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「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -しなやかマインドセットを身につける-(全5記事)

「人前で話すのが嫌いだから…」 苦手の克服を阻む“負の自己達成予言”とは

大人の学びに役立つ知識が無料で学べる生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」。働き方やテクノロジー、ITスキルといった、最先端のノウハウが身につくオンライン授業を数多く配信しています。そんな「Schoo」で放送されている人気授業の書き起こし企画の第3回は、日本ポジティブ心理学協会認定レジリエンス・トレーナーの菅原聖也氏が登場。本パートでは、人前で話すのが心底苦手だったと語る菅原氏の実体験に基づいた、苦手の克服法を紹介します。

人前で話すのが本当に苦手だった

太田温子氏(以下、太田):では第3セクションに移ります。最後のセクションは簡単なエクササイズをご用意しておりますので、受講生のみなさんもエクササイズに参加しながら学んでいきましょう。それでは菅原先生お願いします。

菅原聖也氏(以下、菅原):まずエクササイズに入る前に、1つ紹介したい内容があります。負の自己達成予言というものです。これは私を例にしているものです。例で見たほうが早いのでしゃべっちゃいますね。

話すのが苦手と思っている。今はだいぶ話せるようになりましたけど、まだ苦手意識がありまして。3年前くらいに私がコーチングのトレーナーのトレーニングをしていたときとかは、人前で立ってしゃべると震えがきたりとか、声が小さくなったり、本当に話すのが苦手でした。

太田:想像できないですね。

菅原:座ってるというのもあります(笑)。

太田:そうなんですか。立ってしまうと(笑)。

菅原:震えがくることもやっぱりあります。話すのが苦手だと思っていると、人前で話すのを避ける。

太田:逃げたくなりますよね。

菅原:そうですね。逃げたくなって話す場になるべく行かないように、自分から話しかけるのを避けたりします。そうすると周りの人も「あの人は話すのが好きではないんだな」と思って、結果的に話しかけない。そうすると話す機会が減る。話す機会が減るものだから、さらに苦手意識を持つ。

自己達成予言といって自分が苦手だと思っていることを言うことによって、実際に苦手になっていくというスパイラルになっています。あえて「負の」と付けたのは、これいい方向に向かうこともあると思うので、あえてマイナスという意味で私が「負の」と表現しました。こういう部分って多くの人にあるのかなと。苦手だなと思っているけど、そもそもやってないよねというものってけっこうあるのかなと思ってます。

負の自己達成予言のループを断ち切ること

菅原:ここでしなやかマインドセットを持っているとどうなるかというと、話すのが苦手だと思っているけれども、成長できると思って話す努力をする。うまく話せなくても話そうとする。そうすると周りの人は「あの人は話したいんだな」と。確かに話はうまくないかもしれないけど一生懸命話そうとしているので、じゃあ話しかけようと思う。

結果として話す機会が増える。そうすると話す場が増えてくるので、苦手だと思っているけどもそれが変わっていくかなと。しなやかマインドセットを持っていると、さっきの負の自己達成予言のループを断ち切ることができるかなというところをまずお伝えしたかったです。

太田:コメントもいただいております。さきほどのこちらの図は「負のスパイラル」と。ちょっと怖いですもんね。「負の引き寄せあるあるですね」と。

菅原:なるほど(笑)。

太田:達成できない理由がちょっとここに見えてきますね。

菅原:多くの人は苦手意識を持っていることって、一生懸命やったけどやっぱり苦手だなというのもあるかもしれないですけれども、実はあんまりやってないよねというものもあったりするのかなと思いますね。

こういうのも踏まえてしなやかマインドセットというのを意識していただき、しなやかマインドセットをもっていると苦手なものもチャレンジできるんだよというのを意識していただいたうえで、こちらのエクササイズに入っていただきたいと思います。

何もかも思い通りになった将来をまず描いてみよう

菅原:最高の自分像を描く。3年後の人生にどんなことを期待するか考えてみてください。なにもかも望みどおりになった将来の自分を思い描きましょう。あなたはベストを尽くし、懸命に努力して、目標をすべて達成したのです。さあ、今想像したことを書き出してみてください。ぜひみなさんの3年後の最高の自分というものをコメント欄で投稿していただきたいなと思います。

太田:こちらもコメント欄からの投稿をお願いします。3年後の自分を思い描いて、なにもかも達成しているときの自分はどうなっているかコメント欄からお願いします。これは具体的に書いたほうがいいんですか? 

菅原:そうですね。具体的に描くことによってよりイメージが湧いてきます。日本人って最高の自分を描くのがけっこう苦手だと思うんですね。

太田:ちょっと恥ずかしかったりしますよね。

菅原:うまくできないことに目がいきがちです。でもしなやかマインドセットを学んでいただいたみなさんであれば、ぜひしなやかに、努力すれば大きく伸びるんだという想いを持った状態でこれを書いていただくと最高の自分が描けるのではないかなと。

太田:ここは誰に見られていても、まずはすべて達成できたとして、そのときの自分を思い描いてください。そして記入をお願いします。

菅原:なにか情熱を持って取り組んでいるものがある人は、そういうのを書いていただければいいですし。とくにそういうものがない方は、やっぱりお仕事がいろいろと時間をかけて取り組んでいることだと思いますので、お仕事をイメージしていただくのがわかりやすいかなと思います。

太田:夢や目標を達成したとかそういうのでもいいんですかね。

菅原:目標とか夢がある方は、達成した状態を書いていただければいいかなと思います。

挑戦していくことが成長につながる

太田:みなさんからコメントをさっそくいただきました。ありがとうございます。前田さんが、今は「料理が苦手」。「やってみる。褒められる。料理教室でもっと腕をのばす」と。近藤さん「落ち着いて行動し自信を持って知識や技術をいろんな人に提供している自分」。発信しているというところですね。

菅原:すばらしいですね。

太田:あ、具体的にいただきました。井野元さん「父が特養に入所して、私は結婚して正社員で働いている」と。

菅原:今日の短い時間なので、完璧な最高の自分というのは描けないかもしれないですけど、この時間ではとくに思いついたものをぜひコメントいただければと思います。みなさんと共有することによって、ほかの人のヒントにもなると思います。どんどん投稿していただきたいなと思います。

太田:共有していってほしいですね。中村さん「何事にも挑戦して、失敗しながらも成長し続ける自分ですかね」。

菅原:すばらしいですね。やはり挑戦していくことが成長につながるので、ぜひ続けていただきたいと思います。

太田:澤田さん「それなりに稼げる職場で生き生きと働いていて、副業がうまく回っている自分」。副業のことも。先生と同じでパラレル。

菅原:私もパラレルなので一緒ですね。

太田:田中さん「自分が会議とか打ち合わせに出てなくても、オッケーって言うだけですべてが回る状態(笑)」。

菅原:チームの作り方ですかね。チームを作るのってすごく難しいですけど、そういう状態にご自身で努力して持っていけたら会社としてすばらしい状態だと思いますね。

太田:そうですね。成長、育成にもなってますもんね。Izumiさん「国内と海外を旅しまくって、旅先でいろんなものを伝える。そのころはまだ茨城にいるかもしれませんね。茨城に植えたい種が1つできましたので」と。

菅原:おぉ、植えたい種って。

太田:3年後が気になりますね!

菅原:気になりますね。

太田:ありがとうございます。確かに国分さんが言っている「ワクワクし続ける」って、こういうのを考えてるとワクワクしますもんね。ありがとうございます。では先ほどのエクササイズについて。先生。

菅原氏の考える“ありたい姿”とは?

菅原:次のスライドです。

こちらは実は私が実際に描いたものです。あえて無加工と書きました。加工せずに持ってきました。まだコーチングとかポジティブ心理学を学ぶ前の話です。私は自己紹介したときにも話しましたように農業を目指していて、事情があって東京に戻ってくることになりました。このときは東京に戻る前ですね。今後どうやって自分が生きていこうかと思って3年計画というものを描きました。

まだシステムエンジニアに戻るとも決めかねていたので、?(はてな)となってます。このときに描いたのが、3年後に半農半◯と書いてあります。半農半Xというライフスタイルが実はあって、半分別の仕事をしながら農業に関わるというものです。そういった農業の関わりかたがあって、そういうかたちになれないかなというのをこのとき考えていました。この◯のところ、なにか作りたいと。

SEっていろんなSEがいて、私はどちらかというと現場にいないと仕事ができないスタイルのSEです。リモートでやるというのはちょっと難しかったんですね。なのでなにか◯を作りたいと思って、先ほど言ったようにまずコーチングを学んでそれのプロになって、それで2地域居住みたいなかたちにできないかなと思いました。コーチングを学ぶという行動をして、プロコーチになるという行動をしました。

今は半農半Xというのが私の目標ではなくて、今はポジティブ心理学とかレジリエンスとかをみなさんにお伝えしていって、いろんな人の人生の役に立ちたいなというのが今私が描いているものなのでここは変わりました。

未来を描くことで、自分の進むべき道が明確になる

菅原:こうやって何年後とか描くことによって、自分の進む道、力を入れたい道というのが見えてきます。最高の自分を描くことによって行動力が増すというので、描いて行動するというのにすごく役立つんですね。

今回はワークの限られた時間の中でみなさんに最高の自分像というのを考えていただきましたけれども、ぜひホームエクササイズとして最高の自分というのを描いてご自身の行動につなげていっていただきたいなと思います。

最高の自分像って3年後を思い描いたものって変わってもいいと思うんですね。描いたあとに行動してみたらもっと自分のやりたいことって見えてくるかもしれない。そこにこだわる必要はないんですけど、まず描いてみる。そして行動に移すというのがすごく大事になってきます。

太田:なるほど。先生自身も描いてみて実際に行動して学んでいったりして、今のかたちがあるわけですもんね。

菅原:そうですね。3年後がだいぶ変わってきます。やはり描いたことによって第一歩を踏んで行動したということにつながりました。私自身も描くことの大切さというのをすごく感じています。

太田:もう1度みなさんのコメントを見ていきましょう。目標を描くことの大切さですもんね。実現させる、実現できるとか。

松橋さん「職場が変わるから、3年後は今思い描いている夢を叶えられたらいいな」と。夢を叶えるためにも、やはり目標を思い描いて行動させるというところなんですね。「今の仕事以外でも人と接する場を作り、それなりに活躍していたい」。

菅原:すばらしいですね。

太田:村松さん「好きなことで稼げるようになり、時間的にも経済的にも空間的にも健康的に」。ありがとうございます。

菅原:ありがとうございます。

太田:八木さんが「自分のためより人の人のためを思うと、レジリエンス高まりますよ」と。

菅原:なるほど。やはり人に貢献するということは自分のモチベーションになりますし、また人の役に立とうというところで力強さも出てきますので、なるほどという気がします。

太田:ありがとうございます。コメントをたくさんいただきました。ポジティブな気持ちになりましたね。ではここからまとめに入ります。

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