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Why Do We Ride Horses But Not Zebras?(全1記事)

シマウマに騎乗できないのはなぜ? 数百万年続く、シマウマと人間の確執

シマウマと馬が近い存在の生き物であることは分かっていても、なぜシマウマに乗馬している騎手がいないのか、知っている人は少ないはず。今回のYouTubeのサイエンス動画チャンネル「SciShow」では、シマウマと馬の違いについて紹介します。

なぜシマウマは人間に恐れを抱くのか?

お気づきかもしれませんが、シマウマは馬にとてもよく似ています。シマウマも馬も同じ馬の家族で、掛け合わせた交雑育種の「ゾース」という動物も存在します。

しかし、こんなに良く似ているというだけで、騙されてはいけません。生物学と進化のおかげで、私たちはシマウマに乗ることができません。これは美しい、シマシマの壮大な罠なのです。

考古学的証拠によれば、人間は少なくとも5500年にわたり馬の調教をしてきました。しかしシマウマと人間の関係はそれよりずっと前にさかのぼります。

人間とシマウマはアフリカで共に進化し、何百万年にもわたり共に生活してきたのです。それゆえにシマウマに乗ることが難しくなったのです。人間はシマウマと共にずっと過ごしてきましたが、相性が良かったからというわけではありません。

人間は昔、シマウマを食物として捕らえ、それ以外の何物でもありませんでした。人間がシマウマを捕まえて殺してきたという証拠も存在していて、シマウマは人間が危害を及ぼす悪い存在であると認識してきました。

ある研究によれば、シマウマはつまり、人間に対して恐れを抱く性質があるというのです。

シマウマの蹴りは、ライオンの顎をも砕く

それに対して馬は、ずっと後になるまで人間に出会うこともなく、シマウマが抱くようになった恐れを抱く様になる程の長期間にわたり、殺されることなく共存してきたと考えられます。

人間とシマウマの関係の始まりはよくないものではありましたが、シマウマにはもっと大きな問題があるのです。シマウマは進化の過程において、性格が悪くなってしまったのです。

シマウマは常にライオンやチーター、そしてハイエナなどの捕食動物に囲まれて生活してきたので、「戦うか逃げるか反応」をする様に発達してしまったのです。

つまり、シマウマは馬に比べて戦闘意欲があり、ずっと攻撃的です。シマウマを隅に追い込めば、噛み付いたり蹴飛ばしたりしてあなたを殺そうとするでしょう。野生の中で存続するにはそれくらいのスキルが必要なのです。

シマウマのキックはかなりの強さがあります。

大人のシマウマのキック力はライオンの顎を砕くほどの強さがあり、アメリカの動物園では他のどの動物よりもシマウマが飼育員に怪我を負わせることが多いのです。シマウマの攻撃性はかなりのものなので、研究者の中にはシマウマの遺伝的要素を調べた人もいたほどですが、その攻撃性を決定づけるものはまだ見つかっていません。

いずれにせよ、シマウマに乗ろうとするなら、進んで怪我をしに行くようなものでしょう。皆さんはどうかわかりませんが、私でしたらそんな苦労をするくらいなら自分で歩く方を選びます。

シマウマの体は人間が乗るようにできていない

それに決定的な点として、気性の問題を別にして、シマウマの体は人間が乗れるようにできていないのです。馬とシマウマは同じ家族ですが、家畜の馬と比べてシマウマの方が小さく、背中がそんなに強靭ではないので、重い荷物を運ぶことができないのです。

また、シマウマの首は太いので、手綱を使って方向を伝えるのも簡単ではありません。それに、シマウマは意地悪なので、疲れたらすぐに諦める傾向があります。素早く乗ることに成功したとしても、硬い地面に落とされてしまうでしょう。

これはただの仮定ではありません。ビクトリア朝時代、ヨーロッパ人はアフリカの一部を植民地化しようとし、シマウマを調教するというアイディアは人気がありました。サハラ砂漠以南のアフリカの地域で「睡眠病」と呼ばれる、ツェツェ蠅によって媒介される不治の病が流行していたため、彼らの馬は使い物にならなかったのです。

その間、シマウマはほとんどその病気に感染しませんでした。なぜなら滅多にツェツェ蠅に刺されることがなかったからです。ハエがそのシマに寄せ付けられなかったからか、シマウマの肌に自然なハエよけの効能があったからかもしれません。その理由が何であったにせよ、ヨーロッパ人はそれに気がついて、馬の従兄弟であるシマウマを飼い慣らそうとしました。

いくつかの成功例はありましたが、ほとんどのケースで大失敗に終わりました。現在ではシマウマに乗ろうとする人はほとんどいなくなりました。人間は正気になり、シマウマの代わりにジープに乗るようになったのです。このことから、人間の力がいかに強大になろうとも、自然の力の方が一枚上手な場合があると言えるのです。きっとそれでいいのでしょう。

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