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Why are Dead Bugs Always on Their Backs?(全1記事)

死んだ虫はなぜ仰向けになってしまうのか?

CMなどを見ていると、殺虫剤をかけられたゴキブリは、すぐさまひっくり返っています。果たして、このイメージは正しいのでしょうか? 今回のYouTubeのサイエンス動画チャンネル「SciShow」では、仰向けの姿勢と虫の生態の関係性について、レポートしています。

虫が死ぬ時に仰向けになる理由

オリビア・ゴードン氏:はたいた虫や、殺虫剤で殺したゴキブリを見て、何か変だと思いませんか? 死んだ虫は、いつもひっくり返っています。物理と生物学の見地から考えても、お腹を見せて転がっているそうです。

ゴキブリやハエなど、典型的な虫の形について考えてみると、体は丸みをおびていて、大きな身体に反比例して細い足がついています。細い足の理由は、昆虫の体重は上部に集中しており、重心が高いことを意味しています。

重心が高いほど、虫が倒れないように身体の傾斜を少なくする必要があります。実際にほとんどの昆虫は、小さい足の筋肉を常に動かしていなくては、体に傾いてひっくり返ってしまいます。昆虫はまっすぐ立ち続けるために、常に腕立て伏せをしている状態なのです。

ときどき、昆虫はつまずいてひっくり返ったり、防御のために意図的に寝返りを打ちます。しかし、仰向けになったら、足や羽の行動の調整で元の姿勢に戻すことができます。コメツキムシと呼ばれる系統の昆虫は、バク宙のような状態から元の状態に着地します。

しかし昆虫はケガや病気をした場合、筋肉を働かせる力を失い、体のポジションを元に戻そうとする機能が働かなくなります。人間で言うと、インフルエンザや腕の骨折をすると側転が難しくなりますよね。

人間が腕を休めているときに指が丸まるように、足の筋肉が弱い部分は、自ずと内側に曲がります。曲がった足では、上部の重い体を支えることはできません。

殺虫剤は昆虫の神経システムを直に混乱させます。昆虫の体内で神経信号を過剰に刺激するか、抑制させる有機リン酸化合物やピレスロイドといった神経毒を含んでいます。

抑制・刺激のどちらかでも、重心を維持する筋肉の調整を失い、死の直前に仰向けになります。路上でひっくり返った虫を見つけた場合、その虫はもはや「虫の息」です。

チチュウカイミバエの実験が2002年に行われました。このハエは歳をとるほど腹の位置が上がります。こうなると死ぬ確率が40%にまで跳ね上がることが判明しました。

虫は死んでいるふりをしていない限り、仰向けには決してなりません。そしてすぐに起き上がれないということは、何かがおかしいことを示しています。

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