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7月28日ドラゴンクエスト新作発表会(全2記事)

堀井雄二氏「ドラクエ11が最後だと思って頑張る」鳥山明・すぎやまこういち氏との製作秘話を語る

2015年7月28日、都内で行われたドラゴンクエスト新作発表会に、ドラクエの生みの親として知られる、堀井雄二氏が登場。1986年の発売以来、多くのファンに親しまれ、社会現象を巻き起こしてきたドラクエシリーズの最新作「ドラゴンクエストXI過ぎ去りし時を求めて」の発売を発表しました。発表会の後半には歴代のドラゴンクエストシリーズでキャラクターデザインを手がける鳥山明氏からの手紙、音楽を担当するすぎやまこういち氏からのメッセージが紹介され、ドラゴンクエスト生誕30周年の節目となる記念すべき作品への思いが語られました。

鳥山明氏が描く、新しい主人公

椿姫彩菜氏(以下、椿姫):さあ、堀井さんと齋藤さんは詳しく掘り下げて伺っていきたいんですが、まず主人公のキャラクターから、デザインを手がけられたのはもちろん……。

堀井雄二氏(以下、堀井):鳥山明さんですね。

……こういう素敵なキャラクターで今回。

椿姫:カッコいいですね。

堀井:鳥山さんとあわせて、伊能さんとも綿密に打ち合わせをして……。

齋藤:伊能さんって誰なんだろ? って感じだと思うんですけど、すごい人です。鳥山さんとデザインをする流れですごく協力していただいたので。今日来てるとか、来てないとか聞いているんですけど。

椿姫:今日、鳥山明さんはご多忙のため、残念ながら出席いただくことはできなかったんですが、ただいま紹介されました、こちらの方にメッセージを託されています。現在Vジャンプで、鳥山明さんの担当編集をされています。集英社Vジャンプ編集部、編集長・伊能照夫さんです。どうぞご登壇ください。

伊能照夫氏(以下、伊能):みなさん、こんにちは。集英社の伊能です。いや〜、もう興奮ですよ、興奮!! 実は僕もドラゴンクエスト関連にもう20年くらい携わらせていただいてますけど、今日ほど興奮したのは初めてです。僕が興奮しててもしょうがないんですけど。

鳥山明先生からメッセージをいただいてきましたので、代読をさせていただきたいと思います。読み上げます。

「こんにちは、鳥山明です。ドラゴンクエストXI。PS4と3DSの両方で出すそうですね。ちょっと驚きました。ハイクオリティな画面で、大昔に書いたシンプルなモンスターも登場するっていうのは、なんだか違和感もあるのですが、今さら全部書き直すっていうのも大変すぎますので、そこはシュールなモンスターの意志ということで、そこは別の楽しみ方をしていただけますと助かります。

また、長く続けていると、キャラクターデザインのバリエーションもとっくになくなるわけで……ボツになりながら頑張って書いてみました。なにしろ30年ですからね、堀井さんも集大成っていうか、これで最後という覚悟で気合が入っているみたいなので、僕も根性を見せるしかありません。

若い連中に陰で、『やれやれ……』と言われないために、頑張るしかありません。もしすでに言われていたら、聞こえないふりをするしかありません。そういうわけで、老人たちと本当に若い優秀なスタッフたちの、渾身の見事な連携プレイにも注目です。

例によって、完成はまだまだ先でしょうが……(笑)、どんなゲームになるのか、とっても楽しみしています。みなさんもどうぞご期待ください by鳥山明」

伊能:ということでね、サインもあります。

椿姫:鳥山明さん、ありがとうございます。

齋藤:でも、本当にあれなんですよね? 実際に何度も直しを……。

堀井:はい、申し訳ないんだけど、何度もリテイクさせてもらって。

伊能:主人公の絵、ご覧になっていただいたと思うんですけど、すごいカッコいい、新しいドラクエにふさわしい主人公になったんじゃないかなと思います。これから先、新しいキャラクターも出てきますし、とりあえず来週、週刊少年ジャンプでインタビューのお答えいただいてますので、そちらもぜひご覧ください。というわけで、鳥山明先生からのメッセージを代読させていただきました。どうもありがとうございました。

すぎやまこういち氏による新オープニング曲を公開

椿姫:伊能編集長、お忙しい中どうもありがとうございました。さあ、気になるのはそこだけではございません。堀井さん、あ……(音楽が)流れてきましたけど、こちらは新しい序曲ですね。曲はもちろんあの方?

堀井:はい、すぎやまこういち先生ですね。

椿姫:なんとですね、今日、すぎやまこういち先生ご本人が駆けつけてくれました。ではご紹介させていただきます。ドラゴンクエストXIの音楽を手がけられた、すぎやまこういちさんです。どうぞご登壇ください。

すぎやまこういち氏(以下、すぎやま):どうもこんにちは。いまドラゴンクエストXIの序曲がかかっておりましたけれども、ドラゴンクエストXIの音楽を担当するにあたって、本当に気合が入っております。

ドラゴンクエストができてから、今年で29年目ですか? ですから来年ドラゴンクエストも30歳になるわけで、実は昨日京都で、ドラゴンクエストのオーケストラコンサートをやってまいりました。会場を見渡して聞いたところ、ドラゴンクエストより年が若いお客さまもいらっしゃいました。オーケストラのメンバーのなかにも、ドラゴンクエストより年下の人がいたり、ドラゴンクエストの歴史というものを肌で感じてきたという次第です。

ドラゴンクエストを担当するについては、ドラゴンクエストは、また新たなスタートをするということで、堀井先生から「こういう曲がほしい」という一覧をいただきました。その一覧表を見て、腰を抜かしました。もう村から、町から、戦闘から、新たに始まるということで、新曲でつくってほしいというリストがズラーッと……まあなんとか命があるうちは頑張って完成させたいと思うんですが、逆に言えば楽しみでもあるので、頑張ってつくりますので、期待していただきたいんですが。

とりあえずドラゴンクエストXIの序曲は、新たな気持ちでつくりまして、いま流れましたよね? ああいう感じでやりたいと思います。今日来る前にリストを見て、勘定してみたんですが、ドラゴンクエストに関して何曲書いたかな……300曲超えてますね。すでにいろんなパターンの曲ができているんですが、XIにあたってはまた新たな新曲をつくらなきゃいけないということで、とにかくご飯を食べている間でも(曲のことが)頭に引っかかっているんですね。

町の曲どうしようとか、いろんなことを……で、パッと浮かんだメロディーを数字で書いたりすることがあります。昔、ハーモニカ譜というのは数字で書いてありまして、「ドレミファソラシド」を「1.2.3.4.5.6.7」の数字で書いてました。

というわけで、ドラゴンクエストXIの音楽、これから全身全霊をかたむけてつくっていきたいと思いますので、期待していただきたいと思います。みなさんとともに、楽しみにしましょう。

任天堂NXでの発売も予定している

椿姫:どうもありがとうございました。ドラゴンクエストXIの音楽を手がけられました、すぎやまこういちさんでした。まだまだお話をうかがいたいんですが、残念ながら終了のお時間がやってきてしまいました。最後にユーザーのみなさんにお二人からメッセージをいただきたいと思います。

齋藤:本日ドラゴンクエストXIを発表させていただきましたが、すべの魅力をお伝えできたとは、思っておりません。鳥山先生のお手紙にも、身を削って頑張ったと。すぎやま先生も、こんなにある曲を頑張ってつくっているということに負けないくらい開発スタッフも頑張っていきたいと思っています。

みなさんに1日も早く、お届けしたいと思っておりますので、ぜひその日を楽しみにお待ちいただきたいなと思います。ふだんカンペとか読まないんですけど……最後にひとつ言わなければいけないことがございました。

本日発表になりました、ドラゴンクエストXI。さらに私がプロデューサーを務めているドラゴンクエストXは、任天堂さまにて開発中のNXでの発売も予定しております。詳細はまた別途お伝えさせていただければと思います。本日はありがとうございました。

椿姫:最後の最後にサプライズがありましたね(笑)。ありがとうございました。では堀井さん、お願いします。

堀井:今日はいろんな情報を出させていただきました。ドラゴンクエストXIも見ていただきました。実は30年前にドラゴンクエストをつくったときに、まさか30周年を迎えられるとは思ってなかったです。本当にユーザーのみなさん、スタッフのみなさんに感謝です。どうもありがとうございました。実はこういうロゴもつくりました。出ますかね? 

これをもとにいろんなイベントも企画しております。そっちも楽しみにしております。

椿姫:どうもありがとうございました。

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