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東京パフェ学~パフェ評論家、斧屋とその姉、能町みね子のパフェトーク(全6記事)

東京のおすすめパフェ13店 ヘルシー系からウサ耳パフェまで、評論家が一気に紹介

パフェ評論のパイオニア・斧屋氏が初の著書『東京パフェ学』を出版。その発売を記念したイベントがお台場・東京カルチャーカルチャーで開催されました。トークのゲストは、自称漫画家の能町みね子氏。実は意外な繋がりのある両者が、書籍の内容に添って東京近郊にあるおすすめパフェを紹介していきます。このパートでは、ここまでで紹介しきれなかったおすすめパフェ13店舗、表参道のカカオサンパカ、麻布十番のジェラテリア・マルゲラ、千駄木の和栗や、吉祥寺のウッドベリーズマルシェ、代官山のアンジン、銀座の和光アネックスティーサロン、和蘭豆、吉祥寺のラフルッタ、表参道の文房具カフェ、ニコラシャール、秋葉原のオータムリーフ、池袋のミルキーウェイ、新宿の「エスト!エスト!」をを一気に紹介します。

チョコレート系、ジェラート系のパフェ

斧屋氏(以下、斧屋):じゃ、次。これは表参道のカカオサンパカっていうチョコレートのお店で、見た目も綺麗なんですけど、食感がいろいろあって、パールクラッカーという、丸い小さいサクサクしたものが入ってる。

横山シンスケ氏(以下、横山):これはプラス系? マイナス系?

斧屋:これはプラスですね。プラス系とか勝手に名前になっちゃいましたけど。そういう食感が違うものを、本当に細かくまぶすんです。

チョコレートのパフェって、下手するとちょっと飽きそうな部分もあるじゃないですか。何でもかんでもチョコになってると。そこを食感の違いとかで、上手く最後まで食べさせてくれる、とてもいいパフェ。これは食感です。食感が全て。

斧屋:これはジェラテリア・マルゲラというジェラート屋さんのドポチェーナっていわれる、層状になったパフェです。層ごとに瞬間冷凍して作るらしくて、結構手間がかかっている。

横山:これは、グラスはこれじゃなきゃ駄目なの?

斧屋:グラスっていうか、これは普通に食べ歩けるもので、使い捨ての容器になっています。

斧屋:これもジェラテリア マルゲラですね。

能町みね子氏(以下、能町):これ、上に乗ってるのは何?

斧屋:ヘーゼルナッツですね。

能町:へぇー。

和栗専門店とヘルシー系のパフェ

斧屋:これは和栗専門店のパフェです。千駄木の谷中商店街の中にあるんですけど。

横山:千駄木・谷中って聞いた時点で、美味しいって決まったような気がしますね。

斧屋:これは平日でも列ができています。和栗やの栗薫パフェ。「かおる」は難しい方の「薫」で、ちゃんと難しい感じに薫ります。そんじょそこらじゃない感の薫りがきますから。これは800円だったかな。バナナの使い方がいい感じです。

中にちょっとだけバナナが入っていて、画像ではお見せできないんですけど、食感的に栗の食感とバナナの食感が喧嘩してない。

能町:出た。「喧嘩しない」。

斧屋:喧嘩しないは今日初登場でしょ(笑)。

能町:「喧嘩しない」って、何かよく使うなと思って。

斧屋:続いて、さっきも出たウッドベリーズマルシェ。ヨーグルトのパフェで、内容的には健康系です。

能町:健康系。

斧屋:ヘルシー系……どっちでもいいです。ここはフローズンヨーグルトの種類が、十何種類から選べる。選べるっていうのはパフェのいいところで、ケーキだと基本的に、こっちでカスタマイズできないじゃないですか。

でもパフェって店頭で、「こうしてください」とか、さっき言った成城ル・フルティエみたいに「これは少な目で」とか、遊びができるところがパフェの大事な楽しみの1つです。ここはそういう選べる楽しみがある。あとここ、サイズもS、M、L選べます。

横山:すごい。

パフェを食べていて、気づいたら自分が浮いていた

斧屋:これがいいんですよ。アンジンという、代官山蔦屋の上にある、深夜までやっている、美術的な本とかがやたら置いてあるところです。

能町:ありますね。ソファーが深すぎて、1回ソファーにふわ〜ってやると、もう起き上がれなくなるような。

斧屋:ここもチョコレートパフェで、メレンゲも非常におもしろいんですけど、真ん中がちょっと宙に浮いているんです。

能町:本当だ。

斧屋:チョコレートで蓋がしてあって、その下に空間ができているんですよ。これが感動的で。

能町:そうですね。

斧屋:でしょ? 「あ、浮いている」と。そして「自分も浮いていた」と、それまで。

横山:ちょっと何言っているかわからないです(笑)。

斧屋:食べている自分は今までこのチョコの上にいて、空に飛んでいたなっていう。

横山:これはお姉ちゃんじゃないとフォローできないですよね。

能町:そうですね。今、浮いているところまではついて行けたんですけど、「自分も浮いてる」のところで切り離しが。

斧屋:ちょっと没入が甘いんじゃないですか?

能町:没入したいとは思ってないから。

斧屋:想像力が喚起されるわけですよ。オブジェっていうか美術的な感じで。

能町:このタレはいつかけるの?

斧屋:タレじゃない! これもお好みで大丈夫です。

能町:この浮いているところを埋めちゃってもいいわけですね。

斧屋:浮いているところの上は完全に蓋になっているから。

能町:液漏れもしないんですか?

斧屋:そこまでは調べてないです。これはパフェグラスが上下に長いから、こういう空間の使い方ができるんです。すごくおもしろいことです。

銀座で食べる大人のパフェ

斧屋:これは銀座和光アネックスティーサロンのやつで、これも真ん中あたり空間がありますよね。チョコで蓋がされてたりとか、空間の使い方がうまい。これチョコレートでお花が作られていまして。

能町:それも綺麗ですね。

横山:これは確かに芸術ですね。ここまで来ると。

斧屋:実際すごい食べにくいっていうか、食べるのもはばかられる感じなんですけど、こういう食べにくいってパフェっていうのは、いいパフェですねぇ。そこでいろいろ考えるから。どういこうかなとか、美しいなとか。いろんな示唆をいただけるので。

横山:でもその間に溶け始めるんですよね。

斧屋:溶け始めます。残念ながらね。

能町:そうしたら、考えているうちにこの空洞がなくなっていってしまうんじゃないの?

斧屋:そんなに空洞はヤワじゃないですよ。

能町:そ、そうなんですか……。

斧屋:次は、さっき言った、「大人のコーヒーパフェ」。ラム酒のガツンと効いたやつ。銀座の和蘭豆ですね。

斧屋:これは吉祥寺のラフルッタというお店で、夜に出すパフェです。

横山:何か苺見たらみんなテンション上がりましたね。やっぱり苺ですかね。

斧屋:苺はやっぱりフルーツの中でもちょっと別格の立ち位置にあるフルーツで、イメージを喚起する力がすごく強い。アイコンとしても使えるというか。

能町:後ろの苺は普通の売り物?

斧屋:お寿司屋さんみたいな感じのイメージですよね。

横山:でも高級な苺って今ありますよね。テレビでやっていましたけど、1粒5万円とか見ましたよ。

斧屋:苺は本当に品種改良が非常に激しいので。

横山:お祝い用に1粒900円とかで、箱で売ったりする。

斧屋:苺の品種による、それぞれのパフェが出たりしますからね。ベリーパーラーなんか3種類ぐらいの苺のパフェを出したりします。

文房具やウサ耳などの変わり種パフェ

斧屋:続きまして、これはもうないパフェなんですけど、文房具カフェの文房具パフェです。表参道の文房具のお店で、カフェもあって、三角定規とか、普通の定規とかのクッキーが付いています。半年ぐらいでメニューが新しくなるので、今は新しい文房具パフェになっています。ちなみにこの時は、塩を好みでかけましょうということで、キャラメル系のものと合わせて、塩キャラメル的な味わいを楽しみつつ。

横山:文房具カフェって聞くと企画物っぽい気もしますけど、本格的なパフェなんですね。

斧屋:これはすごいおいしいんです。本に書いてあることを読んじゃいますけど、リンゴのコンポートとか、抹茶香るこめはぜ、角切りリンゴ入りヨーグルト、チーズのムース他、具材がいろいろ入っています。

能町:おいしそう。

斧屋:結構本格的にちゃんと作っています。数量も限定で出しているみたいですけど、これはすごくおもしろいです。あと、文房具パフェに付いてくる筆箱の中にお菓子がちょっと付いていたり、おまけに文房具がもらえたりします。

斧屋:これは表参道のニコラシャールです。知っている方も多いかもしれないですが、各席にウサ耳が全部常備されていて、ウサ耳を着けつつパフェを食べようというお店です。

能町:それは1人で行ったの?

斧屋:これは1人で行って、ウサ耳着けて店員に撮ってもらった画像がひそかにこのパソコンの中に入っています。

能町:素晴らしいね。

斧屋:これは今日はちょっと公にはしません。ここは基本的には女性ばかりのお店で、ウサ耳をお互いに着けて撮りあったり、店員さんに撮ってもらったりして、その画像を拡散してくださいっていうお店です。

ウサギをモチーフにしたシュークリームとかも売ってたり。これはピスタッシュっていう、ピスタチオのパフェです。

能町:すごいおいしそう。

斧屋:のほほんとした感じがしてますけど、10層くらいに細かく分かれていて本当に本格的です。

能町:ウサ耳を着けてまで食べる必要があるっていうことですね。

斧屋:別に着けなくてもいいんですよ? 無理して着けなくていいんですけど、着けないと何かね。

能町:行った時、1人客はいたの?

斧屋:いないんじゃないかな。これ1人で行くの、結構ハードル高いです。

能町:そりゃそうでしょう。よく行ったよ。

斧屋:だんだんそういうのが鈍感になってきて。「やらなきゃいけない」「仕事かな?」みたいな感じで誤魔化していますけどね。

金爆の歌広場淳さんプロデュースのお店のパフェの魅力

能町:これは元気系だ。

斧屋:一応元気系ですかね。秋葉原のオータムリーフという、ゴールデンボンバーの歌広場淳さんプロデュースのお店の、オータムリーフパフェです。

見た目が美しくて、器のチョイスが非常にいいですね。中がちょっと空いてるのがわかると思いますけど、空間がすごく上手く使われてて、こじんまりかわいくベリーが並んでいます。

横山:ちょっと空間が気になり始めましたね。

能町:「空間系」みたいな。

斧屋:ここを埋めちゃうと、量的に飽きるんですよ。グラスが高ければ、やっぱり飽きさせないためにどうするかっていうところを考えないと。

能町:間をね。

斧屋:そうです。水墨画とかにも間があるけど、同じようなイメージです。

能町:はい、はい。わかるわかるわかる。

斧屋:これは3層構造になっていて、クレープ生地を挟んでフルーツが入って、その下にマスカルポーネのムースがあるから。

能町:本当に美味しそう。

斧屋:ミルキーウェイ。13星座のパフェを出す、有名なところです。

能町:あそここそ1人で行くのがハードなところですよ。

斧屋:これは取材の名目で行ったのでセーフです。

能町:さっきのニコラはアウト?

斧屋:ニコラは完全に普通に行きました。でもこのパフェを考えているのは男性の方で、13星座の占いの紙とかもくれるんです。それを読みながらパフェを待つっていうのがいいですね。

新宿ミロード「エスト!エスト!」の楽しいパフェ

斧屋:これでラストですね。新宿駅のミロードの「エスト!エスト!」。

横山:これは何が入っているかわかりますよね。良く知っているものが2〜3個ありますから。

能町:ミルクレープ?

斧屋:そうですね。これは「シンデレラ」っていう名前なんですけど。他にもでかいパフェのメニューがあって、「横綱」とか「チョモランマ」とか、いろんな名前のパフェが出ています。ここはもう、楽しく食べられればそれでいいんじゃないかという。

能町:コージーコーナーでも、チーズケーキがドカンって入っているやつありますよね。三角形のチーズケーキを、まんま使っているのが。

斧屋:あれ、大阪とかじゃなくて? 大阪でケーキがドコンと乗っているお店があるけど。まあ、そこら辺は楽しいパフェですよね。

横山:はい。ありがとうございます。15時になったので、いくつか質問がありますが、このへんで。斧屋さんはブログもやっていますので、斧屋さんが知らない情報があれば、今後も斧屋さんに情報提供していただけると助かります。

斧屋:はい。ありがとうございます!

東京パフェ学

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