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Fast Fact: Why Some Frozen Lakes Catch Fire(全1記事)

火をつけると燃える「氷の湖」の秘密

暖かい家の中から一歩も出たくないこの季節ですが、北極圏よりも北に位置する極寒の地には、火をつけると燃える氷の湖があるそうです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、凍った湖が燃える謎と、この現象が科学者たちの注目を集めている理由について解説しました。

凍った湖が燃える秘密

ハンク・グリーン氏:氷に閉ざされた湖は、まるで絵葉書のように美しいものですね。雪が降り積もった岸辺、裸の木々、どこまでも広がる凍った湖面は、まさに「ウィンターワンダーランド」です。

ところで、実は凍った湖には秘密があります。なんと、火をつければ燃えるものがあるのです。その犯人は微生物です。

冬の湖は、微生物レベルでは、思いのほか生命に満ち溢れています。これらの微生物は、夏の間は藻類をエサにしていますが、氷点下では死に絶えます。

このプロセスでは大量の二酸化炭素が放出されますが、「メタン菌」という古細菌の一種は、二酸化炭素を利用してさらにメタンを生成します。メタンは、非常に可燃性の高いガスです。そのため、メタン菌が含まれていてメタンの発生があれば、湖の氷に火をつけることができるのです。

極寒の湖での過酷な「放火実験」が増えている理由

事実、湖に放火する実験が行われています。科学者らは、湖から放出されているのが可燃性の低い別の気体ではなく、メタンであることを実証するために、放火実験をしているのです。つまりこれは、湖を研究するためのいち手段なのです。

しかし、こうした実験は、時に過酷です。湖の多くは、氷点下より気温が上がることは稀な北極圏よりも北に位置し、夜間は厳寒です。天候は不順であり、こういったフィールドワークは、冬季には単に寒いだけではなく、危険を伴います。

しかし、冬季の湖のメタンレベルを調査する科学者らは、近年増加しています。これには、理由があります。

温暖化が進み、氷結する湖は減りつつあります。完全に凍り付く湖は減少し、あったとしても、氷りつく期間が短期化しているのです。このような変動が、生態系に大きな影響を与える可能性があります。大気圏中に放出されるメタン量が増加し、気候変動に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。

地球温暖化を食い止めるための凍結湖の研究

メタンは温室効果ガスです。その力は時が経過すると低下しますが、二酸化炭素の20年間の保温力の86倍です。

湖の温室効果ガスは、冬季には氷下に閉じ込められるため、通常であればあまり大きな影響はありません。細菌は、長い冬季間にメタンを気体から別の物質に変え、氷が溶け出しても放出されることはありません。

しかし、近年は氷結する期間が短くなり、より多くのメタンガスが大気圏に放出されるでしょう。場所によって異なりますが、将来的には放出されるメタン量は激増するでしょう。そうなると地球温暖化は進み、氷はますます溶け出して、メタンの放出量もさらに増えます。

もうおわかりですね。これは、「正のフィードバック・ループ」と呼ばれるもので、通常は状況の悪化を示します。これが、凍結湖の研究が重要である理由なのです。

探求は心躍りますし、大規模な火を燃やすのは楽しそうですが、それにもまして、温室効果の究明と、対策や防止策を練る必要があるのです。

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