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五輪ロゴから土下座、安倍談話まで8月のNEWS×20解説(全4記事)

日本も他人事じゃない 過激派による殺害事件を解説

DJ、ラジオパーソナリティー、ジャーナリストとして活躍をするハーバード大卒の異才、モーリー・ロバートソンによるニコニコ生放送。2015年8月25日(火)に放送された今回のニコ生では、国内外における8月のニュースを一挙20個ご紹介します! このパートでは、まずイスラエルのゲイパレードで16歳の少女がユダヤ教徒の男によって殺害された事件をピックアップ。この事件から、宗教の原理主義の不寛容性が世界中に広がりつつあることを指摘します。2つ目のテーマはバングラディッシュで今年4人目の犠牲者となったイスラム批判ブロガーに絡めて、海外では言論の自由は命がけであることを話し、日本で言論の自由が当たり前のように与えられていることについても呼びかけます。

8月の国内外のニュースを20個ピックアップ!

モーリー・ロバートソン氏:こんばんはー! モーリー・ロバートソンです! 皆さん、お元気でしたか? 最近の僕は、元首相とテレビで対談をしたり、あるいはエステに行ったり、いろんな幅広い活動をしております。

最近はモジュラーシンセのライブもやりました。近々またモジュラーシンセのライブもあったり、明後日はblock.fm、NHKの収録。金曜日は楽器に関するイベントで司会もやります。

とにかく、スケジュールがてんこ盛りの状況で、睡眠をちゃんと取れるか心配ですけれども、がんばろうと思います!

このチャンネルは、月に2回、生放送を行っております。日本のテレビ・新聞ではあまり語られないテーマをタブー無しで、皆様に提供している番組です。そのうち、ニコ生のこういったタブーの無い部分が、既存の媒体を飲み込んでしまうのではないかと思っております。

早速なんですけれども、本日のテーマを発表しましょう。本日のテーマは「五輪ロゴから安倍談話まで8月のニュース解説」になります。今月話題となった国内外の様々なニュースの中から、20個ネタをピックアップします。

20個です! それを全て私が解説しようと思うんですけれども、20個やった場合ですね、1ネタ当たり5分として20を掛けると、100分に単純計算でなってしまうのね。果たして、今日中に全て解説できるのかわからないんですけれども、とにかく挑んでみようと思います!

皆さんからもいろんなコメントを最初からいただいております。「徹夜ですね」とかいって。そうですね。もしこれをちゃんと一つひとつ真心込めてやっちゃったら、徹夜になるけれども、軽快に今日は進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

それでは早速、1個目にいってしまいましょう。こんな感じだ。

イスラエルのゲイパレードで16歳の少女が殺害される

1個目なんですけれども、8月3日の月曜日。イスラエルのエルサレムで、ユダヤ教徒の男が性的少数者らのイベント、ゲイプライドパレードの参加者らを刃物で刺した7月30日の事件で、警察とエルサレム保健当局者らは2日、負傷した6人のうち16歳の少女1人が死亡、と明らかにしました。

ネタニヤフ首相は2日の声明で少女の遺族に弔意を伝え、「彼女はすべての人が誇りを持って安全に生きるべきだという主義を勇敢に支持したために殺害された」と指摘。「卑劣な殺人者」の裁きに全力を尽くすと声明しました。

事件の直後に逮捕されたイシャイ・シュリセル容疑者は2005年にも同様の催しで参加者らを刺し、10年の刑期を経て出所したばかりだったんですね。

今回の事件の異常性というのが、犯人の執念というのが感じられるんですけれども、10年間も服役をして、出てきてすぐまたゲイパレードに刺しに行ったっていうのが、ちょっと常軌を逸しているように思います。

そして更にですね、同性愛に批判的なユダヤ教の超正統派、ウルトラオーソドックスの男だったという点も、ちょっと際立っておりますね。

ここで出てくることなんですけれども、まずその宗教というものが、原理主義にいって、原理主義になればなるほど、不寛容になるという1つの傾向が見られます。

「どうでもいいわ」って書いてる人がいる! あのね、今「どうでもいいわ」って書いた人に言いたいんだけど、そのうち自分に不寛容が向けられたときに、同じことを言って後悔することになると思うよ(笑)。

なので、一発目なんですけれども、これは大事なニューストピックなので、皆さん是非、話を聞いて下さい。

原理主義の不寛容性について

今、宗教の原理主義とか、原理主義の不寛容性というものが問題になりつつあって、全世界に広がっているんですけれども、言わばその様々なですね、この前、佐々木さんが出演されたときも話に出ていたんですが、これまで、その国だとかその民族、あるいはその前の時代だったら、近代以前だと、自分の身分のような、アイデンティティーや村とか、その社会の単位があったんですね。

あるいは家族という単位。これがどんどん発展する資本主義社会の中で、先進国でも途上国でも違うスピードで解体されていった過程があると思うんです。

これが20世紀は、そうだね、20世紀のあいだに、相当に解体していったのかもしれないけれど、21世紀になると、ますます国境を越えるし、新たなアイデンティティーを超えるようになった。

つまり簡単に言うと、それまで帰属できたいろんな場所。例えばそうだね、フランスで生まれたんだけれども、モロッコ人やアルジェリア人の家庭で、2代目3代目だと。

そうすると、フランスなどは、実は非白人に対する職業差別がとても強かったりするんですね。スラムで育った人っていうのは、ティーン・エイジャーになったり20歳になっても、そこから出ることさえもできない、経済的に。

あるいはフランスの1つの構造的な差別なんですが、パリに鉄道が本来だったらつながるわけですよね。ところが本当にいろんな世界中からの移民、主に南半球からの移民の人たちがいっぱい住んでいる公営住宅が並んでいるスラムがあるんですけれども、この大型スラムの近くにね、地元の自治体が駅を作ることを拒んだんです。

つまり、鉄道に乗ってはいけない。なぜかっていうと、そのすぐ隣に、お金持ちの地域があるんですよ。そこが嫌がったからだったっていう話なんですね。

だからそういうふうに、本来だったら国家が平等に、移民であろうが移民でなかろうが、チャンスを与えて、その中の優秀な人たちが、どんどん業績を成していって、社会の富が満遍なく、チャンスが与えられているっていうのが、20世紀の1つの戦後の夢だったと思うんですね。

日本にも金持ちの発言が有利になる社会が到来する

ところが何が起きているかっていうと、金持ちの発言が圧倒的に有利になりつつあるわけですよ。このトレンドは日本にも必ず来ると思います。

今の日本で、例えば日本海側あるいは山の奥にあるエリアに、これから来るであろうニューカマーの移民が、そこにごっそり住むようになり、そこからなかなか鉄道の駅、線を引くと、みんなが仕事を求めてぶらぶら出て来るから嫌だと。だからバスしか通らないようにする、みたいにしたらだんだんくすぶってくるわけですよね。

言わば構造の中に絶望が組み込まれたような状況を想像してほしいんです。

そうすると、「フランスで生まれたのに結局頼れるのはイスラムだけだ」と思って、それで宗教心に目覚めて。イスラムの教えっていうのは、平和と努力と質素さだったりするので、その美学に基づいて、一生懸命がんばって耐え忍んで社会の中で上に上がっていくっていうのが、国家のあるべき姿というか予定調和なんですが、今は何が起きるかというと、国家を超えた原理主義組織が勧誘をするわけですね、絶望をした若い人たちに。

場合によっては、そこにヒップホップが入っていたりするとかっこよかったりする。そうすると、男女区別なく、例えばイスラム国に志願すると。そしてイスラム国の場合は、もちろんシリアに行って戦おうっていうのがあるんですけれども、自分の住んでいる国でテロを起こそうっていうのがあったりするんですよ。オーストラリアではこれが繰り返し起きています。

だから、今の日本では考えられないと思われるんですけれども、案外もし日本の中に、貧しかったり、あるいは移民であったり、いろんな理由で阻害されて隔離されてしまった、経済的に隔離されてしまったコミュニティーが生まれた場合、かつてだったらチンピラになったり、ヤクザになったりとか、いろいろ裏稼業みたいなのがあったんですけれども、そういうのは結局今の世の中成り立たないと。

格差によって見放されるグループが出てくる

フランスの場合は、結局すぐ近くにいる別のお金持ちの町が圧倒的な発言権を持つんですね。つまり、その国の国家の福祉っていう、倫理的な概念よりも、お金持ちの発言権のほうが、超国家的に大きい。資本のほうが大きい。

すると持たざる者というのは、超国家的に戦うことになっちゃうわけで。

だからテロが起きないにしても、そういう格差がどんどん激しくなって、雰囲気が劣化していく。悪化して、「対応は問答無用だ」というふうに絶望し、見放されるグループみたいなのが出て来る。そういう背景としてみると、これはおもしろいと思います。

イスラエルの原理主義についてだけいうと、この原理主義者たちっていうのは、貧しい人ではなく、ウルトラオーソドックスはたしか、お金を持っている人たちだったと思うんですが。

ただ、イスラエルが建国以来、ずーっと周りの国と戦争をしたり、絶えず脅迫観念的に無くなってしまうかもしれないっていうのに苛まれているので、この政治環境の中で、とっても強く押し出されてしまう。

では、もう5分過ぎてしまったので、次に行きます。2個目!

相次ぐバングラディッシュでのイスラム批判ブロガー殺害

これも宗教原理主義に関係してきます。8月7日のニュースです。バングラデシュでまたイスラム批判ブロガー殺害、今年4人目。CNNの記事です。

バングラデシュ当局によると、首都ダッカ7日、イスラム教に批判的な投稿をしていたブロガーの男性が刃物を持った集団に自宅で襲われ、殺害された。同国ではブロガーを標的にする同様の事件が相次いでおり、今年に入り少なくとも4人目の死者になりました。

事件などによると、死亡したのは20代後半の男性、ニロイ・チャクラバルティ氏。7日午後、自宅アパートに5〜6人の男が集団で押し入りニロイ氏を殺害したそうです。

ニロイ氏は、同国で3人のブロガーが最近、相次いで殺害されたことを批判する文章を掲載したほか、普段から女性やマイノリティーの権利、ヒンドゥー教徒に対する抑圧などについて投稿。2月に殺害された著名ブロガー、アビジット・ロイ氏が設立したブログサイト、自由思想家にも寄稿していました。

国際テロ組織アルカイダ系のアンサール・イスラムが地元メディアにメールで犯行声明を送付。「アラーの許しのもと今日、作戦を実行した。アラーとその使徒の最悪の敵であるこれらの人物に対する戦いを宣言する」と述べたということなんですね。

海外では言論の自由は命がけ

これもやっぱり背景がねじれているんですが、とにかく日本の国外では、言論の自由というのは命がけです。アメリカでもそうです。なので言論の自由というのが、当たり前で与えられているっていうのも、日本もそろそろじゃないかなぁ……。そろそろ来ますよ。

だから僕、前にニコ生で解説したことがあるんですけど、以前、雑誌、漫画の原作で、日本の政治団体がコーラン(イスラム教の聖典)を燃やすってエピソード、筋書きを書いたよね。人質事件の前だったんですけれども。

結局、日本の政治団体が人質にされて、ウイグル自治区を、顔に黒い布を被せられて、トラックで移動して、トルコまで連れて行かれてシリアで首を刎ねられるっていう、そういうエピソードを書いたんですけれども、過激すぎるからか採用されるには至りませんでした。

だけどね、そういうことってありうるんですよ。自分たちが何を言ってもいい、日本の国内だから、タダで日本は警察が守ってくれる法治国家だって思っていると、そこは甘っちょろいと思うんですね。

直ちにこれをやると、世界のどっかから殺害宣告をされるっていう行為があるんですね。一番考えられるのが、預言者ムハンマドの冒涜的な漫画を描いて、それでセルフィーを撮ったりとか。

あるいは、もっと過激なのは、コーランを毀損するような、そういう行為をやった場合、国内でも暴動がすぐに起きる、国内にいるイスラム教徒のあいだから。それだけじゃなくって、どっかからファトワー(イスラム法学者が出す見解・勧告)が発令されます。

本当に言論の自由っていうのは、やっぱり命がけで、それぞれの人がすれすれで守ってなきゃいけないっていうことを考えたほうがいいと思います。

そしてこれをじゃあ、イスラムだけの問題なのか、悪いのはイスラムなのかって考えるのは、僕は短絡してると思うんですよ。冒頭に紹介した、殺害した人っていうのはイスラムと対抗しているユダヤ教徒なんですね。正統派のユダヤ教徒。

別にクリスチャンであっても、ユダヤ教徒であっても、あるいは仏教徒であっても、喧嘩を売ったなっていうと、やって来るっていうのはあると思うんですよね。今のところ、まだ事件が表面的に起きていないだけで、そのうち宗教とかそういうことではなく、世界の誰かの虫の居所が悪いときに、その人の気に障ったからその人が遠隔で、何か攻撃を仕掛けてくるっていうのも、遠くはないと思います。

20年前、ストーカー被害に合った!

私が身の危険を感じたことがあるかなんですけれども。そうですね、もう20年前からあります。まだパソコン通信が文字通信だった頃に、ラジオを聞いていたストーカーの人と、怖いもの見たさで面会したんですよ。友達になろうとしたのが、運の尽き! その先は語りたくない!

当時のNTTは、電話番号、2個目を作らせてくれません。固定電話にずっと迷惑電話を受けていて、100回200回なので、「電話番号変えたいんです」って言っても、「やーそれはご当事者様で解決していただくしかありません」みたいになっちゃって、結局逃げ場として、2つ目の番号を同じ回線で引く。そして、カチッて固定電話を押すと、そっちに切り替わるっていうのがあったんですよ。だからそういうトリックを使って、その人から電話がかかってくると、カチッて押すということで逃げ回りました。

でも、ずっと自分の住所を知っていたんで、電話相手。一回、炭疽菌みたいなのも送られてきたの。開けると、ザーッて白いのが出て来て。それでその当時のマネージャーに、「本当にこれヤバいと思うんですけれども、どう思いますか?」って言ったら、当時はストーキングとかテロとか全然なかったわけ。概念が無いから、マネージャーがその白いのペロッと舐めて、「これ砂糖ですよ」とか言って。「やべー!」みたいな。

男です。要はね、同年代で、パソコン通信の中で、すごい少なかったんですよ、人数が。みんなとても強いアイデンティティーを持っていて、その10人しかいない掲示板の中で、ほとんど家族のように毎日付き合うっていうのがあったり、よくオフ会やっていたの。

僕もオフ会に出ていたの。だから、顔見知りになる確率はとても高かったんですよ。だからそれを逆探知で、そういうちょっと異様な行為に使うっていうのの走りでしたね。

まだこれは93、4年頃だったので、すごい早かった。それから4年後に、あやしいわーるどっていう、ダークな掲示板。2ちゃんねるの元になった、あやしいわーるどが出たのは、そのあとなんですよ。

これが2ちゃんねるの元! 『あやしいわーるど』

あやしいわーるどは、たしか、地下鉄サリン事件をマリオみたいなゲームにして、ダウンロードできるっていう場所だったんですよ。あやしいわーるどが、どんどん拡張していって、潰れて、そこから何世代か掲示板を経て、2ちゃんねるになったんです。あやしいわーるどはあめぞうとは違うと思うんだけれども、僕は技術的にはよくわからないんですけれども、フローティングスレッド、いわゆるスレっていうのは、あやしいわーるど以降に始まったのかな? とにかくそのずーっと前です。

その当時は、まだ「ハッカー」という言葉が出たばっかりだったので、「ソーシャルエンジニアリング(パスワードなどの機密情報を入手する)」っていうんですけれども、例えばストーキングをする手段として、自分の所属していた会社の電話番号の大代表が、当時セキュリティーがすごいザルだったんで、大代表の番号が4桁あるじゃないですか。そうすると、最初が0で。1から9まで、だんだん社長室になっていくんですよ。

それで結局、社長室とか専務室と秘書室にも全部電話して、「わかっとるんかー!?」みたいになって、「こっちは迷惑してるんだぞ!」みたいになって、騒ぎを起こすことに成功し、結局、騒ぎを引き起こしたという理由で、私は処分をされました。

ストーキングをされ、ストーキングをされた罪で罰せられるというですね。なんかそれってどっかの国で、女性が暴行を受けて、暴行を受けて不貞罪で罰せられるっていうのと、二重に、「なんで?」っていうのが。

まぁ謝りましたけどね、ネットを通じて、間接的だと思っていたのに危ない目にあったことがあります。

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