2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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おおたに先生(以下、おおたに):これから第3回チラ見の世界史を始めます。その前に出席を取ります。やすやす君。
やすやす君(以下、やすやす):はーい。
おおたに:まき君。
まきちゃん先生(以下、まき):はーい。
やすやす:それと、おおたに先生の3人ですね。
おおたに:そうです。全員揃ってますね。今日の授業を始めましょう。授業を始める前に確認事項があるけど覚えてるかな? ここにいるみんなは、歴史の専門家ではなくて素人ですね。なので、授業で取り扱う内容も、専門的な内容ではなくて、どちらかというと浅い表層的な歴史を取り扱いたいと思うんですよ。先生も人間なので間違えている箇所も結構あると思うんですよね。
やすやす:おおたに先生は意外におっちょこちょいだと思うんですね(笑)。まきちゃん先生は元祖おっちょこちょいですけど、おおたに先生もその気があるんじゃないかと僕は思ってますけどね。
まき:元祖おっちょこちょいですか私?(笑)
おおたに:何か言ってました? 聞こえないな! まあ、ここにいるみんなも含めて「歴史を知る」というよりは「歴史を楽しむ」というスタンスで授業を聞いてくれればいいなと思っています。それでは授業を始めます。今日の授業の範囲、覚えているかな?
まき:すいません。覚えてないです(笑)。
おおたに:覚えてないですか。いきなりぶっ込んできたね(笑)。
やすやす:先生、僕覚えてます。今日はエリトリアについてですね。
おおたに:そうです。今日はエリトリアの歴史について取り上げます。
おおたに:最初に、歴史の勉強を始める前に、基礎知識を勉強したいと思うんですけど、場所はどこにあるか知ってますか? やすやす君。
やすやす:はい。クジを引いたのが僕なので。エリトリアはアフリカ大陸にありますね。
おおたに:地図上のどの辺かな?
やすやす:アフリカ人の顔で言うんだったら、目の部分じゃないですか?
おおたに:目と鼻の上か、その辺だね。
やすやす:アフリカ大陸を右を向いたアフリカ人の顔と考えた場合、大体目の辺り。
まき:けっこう上のほうなんですか?
おおたに:ちょい上。右側。東のほうなんですけど。北を上とすると、エチオピアの上で、エジプトの下のほう。スエズ運河から出てくる紅海の下側。細長いところの出口のすぼんだところですね。
やすやす:対岸がアラビア半島なんですよね。
おおたに:そうですね。イエメンとサウジアラビアかな。
まき:じゃあ、アフリカ大陸のけっこう上のほうですね。なるほど。
おおたに:形は、まんまるじゃないんだけど、しゃもじみたいな頭がポコッとあって、柄が右下に伸びてる形。左上に三角形があって右下に細長いのが伸びてる形。
まき:銀杏の葉っぱみたいな感じですか?
おおたに:そうそう。うまいこと言いますね(笑)。その柄のつけ根の広がるところの真ん中にあるのが首都のアスマラです。首都の人口は40万人(1992年)だそうです。今はもうちょっと増えてると思うけどね。面積は日本の3分の1くらい。12万4千平方キロメートル。
まき:それでもけっこう大きいですね。この前の赤道ギニアに比べたらだいぶ大きい。
おおたに:首都はちょうど国土の真ん中にあるんですけど、そこから海沿いに出てきたところにあるのが第二の都市マッサワになります。紅海に面してる港町です。あと、全体の人口が525万人(2010年)だそうです。
やすやす:前回調べた時に、四国が400万人くらいでしたからね。若干多いくらい。四国+山陰地方くらいかな(笑)。
おおたに:人口増加率は3%で増加中だそうですので、今はちょっと増えてるかな。特徴が、アフリカで一番若い独立国だそうです。
まき:何年に独立したんですか?
おおたに:独立したのは1993年だそうです。
やすやす:じゃあ南スーダンの前がエリトリアでしょうね。南スーダンは去年だか一昨年ですよ。(注:このポッドキャストが公開されたのは2013年4月11日)
まき:じゃあ、アフリカの独立の年ではなく、かなり遅れての独立だったんですね。
やすやす:それまではどこの国に支配されてたの? どっかから独立したわけでしょう。
おおたに:それはエチオピアですね。私のイメージではエチオピアって海に面してたんですけどね。エチオピアの海に面してたところを切り取ったのがエリトリアって感じです。
やすやす:先生が生徒だった時はエチオピアには海があったんだ。
おおたに:今や内陸国ですけど。
やすやす:そうか。僕も小中学生の頃に習ったのは、おそらく海があったエチオピアだったんでしょうね。エチオピアは海なくなっちゃって輸出とか大変になっちゃったね。
おおたに:独立は20年前ですからみんな生まれてますよね。まき君はギリギリですか。
まき:そうですね。1992年生まれなので、独立が1年後ですね。
おおたに:独立に至る経緯なんですけども、まずエリトリアという名前が出てくるのが1880年代なんですよ。国名はラテン語の「紅海」を意味する言葉から由来しているらしいです。
やすやす:エリトリアって紅海って意味なんですか?
おおたに:まさにそうです。
やすやす:エチオピア時代はエリトリア地方みたいな感じで呼ばれてたのかな。
おおたに:そうですね。州の一つみたいな。1880年代というと日本は明治になりたての頃です。スエズ運河が開通したのが1869年で、そこが開通したということで植民地政策で出遅れていたイタリアが1882年にこの地を植民地として宣言したんだそうです。その時に、エリトリア植民地という名前を使ったそうです。
やすやす:確かイタリアがエチオピアに戦争しかけるんだよね。それで、イタリアが負けちゃうんだけど、その時の流れなんでしょうね。
おおたに:そうですね。その戦争で負ける前に植民地としてエリトリアという名前を初めて使ったんですね。
やすやす:ヨーロッパに勝った国って、アフリカで唯一らしいですよ。
おおたに:そうですね。その前はまだエチオピア自体もエリトリアも、エジプトの支配下だったんですよ。スーダンとかもエジプトが支配してたんですよね。
やすやす:エジプトむっちゃでかかったんですね。アフリカの北東部はエジプトだったんだ。
おおたに:植民地宣言の1年前、1981年に当時エジプトが支配していたスーダンで、マフディーの乱というのが起こるんですよ。エジプトもそれで手一杯になっていて、なおかつイギリスもエジプト自体を狙ってると。両ばさみになっていて、とてもエリトリアなんかよく見てる暇はない。そういう時にイタリアが出てきたと。
やすやす:それをチャンスと見て、イタリアがエチオピア辺りに進出しようと思ったわけですね。
おおたに:そう。エリトリアをまず押さえて。本当はイギリスもスエズ運河持ってるし、海の補給路として立ち寄るのにエリトリア欲しかったんだけど、イギリスはエジプトを狙っていて、同じようにエジプトを狙っていたフランスと対立していたんですよ。なので、エリトリアはイタリアに譲って、その代わり仲間になってねということで、フランスじゃなくてイギリスを応援してよと。
やすやす:エリトリアはイタリアにあげるから、フランスにつかないでね、イギリスについてねってことなんですね。イギリスとしてはエリトリアよりエジプトを選んだってことですね。
おおたに:なおかつイタリアも実は、前にチュニジアを狙ってたんです。だけどフランスに取られちゃったから、その当時イタリアはフランスと仲が悪いんですよ。なので、敵の敵は味方みたいな、そんな論理で認めてもらったというか。
やすやす:当時は、イタリア、フランス、イギリスで北アフリカの領有権を争っていたという感じなんですね。それが何年代でしたっけ?
おおたに:それが1880年代。
やすやす:明治の頃か。それは明治維新したほうがいいね。そんだけ世界が動いている時に、やっぱり日本も開くべきだったね、今思えばだけど。
おおたに:そうですね。中で団結しないと外からどんどんいいようにね。
やすやす:勝手に「俺が韓国取るから、じゃあイタリア君は日本ね」みたいなこと言われても困るもんね。
おおたに:困りますね。ちょうどその頃イタリアの支配下にエリトリアが置かれてたんですけども、ソマリランドもその頃は、北からイタリアンソマリランド、ブリティッシュソマリランド、フレンチソマリランドと、まさにその3国が少しづつ取っているような、そんな時期ですね。今でいうと、ソマリアとジプチ辺りかな。
やすやす:アフリカの角ですね。顔で言うなら鼻の部分。じゃあ、今のソマリアのゴタゴタもそれを引きずってるということかな?
おおたに:そうかもしれませんね。で、イタリアが勢いに乗って、ついでにエチオピアも手に入れようとして起こした戦争が、第一次エチオピア戦争なんですよ。その中でさっきやすやす君が言ったように、1897年にアドワの戦いでイタリアが大敗を喫したんですよ。列強が負けた初めての戦いと言われてますね。
まき:負けた敗因はなんですか?
おおたに:舐めてたんですね。奥地に行ったら取り囲まれたというのもあるんですけども、実はその時のエチオピアの皇帝メネリク2世に、フランスが裏で近代火器を大量に与えていたという話があるんですよ。また敵の敵は味方みたいな感じですけど。だからイタリアも、数は圧倒的に向こうが多いけどもエチオピアは大した武器を持っていないだろうと、タカをくくっていたら、同じような装備で来たと。それは負けるよね。
おおたに:そして第一次エチオピア戦争は、別名アビシニア戦争と言うらしいんですよ。この辺の地域の呼び名らしいんですけど、その時にイタリアの兵隊が猫を持って帰って、増殖したのがアビシニアンという猫だそうです。
やすやす:アビシニアンって猫いるね。じゃあ元々はこの辺りの猫だったんだ。
おおたに:そのままの純血ではないらしんですけど、イタリアに行ってその系統で増えていってということらしいです。ちょっとシャム猫っぽい短毛種かな。
やすやす:あのシュッとした猫ですよね。なんか肉食のネコ科っていうイメージですね。
おおたに:草食系じゃない、そんな感じです。
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