
2025.03.27
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Is There a Safe Way to Use Your Phone and Drive?(全1記事)
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ステファン・チン:みなさんは「ながら運転」が危険であると聞いたことがあるでしょう。「ながら運転」の危険性については、山のような研究結果がその証拠を示しています。年間約40万人のアメリが人が「ながら運転」が原因の事故で、ケガをしたり命を失ったりしています。しかしそれにもかかわらず、世界中の人が未だに「ながら運転」をし続けています。
アメリカでは、ドライバーの88パーセントが運転するときに携帯を使うとされています。
運転をする10代の若者のうち少なくとも4分の1が、運転しながらメールを打ったことがあると言い、4分の1の成人ドライバーは運転しながらメールをしても運転に支障はないと考えていて、他にも大勢の人が、通話をするなど、他の作業をしても運転に支障がないと考えているのです。実際の結果とかけ離れた見方がされているのです。
私たちは自信過剰になる傾向があります。なぜなら私たちの脳は、生死に関わる運転の際に、どれだけ運転以外のことが、運転に影響を与えているのかを示してくれないからです。極論を言うと、「ながら運転」の問題点は「マルチタスキング」、つまり一度にさまざまなものに注意を払うことにあります。
何十年にも渡り行われてきた研究によれば、自分が「マルチタスキング」を得意としているか否かは実際関係がありません。なぜなら人間は皆「マルチタスキング」が苦手だからです。自分の注意を一つのものから他のものへと切り替える時、ミスをすることが多くなります。
なぜなら運転をしながら他のことを同時に行うとき、注意を切り替えるのに、一瞬で済むこともあれば30秒を要することもあるからです。その切り替えている時に、細かいものを見落としたり、ミスをするのです。
それに、他のことに集中をしていると、もう一方の仕事に見えないところが出てきます。自分にどれだけ見過ごしたものがあるか分からなければ、自分のしていることが完璧であると思えるでしょう。それが、人々に「ながら運転」の危険性を示すのが難しい理由の一つです。
運転シュミレーションの研究によれば、運転手が携帯で話をしながら運転をする時、自分の周りにある止まれの標識、出口車線、他の車両、歩行者など、半分ほどのものを見落とすことがわかっています。
シュミレーションの後に確認をしても、そんなものはなかったと言うのです。みなさんの中には、他の人はそうかもしれないけど、自分は「マルチタスキング」が得意だから、これは当てはまらない、とおっしゃる方がいるかもしれません。
しかし現実は、「マルチタスキング」が得意だと言う人こそ、テストで悪い結果を出しているのです。運転を含む「マルチタスキング」のテストでも同様の結果が報告されています。運転手が「マルチタスキング」を得意とするほど、結果が悪くなっているのです。
自信があるかないかに関わらず、注意散漫の運転手はケガをしたり、命を落としたり、他の人にケガを負わせたりする可能性が高いのです。ですから、これは非常に大事なことで、私たち一人ひとりが防ぐことのできる問題です。
しかし、すべての「邪魔」が同様であるわけではありません。成人した運転手の場合、それがお酒でない限り、食べたり飲んだりしながら運転をしても、事故の可能性が高くなることはありません。
しかし同乗者がいる場合、興味深い結果が報告されています。若い運転手は、同乗者、特に自分と同年代の人が同乗している場合、事故に遭う確率が高くなります。しかし、運転手の年齢が高くなると、その確率は低くなるのです。
実は他のほとんどの「邪魔」に関しても同様のことが言えます。調査によると、若い運転手は、車線減少や蛇行運転の車などの危険な状況を見分けるのが得意でないため、最悪のタイミングで注意を散漫させてしまうのです。
それに、若い運転手で、注意散漫させる通話などが運転に支障がないと考える人は、成人の5から10パーセント多くなります。しかし実際、運転手の年齢に関係なく、通話をしながらの運転は、非常に危険なのです。
運転シュミレーションでは、成人運転手が通話しながら運転した場合、飲酒運転と同様の注意力と事故に遭う確率が出ました。
そして、実際とシュミレーションの両方で運転手の目の動きを追ったところ、通話などの「ながら運転」をしている運転手は、ほんの少ししか道を見ていないことがわかったのです。電話機を手に持っているか、ハンドフリー機能を使っているか、Siriなどの機能を使っているかどうかによっての違いはほとんど見受けられませんでした。
法律や私たちの脳はそれに違いがあると言っているにも関わらず、そのような結果になったのです。通話をする危険は、手がハンドルから離れることではないのです。道路から注意が逸らされてしまうところにあるのです。それには電話機そのものと関係はありません。
しかし、同乗者と話をするのは少し状況が異なります。なぜなら、同乗者も周りに何が起きているかを見ることができるからです。それにより運転手が出口を見つけようとしていたり、車線へ入ろうとする時に会話を中断することができるからです。
最後に、研究者たちは、損害事故やケガを引き起こした、大きな事故にあった車両に搭載されていたカメラやセンサーのデータを何千件も集めました。そのデータによれば、メール、電話、携帯に手を伸ばすといったことが、人々が運転をしながら行う最も危険な行為であると言うことがわかったのです。
飲食をしたり、音楽を聴いたりすることは、特に経験を積んだ運転手にとっては、脳が集中しなくてもできるタスクなのです。それにより一口かぶりつく場所がずれたり、歌詞を間違えたとしても、誰も気には止めないでしょう。
注意散漫を引き起こす行為は、運転手の注意を必要とする行為です。なぜなら、メールの内容の詳細に注意を払えば払うほど、道路に向けられる注意がそれてしまうからです。何百にもわたる研究結果が通話は危険だといっているのですから、私たちはそれに耳を傾けるべきなのです。
もしかして通話を控えることにより、あの、ポッドキャストが再生し終わってからの沈黙に耐えなければならないとしたとしても、そうするべきなのです。
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