2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
7 of the Strangest Allergies(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:アレルギーといえば、花粉でくしゃみをする季節のアレルギーや、喉を詰まらせる食べ物のアレルギーを想像しがちですが、花粉やピーナッツだけが原因ではありません。
アレルギーはモノに対する過剰反応なので、さまざまな原因で起こります。実際は危険でなくても、免疫システムが危険だと認識しています。結果として適切ではない反応が起こり、問題となるのです。
食べ物や植物や動物にアレルギーを持つ人を見慣れているため、アレルギーという概念は私たちにとって身近です。これらは一般的という考え方ができるのですが、分子的にも寄生虫が持つタンパク質に似ています。
ある研究者たちはアレルギーは侵略から身を守る免疫システムの過剰反応だと考えています。しかし、理解しがたい奇妙なアレルギーも存在します。
攻撃的なタンパク質がなんなのか特定できないこともあります。ピーナッツバターサンドイッチより回避が難しいものもあります。水や自分のホルモンなどです。今回はもっとも奇妙な7つのアレルギーを紹介します。
まずは自分の皮膚にかけてしまうアレルギーです。「皮膚描記症」とは接触に対するアレルギーです。写真のように、腕や背中に名前や症状を書いたりすることもできてしまいます。
これは一般的な反応が過剰反応したバージョンです。一般人の場合、ペンで腕に文字を書くと少し腫れます。しかし2〜5%の人には過剰反応が起こります。
まるで腫れきったじんましんのようになります。このことから皮膚描記症はそこまで珍しい症状ではありません。珍しいのはこれが極端になった場合です。極端にかゆくなったり、シャツ程度の接触にも耐えられないほどです。
何らかの理由で肥満細胞のヒスタミンの放出を引き起こします。ヒスタミンは他の化学物質のようなもので、血管を少し拡張させるものです。血の巡りが良くなり膨れます。医者が言うところのじんましんです。
じんましんは一般的な症状でメカニズムも、ある程度わかっています。抗体に基づき肥満細胞によってヒスタミンが放出されます。抗体の束が肥満細胞にくっついており、花粉やアレルゲンを認識することによってヒスタミンを放出させるよう肥満細胞に働きかけます。
「physical urticaria」とも呼ばれるこのじんましんは次にもご紹介するわけですが、抗体が認識するものが完全にはわかっていないため、なぜ起こるのかはまだ完全には解明されていません。
遺伝でもない限り、基本的には成人した頃に発症しますが、幼少期や人生の後半で発症することもあります。ヒスタミンは多くのアレルギー反応を引き起こすため、アレルギーの薬は抗ヒスタミン薬と呼ばれています。ヒスタミンが受容体にくっついて効果を発揮することを防ぐ効果があります。
その他の珍しいアレルギーとして振動性じんましんがあります。走ったり手を叩いたりと繰り返す運動をすることによって数分でじんましんを発生させます。1日に何回も起こる場合もあり、顔が腫れる場合もあります。振動に関する何かが肥満細胞を解放し、皮膚描記症よりは解明が進んでいます。なぜなら遺伝によるケースがあるからです。
遺伝的に振動にアレルギーのある人は肥満細胞の外側のタンパク質に免疫があります。タンパク質には2つのサブユニットがあるのですが、突然変異によってその2つが共存できなくなります。振動によってサブユニットの1つが落ちることにより肥満細胞が解き放つ信号を送り、じんましんが発症します。
寒さにアレルギーを持つ人もいます。冬にバスを待つのが本当に嫌いといったことではありませんよ。寒冷じんましんも物理的なじんましんのうちの1つで、深刻な事態にもなりえます。冷たいものを触ったり、冷たい風や水に触れることで血管性浮腫に伴うミミズ腫れになり、皮膚の下層が腫れます。
これが危険な理由としては、冷たい風や水などには突然触れてしまう可能性が大いにあるからです。スイミングやシャワーをしている時に誰かがトイレの水を流すことによって、突然水が出たりなどします。
非常に多くの肥満細胞がヒスタミンを放出するため、アナフィラキシーに陥ります。呼吸困難や血圧の低下などが起こり、生死に関わることもあります。フロリダやマウイ島に住む口実にもなりますよね。スイミングや冷たい飲み物には注意しましょう。
今回おそらく、もっとも珍しいアレルギーは水です。「水アレルギー」と言います。症状は非常に珍しいものです。世界に32人しかいないという試算もあるほどで、科学者もあまりよく理解できていません。しかし想像できるように支障は多いです。お風呂や飲み物、雨でさえうっとおしいどころか危険ですらあるのです。
水に触れて30分ほどでじんましんが発生します。たいていが首や腕などの上半身に現れます。水を飲むとのどが腫れ、自分の涙や汗にも反応してしまいます。しかし体内では問題はありません。少なくとも水分補給が可能なくらいには、他のじんましんのように抗ヒスタミン剤が使えます。しかしいつも有効というわけではないため、水を弾くために ワセリンやクリームなどをわざわざ塗らないといけないこともあります。
次はエクササイズへのアレルギーです。運動誘発アナフィラキシー「exercise induced anaphylaxis」と呼ばれています。ジムをサボるのに最適な口実と思う方もいるかもしれません。
しかしアナフィラキシーと呼ぶだけあって、危険な症状にもなりえます。じんましんや息切れ、吐き気や下痢から症状が始まります。
運動をやめると症状は和らぎますが、やり続けると血圧が下がり、のどが腫れ、心臓の血液の供給が止まります。明らかに良くない状況です。実際に人も死んでいます。
しかしながら幸運なことに運動誘発アナフィラキシーは珍しい症状です。普通はじんましんが起こる程度です。科学者はこれがなぜ起こるのかをまだ解明できていませんが、どうやら運動が脂肪細胞を刺激してヒスタミンとタンパク質を大量に解放させてしまうようです。
まだ証明はされていないものの、いい気分になる化学物質であるエンドルフィンが脂肪細胞を刺激し炎症を起こさせるのではないかという考えもあります。運動時にエンドルフィンが解放されることは知られています。バイクやランニングなどの継続的な運動はより引き起こしやすくなるのですが、人によっては落ち葉を掃いたり、歩いても発症します。
運動にもアレルギーがあるなんて、すでにおかしな話なのですが、さらにややこしくなったパターンもあるのです。ある一定の食べ物を食べた後にだけアレルギー反応が起こるというものです。食物依存性運動誘発アナフィラキシー「food dependent exercise induced anaphylaxis」と呼ばれています。
原因となる食べ物は人それぞれですがよくあるのは貝と小麦とトマトです。これらを食べた数時間以内に運動した場合にアレルギー反応が起こります。なぜこれが起こるのかというのもまだ謎です。お腹にある細胞が離れやすくなり、いつもより多くのものが通ってしまうという事実に関係しているのではないかと研究者たちは疑っています。
これにより摂取した食べ物のアレルギーと免疫細胞が接触しやすくなるのですが、アルコールを摂取した場合は事態が悪化する傾向にあります。運動は他にも影響を与えます。消化であったりお腹の免疫細胞に関する何か他のものだったりなどでわからないのです。
しかしこのケースでは、アレルギーの回避は簡単です。原因となる食べ物がわかっているならそれを食べないこと、もし食べたならそのあとは休み続けるということです。運動アレルギーの人に対して医者は以下のことを推奨しています。エピペンを持ち歩く、初期症状を理解して運動をすぐに中止する、緊急の際には事情を理解している運動のパートナーに助けてもらうなどです。
次のアレルギーは見つけてもそんなに嬉しいものではありません。精子に対するアレルギーです。ご想像の通りセックスが難しくなります。人体精漿過敏症「human seminal plasma hypersensitivity」と呼ばれています。複雑なものではなくタンパク質と精子にアレルギーがあるということになります。生物学的には女性に多く、女性の健康問題として研究されることがほとんどです。しかし男性も、たとえそれが自分のものでも、精子にアレルギーがある場合があります。
精子のどのタンパク質が問題なのかはまだわかっていないものの1つわかっているのは前立腺特異抗原(PSA)が関係しているということです。医者が前立腺癌をモニターする時に見るものと同じものです。性液に触れた部分が赤くかゆくなり、じんましんが出たり息切れで呼吸がしにくくなったりといった全身症状もでます。アナフィラキシーショックが起こる人もいます。
精子を生成できる人がコンドームを使えば防げますが、エピペンを準備する人もいます。しかしアレルギーの専門医はタンパク質に対する過剰反応の感度を鈍くさせるという方法も発見しています。花粉症のアレルギー用注射のようなものです。
膣に触れる性液の量を増やすか、もし膣がないなら反応するタンパク質を孤立させて皮膚に注射します。どちらにせよ、医者は抵抗を保つために性行為は2日に1回を推奨しています。
男性がこの症状になるのは珍しいものの、射精後病性症候群「post orgasmic illness syndrome」に関係しているのではないかと言われています。これは男性が射精後すぐにインフルエンザのような症状になり、1週間ほど体調を崩すというものです。
精子も大変ですがこちらはどうでしょう。「Autoimmune progesterone dermatitis (APD)」と呼ばれる症状です。自分の月経ホルモン、とくにプロゲステロンに反応します。月経周期の途中にプロゲステロンが蔓延し問題が発生します。プロゲステロンの上昇が発疹やじんましんや口の渇きを起こし、これが生理が始まるまで続きます。その後プロゲステロンのレベルは下がります。
定期的に湿疹が起こるため、循環じんましん「cyclic urticaria」とも言われます。本にも100例以下しかないため、科学者もまだ少ししか解明できていません。自分自身のホルモンへの反応のため、自己免疫疾患と考えられています。
アナフィラキシーも含む、アレルギー反応と同じ症状も多く見られます。プロゲステロンの生成を妨げるべく医者はホルモンセラピーを実施し、薬も多く存在します。
しかし本当に深刻な場合、卵巣を取り除く人もいます。こういったことがあるからアレルギーというのは奇妙で厄介なのです。カビや食べ物やペットにアレルギーがあるのなら避ければいいのですが、水や寒気や毎月やってくる自分自身のホルモン変動となると、それらを避けるために人生を設定しなければなりません。
健康な臓器なのに取り除かなければならなかったり、精液がアレルギーなら性生活に影響を及ぼします。軽いアレルギーでももちろん大変ではありますが、やはり近所の猫のせいで湿疹が出たりするよりは大変でしょうね。
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