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「バーンアウト(燃え尽き症候群)」かも?と思ったら考えること(全3記事)

「解決策の提示もありがたいけど、まずは共感してほしかった」 若い世代が上司や親にキャリア相談しづらい理由

人生100年時代の今、定年後も働き続けるシニア層が増えている一方、働き始めたばかりの20代で急増しているのが「バーンアウト(燃え尽き症候群)」です。なぜバーンアウトが起きるのか、バーンアウトしないためにはどうすればいいのか、バーンアウトになってしまったら、その後のキャリアはどうすればいいのか。これまで多くの20代のキャリアに寄り添ってきた、ポジウィルONE CAREER PLUSJobPicksの3社が登壇し、「バーンアウトかも? と思ったときに考えること」をテーマに議論が交わされました。最終回の本記事では、「相談」についての悩みや、各社が目指すサービスのかたちについて語られました。

自信を取り戻すために「自分の過去ベストの体験を振り返る」

齋藤あい氏(以下、齋藤):さらにもう1個、ワークを共有します。

岡千尋氏(以下、岡):さっきもどこかで話がありましたよね。バーンアウトになっている時、自分の価値そのものを疑っちゃう症状になっちゃうなと思っていて。

一応さっきの4Lのワークをやった上で、がんばっている自分に自信を取り戻したいという方がいればなんですけど、そういった方に一番効果的なのは、「自分の過去ベストの体験を振り返る」というものです。

「何をがんばったんだっけ」とかだと、「がんばった」という言葉に抵抗がある人がめっちゃいるので、「何を行動したんだっけ」ということを書き出してもらって、それで「自分のいいところってなんだっけ」と考えていくんです。それが「持ち味」になるんですけど、持ち味をさらに要素分解したら、(スライドの)上の14個になるんですね。

なんとなく「自分のいいところなんだっけ」と考えると、けっこう「いいところないです」になっちゃうんですけど(笑)、「この14個から選ぶとしたら何?」となると、わりと選びやすいかなと思っています。

「過去ベストな体験」を振り返って、どんな行動したのかを整理してもらって、その行動に対してどれが該当するかというものを選んでもらって、いったんそれを受け止める。そういうことをやってもらうと、ちょっと自己肯定感が上がるかなと思っています。

モチベーションの源泉となる7つの要素

:あとは、「なんで行動できたんだっけ? それはうまくいったんだっけ?」ということとか、「なんであの時そんなにがんばれたんだっけ?」ということが、「モチベーションの源泉」という部分になってくるんです。それを要素分解していくと7つあります。

「達成感」はわかりやすい目標があって、それを達成することにやりがいを感じる人もいれば、チームのメンバーのために「貢献」をすることがうれしいという人がいたり、ただただ自分が「成長実感」を感じられることにうれしさを感じるとか。

そういう自分のやる気スイッチのようなものを「7つのスイッチ」として分けたのがこれです。「どれが自分に該当して、何があればがんばれるんだっけ?」ということをこの7つから選んでもらうと、自分の取扱説明書がよりクリアになるかなと思っています。

自分の持ち味やモチベーションの源泉が認識できるようになると、今とのギャップが認識しやすくなるかなと思っていて。そのギャップがちゃんとわかった時に、「じゃあ何をしていけばいいんだっけ?」とか、「次はどういう目標に向かって自分は行動していけばいいんだっけ?」とイメージしやすくなるかなと思います。

いったんこのワークで振り返ってもらって。それでもやはり自責の念が強い人とか、認知の歪みが強い人とかは、ワークに入りづらかったりすると思います。ちょっとやりづらいなとか、これやってもよくわからんなという人に関しては、ぜひ私と個別の無料相談を紹介するので、ぜひそっちに来てもらえたらなと思います。

人に相談することで、相対的に自分の解像度が上がる

齋藤:これもいろいろチャットが動いていますね。

:おお。

齋藤:これもポジウィル公式YouTubeで「持ち味とか強みの見つけ方」の動画もアップしているので、ぜひ見ていただきたいと思うのと、小林さんがチャットで「人の特徴って相対的なので、人に話さなきゃ見えてこない」というは真理だなと思います(笑)。

(一同笑)

:そうですね。

小林将也氏(以下、小林):めちゃめちゃそう思いますね。地球上に自分しかいなかった時に、自分の特徴ってないじゃないですか。そう考えると、例えば僕と寺口さんを比べると、僕はもっとこうだなとか、寺口さんはこうだなってなるんです。人の特徴は絶対に相対性を持っているので、どんどん人に話すと解像度が上がるし、楽になるし、最高なんじゃないかなと聞いてて思います。

寺口浩大氏(以下、寺口):そうですよね。ムズいですね。(バーンアウトしてしまった)当時の僕はどうやって考えていたのかなと考えていたんですけど、そもそも人に相談するのにもエネルギーがいるという……。

小林:確かに。

寺口:めっちゃあるなと思っていて。それを人に相談するまでのエネルギーをちょっと回復できるとすごくいいなって思います。「もしかしたら否定されるかもしれない」「ちょっと考えないといけない」「予定を入れるのもだるい」とか、僕その域までいっていたので。

小林:めっちゃわかります。

寺口:どうしたらいいんだろうな。小林さんどうぞ。

解決策の提示ではなく「まずは共感してほしかった」

小林:僕もそのバーンアウトしかけた時に、1人相談した方がいるんですよ。10個、20個くらい歳上の一緒に仕事している方に相談した時に、ずっと解決策を提示してくれていたんです。それはそれでありがたかったんですけど、僕はそれを話していて、「まずは共感してほしかったな」と思ったんです。疲弊している時に解決策ばかり提示されると、僕はすごく疲弊感を感じたんですよね。

その時に何が僕を助けてくれたかというと、僕はリラックスする手段を持っていて。先日のYouTubeライブでもお話ししたんですけど、ヨガを始めたんですよ。

(一同笑)

:ヨガ。

小林:僕はバーンアウトに対する「ヨガ最強説」をちょっと唱えたいです。今振り返ると、ヨガが一番自分を回復させてくれたことだったなと思っていて。そういう自分をリラックスしてくれる手段が「再現性のあるもの」であると、めちゃめちゃ最高だなと思いますね。

齋藤:確かに。

寺口:そうですよね。僕もポジウィルの方との打ち合わせの時に、毎回気持ちよくしゃべっている自分に気付くんですけど。

(一同笑)

:ありがとうございます。

寺口:「自分、もしかしておもしろいことでも言っているのかな」みたいな。

(一同笑)

寺口:それはすごく思うんですよ。それってちゃんとカウンセリングの「聴き方」のようなものがあったりするんですか? どうやって「カウンセリング」というものを確立しているのか、今日じゃなくてもいいけど、すごく知りたいなと思いますね。

:話したいですよ。めちゃめちゃ。

寺口:今日はちょっと時間的に話せないかもしれないですね。でも、聞きたいなと思いました。僕もたまに「それってさ」って解決策を言っちゃうんです。言っちゃわないようにしたいなと思いましたね。

若い世代が上司や親に相談しづらいワケ

寺口:(チャット欄読み上げ)「利害関係がある人に相談するのはハードル高い」。そうですよね。

小林:めちゃめちゃハードル高いですよね。

寺口:わかります。僕も昔いた会社で上司に希望部署を聞かれて、本心の希望部署を書いたら「なにこれ?」と言われて、変えさせられた思い出があるので。

岡・齋藤:えー!

寺口:「希望部署を言うの恐怖症」ですね。「いや、目の前のことがんばります」って。

(一同笑)

:上司に相談するとなると、上司はその職場で活躍する年代になっちゃって、けっこうバイアスがかかっちゃったりするんです。だから「辞めたいと言えない」というご相談はけっこう多いですね。

上司に相談をしたんだけど、別にその解を求めているわけではない。「フラットな相談がしたいんだ」というご要望がけっこう多いんだなと、コメントを読みながら思いました。

寺口:そうですよね。ちょうど20代30代というと、親御さんは5~60、70代だと思うので、親のアドバイスって転職に関しては見当外れなこと言ってくるよなと思いましたね。

これは前のイベントでも言ったかもしれないけど、だから僕は会社と親には黙って転職しました。親は大好きです。でも、キャリアについては、愛が逆風になるというのが、すごくしんどいなって。親のことを嫌いになりたくないのに「無理解じゃん」ってなるのがつらいなと思いました。

齋藤:確かに。第三者に相談したいけど、誰に相談すればいいのかという悩みはめっちゃあると思います。

:「上司にキャリア相談はしにくい」とか、「会社に合うように誘導されていると感じることが多い」とか多そうですね。

齋藤:多いです。

小林:めちゃめちゃわかりますね。

「仕事の話が合う友だち」を作り直さないときつい

寺口:友だちにこないだ聞いたのは、その人が友人にに仕事の相談したら、「せっかく休みなのに仕事の話なんて止めようよと言われちゃった」っていう。「忘れようよ」って。

その友だちはたぶん励ますために言ったと思うんですけど、忘れたいわけじゃない。その時は忘れたとしても、仕事の不安や悩みは日曜日の昼くらいからまた出てくるので、友だちも「仕事の話が合う友だち」を作り直さないとけっこうきついんだなと、実体験からも感じました。

:あと相談者で多いのは、「近すぎてアドバイスできない」とか。

齋藤:うんうん。

:友だちで全部わかっているからこそ、ちょっとどこまで言っていいんだろうとなることがけっこうあるという話聞きますね。

齋藤:確かに。耳の痛いことは言えないし(笑)。

:厳しいことを言わなくちゃいけない時に、「でも友だちだしな」とか思いとどまってしまうということをよく聞きます。

齋藤:そのへんよく考えてみて、「わかんないな」とか「相談したいな」と思ったら、このあとぜひ岡との1on1も検討していただければと思います。

:ぜひぜひ。お話ししましょう。

ワンキャリアプラスが目指す「キャリアの地図」

齋藤:ということで、このあとYouTubeで動画もアーカイブ残すと思うので、ぜひみなさんワークをやってみてください。本日のコンテンツは、奇跡的に時間内に終わりそうです(笑)。

:ええ、すごい。

齋藤:Q&Aやっていると終わらなくなるので、最後にお知らせだけやって、いったん中締めしたあと、おなじみの放課後タイムを。はじめに寺口さんからでいいですか? 

寺口:はい。僕はそうですね……聞こえていますか?

小林:急によそよそしくなっていません?

(一同笑)

:声のトーンが変わったんで。

寺口:いやいや(笑)。すいませんでした。チャットでめっちゃガチの相談が来たので。

:あとで回答します。

寺口:そうですね、放課後タイムで回答しますね。これはさっき言った(「ワンキャリアプラス」という)やつです。

まだベータ版なんですけど、「キャリアの地図」を作りたいなと思っています。「どこへ行く?」とか「何をする?」とか考えた時に、Googleマップが行き先を入れたらちゃんと道筋や選択肢を出してくれるように、仕事こそそういうGoogleマップのようなものを作りたいなと思ってて。

今はまだそうなってないんですけど、6月にこれを出してから、むしろ働く人たちの声を聞きながら一緒に作っていきたいなと思っているので、さっきの「自分と似たような体験をしている人にOB・OG訪問するボタンがほしい」とか、あとは「この人の体験談のおかげで踏み切れてめっちゃ参考になったから、ありがとうのボタンを付けてほしい」とか。たくさんの声をもらっているので、対話しながらユーザーと一緒に育てていきたい。

:ああー! いいですね。

寺口:そうなんですよ。ユーザーの人から「こういう機能とかあったらいいと思いました」ってめっちゃフィードバックをもらえるんですね。見ていただくと、ある程度は使えるなとなると思うんですよ。僕としては「こういうの欲しいです」という声がめっちゃ欲しいなと思っているので、僕のTwitterにでも連絡してください。

いろんな連絡もらえるんですけど、本当に使ってみたユーザーの方の声が、何より宝というかほしいものなので、いったん中身を見ていただいて、声を聞かせてもらえれるとすごくうれしいなと思っています。働く人たちのリアルなニーズに合ったものをマジで作りたいので、本音の声をいただけるとすごいうれしいです。

ワンキャリアプラスのサービスについてだったら何でもDMで教えてください。よろしくお願いします。

キャリアを「人軸」「職種軸」で捉える

寺口:次のページは「イベントも始めました」ということですね。「人が主役のキャリアイベント」ということで、ワンキャリアプラス初のイベントです。企業の説明会というよりは、例えばこれ(スライド)だったら、SaaSの業界で法人営業ってけっこう新しい世界だけど、「実際どんなことするの?」「どんな経験が役に立つの?」とか。そういう「人」が主役のイベントをやりたいなって思ってて。

:おもしろい。

寺口:企業が主役から人が主役に変わるところが画期的だなと思っています。第1弾を初めてやってみるんですけど、もしセールス職をこれからやっていく人とか、SaaS業界に興味ある人とかがいたら、見ていただけるとうれしいです。

齋藤:おもしろそう。

寺口:これ、おもしろいと思います。

齋藤:ありがとうございます。小林さん、お願いします。

小林:僕はJobPicksというプロダクトをやっているんですけど、JobPicksは「職業軸のキャリア図鑑」を作っています。ワンキャリアさんが人軸で作っているならば、僕らはそれを仕事軸で作っているんですね。

なんでこういうことをやっているかというと、今、日本でキャリアのことを考えると、今まではずっと会社軸で考えていたと思うんです。でもジョブ型採用とかジョブ型雇用が始まったことによって、そこにもう1個、違う「職種」という軸ができたかなと思っていて。

「会社×職種」でキャリアを考えることになる時に、今はこの職種で考えられるようなメディアとか、職種の情報をまとめて見られるようなメディアがまだまだ日本にはないなと思って、JobPicksから提供したいなと思いやっています。

Jobpicksが目指す「ロールモデルとの出会い」の民主化

小林:そしてワンキャリアさんにはめちゃめちゃ共感していただけると思うんですけど、キャリアを考える時に、「ロールモデルに会うこと」って超大事じゃないですか。

:うんうん。

小林:ただ、今まではロールモデルに会うのって、わりと運の要素が強くなかったですか? そこを民主化したいなと思ってて。

いろんな人のいろんな体験談やキャリアがあると、例えばデジタルマーケターの人の経験談がいっぱい載っているとか、経営コンサルタントの人の経験談がいっぱい載っているような状態を作ると、「あ、この人もこういうキャリアを辿って、こういう職種の中でこういう経験しているんだ」とロールモデルを見つけやすくなります。なので、そういう経験談がたくさん載っているメディアを目指しています。

かつ、NewsPicksの編集部が作っているオリジナル記事を週3~4本くらい配信しています。これも全部無料で見られるようにしているので、ぜひぜひ見てみてください。よろしくお願いします。

1人で考えてもわからない時はカウンセリングへ

齋藤:ありがとうございます。すいません、少しお時間を過ぎていますが、あと1~2分お付き合いください。ポジウィルからです。今回のイベントにご参加いただいた方限定で、今日登壇している岡との1on1のカウンセリングをご案内したいと思っています。

「1人で考えてもわかんないな」とか、「第三者に話したい」というところがあったと思うので、希望される方はこの後のアンケートで「岡との1on1希望する」にチェックを入れて送ってほしいなと思っています。

:ワンキャリアさんとかJobPicksさんとかは、確かな情報提供をするという観点かなと思っています。情報もすごくありがたいと思ってはいるんですが、1人で考えることが難しいとか、なんでモヤモヤしているんだっけとかあると思うんです。

このタイミングであらためて「どういうキャリア選択や生き方していきたいのか」ということを、客観的に整理したいということであればぜひカウンセリングに来てもらえたらなと思ってます。

齋藤:お待ちしています。あと今日の中で「YouTubeにあります」という話を何回かしたんですけど、YouTubeライブを絶賛配信しています。「#キャリア相談live」と題して、仕事終わりの方でもご参加いただけるように平日遅めの時間にやっています。「岡チャンネル【キャリア相談室】」にぜひ登録して、配信をお待ちください。

次回は11月3日22時と、ちょっと遅い時間から配信したいなと思っています。ラジオ感覚でけっこうおもしろいかなと思うので、ぜひ興味ある方はお願いします。 

最後に、これからもこのイベントをやっていきたいなと思っているので、みなさんの声を聞かせてください。配信時にツイートのお話をしたと思うんですけど、ぜひ「#バーンアウトを考える」というハッシュタグで、Twitterで今日の感想だったりとか、学んだこととかどんどん書いてほしいなと思います。

今日はいつにも増してたくさんの共感が生まれたイベントだったと思います。ぜひツイートいただければうれしいです。最後かけ足になってしまいましたが、約1時間、ご参加いただきありがとうございました。 

(一同拍手)

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