2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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白勢竜彦氏(以下、白勢):だいぶ時間が押してきてしまっているので、事前にいただいた質問への回答にいかせていただこうかなと思うんですけれども。
音楽という軸で考えて、コロナ前は「ライブや物販がメインなので、レコード会社は不要」って論調とかもあったけども、コロナと生きる世界でレコード会社がすることって何なのか? あとはライブハウスとかそういった場所も、コロナの中でどういったスタイルが考えられるでしょうか?
まだ答えは誰もがわからない世界なんですけども。音楽に関わってずっとやってきたスタジオ、ライブハウス、レコード会社とかがどういった感じになるか。じゃあ野島さんからどうでしょう?
野島光平氏(以下、野島):レコード会社の役割でいうと、自粛になって家にこもるようになって、みんな音楽聴かなくなってるというデータが出てるんですよね。音楽って通勤中、通学中、移動中に聞く人が多いので。家だとやっぱり、動画とかそっちに可処分所得を持っていかれちゃうところがあるみたいで。こういう状況が続くと、音源で収益を作っていかなきゃいけないと思うんですよね。
今、DJ配信をやってる人もいっぱいいると思うんですけど、現状、権利上はけっこうグレーな状態だと思うんです。でもホワイトにDJのライブ配信ができて、かつレーベルとかアーティストにもその収益が分配されるような仕組み作りみたいなのを、レコード会社にはやってほしいなと思ってますね。
白勢:ありがとうございます。アフロさんはどうでしょうか?
アフロマンス氏(以下、アフロマンス):今はアーティストもクリエイターも家にバラバラにいる状態で、それぞれが手探りで個々のメディアで発信してるような感じじゃないですか。Facebookでライブする人も多いし、インスタでライブするDJも多いしみたいな。ただやっぱり、それを束ねる人ってなかなかいなくて。
不在なのはどっちかというと、トータルのプロデューサーというか。BLOCK.FESTIVALも、個々のアーティストがそれぞれのSNSで発信するのと、フェスとして1ヶ所で1つの企画としてやるのとで、違うと思うんですよ。
「1+1=2じゃなくて10」になるような感じというか。レコード会社は、そういう束ねる役の人たちだと思うので。今ってバラバラなので、アーティストをどんどんまとめて、こういう形でマネタイズしていこうとか、こういう形でライブ配信しようとか。そういうプロデュースみたいなところを、どんどんやって欲しいかなと思います。
白勢:ライブハウスとかがリアルな場所だったから、そういうのができてたんですかね。ライブハウスとしての信頼があったから。「新宿のJAMがあるから聞きに行こう」とかあったけども。そういう新しいものができてこないと、ってところですよね。
アフロマンス:ライブハウスとかクラブも、そういう意味でネットワークも信頼もあるから。そういう人たちがアーティストとか出演者に声かけて、オンラインでなんとかやっていく……。
でも難しいのはね、今はリアルな場があって、それがある意味で負債というか。家賃を払わなきゃいけないとかそういう問題、ものすごくディスアドバンテージがある状態。なのでそこはなかなか難しいんですけど。それこそ秋葉原のMOGRAとか。
白勢:やってましたね。この前。
アフロマンス:ああやって、箱(ライブハウス)同士をつないでますよね。あれはアーティスト発信ではなくて、箱発信で。日本中のクラブとかライブハウスをつないで、個々がやったら小さい点かもしれないんだけど、それをネットワーキングすることで1つの大きな流れにしていくみたいな。それはまさに「1+1+1=3じゃなくて10」みたいなことをやっていくのが、いいのかなと思います。
白勢:ありがとうございます。投げ銭だろうとなんだろうと、音楽をまとめて育てていくというか。そこをやれる人が今はオンライン上にいない、みたいなところは急務かなと思います。
逆にそれって、音楽聴く人たちがきちんとお金を払うとか、対価を払うみたいなところを忘れないというか。そのための窓口も作っておく必要はあるんですけど。
今、質問がありましたが「有料化がちょっと怖い」みたいな。「なんでわざわざ今ある中で有料化するの?」みたいなのもあるとは思うんですけど。さっき言ってた「楽しいが必要だ」とか、そこに対してきちんともらうみたいなことで。やっぱりそこは怖がっちゃいけないですよね。
アフロマンス:これもさっき言った「リアルイベントのときどうだったのか」って考えたほうがいいと思うんですけど。例えば「未熟なミュージシャンが未熟な音楽でお金をもらっていたか」というと、そうじゃなくて。まだ練習段階だったら、どっちかというと「人のつながりでお客さんを呼んでた人が多いじゃないですか。
白勢:ノルマとかね。
アフロマンス:あいつがやるなら行こうみたいな話。お前がやるなら1500円くらい払うわみたいな。それって、応援という意味でお金を払ってたわけですよね。
確立されている有名ミュージシャンのオンライン配信と、まだそこまでのプレゼンスを発揮できてないアーティストやDJがやることは、また違うと思うんですよね。何に対してお金をもらうのかっていうのは、よくよく考えたらやり方が見えてくるというか。だって何も考えずに「お金ください」なんてないじゃないですか。
藤田祐司氏(以下、藤田):そうですね(笑)。
アフロマンス:例えば「感動したらお金ください」っていうのもあるかもしれないし。「僕にはこういう夢があるんです」と言って、お金をもらうかもしれないし。お金って何の意味でもらうお金なの? という。そこはね、たぶんいろいろ考え方があると思うから。自分が今やろうとしていることに、一番マッチしたお金のもらい方は考えたほうがいいかなと思います。
藤田:今日ずっと話してて感じたのは、目立ってるお金で、オンライン上の投げ銭とか含めてうまくいってるのを見ちゃうと「あれと同じことはできねぇな、俺」って思っちゃったりとか。「どうかな……」ってちょっと遠慮しちゃうところって、どうしてもあるのかなと思うんですけど。
今まさにアフロさんがおっしゃっていたとおりで「自分はライブハウスで1500円で30人の人に応援してもらってきた」ということであれば、同じように「それをオンライン上でやって30人の人に届けたい」って動けばいいという。
ちょっとそこが、オンラインの世界で生きてるといろいろ比べちゃうっていうか、目に見えすぎちゃうので。それによって、遠慮しちゃうみたいなところもあるのかなと。そこはもう1回冷静になって考えてみて「今までも対価もらってたよね」ということであれば、もらえばいいし。自分に合ったやり方を考えていけばいい、ってことなのかなって。
アフロマンス:前からよく言いますけど「小さいイベント、大きいイベント。どっちが偉い?」とかないんですよ。小さいイベントじゃないとできないことっていっぱいあるし。例えば去年やった「ダサセーターパーティー」とか。
藤田:あ~はいはい(笑)。
アフロマンス:人数限定だから、全員がダサセーターを着るっていうことができるんですね。これが1万人のイベントになったらそんなことできないじゃないですか。
藤田:うん、できない(笑)。
アフロマンス:「みんなでこういうことやろう、ZOOM上で」みたいなことはできるわけですよね。限定30人、50人って規模であれば。そこからさっきの焚き火の話じゃないけど。さっきコメント欄で庄司さんがおもしろいこと書いてたけど「100円で薪を1本くべてくれる。金が尽きると火が消える。いいモデルだ」って。
藤田:あはは。そうですよね。
アフロマンス:たしかに「火くべてくれるんだったらいくらか払う」みたいな。「時間が延びるんだったら」みたいなね。それってやっぱり、1万人でやるイベントじゃないでしょ。
藤田:間違いない(笑)。
白勢:「薪何本くべられんだ」みたいな(笑)。
藤田:1万人でそれやったら、たぶん大火事になりますよね(笑)。
アフロマンス:今から活動を始める人はちょっと違うかもしれないけど、これまでリアルでなにかしら活動していたんだったら「自分がどういうときにうまくいったのか」というのをもう1回思い返して、それを「オンライン上でのコミュニケーションはどういう形になるんだろうか」って考えるといいかも。別に誰かがやってることの真似じゃなくて、お金のもらい方も色々あるかなと思います。
白勢:なるほど。みんな環境が変わりすぎてね、いきなり一気にフラットになっちゃったから、わかんなくなってウロウロしてるっていうのはあるんだろうなって感じですよね。
アフロマンス:「俺はずっとリアルでライブやってたから、オンラインとかよくわかんない」みたいな人は、たぶん多いんだと思います。投げ銭系のアプリでアイドルとかが「誰々さん~、誰々さん~」とか読んで、ピョンピョンピョンって投げ銭してもらってるのを見て「俺こんなんできねぇわ」みたいな。
藤田:あはは(笑)。
アフロマンス:でもそんなことしなくていいんですよ。だってそのアイドルの配信はその人に名前呼んでもらったりとか、その人になにか扱ってもらえることにお金を払っていて。ライブとか音楽にお金を払ってないから。
ミュージシャンだったらミュージシャンとして「どういう価値をどういう人に届けられるのか」というのを考えたらいい。さっきの「誰かのために曲を弾いてあげる」ってこともあるかもしれないし。
白勢:意味ですよね。まさに。
アフロマンス:応援してということもあるかもしれない。それは考えようかなと思います。
藤田:いや~おもしろい。もう時間なんですよね?
白勢:時間がそろそろ。かなりオーバーしましたけど、こんなかたちでやらせていただきました。
最後駆け足にはなってしまいましたが、これにて終わらせていただきます。またよろしくお願いいたします。イベントサロンは来週から実はかたちを変えて、もっと気軽にいろんな人と話せてつながれるようなかたちで発信できればなと思いますので。
Peatixとして雑談であったりとか、イベント主催者、コミュニティ運営者がつながれる場所というのは、これからもどんどん作っていきたいと思っています。ということで、今後ともPeatixおよびアフロマンスさん、Spincoasterさん、我々、みなさんをよろしくお願いいたします(笑)。では配信を終わらせていただきます。本日はありがとうございました。
藤田:アフロさん、野島さん、今日は貴重なお話をありがとうございました。
アフロマンス:ありがとうございました。
野島:ありがとうございました。
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