2024.10.10
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司会者:お時間になりましたので、開始させていただきます。本日は第5回クリエイターヒストリア「伝説のRPG『moon』のイラストレーターが九死に一生を得て感じたクリエイターの生き方」にご参加いただき、誠にありがとうございます。
クリエイターヒストリアは、ゲーム業界でお仕事をしているデザイナー・プランナー・エンジニア・マーケターなどクリエイター向けに、キャリアデザインをテーマに実施するセミナーイベントです。各回豪華ゲストをお招きし、今に至るまでの努力や道のり、人生の転機などをインタビュー形式でひもといてまいります。
それではさっそくですが、本日のメインインタビュアー、ゲームクリエイターズギルド主宰の宮田さん。自己紹介をお願いいたします。
宮田大介氏(以下、宮田):ゲームクリエイターのための「お互いに学びあってどう活躍していくか?」というところを助け合っていこうという、ゲームクリエイターズギルドを主宰している宮田です。今回も大変おもしろいゲストをお呼びしていますので、よろしくお願いいたします。
司会者:宮田さん、ありがとうございます。それではさっそくですが本日のゲスト、倉島一幸さんにご登場いただきましょう。倉島さん、お願いします。
宮田:よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
倉島一幸氏(以下、倉島):よろしくお願いします。
宮田:倉島さん、本日はよろしくお願いいたします。
倉島:はい、よろしくお願いします。
宮田:お忙しい中、倉島さんに5回目のゲストに登場していただきました。倉島さんもお話聞いたところ、なかなか激動の人生だったので。今回は濃厚な時間になるんじゃないかなと思っています。
倉島:おもしろいって言われるとハードルが上がるので「おもしろくないやつ」っていうことで。
宮田:(笑)。(倉島氏の服を指して)Tシャツの時点ですごくパンチがあります(笑)。
倉島:『コブラ会』ですね。
宮田:『コブラ会』のTシャツ、売ってるんですね(笑)。
倉島:これね、3,000いくらしたから元取ろうと思って、なるべく(着ている)。
宮田:(笑)。どこで売ってたんですか?
倉島:これはAmazonで買いました(笑)。
宮田:(笑)。この勝負どころで『コブラ会』のTシャツを。
倉島:触れていただいてありがとうございます。
宮田:(笑)。じゃあ本日、よろしくお願いいたします。
倉島:よろしくお願いします。
宮田:今回のゲームクリエイターヒストリアというイベントにつきまして。「ゲストの歴史を探求する」と書いてあるんですけれども。どんなクリエイターにも、今までに活躍というか「生きてきたストーリー」があると思っていまして。そのクリエイターのヒストリーを見ることで、聞いてる人たち・見てる人たちが、じゃあ自分がゲームクリエイターとしてどういう人生を歩むかの参考になるといいな、というところでやってるイベントになります。
『クリエイターヒストリア』という題がポーンと出たところで、次にお願いします。クリエイターのヒストリーなんですけれども、キャリアに紐づいたイベントではあるんですけれども、キャリアというのが「ヒストリーポイント」と「トラックレコード」の2軸で作られているっていうところで、今回はヒストリーをまとめております。
ヒストリーポイントはその当時の「こういった状況でしたよ」というところ。対してトラックレコードというのは……トラックレコードという単語自体を、こういったキャリアだったりとかヒストリーに使うことって、あんまりないと思うんですけれども。
ゲームクリエイターズギルドとしては「クリエイターとしての実績」「こんな証を残したよね」っていう、よくオリンピックとかで大会新だったりとか、そのトラックのレコード。競馬とかでも「トラック新」とか出ますので。そういった、クリエイターとしてそれぞれの地点でどういう実績を残してたか? っていうのが、積み重なって今に至りますよね……というので、トラックレコードを軸に。クリエイターのヒストリーを一緒に聞いていこう、というかたちで作っております。
宮田:というところで、さっそくお話に入っていきたいと思うんですけれども、その前に。クリエイターヒストリーって過去にさかのぼっていくので、見てる方の中には「その当時ってどんな時代だったっけ?」っていうのがわからない方とか「そもそもまだ生まれてないよ」っていう若い方もいたりするので。いったん今回の話の舞台になる1990年に戻って、というところで、年表を書いてきました。
90年がちょうど、スーパーファミコンが出た当時っていう感じなんですよね。
倉島:あぁ、懐かしい。
宮田:スーパーファミコンが発売して『ファイナルファンタジー4』とかは、これはファミコンとスーパーファミコンが移り変わってタイトルが出てくる時代ですよね。この時代、特にやってたゲームとかってございます?
倉島:スーファミがほしくて『ボンバザル』と抱き合わせで買わされておもしろかったです。
宮田:『ボンバザル』(笑)。ワゴンセール的なやつなんですかね。
倉島:そうですね、抱き合わせちゃいましたね。あと『F-ZERO』がすごい好きでしたね、任天堂さんの。
宮田:なるほど。『F-ZERO』はめちゃくちゃおもしろかったですね。スーパーファミコンの最初のほう、出てましたもんね。
宮田:そういったスーパーファミコンの時代から、ちょうどここにビックリマークついてると思うんですけど、ここが倉島さんのトピックスがあるところなので。赤字のタイトルが特に関わってるタイトルっていう感じですね。
倉島:そうですよね。
宮田:『ファイナルファンタジー4』のあとの『スーパーマリオRPG』だったり。で、PlayStationが出て、1995年。『テイルズオブファンタジア』みたいなタイトルとか、RPGでもちょっと変わった風な、アクション性のあるものが出始めて。今も続く『テイルズ』シリーズの第1作目ですね、これは。で、王道の『ドラゴンクエスト6』が出て、そこで『moon』が出てくるみたいな時代ですね。
そのあと、ドリームキャストやPlayStation2みたいな「次世代機」がどんどん出始める時代につながってくる、という感じですね。
このビックリマークがヒストリーポイントになってくるんですけれども、さっそくもう見ていきましょうか。ヒストリーポイント①ってところで、さっき『ファイナルファンタジー4』が年表にあったと思うんですけど、ちょうどこの発売年に初めての新卒採用を行っていたスクウェアさんに、新卒入社をされるかたちですよね。
倉島:はい、そうなんですよ。
宮田:入社される前は、美術の専門学校とかに。
倉島:ええ、御茶ノ水にある美術専門学校に3年通ってたんですよ。ただ、今のゲームの専門学校とは違ってデザイナーの学校だったので。3年間習ったことは、今まったく活かされてないです。
宮田:(笑)。じゃあイラストとかより、本当に美術の専門系の。
倉島:そうなんですよ。だから今だったらPhotoshopとかで全部できるレタリングを、(当時は)ちゃんとこうやって紙に書いたりとか、「烏口」っていうのを使ってまっすぐな線を引くとか。そんな授業をずっとやってたんですけど、まったく今は必要ないですよね(笑)。
宮田:(笑)。けっこうそこからいろんな、アニメだったりゲームだったりの業界に羽ばたいていってるんですかね。
倉島:その学校でゲームにいったのは私ぐらいですかね……あとはみんなデザイン事務所とか印刷会社とか、そういうところにいった人が多いですね。
宮田:なるほどですね、じゃあけっこう異色で。その当時からゲームがお好きでって感じなんですか?
倉島:僕はもうずっとゲームが(好きで)。『スーパーマリオ』から入って、中・高とずっとゲームやってて。で、内申点もどんどん下がっていって、いける学校も少なくて。絵は多少描けたので「ゲームの絵をいつか描きたいな」と思って美大をいっぱい受けるんですけど、わりと片っ端から落ちて。学科で(笑)。
宮田:学科のほう(笑)。
倉島:実技もダメだったんですけど。それでその専門学校、名前書ければ入れるぐらいのところに入って。で、まったくぜんぜんゲームと関係ないことやって。でもやっぱりゲームやりたいからって、友達のお兄ちゃんがゲームの下請けの会社で働いてて、そこ紹介してもらって。で、その専門学校の3年生の時からちょっとずつ、下請け的な絵を描いたりとかっていう。で、軽くゲームに触れていくという感じですね。
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