
2025.03.28
AIにUIデザインの大半を任せる時代が来たら──先駆者が語る、人間ならではの「コミュニケーション」の価値
No Ears, No Problem: Frogs Can Hear With Their Lungs(全1記事)
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ステファン・チン氏:カエルの鳴き声は大音量です。これには、小さな侵略的外来種、コキーコヤスガエルのセレナーデを毎晩聞かされる「ビッグアイランド」ハワイ島の住民であれば同意してもらえるでしょう。
ところで、カエルの頭部を観察してみると、外耳が無いことに気が付きます。では、カエルはどうやってお互いの鳴き声を聞いているのでしょうか。
カエルはどうやら、音声情報を耳とは別の手段を使って脳に届けているようなのです。なんと、カエルは音を聞くのに、肺も使っているのです。
両生類の聴覚の働きは、人間のそれによく似ています。しかし、カエルは耳道の奥に埋め込まれた鼓膜ではなく、頭に直接ついた鼓膜を使う点で異なります。音が鼓膜に届くと、鼓膜は振動します。その振動が連鎖して、カエルの内耳にある特定の細胞を震わせる液体にたどり着きます。この細胞は振動を受けると、脳の聴覚中枢に電気信号を送ります。
低周波の振動は、耳の一部分の細胞を刺激します。一方で、高周波の振動は耳の別の部分の細胞に刺激を与えます。脳は、耳のどの部分から信号が送られてきたかによって、音の高低を判断するのです。
ところで、メスのカエルがつがいを探す場合は、音の高低以外の情報が必要です。音の発生源が必要なのです。鼓膜は、それも判別してくれます。
音波は、頭の両側の鼓膜に直接当たります。音波は、それぞれ両側の鼓膜から、口と反対側の鼓膜をつなぐ管である耳道を通り、口を経由して反対側の鼓膜に送られます。つまり、音波は両側の鼓膜に、内外から到達するのです。通常、発生源により近い方の音波の圧力が高いため、カエルは、その差からつがいの居場所を突き止めます。
さて、問題はこのシステムがうまく働かないことがある点です。例えば音が低い場合、左右の鼓膜への圧力にはあまり差が出ません。また、例えばコキーコヤスガエルの場合は、鼓膜が小さいため低い音そのものに対して反応ができません。
平面が受ける音エネルギー量は、表面積に比例します。低い周波数や低い音量の音エネルギーは小さいため、小さな鼓膜は低周波の音や静かな音をうまく捉えることができません。そのため、通常の音量であっても、小さな鼓膜を持つカエルは、低い周波数の音にはまったく反応を示さないのです。
そんなカエルへ聴力の救援の手を差し伸べるのが、肺です。カエルの胴体を音が通ると、肺は巨大な鼓膜のように振動します。振動は声帯を通って口に至り、耳道のハイウェイを使って内側から鼓膜を震わせます。その際に圧力に差が生じ、音の発生源を特定できるのです。
肺の表面積は広いため、鼓膜が拾うことができない低周波の音でも、反応することができます。カエルの種によっては、肺が鼓膜の機能を全面的に肩代わりしているものもあります。
これは、鼓膜を欠損したカエルを使った実験で、音を処理する脳の部位の活動が、肺の振動と合致したことから明らかになりました。また、カエルの胴体を1.5センチメートルの防音シリコングリースで覆ったり、振動しないように肺に食塩水を詰めたりしても、脳の反応が鈍ったのです。
つまりカエルは、肺を振動させることにより、音を聞いていることが明らかになりました。
初期の両生類は、鼓膜が発達する前にはこのように胴体で周囲の音を聞いていたのではないか、と研究者たちは考えています。
みなさんが、雨あがりの散歩でカエルの合唱を耳にしたら、それを可能にした生命の驚異に思いを馳せるのも楽しいかもしれませんね。
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