと思いますので、ぜひぜひコメントをお願いいたします。そうですね、あっ、「ファイナンシャルプランナーの発祥は米国ではなかったですかねぇ?」とコメントでいただいてますね。

岩崎:おぉ、どうなんですかね? 発祥ですか。アメリカっぽいですね。

田原:けっこうみなさん、(興味)津々ですね。別の方のコメントで、「趣味の本を10万円分買ったと考えると使い過ぎだろうか、『考えて使えよ』と言われますが、その人は13万円のゴルフクラブを買ってたりしますもんね」。

岩崎:ははは!

田原:人によってやっぱり価値観が違ってくるということですよね。

岩崎:そうです、だから他人のやり方をもって、「これは間違ってる」とか、「こっちが正しい」とはなかなか言えないですよね。

田原:さぁ、みなさんに聞いています。お金と聞くとどんなイメージが浮かぶか。いきましょう。「生活をするために必要なもの」。その通りでございます。

岩崎:そうですね。

予算に余裕があると、心にも余裕が持てる

田原:「過去にクレカの使いすぎで苦しんだので、残念ながらお金にはあまり良いイメージはないです」。

岩崎:うんうん、なるほど。

田原:悪いイメージ、いいイメージはないっていう回答ですかね。「お金には常に苦労しているので、つらいです。そして価値観は人それぞれと常に言いたい立場に立たされます」。どういった相談でしょうか? 気になりますね。

そして、「暖かい、キラキラしている」。これ、完全にいい印象ですね。

岩崎:あぁ、いいですね。

田原:「お金はたくさんあればいろんなことにチャレンジできそうと思います」。確かに手段が見えるというようなかたちでしょうか。「お金のある方に、お金の集まる習慣があると聞きました」。これ、私も聞いたことあります。

「お金はあると安心する」。「うれしい気持ちになりますね」。「交換をするための信用がついた概念」。あぁ、なるほど。けっこう戻ってますね。お金の概念をちょっと遡って。「予算に余裕があると、心にも余裕が持てるモノです」。

岩崎:そうですよね。

田原:「使い方によって、幸せにも不幸にもなるもの」。

岩崎:うーん、確かに。

田原:ふふふ(笑)。そして、「イメージ:生活費。感情:生涯ほしいもの。思い:楽して得たいと思うもの」。まとめていただきました。といったかたちで、まぁみなさん、キラキラとかそういう意見もありましたが、苦労してますっていう方もけっこういましたね。

岩崎:そうですね、どちらもありましたね。最初に言ってくださった方でしたっけ、「生活するために必要なもの」。とても中立的でストレートな意見でしたけども。そうですね、あとはやっぱりつらい意見もあれば、暖かくていいもあれば、いろんなイメージでしたね。

お金と不健康な関係になると、訪れる弊害

岩崎:じゃあ、ちょっと次のスライドに行っていただけますか? いろんな感情があるかと思うんですけれども、このスライドでは、5つあげています。

いろんな感情がありますけれども、例えば「不安」ですね。お金のことを考えるだけで不安になる。先ほど「クレカでちょっと悪い経験があるので」っていう話がありましたけれども、考えるだけで不安になる人もいれば。

あとは「執着」ですね。お金はパワーである、お金は持ってるほうがいい、とにかく持っていたい、たくさん持っていたい、お金は大事だというような、執着の思い。

それから「罪悪感」もありますよね。お金が決してないわけではない人でも、使うとなんとなく罪悪感がある、お金を使うと悪い思いがある、残る場合ですね。罪悪感。

それから「無謀」もありますよね。無謀というのは、計画がないわけです。あるだけ使ってしまう、何の計画もなしに、お金と付き合ってしまう。

それから「回避」。回避は、できれば考えたくない人ですね。お金のことをとにかく考えたくないので、もうとにかく考えないようにしてしまう。

これ以外にもいろいろな感情があると思うんですけれども、自分はいったいお金にどのような感情を抱いているのかを認識することって、案外大事なんですね。お金は数字なので、数字で割り切れるように考えがちなんですが、本当はお金はとても感情的なものなんですね。

お金との関係が不健康だと、やはりお金もマネージできないですし、管理もできないわけです。ですから、自分がお金に対してどういう感情を持っているのか、どういう関係でいるのかを、ちょっと一歩下がって把握してみるのが大事かと思います。

とはいえ、お金は単なるツールである

岩崎:では、ちょっと次のスライド行きますかね。ここで右側にナイフが出ているんですけれどもね(笑)。みなさん、ナイフを見て、どういう感情を持ちます?

田原:怖かったりとか……はい。ちょっと怖いですね。刃物なので。

岩崎:ねぇ。怖いですか。でもナイフって、ただのツールじゃないですか。ただのツールなわけで、うまく使えば美味しいお料理もできるし、果物も剥けるし、とても便利なものですよね。

ですから、ナイフを見ただけで「ちょっと怖い」とか、「管理ができないからどうしよう」とか、「人を刺してしまいそうだから持ちたくない」とか、そういうような感情を持つのはおかしいわけですよね。

それは、お金も同じなわけなんです。お金もツールです。ナイフと同じように、お金もツールですから、お金に対して、「お金をどうしたらいいか」とか、「管理ができないからどうしよう」とかっていう心配を持つのがおかしいわけなんですね。

なので、いったんここで、お金は単なるツールである。それで、お金に主従関係があるんだとしたら、人間が主で、お金が従ですから、人間が使うものですよね。ここらへんの関係をちょっと捉えていきたいと思いますね。ツールはツールでちゃんと受け止めるということです。

田原:手段とか? ツールということ。

岩崎:手段です。「結局、お金は生活するための手段」という意見がありましたけども、単なるツールということですね。じゃあ、次のスライドお願いします。

はい、ここで、(お金は)ツールであるのに、そうではないように捉えてしまって、やはりちょっとうまく使えないとか、それから間違った使い方したらどうしてしまおうとか、考えるだけで怖いから回避してしまうとか、そういうふうに考えると、とても不自由です。

お金に自由であるためには、単なるツールだということ。私が主であり、お金は従であり、私が使うもの、お金は使われるもの、私が支配するもの、お金は支配されるものというように、まずそこの関係をしっかり捉えたいと思います。よろしいでしょうか? では、次のポイントに入ります。

田原:お願いします。

「あなたのポリシーを作る」のが重要

岩崎:はい、じゃあ次のスライドですね。

岩崎:「あなたのポリシーを作る」ですね。これから基本を勉強していきますけれども、先ほど、あなたなりの、自分にぴったりの家計システムを作っていくという話をしましたけれども、この自分なりのポリシーを作っていくということですね。

先ほど感情の話をいろいろしましたけれども、ここでいろんな感情がありましたが、それは必ずしも悪いものではなくて、その感情を健康なレンジに持ってくるっていうんでしょうか。

例えば、お金のことを考えると不安だという人は、不安というところではとても不健康なレベルなんですけれども、これを「お金のことを慎重に考えられる」というところに、レンジを少しシフトすると、お金のことを慎重に管理できる人になります。

それから、お金に対して執着って言うとちょっとよくない、不健康なレベルでしたけれども、これをもう少し健康なほうにシフトさせると、お金に対してとてもプランニング能力のある、計画能力の高い人になります。

それから、罪悪感もありましたね。罪悪感ですと、お金を使うといけないという感覚があるわけです。それが強すぎると不健康ですけれども、これがまた健康なレンジのほうにシフトすると、節約家、お金をきちんと貯められる人になります。

それから無謀という人もありましたけれども、これはお金のことをあんまりプランしないで使っちゃう人ですけども、いいほうにシフトすると、わりと大胆でリスクを取れるというふうになりますね。

ですので、自分が持っている資質、その性格をよく把握した上で、不健康なレンジに行かないで、健康なほうに持ってくる。こういうふうにあなたのポリシーを作っていくといいと思います。

それから、ご夫婦の方、もう結婚されててご夫婦の方は、わりと夫婦で違うじゃないですか。夫婦って案外違いますよね(笑)。

田原:違うほうがバランスがよかったりとかしますよね?

岩崎:そう、違うほうがバランスよかったりしますよね。1人がちょっと浪費家だと、1人がお財布の紐をきちんと締める人とか、1人がわりとリスクをバーンと取る人だったら、1人は慎重になる人だったりとか。

これは、違うが故にバランスが取れてるとも言えるし、違うが故にケンカにもなるんですが。夫婦の場合は、この違いを本当に補完し合うかたちで使っていくことで、一人ひとりだとちょっとバラバラなんだけど、まるで違う相対する性格を1つにして、夫婦でうまくいくようにもできると思うんですね。

ですので、あなたのポリシーを作る時に、自分はどういう人間なのか、また結婚されてる方は、相手はどういう人間なのか、じゃあ私たちはどういう家計を作りたいのかを考えていくといいかなと思います。

田原:なるほど。

岩崎:はい。では、それが1点目でした。では2点目にいこうと思います。

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