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「独学のライターと差をつける」 vol.1(全3記事)

プロのライターよりブロガーのほうが情報発信力が高い? ノオト代表・宮脇淳氏が語った、書き手に求められる「書く以外のスキル」とは

有限会社ノオト代表の宮脇氏淳氏とLIGブログ編集長の朽木誠一郎氏がライター育成講座を開催。オウンドメディア運営やコンテンツ制作の裏話について語った前回のパートに引き続き、今回のパートではプロのライターに求められる能力について意見を交わしました。宮脇氏が語った、ブロガーにあってプロのライターにない能力とは一体?(ライター育成講座 「独学のライターと差をつける」 vol.1より)

ライターに必要なのは削る力

朽木誠一郎氏(以下、朽木):長く書くことっていくらでもできるんですよ。冗長に書いたりとか、自分がやりたい表現をいっぱい盛り込んだりとか。それって本当は簡単なことで、どっちかっていうと、そぎ落として、そぎ落として、ちゃんと伝えたいことを相手に伝えるという作業のほうがよほど難しいので、本当にニュースというのはすごく勉強になるんだと思います。

宮脇淳氏(以下、宮脇):そうですね。文体の話とかは、このライター講座の第2回以降で朽木さんを交えながらやることになるんですけれども、饒舌な文章で3行も4行も文章を書いていると、途中で書いている本人もわかんなくなっちゃう。

でも、新聞の文章って1文が短いじゃないですか。コンパクトに、長くなっていてもちゃんと関連性がわかるように書かれているので、新聞の文章みたいにきちんと切れるところはちゃんと切るとかというのが、文章上達の近道なんですね。

朽木:ライティング指導では、英語の授業みたいに品詞分解することがよくあります。英文法の文型にSVO型とかがあったじゃないですか。主語、述語という、あれが結構できていないことって多くて、そこは一旦饒舌な部分を廃して本当に堅い文章にしたときに、意味が通る文章になっていないライターさんが結構いるなっていうのが実感です。

宮脇:そういう意味で、新聞の文章って基本中の基本、お手本になりますよね。その書き方をベースに、あとはメディアに合わせてかき分ければいいわけですから。

あと、和歌山経済新聞に関しては、地域メディアの育成サポートを念頭に運営しています。東京ですと、こうやって皆さんライターになろうと勉強会に参加して、これから頑張れば食っていけると思うんです。しかし、地方はなかなかそういうライターという職業自体がない。

朽木:チャンスがないです。僕も群馬だったので。

宮脇:やっぱり地方はそういうチャンスが少ないですよね。

朽木:当時の僕から見て、クリエイティブな仕事って地元にほとんどないと思っていたので、和歌山経済新聞のような場があると、そういう人が育つのかなと。

宮脇:あと、やっぱり都会にはないその地域ならではのニュースが地方にはあるので、それを発信することによって地域産業のサポートができればという思いもあります。こちらもまったくビジネスではなく、完全にボランティアなんですけれども。

みんなに嫌われないメディアをつくりたかった

宮脇:自社のWebメディアをもう1つ。この「トゥギャッチ」は大好きな自社メディアで、自分で言うのもなんですけれども、めちゃめちゃおもしろい(笑)。

twitterの中に転がっているネタをニュースにしてお届けするメディアで、何かおもしろいツイートを探し出して、そのツイートを引用してちょっとした文章を入れたり、あるいは話題のツイートをフックに、ライターが現地に足を運ぶ、たとえば生ハム食べ放題の店に突撃するみたいなことを記事にしています。

そういう自分たちがやりたい、おもしろいと思ったものをどんどんやっていくメディアですね。

ただ、トゥギャッチは著作権的な問題を内包していて、人の画像とかを表示させるのどうなのっていうのがあるんです。さっき私もバイラルメディアに厳しい態度をとっていると言いましたけれども、これはtwitterのソースコードを使ってツイートそのものを表示さています。

利用規約上はセーフになっているので今、どこのメディアもそういう形をやり始めていますが、たぶんメディアとして始めたのはトゥギャッチが最初だったんじゃないかと思います。

朽木:そうですね。本当にはしりです。twitter側から公式提供されている機能を使って表示させるので問題ないんですけれども、例えばYouTubeとかでも見込みでいけると思うんですけれども、YouTubeとかだと元の動画自体が海賊版だったらよくないよとか、いろいろ考えることはあると思うので、そこはしっかり見分けられていないといけないですね。

宮脇:そこの見極めはスタッフがきちんとジャッジしています。あともう1つ重要なのが編集方針ですね。ネットの世界では賛否両論を巻き起こすネタ、炎上するようなネタを取り上げたらPVをいっぱい稼げるというのがありますよね。でも、トゥギャッチは絶対そういうのをやらないと決めているんです。

みんなに嫌われないメディアをつくろう、と。なので、ちょっとほっこりするネタや「バカだな~(笑)」みたいな記事ばかりです。トゥギャッチ自体は、まだ400万PV弱なんですけれども、弊社の社員がかなりがんばってくれていますね。

朽木:PVじゃなくて、ファンがいるメディアをつくろう、と。

宮脇:そうです。そういう意味では、やっぱりトゥギャッチ好きですっていってくれる業界関係者の人が多いですね。デイリーポータルZの林雄司さんが「トゥギャッチおもしろいですよね。ネタのチョイスとか」と言ってくれた時は、めちゃくちゃうれしかったですね。編集者として、トゥギャッチがどういうメディアなのかを知ってくれているんだな、と。

トゥギャッチで書いてくれているライター陣も、編集の意図をよくわかっておもしろい記事を書いてくれていると思っています。

日頃の疑問や不満を忘れるな

宮脇:というわけで、ライター講座の初回ということで、Webではどんなライティングの仕事があるのか、具体的な事例を紹介させていただきました。ここでまとめなんですけれども、私たちは自社メディアをもっていたり、クライアント仕事のライティングをライターさんにお願いしたりする立場として、コンテンツメーカーの原則みたいなのをいくつかもっています。

ライターさんにも、いろいろ意識してもらいたい原則。まずひとつは時事性を考える。今話題になっているというのはもちろんですが、たとえばいまの季節はこうだとか、ちょうど毎年こんなことがあるよねというシーズナリー。これを意識することは大切です。

あとは、これはR25ですごく学んだことなんですけれども、日頃から感じる疑問や不満というのを忘れないこと。何でこれってこんなに不便なのかなってこと、そういうのってちょくちょくあるじゃないですか。いまちょうど選挙の時期ですけれども、何でいつまでたってもスマホで投票できないのかなとか、あるじゃないですか。皆さんもたぶんそう思っていますよね。

投票とかわざわざ行かなくてもアプリでなんとかなるだろうと思っても、なかなかネット投票は実現しません。その理由ってなんだろう? と思って調べたら、当然ながらその原因はいくつか出てくるわけです。それをきちんと「取材」して、「なぜネット投票が実現しないのか?」という疑問や不満をきちんと解決する記事を書く。これがライターの仕事です。

朽木:そもそもインターネットって、潜在的か顕在的かを問わず、課題解決のために使われることが多いと思うんですね。知らないことを知りたいから調べたり、あるいはフィードに流れてきたものをクリックしたりするのも興味があるからじゃないですか。

そういうことって結局、人びとが日頃から感じている疑問や不満を解消するというところにつながっていくと思うので、すごくライターとしては大事な原則だと思いますね。

一番怖いのは「知ったかぶり」

宮脇:ライターはネタを見つけてなんぼの仕事なので、編集者からするとネタを持っていないライターってあんまり価値がないと思うんです。

朽木:おっと、身につまされました。

宮脇:過激な発言ですみません。逆に言うと、いろいろおもしろいネタとかを常に考えようとか、雑談をしながらでも、すべっても、とりあえずネタになりそうなことを言ってくれれば、何かいろいろと一緒に考えられるじゃないですか。編集者とライターの関係性において、そういうのって大切だと思うんです。あとはもう1つ重要なのが、知ったかぶりしないこと。

朽木:これ、大事ですよね。

宮脇:知ったかが、1番だめです。わかんなければ、わかんないで聞けばいいんです。自分がバカに見られるかもしれないですけれども、知ったかぶりをせずに何でもきちんと調べたりしたことは自分の中に蓄積していくので、それってライターとしての成長なです。知ったかぶりする限りは成長しないので。私自身も、今までこれはすごく意識してきました。

朽木:あと落とし穴になりがちなのが、知ったかぶりして書いちゃうとか、調べが甘いままで書くと、本当に痛い目をみるんですよね。ですので、ネットで調べてコピペじゃないですけれども、リライトして載せるっていうのも単価が低いとやりがちなんです。かかる時間を短くしないといけないから。

それで本当に知らないことを書いちゃっていると、ソースが根本的に間違っていたりすることがあり得るということに、もうちょっと自覚的になってもいいのかなって思うので。

宮脇:そうですね、本当に。致命的な間違いによって、メディア自体が潰れちゃったりすることもありうるわけですから。責任問題です。仕事が完全になくなりますものね。

朽木:だからライターが書いたものって、本当にある程度チェックしないと普通にペラって貼ったものが上がってきちゃうこともあるので、そのことに気をつけないと。

宮脇:大変なことになりますね。編集者は、もちろんそこをきちんとチェックしています。ちゃんと調べて取材して書いてくれるライターさんなら、この部分で信頼関係が結べますよね。

朽木:そうですね。気をつけたほうがいいですよっていう、ライターも編集者もお互いに。

宮脇:あれ? ちょっとしゃべり疲れてきた?(笑)

朽木:疲れていないです(笑)。

速報記事か、丁寧な解説記事を書くか

宮脇:Webのライティングを突き詰めると、速いか深いか、どっちかだと思うんです。時事性を考えていちはやく出す、いちはやく出すことでヤフートピックスに出ることを狙う。Web業界では、先を争うようにやっている書き手がわんさかといるんですね。

ただ、そこで勝負してもベテラン記者にはなかなか勝てない。本当にプロフェッショナルですので、大手の新聞記者さんって情報網もすごいし、書くのは速いし、全部すごいんですね。

逆に言うと、そういうことじゃなくて、さっきのTHE PAGEは1つの解だと思うんですけれども、じゃあ一歩踏み込んで専門家の見解を入れるとか、取材をしてきちんとした情報を載せるとか、ちょっと違った第三者目線を入れようとか、そういうことを考えて書くのがすごく重要になります。これは別に、紙とかWebに限らずの話ですね。

さて、コンテンツメイクの原則を話すと、ライターに限定した話じゃなくどんどん広がってきているんですけれども。最後に、これは僕が削ろうかと思ったんですが、朽木さんが絶対入れてくれと言ったので。

朽木:入れたほうがいいと思います。

宮脇:コンテンツの種類をざっとあげていくんですけれども、もともと情報発信って紙の世界で下向きだと思いますね。インターネットでSNSとかが出てきたことによって、情報が共有されたり拡散されたりするようになってきたと思うんです。それが縦軸です。

横軸は、すごい広告色の強い記事。こっちはあくまで広告色じゃなくて普通の編集記事みたいなイメージですけれども、もともとメディアというのはこういう位置にいたんですね。

要は広告じゃなくて、あくまで編集者がおもしろい、ライターがおもしろいと思った情報を一方的に発信するというのがメディアだったので、インタビューとかニュースとかコラムとか本とか電子書籍とかなんですけれども。

だんだんこれがやっぱり上の要素が強くなってきて、メディアでマーケティングしようとか、メディアでコミュニケーションしようとか、もっというと、広告色の強いコミュニティをつくったりとか。外から見づらいものをつくって会員を囲うというビジネスモデルもあるので。

それが、メディア側もだんだん情報拡散とか共有というのをすごくするようになったんですね。これってやっぱり既存メディアのソーシャル化だと思っていて、すごく進行しているんです。

こういう状態になっているのはライターさんもちゃんと理解した上で、コンテンツをつくると差がつくということですね。ソーシャルメディアというのは、ここはプラットフォーム化というか、模様がすごく変わってきているので、それを意識して深く書いていけるかが、すごく重要です。

どのような状況で読まれるかを意識する

朽木:このマトリックスを残してほしいと打ち合わせのときに言った理由が、さっきの一番最初の料理の話に戻るんですけれども、料理というか編集って何だって考えたときに、食材を集めてくるとかそういう工程をあまり考えずに、料理だけするっていう人が産まれがちなんです。

料理のところだけできればいいのかっていったら、料理のことしかできないのに料理業界全体のことは考えにくいじゃないですか。こういうことを知った上で編集者とやり取りをするのか、知らずにやり取りをするのかって、編集側からライターさんを見ると、結構わかっちゃうんです。

その状態だと、いつまでたっても単価が上がらない。今回だったら「独学のライターと差をつける」というテーマ、そういうテーマで集まってくださっている皆さんは、何か課題とかを感じられていると思うんですけれども。

そこから一歩抜け出るために必要なのは全体を見通すとか、そもそも何で自分はお金をもらっているのかという、皆さんが何に対してお金を支払われているのかというのを最初に考えるべきです。

宮脇:私は、編集者であり経営者なので、ライターが活躍できる土俵がやっぱり変わってきているのを身近に感じています。今まであった仕事がなくなりつつある、ゼロにはならなくても、確実に減っているんですね。

確実に減っているから、あえてそこで広げるということも当然できるし、それもひとつの戦略だと思うんです。具体的にいうと、やはり雑誌や書籍の仕事は以前に比べて減っています。その減っている市場に、新人がなかなか乗り込むのは難しい。ベテランでも生き残りをかけているわけなので。

もちろん、この時代だからこそ、あえてじっくり書籍をつくるというのも1つの戦法だと思います。ただ、やはりハードルは高い。やはりいま、ライターとして稼いでいこうとしたら、まずはWebがその入口になると思います。

というわけで、いろいろ話は広がってしまいますが、ライターが意識することのまとめをしておきましょうか。これは復習になるんですけれども、誰が読むのか、読者というのをちゃんと想定して、編集者は企画方針を立てます。もちろん、ライターもこれをきちんと理解する必要があります。これはとても大切です。

さらに突っ込むと、どういう状況で読んでもらえるのか。これは唐突なんですが、紙で読むのか、PCで読むのか、スマホで読むのかというのを考えると、文字量とかも全然違ってきますし、伝えたい見出しとか使いたい写真とかも全然変わってきます。編集者の視点からすると、どういう状況で読まれるかというのは結構考えたりします。

ライターさんもこれをわかっていると、文章の書き方が変わってきます。読み手に何を伝えたいのか、その方法は適切かということです。これもターゲットをちゃんと理解して、伝えたいことをちゃんと把握していること。

読者に何をしてもらいたいのかを意識する

宮脇:あと、ここまでしっかり意識できるライターがいたらすごいと思うのですが、「読者に何をしてもらいたいのか」。ここまで考えると相当レベルの高いライターになれると思うので。

さっきのアディダスの例でいうと、Tシャツを買わせたいんです。シャツを買わせるために、わざわざ宮崎まで取材に行かせてもらっているので、自分の書いたもの、アップしたコンテンツで人がどう動くのか、自分に与えられたミッションは何なのかを意識できるかどうか。重要ですよね。

もちろん、購入がゴールじゃないケースもあります。いま商品を買わなくてもいいから、とにかくファンを増やしたいんだというニーズもある。たとえば、300万円超のスポーツカーを気軽にクリックして買ったりとかしないじゃないですか。

朽木:なかなか(笑)。日頃からコミュニケーションをとって、ファンになってもらって、いつかのときに考えてほしいっていうふうになるわけですね。

宮脇:そうです。それ以前の問題としては、そもそも知られてないので知ってほしいというのもあるんですね。これがきっかけで、さっきGazoo.comのサイトを知らなかったと言っていましたけれども、たまたまそれをうちのサイトが見られて、こんなサイトあったんだみたいな、そういうやっぱり認知っていうのは、どこでどうあるのかわからないので。

より編集的な話になるのでこれ以上は、この講座ではそこまでは踏み込めないんですけれども。編集者はこういうことを考えているということをやっぱり皆さんにも「あ、そうなんだと、あいつらこういうことを考えているんだ」と、知っておいてもらえればと思います。あとは、どうやって稼ぐのか。

朽木:これは僕の専門分野になりますね。先の「読者に何をしてもらいたいのか」はメディアのキャッシュポイントになるので、他のビジネスはわからないけれども、販促費とか広告費とかいうものが流れてきて、それぞれのメディアにわたって、それがライターにわたる。

この仕組みがわかっていて、さらにその下ですよね。メディアがどうやって稼いでいるのかというのが、結局のところライターがわかっていないと、本当に料理だけをする人みたいに歯車になってしまいます。そこでどんな差をつけるとか、20年後も同じこの仕事をしていくということを目指していくべきなんじゃないかと思ったりします。

ライターはブロガーになるべきか?

宮脇:編集者とライターの立場から説明したつもりではいるんですけれども、ライターさんってやっぱり、どうやって稼ぐのかっていうのは、どっちかというと自分で書く場を持って、そこでも稼げるようになったらすばらしいじゃないですか。

たとえば「ネタフル」のコグレさん。プロブロガーとしてしっかり稼いでいて、同い年の友人なのでちょいちょい一緒に飲みに行ったりするんです。そしたら、飲みの席で出てくるお酒のラベルや料理をその場でバシバシ撮影しているんですね。

私は単に飲むだけなんですけど(笑)。コグレさんはその場でtwitterやFacebookに写真+ひと言を流す。さらに、自宅に帰ってから、翌日には飲みの場を取材した記事としてアップされているんです。職業ライターとは比べ物にならないくらいの情報発信力を持っています。

ライターとブロガーというのはやはり違う職能なのですが、ブログで生計を立てているブロガーに学ぶことはすごくあると思うんです。本当は僕、ライターはブロガーになったほうがいいのかなと思っているんです。

朽木:それはちょっと思いますね。ブロガーになることによって、アフィリエイトだったり、自分のところでタイアップ広告をつくることができるので、生活という意味ではしやすくなります。

宮脇:仕組みとか勉強になりますし。

朽木:自分の手の届く範囲で試行錯誤してメディアの勉強できるようになるので、ブロガーになるっていうのはとてもおもしろいことだと思います。

宮脇:ただ、職業ライターとして仕事が増えると、自分のブログを書いている暇がなくなっちゃうんです。私自身、まさにこれでした。

朽木:そうか、手が回らなくなっちゃう。

宮脇:そこがやっぱり難しくて、お金をもらってライティングするのを重要視するタイプと、やっぱり自分は好きなことを書きたいからブログでより稼ぐことを重視するタイプもいます。どっちが良い悪いじゃないけれど、この講座ではお金をもらってライティングする職業ライターにフォーカスしていきます。

朽木:となると、原稿料の話は外せませんよね。

宮脇:もちろん。弊社ではライターさんに原稿を依頼する際、その内容はもちろんですが、必ず締め切りと原稿料を提示しています。意外とあいまいなまま進める代理店や制作会社もあるので、気をつけてもらいたいですね。

ということで、お金の話は後ほどじっくりするとして、ライター養成講座第1回では、稼げるライターになるなら「編集者目線」をいかに理解するのか、知っておくのかについて、かなりの時間を割きました。残り5回もよろしくお願いします。

朽木:はい、はじめにも言ったのですが、今回のテーマである「独学のライターと差をつける」これは本当に自分の経験からどうしてもお伝えしたいところで。今ライターとしては5年目で、ありがたいことに所属組織も個人としてもさまざまな案件をいただいているのですが、こうなるまでには非常に試行錯誤したといいますか。

振り返ってみると、しなくてもいい苦労や、間違いがあったと思うんですよね。でも、そういうことって、宮脇さんもおっしゃったように、紙メディアの門が狭くなっている現状では誰も教えてくれないんです。

だとしたら、僕の方はむしろ生え抜きのWebライターとして、諸先輩型のノウハウをみなさんと一緒に学びつつ、みなさんが詰まりそうなポイント、落とし穴になりそうなポイントをご紹介できればと思います。残り5回もよろしくお願いします。

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