2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
Why Scientists Briefly Thought the Earth Was Hollow(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
マイケル・アランダ氏:人類は存在し始めてからずっと、地球の内部で一体何が起きているのだろうと疑問に思ってきました。歴史を通して、多くの文化は地球の内部は空洞で、失われた文明や地獄の火、またはお腹をすかせた恐竜などを隠した神秘の領域であると考えてきました。しかしこれらのアイデアは伝統に基づくもので科学的ではありません。
そこで、17世紀にとあるイギリス人の科学者がいくつかの証拠を元に、実際に地球は空洞であると主張しました。現代になって彼のアイデアは間違っているとはっきりわかりますが、それでもそのアイデアが重要でなかったというわけではありません。
彼の研究は地球科学の分野を刺激することとなり、啓蒙時代に出てきた素晴らしい科学的理論のいくつかが発展する助けとなりました。それに、そのアイデアのいくつかは実際正しいと言えるのです。その科学者とは、エドモンド・ハレーのことです。
彼は1656年生まれで、科学全般に興味を持っていました。ハレーは天文学者、地球物理学者、そして数学者でもあり、彼は特に彗星の楕円軌道の計算法で有名になり、後に彼の名前がつけられました。
彼はまた彼の友人であるアイザック・ニュートンが、現在は「プリンキピア」と呼ばれる、彼の代表的な功績となった論文を発表する手伝いもしました。
「プリンキピア」にはニュートンの運動の法則について紹介されています。これらすべての他に、ハレーは「磁気偏角」について深い興味を抱いていました。「磁気偏角」とは、地球の北磁極(地磁気が示す北)と、本当の北のずれのことを言います。本当の北とは「地理的な北」、つまり経度の線が北極圏と交わる、この惑星の最北端のことです。
「北磁極」は「地理的な北」とは異なり、それは地球の磁場の最北端で、コンパスが静止する場所のことです。
この磁場はいつも変化しているので、「北磁極」が動くと「北」とズレが生じるのです。
現代では、表や地図を見ればそのズレを知ることができます。しかし17世紀には、なぜ地球の磁場が変わるのかわかる人は誰もいなかったので、それを知る由もありませんでした。もし誰かがそれを知ることができていたら、数え切れないほどの船が行方不明になるのを防ぐことができたでしょう。ハレーはその「誰か」になりたかったのです。
ハレーは何十年もかけて、フランスのパリから南大西洋のセントヘレナ島に至るまで、世界の広範囲にかけて磁気測定値を集め研究しました。一般的にそのような測定値はかなり正確で、ハレーは自身より前にの科学者同様、地球の磁場が予測できないものであるということを発見しました。
そして彼は地球には四つの磁極があるという結論に至ったのです。北に2つ、南に2つの4つです。当時は1600年代でしたから仕方がありません。彼の観察結果を説明するため、ハレーは地球の地磁気に影響を与えるなんらかの物体が、地下深くで動いているのだという結論に至りました。その上に仮説を立てて行きました。
1692年、彼の「地球空洞説」と呼ばれる論文が完成しました。しかしそれは控えめに言ってもすこし型破りなものでした。ハレーは地球には3つの空洞、同中心の外郭があると発表しました。
それらの外郭のそれぞれが地球と同じ軸に沿って回転しますが、正しく配列していない磁極を持っているというのです。それら外殻が回転するとき、磁極の正しくない配列が、地表の磁場を混乱させるのです。ハレーはそれら外殻が金星、火星、水星と同じ大きさであるという結論を出しました。
そしてこれらの星は土星の輪の原理と同様、重力によりその場所から動くことがないので、お互いに衝突することがないと述べました。彼はまた、外郭が磁気を帯びた金属などの物体と並列しているはずであると主張しました。なぜなら磁力がその崩壊を防ぐからです。なかなかよく考えられた理論であると認めざるを得ないのではないでしょうか。
ハレーは彼の良き友ニュートンから、地球空洞説のアイデアを得たのです。「プリンキピア」の中でニュートンは、月の密度は地球よりずっと高いと書いています。
現在、それはかなり不正確な物理学に基づく説であると知っていますが、その当時ハレーはそれを聞いて地球空洞説を提唱したのです。それで、地球は月よりもっと大きいのに、密度が低いと考えたのです。もちろんそれは間違っていました。18世紀、数学者のチャールズ・ハットンがその密度を計算することにより、地球の中は空洞ではないと証明しました。
彼より以前に取られたデータをもとに、地球の密度は水より約4.5倍も高いということを発見したのです。この数値は大きく外れてはいません。今日、地球の密度は水の約5.5倍であるとわかっています。いずれにせよ、ハーリーには申し訳ありませんが、その数値から考えても地球空洞説は間違ってることがわかります。
ハレーの説は大きく間違っていましたが、彼の説の一部分は正確であったと言えます。地球の中には層があります。それらは磁気を帯びた外郭ではありませんが、1920年代と30年代に行われた地震に関する研究では、この惑星には硬い内核と、外側に液状の層があるということがわかりました。
その液状の核にはたくさんのニッケルと鉄が含まれていて、時間をかけて混ざり合わされています。その動きが磁場に混乱を引き起こしているのです。ですから、ハレーは細かい部分に関して間違っていましたが、地下で何かが動いているという点に関しては正しかったのです。
地下には層があるのです。1600年代にわかっている情報は本当に少なかったのですから、その点に関して正しい説を提唱したというだけでも素晴らしいといえるでしょう。
それに、現代の私たちにとってハレーのアイデアは多少馬鹿げているように感じるかもしれませんが、彼の功績は他の人々が地球に関して深く研究するよう刺激するものとなり、現代の仮説と発見につながったのです。
このように考えると、科学は段階的であり、後から考えてみると馬鹿げているようなことが、現代につながる道を切り開いてくれたのだということがわかります。
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには