2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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松井朝子氏(以下、松井):何か睫毛の話でちょっと今思い出したんですけど、フランスのエフォートレス・フレンチシックな女性は皆、睫毛をすごく実は気にしてるっていう話があって。
それこそ最初のカロリーヌ・ド・メグレさんにインタビューしたときも、いわゆるありがちな質問なんですけど、「無人島に1個だけコスメを持っていくとしたら何ですか?」みたいな話の流れでそういう話を聞いたらば、マスカラって言ってました。もう即答。
川上未映子氏(以下、川上):やっぱりマスカラなんだ。日本人の女の子だったら絶対カラーコンタクトだよね(笑)。無人島に。今だったらそうですよね。
松井:カラコン~(笑)。
川上:カラコン~ってね、なると思うけど。でもそういうときにマスカラとかね、いいですよね。
松井:かっこいいですよね。
川上:シシドさん、何を持って行きます? 1個だけだったら、無人島に1個。
シシド・カフカ(以下、シシド):コスメですか? でも何か多分、保湿とか気にしそうですよね。クリームとか、化粧水とかそういうこと言いそうです。
松井:現実的ですね(笑)。
川上:上モノじゃなくって、地肌系、スキンケアですね(笑)。
シシド:そうですね(笑)。
松井:川上さんは?
川上:私どうだろう。でも、血色がいいほうがいいから、やっぱりチークなのかな。どうなんだろう。何かチークにもリップにもなる、何かあるじゃないですか、今。あれかな~。何か2つね、それ1個じゃないか。
(会場笑)
川上:でも睫毛もやっぱり大事ですよね、睫毛大事。
松井:睫毛は大事ですね、やっぱり。目力はなかなか。カトリーヌ・ドヌーヴさえ睫毛を頑張ってる、そしてカロリーヌ・ド・メグレさえ睫毛頑張ってると思うと、日本人の我々はそうとう頑張らないと追いつかないですね。川上さん実はマスカラ結構お好きですよね?
川上:好きなんですよ。今日ランコムさんの……。いや本当、皆笑ったけど本当に(笑)。今日のランコムさん主催に関係なく、ランコムのミニって使ったことあります? ちょっと四角くなってるやつ。
(会場沈黙)
私、すごいうらやましいと思う。今、使ってる人いないじゃないですか? 彼女たちは今から初めて体験するかもしれないわけですよ。ものすごいですよ! 私の友達がね、「私の小さなスイカのような目でも本当に大きくなった」って言ってて、使ってみたの。あ、スイカの種ね(笑)。スイカは大きいよね(笑)。
(会場笑)
シシド:だいぶ大きいですね(笑)。
川上:スイカの種!(笑)スイカの種みたいな目の私がって言ってるのを読んで使ってみたの。ランコムさんってこれまでもマスカラすごいじゃないですか。その時々で好きだったの。ドラマとかさ、ドールとか。
だけど、もうミニはもうヤバいですよ。本当にすごいから、もうちょっとお願いします。使ってみてください。本当にすごいんです。使ってみてください。
松井:大プッシュがありましたが。
川上:何であんなにすごいんだろうっていうくらい、すごくないですか? ミニ。私大ファンなんです。
松井:もうこの後すぐブースにいらしたほうがいいですね、はい。
川上:1回ちょっと使ってみてください。本当にすごいんですよ。付き方が違うんです。ミニ、ミニね、四角いやつ。ミニ、四角いやつ。ミニで合ってますよね。
松井:ええと、イプノマキシかな。マキシ、はい。
川上:マキシミニ、マキシミニ。お願いします。
松井:じゃあこの後はぜひランコムさんのブースに直行していただいて、付けてください。
松井:お2人にまだまだいっぱいお伺いしたいことがあって、今日は皆さん幸せになる働き方を求めていらっしゃる読者、ユーザーの方に来て頂いてるんですけれども。
お2人は本当にお仕事で輝いているので、今までのキャリアの歩みをお聞かせ願えればと思っていて。壁にぶつかったときとかもおありなのかな? でもそれは私達には今は見えないんですけど、いろいろそこを聞かせていただければと思うんですね。
シシドさんは何と10歳のときから、ドラマーになりたかったと。そういうことだったんですが、そこからドラマーになるまで、どのような紆余曲折があったんでしょう?
シシド:そうですね、まず10歳のときにあのドラムの立ち位置の地味さ、というのが、ものすごくグッときて。
松井:立ち位置の地味さ?
シシド:地味じゃないですか、ドラムって。ステージに立てばスポットライトが当たらないし、音楽番組で1曲やる中で1回も映らないこともあるっていう。なんてかっこいいんだ、と思って。
松井・川上:(笑)。
川上:そこにグッときたんだ。へ~。
シシド:かっこよくないですか? シンバルだけはちょっと見切れてる、みたいな感じがかっこよくて。そうなんですよ。
川上:(笑)。
シシド:ドラマーになろうと決めて、ただまあ機会に恵まれず。14歳のときにドラムを叩き始めて、バンドを高校生のときから組み始めて。18歳のときに初めてお金をもらってドラムを叩くという経験をさせていただいて。そこからもうドラマーとして羽ばたこうと思ったんですけれども、なかなかそううまくはいかず。
そして今一緒にずっと音楽をつくってるプロデューサー陣と出会って、歌を始めて。歌詞を書くっていう作業はわりとこう、自分に返す作業なんですよね。
松井:ええ。
シシド:自分のことをいろいろ考えてたら、どんどん自分のこと嫌いになっちゃって。
松井:そんな時代がおありだったんですね。
シシド:そうなんですよ。しかも音楽とかっていうのは、人に評価していただいて成り立っていくものなので、全然誰にも評価はされず、ただただメンバーよりお客さんの人数のほうが少ないみたいなライブを続けていて。誰にも評価されない自分は本当に音楽に向いているんだろうかと悩んで、酒浸りになる日もありつつ、そんな酒浸りな何年間かを過ごして。
でもそうですね、ああこのままで終わるわけにはいかないなあと思って、意識改革というか。とりあえず目の前にあることからやっていって。かなりの遅咲きでしたが、何とかデビューに漕ぎつけたという感じですかね、はい。
松井:今だって、このようにドラムボーカリストという立ち位置でここまで活躍されてる人は他に本当にいらっしゃらないので、もう唯一無二の存在ですよね。今でも仕事で、でもちょっとつまずいちゃうなみたいなときもあったりはしますか?
シシド:しょっちゅうです。
松井:しょっちゅうですか。
シシド:しょっちゅうです。もう壁って何でこんなに多いんだろうなと思いながら。
松井:次々に壁が出てくるような。
シシド:出てきますね。いろんな。高いのから低いのから分厚いのから、いろいろあります。
松井:どういうふうに壁をこう乗り越えようといつもされてるんですか。
シシド:とりあえず動く。立ち止まって悩んで考えてると時間がもったいないなと思うので、わかるところからやっていく。そこで何か1つ自信になったりとか、正解というか、何となくこうなのかなっていうものが見つかると、意外に次のカギが開けられたりだとかっていうことに繋がっていくので。
カギがなかったら、わめいて誰かに聞くとか。とりあえずアクションを起こすっていうことをやるっていう感じですかね。
松井:へえ~。やっぱりでも、わめくのは効きますか。効果的?
シシド:「分かんない!」「できない!」ってよく言ってます。でもそうすると、もしかしたらっていうヒントをくれる人もいますし、そこで思いっきり殴られて怒られることもありますけれど、何かしら次のアクションが起こるはずなので。
松井:うん。
松井:川上さんは、本当にいろいろ多彩な活動、あの、音楽活動とか女優の活動をされた上に、その後も作家としても、芥川賞、谷崎潤一郎賞、本当に賞を総なめにされていて、今大人気の作家となられたわけなんですが。
川上:なんでそこまで(笑)。
松井:(笑)。どのようにここまで?
川上:私も音楽をやっていて、それで24のときに上京して、レコード契約、メーカーと契約するために出てきて。でもやっぱりあれってすごく難しいじゃないですか。何か始まっても、まずお客さんに聞いてもらうよりも先に、すごいディレクターを納得させなくちゃいけなかったりとか、プロデューサーとか周りの大人たちをやっぱり説得させて。
松井:大人の男ですよね、しかも。
川上:そうそう、男性。いっぱいいて、すごい大変で。今のシシドさんのお話伺って、よく途中で諦めないで、今のところまでおいでになったなあってすごいもう感激して聞いてたんですよ。
私もやっぱり同じようにやってて。でも私の場合は、曲を作ったり歌を歌ったり歌詞を書いたりする中で、段々やっぱり、言葉のほうをやってるときのテンションと、他の作業のテンションの差が出てきてるのがすごくわかったんですよね。
段々やってると「君の書く歌詞はすごい理屈っぽい」とか、「これ歌詞なんだから、もっと。暗すぎるんだよ」とか言われて。でも書いてるときすごいこう、ぴったりしてる感じがしたんですよね。
だから何かね、ものすごく好きなことやってるつもりなんだけど、さらにぴったりしたもの、フィットしたものに出会ってしまったっていう感じなんですよね。よく考えていくと、子どもの頃からずっとやってきたのって、本読んだりすることだったっていうのもあって。
それで、レコードメーカーとの契約が終わったときに、じゃあ言葉だけちょっとやって、扱う仕事をやってみたいな、それで自分がこれから生きていこうと思ったのが、やっぱり29歳のときとか。
それから書いて。でも書いたってそんなすぐね、音楽と同じで誰が読んでくれるかもわからない。基本的には他人が評価して動いていくものだから、難しかったんだけど。そこはご縁と、運といったらあれなんだけれども、運みたいなものがあって、読んでくれた人が小説も書いてみるといいんじゃないかっていうふうに言ってくださって。
書いた小説の1作目、初めて書いた小説が芥川賞の候補になったんですよ。
松井:すごいですよね。
川上:「あ、こういう感じでいいの?」みたいな感じに思ったのもあって、これで小説っていうふうに思ってもらえたんだっていうのがあって、自信になるじゃないですか、認めてもらうと。それで2作目を書いて、2作目で賞をもらって。それからだんだん自分でできないこと、できることがわかってきて、やってきて今っていう感じですかね。
松井:壁みたいなものにぶち当たることはなかったんでしょうか?
川上:音楽のときの壁っていうのは、何が壁かもわからない状態だった。何をすればいいのか、だって自分はものすごく一生懸命やってるけれども、これ以上できないなっていうところまでいった記憶はある、音楽のときは。
もうこれ以上できない、やることないなっていうところまでいったから、言葉にいってみようみたいな気持ちにもなれたと思うんですよね。
松井:切り替えた。
川上:言葉の世界にいってからは、壁っていうのは、環境もすぐに整ったっていうのもあるんですけど、あとはやっぱり自分との闘いみたいなふうに変わってきましたかね。
松井:じゃあ、壁の乗り越え方みたいなのは、言葉を選ばれた時点では、わりとわかるようになってきたという感じですか。
川上:うん。やっぱり29歳になってたし、やっぱり全部繋がってますよね。昔できなかったこと、職業は違っていても、やっぱり人と仕事をしてきたとか、やっぱり自分が何かつくってきたっていうところは繋がってるから、その延長線上にはあると思うんですよね。
だから昔の苦労とか、そのできなかったことみたいなものが、今はすごく応援してくれてるっていう手ごたえっていうか、実感もありますし。
ただ、こうやって小説とか書いてていろんな読者とか会ったりとか、新聞とかで取材とか受けると、やっぱり自分だけの闘いにプラス、今日のテーマである「女性が社会で仕事をしていくこと」とか、「どうやったら少子化が止まるだろうか」とか、女性に全部つきものの問題ってあるじゃないですか。
そっちもやっぱりどんどん大きくなっていきますね。30歳を超えていくとね。そっちに対する責任感みたいなものもどんどん増えてきて、やることがいっぱいになってくるっていう。
松井:ええ。そうですね。
川上:壁も増えてくるっていう。
松井:キャリアだけでなく、結婚とか出産であるとか、職であるとか。
川上:あると思います、皆さん。やっぱり女性が働く、働き続けていくってことは、常に試されて常に問われることであるから、大変なことですよ。
松井:そろそろ時間もなくなってしまったんですけれども、お二方から、今日の皆さんにメッセージをお願いできますでしょうか? 幸せになる働き方を求めていらっしゃる読者の方なんですけれども、まずシシドさんからお願いできますか。どのように壁をぶち破ってキャリアを重ねていくか、アドバイスみたいなことがもしあれば。
シシド:アドバイス、私もいただきたいぐらいなんですけれども(笑)。そうですね、ただよく言われてることですけれども、無駄なことは何1つないっていうのは、本当にそうだなと思って。
これが自分にとって必要がないって知るっていうことが、またそれが力になっていったりするので、とりあえず目の前にあることからコツコツと頑張るということが、すべてに繋がっていくんじゃないかなというふうに思っています。私もこつこつやります。頑張りましょう。
松井:ありがとうございます。では、川上さんからもお願いします。
川上:私は、どんなにちっちゃいことでもいいから、自分が達成したこと、できたことっていうのを言葉にして、何か手帳とかiPhoneのメモ機能でもいいから、言葉にして残していくっていうのは、すごくいいことだと思いますね。どんなちっちゃいことでもいいんですよ。嬉しかったことでもいいんですね。
自分を振り返ったときに絶対自分の力になるんですよね。だから、できなかったこととか、できないことを乗り越えていくのもすごく大事なんだけど、そのときにこれまで自分がちゃんとできたこと、それを自分でちゃんと覚えておくっていうのはすごくね、自分にしかできないことじゃないですか、その記録って。
その意味で自分のできたことをこうレコーディングするっていうのは、すごく具体的にいい方法だと思います。
松井:具体的です。本当アドバイスありがとうございます。本日は本当にお忙しいご多忙なお二方、わざわざお越し頂きまして。
川上:もう終わっちゃうのね、早いですね。
松井:そうなんですよ。あまりにも早いんですが。
川上:えー、そんなに早いんだ。
松井:はい。30分があっという間に過ぎてしまいました。どうもありがとうございました。
川上:ありがとうございました。
シシド:ありがとうございました。
松井:皆様拍手をお願いします。ありがとうございました。
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