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【煽りパワポ】「プロレス界における格差問題を解消する方法」(全1記事)

【全文】プロレス界にも存在する格差問題、ササダンゴマシン選手が「煽りパワポ」で見せた解決策とは

2015年2月15日にさいたまスーパーアリーナで開催されたDDTプロレスの大会「さいたまスーパーDDT 2015」の中で、桜庭和志選手と対戦するスーパー・ササダンゴ・マシン選手が繰り出した「煽りパワポ」の全文を掲載。

プロレス界における格差問題を解消する方法

アナウンス:ただいまより、スーパー・ササダンゴ・マシン選手による、煽りパワーポイントを開始いたします。

スーパー・ササダンゴ・マシン選手(以下、ササダンゴ):おはようございます! えー、それでは、「プロレス界における格差問題を解消する方法」というテーマでプレゼンテーションをさせていただきます。坂井精機株式会社、スーパー・ササダンゴ・マシンでございます。

まずはじめに、スーパー・ササダンゴ・マシンとは、新潟市東区在住のローカルインディーレスラー、37歳です。

これといった目立った戦績もなくですね、地元のプロレス団体でも、ほぼ、活躍はしておりません。

具体的にどんな感じかといいますと、ポスターの扱いが新人レフリーと同じ大きさなんですね。

拡大しますよ?

こんな感じです。

しかし! そんな私にも、チャンスがやってまいりました。スーパー・ササダンゴ・マシン、本日、桜庭和志さんと対戦します!!!

(会場拍手)

プロレスラーは本当は強いんです。桜庭さんは、プロレス界の誇りであり、プロレス界の夢でした。

そんな桜庭さんと試合をやること、そして、桜庭さんに勝利すること。それは我々四流インディーレスラーたちの、夢でございます。

それ、即ち、「アメリカンドリーム」と言っていいんじゃないでしょうか。

アメリカンドリームなんて存在しない説

ササダンゴ:しかし!!!

ここ最近ですよ? 「アメリカンドリーム」なんて存在しない説というものがささやかれております。

えー、誰が言っているのかと言いますと、フランスの経済学者、トマ・ピケティさんですね。

『21世紀の資本』という著書におきまして、彼はこんなことを言っています。資本収益率と経済成長率は、本来等価であるべきなんですけれども、ピケティ教授が300年間先進国の税収を調べた結果、実は経済成長率、要は我々の給料の増え方ですね。給料の増え方というのは、年1.5%なんだそうです。

それに比べ、資本家が株や不動産を投資することによって得られる利益は、なんと、年4%あるそうです。これ、ずっと続いているそうなんですよ。

つまり、資本収益率というのは経済成長率よりも全然高い、と。これですよ。経済格差は拡大するという、民主主義や資本主義の価値観を根底から揺るがす考え方なんです。発見なんですよ。

これ、プロレスも一緒なんです、実は。

わかりやすく説明しますよ?

資本収益率と経済成長率、この関係が、まったくこうなるわけです。

いいですか? これね、強さの格差社会っていうんですけど、わかりやすく説明しますと、笹団子成長率(g)というのは、非正規雇用レスラーであるササダンゴマシンが試合をすることによって得られる強さの成長率というのは、多くても年1.5%。

これってのは、ほぼ強くなってないんですね。

これ、強さのワーキングプア。俺、ファイティングプアなんですよ!

で、いっぽう桜庭さんの強さってのは、彼、全人類で限りなく一番に近い強さを持っていますよね?

つまり、強さの超大金持ち、強さの大資本家なんですよ。

つまり、強さ銀行に収めた利子だけで、あの人は生活していけるんです。

つまり、「桜庭収益率(r)>笹団子成長率(g)」。強さの格差は拡大し続けていく、これ即ち、アメリカンドリームにはならない、と。

格差社会への対抗策

ササダンゴ:しかし、強さの大資本家・桜庭和志に勝つ方法なんてあるんでしょうか。大資本家、金持ち、投資家。彼らに打撃を被らせる方法がただひとつあるんです。

リーマン・ショックです!!!

私、リーマン・ショックを自在に操れる男なんですよ。一発垂直落下式リーマン・ショックが決まれば、相手の体力を35%、3回成功すれば105%。前回私、弊社代表取締役の高木三四郎大社長と試合をしたところ、やっぱりね、経営者にはこれ通用する技なんですよ。「持てるもの」にはむちゃくちゃ効く。

……わかります?

ちょっと、わかんないですかね(笑)。

じゃあ、課題があるんです。桜庭さんにリーマン・ショックがかけられるのかっちゅうことなんですよ。

ここから先の作戦は、声に出して言うと舞台の袖に控えている桜庭さんに聞こえてしまうので、パワポだけでご覧ください。

いきますよ?

ちょっと読みづらい方いたら、軽く読みますよ。

(小声で)桜庭さんへのリーマン・ショックのかけ方。転ばすしかないんです。

(会場拍手)

(小声で)いいですか? いいですか? 桜庭さんの転ばし方、それ即ち、バナナの皮なんです。

(小声で)北里大学の馬渕教授の研究によりますと、バナナの皮は通常の床の6倍滑るんだそうです。これ、イグ・ノーベル賞の物理学賞を獲った研究なんです。

(小声で)で、作戦をまとめます。桜庭さんの打撃技で、私、コーナーに追い詰められます。

(小声で)そのあと、ササダンゴ、コーナーでダウンします。

(小声で)すると、セコンドの彼がその隙に私にバナナの皮を渡します。

(小声で)で、桜庭さんがバナナの皮で転ぶ。通常の6倍の滑りやすさなんでね。

(小声で)で、すかさずリーマン・ショックです!!!

(小声で)で、1〜5のプロセスを3回繰り返します。

(会場拍手)

(小声で)わかりますか? 完全勝利です!

とにかく、上げて、上げて、いきましょう。頑張ります!

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