2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
――あのデビューでいうと、先程言ったデビューさえすればもう大爆発するんだって言われて。でもすごく失礼な言い方なんですけど、実はデビューしてから最初のほうってそんなに小室哲哉さんのプロデュースの中で、売れてないですよね。100万枚は、売れていなかった。
結構、そういう意味では「あれ? ちょっと違うな」みたいなことはありました?
マーク・パンサー氏(以下、マーク):それは言われるんですよ。小室さんが1番のショックを受けていると思うんだけど、100万枚いってないから。でも僕は96万枚じゃん、これが7万枚だったら「どうなってんの?」ってなるけど、96万枚じゃん。
――(笑)。はい。
マーク:2枚目も100万枚いかない。でも98万枚じゃん。3枚目も確か96万枚かなんかなんですよね。でも僕はさっきも言ったと思うんだけど、数字とかチャートとかっていうよりも、その場のおもしろさを追求するタイプだから、全然100万枚と96万枚と僕は一緒だったんですよね。
すごいじゃん、みんな何でそんなに変な顔しているの? 喜ぼうよみたいな。喜ばない時期は、それもおもしろかったな、勉強の一種になるんだなみたいな。僕は一緒に見えているんだけれど、他の人にはこの4万枚の差が一緒に見えてないんだね、みたいな。
――そういう意味でも、楽曲もちょっと他の小室哲哉さんのプロデュースとはちょっと違う、いわゆるこだわりがあるというか、独自性がある。
マーク:だから先をいっちゃっているんですよ。
――先をいっていましたよね。
――だからそれで、大ヒットに行くまでに時間がかかったっていうのは、そこは大変だったろうなと思っていたんです。というのが、ちょっと1個思っていたんですけども。でもマークさんのお話ですと……。
マーク:大ヒットなんですよ。だって96万枚なんだもん。
――ま、そうなんですよね。考えると。
マーク:96万枚なんだもん。だって他は浜田さんなんだもん、『HEY!HEY!HEY!』なんだもん。200万枚に行くに決まってんじゃないですか。篠原涼子なんだもん、可愛いんだもん、最高なんだもん、みんな知っているんだもん、いくに決まってんじゃん。それも「いとしさと」あれ、なんの曲だったっけな? 有名なやつ。
――ストリートファイターですよ。
マーク:ストリートファイター。すごかったんだもん。『Feel Like dance』何の主題歌だったんだっけな。
――ドラマかなんかですよね。
マーク:かな。『Joy to the love』はglobeが歌う、あれはフォード。
――車のCMですよね。
マーク:トヨタで『SWEET PAIN』、TDKの。
――はい。TDKでしたね。
マーク:それほど……。すごい企業だけれど。
――すごい企業ですね。
マーク:すごい企業だけど、小室哲哉としては小室ファミリーとしては、普通すぎるじゃんて感じの中の、2人は新人?
――そうなんですよね。
マーク:誰も知らないぐらい。「TRFにそっくりじゃんこのグループ」と言われちゃうぐらいの中で、でもTRFと全く違うじゃん。この自由さと音の新しさで96万枚、売れてなくはないですよ。
――そうなんですよね。
マーク:化けもんですよ。
――実際の話でいうと。僕は、なんか『Joy to the love』なんて、あの曲をこのチャートに載せるんだっていうのが。
マーク:『Joy to the love』もJungleじゃないけれど、ドラム&ベースでやって。なんだこれみたいな。
――ドラムベース以前に歌詞の世界感にしてもそうだし、メロディーの作り方にしても当時のあのスパッーといっている時に考えられない。
マーク:考えられないですよ。それがそこに行くんですもん。
マーク:あとはもう毎日が忙しすぎちゃって、毎日がすごすぎて、僕には100万枚がどうのこうのって考える時間も余裕もなく、毎日が本当にジェットコースターのように過ぎていっちゃう日々で。
今から考えると、もうちょっと楽しんどけば良かったなと考えてるぐらい。あっという間に過ぎて寝るのが、もうやっと寝れるっていうような毎日で。それが「JR SKI SKI」のCMで爆発するんですよね。
――なるほど。
マーク:『DEPARTURES』。
――ですね。『DEPARTURES』ですよね、そこで。その『DEPARTURES』あれが200万超えたんですか?
マーク:250万枚ですよね。
――『DEPARTURES』は、一気にドーンといくわけじゃないですか、数字的にいうと。変わりました? そういう意味では。
マーク:いや、何も変わらないですよ。僕の中ではすべて一緒で。『DEPARTURES』も江角(江角マキコ)と竹野内(竹野内豊)だったかなCMが。
――そうですね。
マーク:JR SKI SKIで、江角マキコというのも、もうメンノン時代からの友達だから。
――おー! なるほど。
マーク:竹野内くんなんて、もうチェックメイトとかの時代からの。反町くんと竹野内くんというのは、メンノンとかの時代の後輩って言ったら変だけれど、モデル友達じゃないですか。その時は、ドラマで有名で「来たー!」みたいな。やっぱりそういう勉強になるんですよ。
これとこれが組むと、こんだけの我慢があって、こうでこうだからみたいなのが、自然に頭の中に体に刻み込まれていくんですよね。そのglobe学校じゃないけど、小室哲哉学校じゃないけれど、先生に教わっている全てが。
マーク:おもしろい具合に見えてくるんですよね。『DEPARTURES』なんて、だってあんなにうちら売れているのに、ロスに呼ばれてオカマしかいないような、3流のホテルに泊められるんですよ。
――ほう(笑)。
マーク:ラマダホテルだったかな。当時ロスの。
――PVとかで?
マーク:いやいやレコーディングの時で。小室さんは、ベネンシアのスイートなんですよ。
――はい(笑)。あ、でも2人は。
マーク:俺とKEIKOは、汚いなんだこれみたいな場所。
――そうだったんですね。
マーク:オカマしかいないような、俺のドアの下に夜中になると名刺がいっぱい隙間に入れられるんですよ。
――(笑)。それは、あれですか、オカマさんが……。
マーク:そうそう、入れてくる。
――コールミーという感じで。
マーク:恐ろしい所で。そんな中でKEIKOもリラックスできるわけないし、それで頼むんですよ俺が。小室さんに「KEIKOだけでもベネンシアに呼んであげて、部屋取ってあげて」と。そこからちょっとずつリラックスしていって。
――それもう『DEPARTURES』出ている時ですか?
マーク:出ていない。『DEPARTURES』のレコーディングの時。
――ああ、『DEPARTURES』のレコーディングの時。なるほど。
マーク:『DEPARTURES』のレコーディングの初日もKEIKOが風邪を引いちゃって。体調管理なんてできるわけないじゃないですか。リラックスできないんだから。風邪引いちゃって泣いて、もう最悪で。KEIKOを呼んで、スタジオの1番奥の部屋借りて、そこにろうそくズラーと並べて、お香かなんか焚いて、リラックスさせて。
ずっと手を握りながら、「もう何も緊張する必要なんてないんだから、風邪引いていたっておまえの声は誰よりも素晴らしい声だし、はっきり言ってYUKIさんだろうが、誰であろうが全員より君の中にはブルースというものがあって、だから選ばれて、だから今すごいわけだから、鳥が普通に朝起きて歌うように歌えばいいんだよ」というようなこと言って歌いに行かせて。
スタジオで曲とCMを小室さんが一緒に流した時に全員涙流してるのがすごかったですよね。
――それは、すごく鮮明に覚えていますか?
マーク:ピッタリ全ての波長が合うっていうのは、こういうことなんだなという。小室さんだから売れるとかそういうんじゃなくて、波長がもうCMから曲からKEIKOの歌声から、あらゆるものがピーンと波長が合う瞬間というのは、すごいんですよ。
――それは、もうやっぱり先程言った、小室学校じゃないですけど。
マーク:それが数字に反映されるんですよ。250万枚いって。そこからアルバムを作るんですよ、その『DEPARTURE』4曲入っているアルバムが出ると、そのアルバムが450万枚とか500万枚近くいって歴史に残る。初めてそれだけ売れたCDになるんですけれど、でもそれは、波長がピーンとあった後だから当たり前かなって。
――それで、その後ずっとヒットが続いていって全国周りますよね。スタジアム制覇。
マーク:セカンドアルバムですよね。『FACES PLACES』。
――ですね。またあれも僕の中では衝撃的なアルバムだったんですけど、楽曲もかなりおもしろくて。
マーク:その時は、もうロス住んじゃっているんですよ。
――あ、そうなんですね。
マーク:ファーストのように小室さんが9割ではなく、もうセカンドになるとプロデュースby globeていうことになっちゃうんですよ。だからロック色がすごく強くなり、生バンドも入ってくるんですよ。
――かなりギターも入っていますよね。
マーク:その意見が、通るようになってくるんですよ。その自分の好きなロックていう部分だったりとか、KEIKOもロックにはまっていったりとかする部分が。おもしろいぐらいそこに入っていってロック色のすっごい強いアルバムになるんですよね。
――確かに、それまでの電子のピコピコという感じから、いっきに変わった感じはありますよね。
マーク:デジロックっぽい。だからそれも先へ先へ、先を先を見越してやっているんだと思うんですけれど。
――あと、すごく長い楽曲だったりとか、かなり実験的なこといっぱいやっていますよね。
マーク:いっぱいやっていましたね。
――完成したアルバムで、それもまた大ヒットですよね。今度ツアーですね。
マーク:ツアー、こけら落としで全部6万人ぐらいのドームツアーをして。4ドームとして。
――そうなんですよね。僕その時福岡ドームに行っているんですけど、あれはもう僕は後ろのほうだったんで、すっごい小っちゃいところで、ドームでその時初めてお会いして、なんですよ。
マーク:遠くからのほうがキレイだったのかもしれないですよ。全体図が。
――絵的には、すごかったですね。
マーク:すごいですもんね。
――ライブ中とかタバコ吸って、あの時のかっこよさは半端なかったですね。
マーク:タバコ吸っちゃうんですよね。吸っちゃダメなのに。
――あれがすごくかっこよくて。旅行の時、マークさんとかあの絵は僕の中で今でも忘れられないし、今でもあの曲だけはずっと聴いていますね。
マーク:ジッポの音を入れたり、そういうのもレコーディングの時に全て意見が通るんですよ。
――それまでは、結構こうしたいなって言っていても、うーんという感じ?
マーク:こうしたいなっていうのもあんまり出てこないじゃないですか、必死過ぎちゃって。だから、セカンドでは余裕が出てくるんでしょうね。
――おもしろかったですね、セカンド。
マーク:僕も1番好きなのが、セカンドかもしれないですね。
――そこからずっとglobeで活動していって、他に印象的な出来事ってありますか?
マーク:何なんでしょうね。もう海外に暮らす毎日。当時彼女とかもいるんだけれど、絶対に会えなかったりとか、globeというものが自分のプライベートを全てぶち壊すんですよ。
どっちが大切なんだって普通人間なら考えるんだけれど、それすら考えさせてくれない時間の速さっていうのが。今から考えると、果たしてあれで良かったのかなっていうのは……。
――あるんですか。
マーク:あるんじゃないのかと思うんですよね。みんなは、すっごく喜んでる。僕もすっげー金が入って、当時はビルまで買ってビルの地下には、サウナもありジムもあり、ビルの屋上には露天風呂まで作っちゃうような。
――そんなビル持ってたんですか!?
マーク:すげーもん作って。335もありポルシェもあり、ランボルギーニもあり、全ての車が揃っていて。
――欲しいものは、なんでも買える?
マーク:欲しい物は全部あって。でも本物の僕っていうのは、アンティークカーが好きで、マスタングの65に乗りたいんですけれどというと、全て断られて。だから本物の自分を全部潰されてしまうのが、globeの時期だったんですよ。
マーク:だから、あらゆるものを持ち、あらゆるもので幸せなんだけれど、本物の自分がいなかったから今から考えるとあの10何年というのは、どうなんだろう。
――というのがある?
マーク:というのがありますよね。あの10何年は長野にも来てないし、あの10何年は親友にも会っていないし。あの10何年は彼女にも親にも会っていないですよ。だからすごい半面、自然な自分っていうのは、どこにもいなかったような。
――誰かに作られたというわけでもなく、作り上げられたマーク・パンサーという表現でよいですか?
マーク:じゃないですか。そこに唯一出せるのが、きっとそのラップの歌詞であったり、ロックが好きだからロックっていうものが出ていたりとか、その中にあるちょっとしたいろんな細かいところに自分を出していたんじゃないのかな。
それがきっと他のグループや他の音楽と、ちょっと違うスパイスとなっていたんじゃないのかな、と今から思うとそうなんじゃないのかなとは思うんですけどね。確かにglobeの時代は、もうすごかったですよ。話せないことなんていっぱいある。
――そういうことですよね。
マーク:死ぬほどある。もう、だから誰よりもどの世界の人間よりもあらゆる事を経験しているんじゃないのかなって。この間45歳になって、ふっと自分の45年を振り返ってみると、この45年というのは、いいことから悪いことから、愛から悪まで全て誰よりもいろんなものを経験しているんじゃないのかなって思うんですよね。
関連タグ:
芸能界で最初に覚えたのは「笑いたくなくても笑うこと」 2歳で芸能界デビューしたglobe・マークパンサーが波乱の人生を語る
「自ら営業してメンズノンノ初代専属モデルに」 globe・マークパンサーがモデル時代を振り返る
「小室哲哉の存在は全く知らなかった」マークパンサーが globe結成前を振り返る
「僕が彼女にしちゃうよ」と小室哲哉に言ったことも--マーク・パンサーがKEIKOとの出会いを語る
「愛から悪まで誰よりも経験してきた」 マーク・パンサーがglobe20周年インタビューで明かした壮絶な過去
記憶障害があっても「僕にとってのKEIKOは変わらない」 globe・マークパンサーがKEIKOの病状を明かす
かつてKEIKOが歌った未発表の新曲がある--globe・マークパンサーが20周年記念インタビューで語る
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略